猫と一緒に生活していると、「謎だなぁ」と思う行動ってありませんか?
わたしの猫も、先日「にゃーにゃー」と、おもちゃの前で遊ぼうと鳴いてきたので、お気に入りの猫じゃらしで遊んであげることに。すると、急にそっぽを向いてどこかへ行ってしまいました。
「あれっ」と思い、振られた気分になっていると、トコトコと戻ってきて、また「にゃーにゃー」と鳴くんです。なので、また猫じゃらしで遊んであげようとすると、座り込んでムスッとした表情。
この謎の行動をひたすら繰り返すので、一連の行動をムービーで撮って猫仲間にLINEで聞いてみました。
そしたら、この猫の行動って意外とよくあることだったんです。
面白くなって、他にも今まで謎だなと思っていた猫の行動を、自分で色々と調べてみることに。
調べるほどに分かったことは、わたし達には謎に思えても、猫の行動ってちゃんと意味があるんだなということ。
今回はそんな、ちょっとわたし達には理解できない、猫の行動のナゾを解明。愛猫の心理を知ると、もっと愛しい存在になりますよ。
そして記事最後に、愛猫「ゆね」のおもしろ行動を紹介しちゃいます。ぜひ最後までご覧ください。
猫の行動は謎いっぱい?
まず初めに、猫の行動別にその理由を解説。普段何気なくしている行動にも、実はちゃんと意味があったんです。
1.高いところに登りたがる
猫ってキャットタワーというグッズもあるぐらい、高いところが好きなのは愛猫家さんもご存知ですよね。
わたしの家もキャットタワーを置いているんですが、キャットタワーよりも更に高いところに登りたいのか、一番高い棚の上に登っては、降りてこれなくなって「にゃぁにゃぁ」と鳴きます。
高いところが好きなのは、猫の本能にありました。
猫は昔より、外敵から身を守るために、高い木の上などで体を休める習性がありました。そのため、より高いところが安全だと本能が覚えており、高いところを目指してしまうんです。
そして、爪をひっかけながら登るため、登りは得意なんですが、実は降りるのはすごく苦手。降りられなくなって初めて、「ここは危険なんだ」と気づいて、かたまってしまうんです。
ただ、わたしが不在のときにも降りられない棚まで登ってしまい、怖い思いをしながら「にゃぁにゃぁ」鳴き続けていたことがあったので、その棚には登れないように道を塞ぎました。
室内飼いの猫は、脱走して初めて外に出てしまった時、外の世界にビックリしてどんどん高い場所に登っていってしまう危険があります。猫が外に出てしまわないように、しっかりと管理してあげましょう。
2.狭いところに入りたがる
狭いところが大好きというのも、猫の独特な習性ではないでしょうか。
わたしの猫は、わたしのベッドの下がお気に入りなようで、「あれ、どこいったんだろう」と姿が見当たらない時は大体そこにいます。
狭いところが好きなのも、猫の本能に大きな関係が。
猫は元々、狭い穴倉のなかで身を隠しながら獲物を狙っていたため、飼い猫となった今でも野生時代の名残りから、狭い場所を安心する場所だと思う猫が多いんだとか。
3.スリスリしてくる
家に帰ってきたら、トコトコっと近づいてきてスリスリタイム。お出迎えのスリスリ、ほんとに可愛いですよね。
猫がスリスリする理由は、甘えたいからという気持ちもありますが、一番は「自分の匂いをつけるため」。
猫の体には、「臭腺(しゅうせん)」というフェロモンなどを分泌する場所がある。
スリスリをすることで、臭腺(しゅうせん)によって匂いをつけてマーキングをし、自分の縄張りを示しているんですね。
もちろん甘えてスリスリするというのも、よくある猫の行動です。ただ、猫は賢いので、スリスリするとおやつが貰えるなどと覚えている場合も。
スリスリの可愛さに負けて、ついおやつをあげ過ぎてしまわないように注意してくださいね。
縄張り意識が強い猫は、スリスリするだけでは足りずに「おしっこ」をかけてしまうということも。もし家にお客さんが来たときは、お客さんの荷物の置き場所には注意した方が良いでしょう。
4.舐めてくる
猫は自分の体を定期的に毛づくろいする姿は、よく見かけると思いますが、たまにわたし達飼い主の手などをペロンと舐めてくるときはありませんか。
