このように、猫の不思議だなと思われる行動、見たことはありますか。
急に思い出したのですが、家族で動物園へ行ったときに、馬が鉄格子をひたすらペロペロ。一心不乱になめているところを目撃したことがありました。
実はその理由も、猫たちが床をなめる理由と同じく、動物学的根拠があると言われています。
猫が床や布製品、カーペットなどをなめる理由はいくつかあります。
その理由が動物たちの本能的行動から来ているものであれば、過度に心配する必要もないのかもしれませんが、中には注意が必要な場合もあるんです。
今回はその気になる理由について一つずつ説明していきたいと思います。
きっと理由を知ることで、可愛いと見ていた行動に隠されていた『猫が抱えている問題』に早く気付いてあげることができますよ。
猫が床をなめる理由
猫が床をなめるのはいくつかの理由が考えられますが、多くの猫は、栄養不足の場合が大半です。
しかし場合によっては、ストレスや認知症、病気などの可能性もありますので、普段の様子に変わった事がないかよく見ておきましょう。
ミネラル不足
猫が床をなめる理由として考えられる可能性が高いのは、ミネラル不足です。
ミネラルが不足していると、本能的に餌以外の所で補おうと、石や砂をなめる行動をとると言われています。
ミネラルは、健康を維持するために欠かせない16種類の必須ミネラルがあり、2種類に分けられます。
7種類の主要必須ミネラル | 9種類の微量必須ミネラル |
ナトリウム、カリウム、カルシウム、マグネシウム、リン、硫黄、塩素 | 鉄、亜鉛、銅、マンガン、ヨウ素、セレン、クロム、モリブデン、コバルト |
ミネラル不足になる原因
基本的に、キャットフードは栄養バランスを考えて作られているため、パッケージに記載されている適切な量が食べられているのであればOK。
しかし万が一、それでもミネラルが不足してしまう場合、考えられる要因は次の2つのことが考えられます。
- 人間の食べ物を多く与えていて、栄養のバランスが取れていない。
- キャットフードの切り替えをした。または、切り替える必要がある。
現在、日常的に与えているものの栄養面を少し考えてみましょう。
ミネラル不足や過剰摂取になった時の症状
ミネラルは、生命が生きていくために必要不可欠な物質です。
例えば、脳を作るために欠かせない「リン」や、酵素の働きを助け健康を維持するために欠かせない「マグネシウム」、神経伝達や筋収縮などに関係する「ナトリウム」などがあります。
これらが不足することによって、貧血や抜け毛、骨粗しょう症や発育の低下などの症状が起こることがあります。
一方で、何か一つ極端に過剰に摂取する影響により、欠乏症につながる恐れや、尿路結石のリスクが出てきてしまうため、摂取量のバランスが最も重要です。
ミネラル不足解消のための方法
これまでのことを踏まえると、解消方法としては
- 猫の体のことをよく考えられたキャットフードをしっかり適切な量で与える
- 年齢、食欲もそれぞれ違うため、愛猫の食事量に合ったキャットフードを選ぶ
ということが大切です。
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ヤギのミルクは脂肪分が少ない上に栄養価が高く、最近注目されています。
何が不足しているのか、お医者さんに相談してから与える方がより安心です。
自己判断でサプリメントを多く与え過ぎたりするのは危険なのでやめましょう。
すっごい勉強になるにゃ~。さすがペットフードマイスターのみぽりん♪
じゃあ次はゆねから、ペロペロしちゃう他の原因ってやつ、教えるにゃ!
癖
癖をやめさせたい場合は、気をそらしてみるやり方がおすすめ。
- 床や壁をなめるのを見かけたら声をかけて注意をそらして、きちんとなめるのをやめてくれたら、愛猫の好きなおやつやフードを少しずつ与える
- 知育グッズを活用する
癖というのは人間でも自分自身で気づいて、なおかつやらないように意識するというのは結構難しい場合もありますよね。
「こっちの方が楽しいよー」とうまく切り替えられるように、猫の意識を他に向けさせるのも効果的ですよ。
ストレス発散
ストレスから、床をなめるという行動をする場合もあります。
猫はストレスに弱い動物なんです。
わたし達飼い主が気にとめていなかったことでもストレスに感じることも。
- スキンシップ不足
- トイレが気にくわない
- 多頭飼いの場合や、家の外の猫との関わり
- 去勢・避妊問題 など
人間と同じように、猫もストレスや不安を抱えている場合、気分を落ち着かせるために行う「葛藤行動」や八つ当たりのような行動の「転嫁行動」というものがあります。
このような行動には、床をなめるということの他にも、
- グルーミング
- 爪とぎ
- 噛む
などの行動があげられます。
これらの行動は、猫によくみられる行動ですが、あまりにも過度になり過ぎると、猫自身の体にも、飼い主さんにとっても問題になることもあります。
それぞれ、問題解決するための詳しい記事もありますので、気になった方はぜひご覧ください。
認知症
認知症の症状が出ているの子にも、床をなめるという行動が見られることがあります。
年々猫の寿命が延びていることから、認知症の猫も増えているのが現状です。
年齢 | 15歳以上 |
---|---|
主な症状 |
|
認知症の疑いがある場合 | 別の疾患を見過ごしてしまう心配もありますし、獣医さんに診てもらいましょう。 |
また、通常排泄をしたあと肛門をなめて清潔を保つ猫ですが、そのことも忘れてしまうことがあります。
そして、汚れたまま別の行動に移るために、床が汚れてしまう事態に。