わたしの猫も、たまにペロペロと舐めてくるのですが、これは猫が気を許している証拠なんだとか。
仲間や家族という認識があるので、「毛づくろいしてあげる」という気持ちで、ペロペロと舐めてくるんです。猫の愛情表現の一つとも言えますね。
5.ふみふみしてくる
わたしが寝転がってテレビを見ているときや、本を読んでいるときなどに多いのですが、体の上にヒョイと登ってきて、前足でわたしの太ももをふみふみ。
この「ふみふみ」は、子猫が母猫の母乳を出す時に「ふみふみ」する行動から来てると言われています。そのため、ふみふみされるということは、あなたに甘えたいという表れそのものなんです。
柔らかくて温かい毛布や人肌などで、猫が心地いい気分のときにすると言われています。
ここまで紹介した5つの行動をおさらい
- 高いところに登りたがる
- 狭いところに入りたがる
- スリスリしてくる
- 舐めてくる
- ふみふみしてくる
そもそもこれらの行動は、大きく3つの行動パターンに分けることができます。
次の項目で紹介する行動パターンを覚えると、「あの仕草はこういう意味だったのか」などと新たな発見がありますよ。
猫の3つの行動パターン
- 親和行動
- 敵対行動
- 序列行動
番号順に、それぞれどんな行動パターンなのか説明していきますね。この行動パターンを理解すると、ますます猫の感情が見えてきます。
1.親和行動
【親和行動とは】
仲間や家族に対して親愛の”情”を表す、愛情表現の行動のこと
猫の親和行動の代表的なものとして
- お互いにグルーミングをする(アログルーミング)
- お互いにスリスリする(アロラビング)
- 肩を並べて走る
- 猫同士でじゃれる
といった行動があります。これは、猫同士だけの親和行動のようですが、アログルーミングとアロラビングについては、猫が人にも行う行動ともいえます。
人に対するアログルーミングとは
グルーミングとは、毛づくろいのことを指しますが、お互いに毛づくろいし合うことを、「アログルーミング」と言います。
グルーミングをしている猫も、されている猫も、相手を信頼している証拠なので仲間意識が強い猫同士に見られる行動です。
人に対するアログルーミングは、上記の項目でもご紹介したように、猫が飼い主の手をペロペロと舐めるときなどがそれにあたります。
これは猫から人への愛情表現ですが、わたし達が猫へ愛情表現をするとすれば、猫をマッサージしてあげることが、この「アログルーミング」と同じ行動にあたります。
猫の体をなでなで、マッサージするようにさすってあげると、初めは慣れずに逃げてしまっても、猫が自分で徐々にさすってほしい部分をあなたに見せてくるでしょう。
最終的にお腹を見せてくれたら、あなたと猫ちゃんの信頼関係は完全なものに。
人に対するアロラビングとは
アロラビングとは、猫同士が体をこすりつけ合う行動のことを指しますが、猫が飼い主の足元をスリスリとしてくるのも、この「アロラビング」にあたります。
アロラビングは親しみや愛情を表す行動の一つですが、もう一つの意味として「優位な者への挨拶」という意味があります。
これは、「スリスリされている側の者が優位にある」ということ。
【猫のアロラビング(こすりつけ)の方向】
- メス猫→オス猫
- メス猫→メス猫
- 子猫→メス猫
そのため、野生のオス猫はメス猫に比べてあまり自発的にスリスリしない傾向に。
これらのことから、「アロラビング=立場の弱い猫から、自分より優位な猫へ行うあいさつ行動」ではないかと言われています。
飼い主さんにスリスリするということは、飼い主さんのことを優位な者として認めているという表れ。
2.敵対行動
【敵対行動とは】
相手に対して敵意を見せつける、親和行動の真逆にあたる行動のこと
猫の敵対行動の代表的なものとしては、「縄張り・メス猫をめぐるオス猫同士のケンカ」。
その他にも、猫が嫌がることを相当しつこく行った場合などは、人やモノに対しても敵対行動を取る場合も、もちろんあります。
猫のケンカの特徴は
- 「シャーッ」と鳴いて威嚇する
- 爪を出さずに攻撃する(猫パンチ)
- 爪を出してひっかく
- 甲高い声で叫ぶ
多頭飼いをしている飼い主さんの中には、じゃれているのかケンカしているのか分かりにくいなんてことがあるかもしれません。
そのときは、猫の鳴き声をよく聞いてみてください。
本当のケンカの際は、「甲高い声」で連続して叫びます。鳴かずに猫パンチし合っている場合は、ただじゃれて遊んでいるだけなので、安心してくださいね。
もし、道でオス猫同士が激しくケンカしているのを見かけても、むやみに仲裁に入ろうとすると、あなたが怪我をする恐れがあります。猫がビックリするような、大きな音を立てるなどして直接手は出さないようにしましょう。
3.序列行動
【序列行動とは】
仲が良くも悪くもない相手にとる、お互いの立場を確認するための行動
すごく仲が良いわけでもなく、悪いわけでもないので自分と相手の「序列」をはっきりさせるために、行う行動なんですね。
- 相手をじっと見つめる
- 優先的に道を通る
- 相手を追い掛け回す
- 猫パンチするフリをする
- 相手を威嚇してみる
例えば、最初に自分が優位だと思って「相手をじっと見つめる」とします。
見つめられた猫は、「自分の方が弱い」と感じたら、パッと視線を逸らす。この時点で、猫の序列は決定。
そのため、猫パンチをするフリをしてみて、相手の猫が逆上してケンカに発展した場合、ケンカに勝った猫が序列としては優位な立場になるんです。
ただし、猫は犬ほど縦社会が厳しくないので、よく観察していないと分からないレベルではあります。
多頭飼いをしている家では、一匹だけが明らかに劣位にある場合、劣位の猫が強いストレスを受けてしまうことがあります。猫同士だけで解決はできないため、ゲージを分けてあげるなど、飼育環境を見直すことが重要です。
では、次は行動だけではなく、猫の体そのものに表れるボディランゲージについて、そこに潜む心理を解説していきます。
猫の行動やボディランゲージに潜む心理
猫が伝えたいメッセージは、これまで説明してきたように行動そのものにも表れますが、ボディランゲージとしてきちんと体にも表れているんです。
- 目
- 耳
- 尻尾
これらの体の部位別に、猫が伝えたいメッセージを紐解いていきますね。
1.目は口ほどにものを言う?
「目は口ほどにものを言う」という言葉は、実は猫にも当てはまるんです。
まばたきをする | 信頼や愛情のサインであり、あなたに心を許している証拠。たまにウインクすることも。 |
じっと見つめる | ガンを飛ばす・睨みつける。気になっている。 |
焦点がぼんやりしている | リラックスしている。 |
わたし達人間は、可愛いものはよく見ようとしてしまうため、まばたきせずにジッと見つめがちに。でも猫は、ジッと見つめられると「睨まれている」と感じて不安になってしまいます。猫ちゃんを見る時は、優しくまばたきをしたり、目を細めながら見てあげると良いですよ。
2.耳で分かる猫のご機嫌
耳も、猫の精神状態をよく表す部分の一つです。
前向きでピンとしている | 耳に力が入っていない状態のときは、通常モード。力が入っているときは、物音に集中しているということ。 |
平たく伏せる(イカ耳) | 苦手な音を聞いたり、怖い・不安だと感じたときは、真横にペタンを耳を伏せる。(通称イカ耳)後ろ向きに伏せている場合は、怒っている証拠。 |
少しだけ外向き | リラックスしている。眠たくてウトウトしているときなどに、よく見られる。顔全体の筋肉も緩みがち。 |
怒っているときは、耳を後ろに倒しますが、その角度が鋭いほどに怒りの度合は高いと思ってください。飼い主さんへは、「近づかないで」というメッセージになりますので、そっとしておいてあげましょう。
3.尻尾はコミュニケーションのツール
猫の尻尾は、猫同士のコミュニケーションツールとして、様々な形に動きます。飼い猫の場合は、わたし達飼い主へ伝えたいメッセージを尻尾で表してくれているんです。
ピンと立っている | うれしさを表している。敵意がなく、友好的な気持ちであることを示す。人へ行うときは、甘えているサイン。 |
足の間に入れる | 怖い・不安と感じている証拠。体をできるだけ小さくすることで、防御の姿勢をとっている。 |