その後「自分の匂いがする」と猫が自分の匂いをたどった先が『床』だったために、なめ続けるというわけです。
こう言ったらあれだけど、おばあちゃん猫って、お口が匂う方も結構いるんだにゃ。年齢とともに歯周病になりやすいから、なめた箇所も匂っちゃうんじゃないかにゃ…掃除が大変そうだにゃ
病気
まれに病気の可能性が隠れている場合も考えられます。
腎不全、脾臓が弱っている、寄生虫とそれぞれチェック項目がありますので、我が家の猫が当てはまらないか見てみましょう。
- 脱水しやすく、無尿・乏尿になっていないか
- 食欲はあるかどうか
- 下痢や嘔吐がないか
- 原因不明の肥満はないか
- お腹の真ん中部分がたるんでいないか
- 疲れやすくないか
- たくさん食べても体重が増えないなどの症状はないか
- 下痢や嘔吐がないか
- 食欲はあるかどうか
思い当たる節がある方は、医師に相談しましょう。
カーペットをなめる理由
床や石だけでなく、カーペットやカーテンなどの布類をなめる猫も少なくありません。
こちらもなぜなめるのか気になりますよね。理由として考えられる事は次の通りです。
食べカスや匂いが残っている
カーペットの間に食べカスがつまって、匂いがするためになめる場合があります。
猫の嗅覚は人間よりはるかに鋭く、わたしたち人間の約数万倍~数十万倍鋭いと言われています。
ストレスや不安をかかえている
猫がいつもなめている原因がストレスの場合、『ウールサッキング』の可能性があります。
【ウールサッキングとは】
ウール=羊毛
サッキンング=しゃぶる
ウールサッキングは猫の問題行動の一つで、布や布製品をなめたり吸ったりといった行動のこと。
なめる程度ならあまり問題がないように思いがちですが、繊維がほつれてしまったり、かじって食べてしまうことがあると、飲み込んでしまう場合もあるため注意が必要です。
【床や石編】
- ミネラル不足
- 癖
- ストレス
- 認知症
- 病気
【カーペット編】
- 食べカスや匂いが残っている
- ストレスや不安解消のため
猫が床をなめることをやめさせたい!トラブルを未然に防ぐための方法
もともと狩猟本能がある猫はいたずら好きというのはみなさん頭にあっても、ひたすら同じ行動を繰り返されると、心配になってしまいますよね。
まず始めに不安に思うことは、何かゴミとか食べてしまわないかということではないですか。
飲み込んでしまったものが消化されずに体内に蓄積され続けると、腸閉塞などの危険につながる可能性もありますので注意が必要です。
そこで、そういったトラブルを避けるためには、2つのことを改善する必要があります。
- なめること自体やめさせる
- なめてしまうものを猫に合ったものに変更する
ということです。
そこで、以下のような予防と改善方法をご説明します。
食事の改善をし、原因を取り除く
動物は、本能で自分の体に足りていない栄養素がわかり、それを補おうとすることができるとは驚きですよね。
話はそれましたが、始めにお話しした通り、猫が床をなめる理由は『ミネラル不足』ということがわかったので、食事面の見直しをしてみましょう。
キャットフードの見分け方のコツとしては、成分表を見て一番最初に書かれている成分が一番多く配合されているものになるため、そこを見ること。
一番目がタンパク質であるものは栄養価が高い製品であることが多いですよ。
ストレスを改善し、なめる頻度を下げる
猫の不安やストレスをなくしてあげることは、問題行動を減らすのにはとても大切なことです。
掃除や整理整頓をする
何か食べ物のカスやまたたびなどの匂いが残っていて、猫がその匂いを辿ってなめている場合、掃除を徹底的に行う必要があります。
猫は抜け毛も多く、みなさん普段からお掃除は心がけていると思いますが、床をなめてしまう猫には特に意識を持った方が良いでしょう。
また、電化製品やその周辺のコード類も猫は噛んでしまったりすることもあるので、対策をしておきましょう。
カーペットの買い換えを検討してみる
確かに猫がなめそうなものや、ごみが溜まりやすいカーペットを敷かないというのも一つの手です。
しかし、猫が高いところからジャンプしてきたときに、何も敷かれていないと猫の足腰の負担にもなりますので安易に外すことも出来ませんね。
また、飼い主さんの過ごしやすさも考えると、難しい事もあるかと思います。
- ナイロン製などの合成繊維
- 毛足が短く、カットパイルのカーペット
(毛足が輪っかになっているループパイルは爪が引っ掛かりやすいので )
このようなカーペットでしたら、遊び毛が出にくく、繊維や毛玉が出にくいため、誤飲する可能性を低くすることが出来ます。
そして耐久性にも優れ、防ダニや防カビの製品も多くありますし、おすすめですよ。
まとめ
今回、猫が床をひたすらなめ続けるのはどうしてなのか、理由をお話させていただきました。
【床や石編】
- ミネラル不足
- 癖
- ストレス
- 認知症
- 病気
【カーペット編】
- 食べカスや匂いが残っている
- ストレスや不安解消のため
一心不乱にペロペロしている姿は何とも言えない可愛さがありますが、認知症や病気の可能性もあるということを知ること。
そして、誤ってゴミなど食べないよう、飼い主さんは注意すべきだということもわかりましたね。
- 食事を改善し、なめる原因を取り除く
- ストレスを緩和して、頻度を下げる
- 掃除や整理整頓をする
- カーペットの買い換えを検討してみる
猫の不思議な行動とみられることも、意味があったんですね。
猫のことをたくさん知ると、飼い主と猫との関係性や猫の気持ちが見えてきます。
もっともっと猫のことを知って、楽しく豊かに過ごしましょうね。