ブンブンと素早く動かす | 怒っていたり、機嫌が悪い証拠。戦う相手を見つけたときに表れる。そっとしておくのがベスト。 |
あなたが家に帰って来てすぐに、猫の尻尾が足の間に入っており怯えているようであれば、なにか猫の周辺に変化があったということ。怖がっている原因を見つけて、猫を安心させてあげましょう。
次は、ちょっと変わった面白可愛い猫の行動を紹介。
猫の面白い・可愛い行動3選
ここでは、わたしの猫やネコ仲間の友達から聞いた、猫の面白・可愛い行動をご紹介。あなたの猫も、同じことをしているかもしれません。
1.ものすごい体勢で爆睡
ある日、お昼寝中の可愛い寝顔を写真に撮ろうと思い、キャットタワーのハンモックで寝ている猫を覗いてみたら、仰天。
仰向けになっているまでは良いんですが、ダンゴ虫のように丸まっており顔が体に埋もれて全く見えない。
顔も見えないので、写真どころではなくなってしまったんですが、寝相が個性的すぎて記念にパシャリ。
苦しくないのか心配でしばらく観察していましたが、グーグー気持ちよさそうな寝息が聞こえてきたので、そのままそっとキャットタワーを離れました。
ちなみに、猫の寝顔を撮るときはシャッター音なしのカメラアプリがおすすめですよ。猫の写真を綺麗に撮る方法について書かれた記事もあるので、ぜひご覧くださいね。
2.顔の上で寝る
わたしの友達の猫は、特に子猫のときに多かったみたいなんですが、夜寝ていると友達の頭や顔面の上に登って来て、寝ていたそうです。
そのせいでしばらく睡眠不足になってしまったようですが、成猫になってお気に入りの寝床を見つけてからは、頻度は減ったそう。
わたしの猫は、夜中にたまに重たいなぁと思って目を覚ますと、お腹の上にデーンと乗っていることはありますが、顔面はさすがに未経験です(笑)
ちなみに、寝ている間によくベッドに来る子は”ふかふか”とした感触が好きという特徴が。ふかふかの寝床を用意してあげると、自分の寝床でぐっすり眠ってくれますよ。
3.トイレについてくる
わたしの猫も、友達の猫にもよくある行動の中に、トイレについてくるというのがありました。
トイレに入ると、ドアの前で「開けろ」と言わんばかりに鳴きます。
トイレにまでついてくるなんて、なんとも可愛い。いつもキュンとしながら、「待っててねー」と声をかけます。
家族が多い家は特にみたいなんですが、トイレの中だと飼い主さんと2人っきりになれる、と分かってて鳴いている猫もいるんだとか。
まとめ
いつも何気なく猫がしている行動には、ちゃんと意味があります。
【よくある猫の行動】
高いところに登りたがる | 危険から身を守る本能から |
狭いところに入りたがる | 狭いところが安心する本能から |
スリスリしてくる | 縄張りに匂いをつけている・甘えている |
舐めてくる | グルーミング(毛づくろい)してくれている |
ふみふみしてくる | 子猫のときの名残・甘えている |
これらは猫を飼っていると、よく見られる行動ですね。
それぞれにちゃんと意味があるので、猫の習性をきちんと理解して、甘えてきているときは愛情表現を返してあげると、猫ちゃんももっと幸せに過ごせますよ。
また、これらの行動は、3つの行動パターンに分類できます。
- 親和行動…親しみや愛情を表す行動
- 敵対行動…危険な動物・モノにたいして表す行動
- 序列行動…仲が良くも悪くもないため、立場の優劣を決めるための行動
猫の行動が謎で、理解できないときは、どれに当てはまりそうか考えてみると猫の心理が見えてくることも。
そして、いつもクールに見える猫も、わたし達にメッセージを伝えるためにボディランゲージを駆使しているんです。猫の感情がよく表れる、体の部分はこの3つ。
- 目
- 耳
- 尻尾
猫だけに限らず、動物は一緒に暮らしていると、時として「面白い顔」や「可愛い顔」をたくさん見せてくれますよね。その分だけ、わたし達に笑顔をたくさんくれます。
言葉が話せないからこそ、他に表れる感情を理解することで、もっと絆が深くなる。この記事が、そんなあなたと猫ちゃんの手助けになると嬉しいです。