突然ですが、先ほど我が家で起こったプチ事件を聞いてください。
ゆねがいつものようにお気に入りのキャットタワーで遊んでいたのですが、なんだか様子が違うのです。
ゆねはキャットタワーの頂上で、向こう側の壁に取り付けてあるエアコンを真剣に見つめていました。
ピョン!
ドテ!
ゆねは向こう側の壁のエアコンの上に飛び移りたかったらしいのですが、流石に距離が遠すぎて失敗してしまいました。
ゆねはきっと新しいことに挑戦してみたかったのでしょうね。
皆さんの猫ちゃんは、こんなふうにジャンプに失敗したことはありますか。
微笑ましい気持ちで見ていた、猫がジャンプを失敗する様子。
実はそれには様々な理由があったのです。
この記事を読めばその理由と、隠された猫のジャンプの秘密が分かりますよ。
猫のジャンプ力はどれくらい?
皆さん、猫じゃらしなどのおもちゃで猫と遊んでいるとき、猫のジャンプ力に驚いたことはありませんか。
うちの先代猫みゅうやしゅりもジャンプ力が凄まじく、タンスの上やカーテンレールの上など、どうやって登ったのか分からないくらい高い場所にいることが多かったです。(そして降りられなくなっていたっけ)
実際、猫はどれくらい高くジャンプできるのでしょうか。
猫のジャンプ力は、猫の体高によります。
体高・・四つ足をついて立った時の、背中から地面にかけての高さ。
猫は、自身の体高の5倍の高さまでジャンプすることができるのです。
品種によっても違いますが、成猫の体高の高さの平均は25cm〜30cm。
ですので、平均1.25m〜1.5mの高さをジャンプすることができるのです。
猫のジャンプ力を紹介した動画を見つけて、少し長いのですがつい面白くて見入ってしまいました。
もしお時間があれば見てみてくださいね。
猫のすごさも分かり、思わずクスッと笑ってしまいます。
猫がジャンプが得意な理由
確かにどうしてそんなに高く跳ぶことができるのでしょうか。
室内で飼うことが多い現代、猫がジャンプ力に長ける理由は想像しにくいですよね。
猫の祖先は木に登ることが多かったから
猫の祖先は砂漠で暮らしていましたが、それよりももっと昔の祖先は、森の中で暮らして今した。
森で暮らす猫の食料は、鳥類や昆虫類が大半で、たまにトカゲやコウモリも食べていたといいます。
お気づきかもしれませんが、これらの生き物はすべて木にとまったり、高いところに自由自在に動ける生き物なんです。
ですので猫も必然的に獲物を仕留めるため、高い木に登って待ち伏せをしたり、木から木へ飛び移ったりしていたのですね。
後ろ脚の筋肉が発達しているから
前章で紹介した、木での狩りをするために、猫の後ろ脚の筋肉は発達を遂げます。
猫の脚の筋肉はスプリンター(短距離走)に向いていて、瞬発力が非常に優れています。
野生の犬が狩りをする際は、獲物をひたすら追いかけて、獲物が疲れてスピードが落ちてきたところを捕らえます。
これは犬の持つ筋肉が、瞬発力よりも持久力に長けているからです。
それと逆で、猫は犬のように長時間走ることはできませんが、バネのような瞬発力で一瞬で獲物を捕らえます。
背骨が柔軟性に優れているから
猫が寝ているときなどに、猫の体が丸くなっているのを見たことがありませんか。
「猫背」という言葉がありますが、わたしたち人間がどれだけ頑張って背を丸くしたところで、猫のようには縮こまることはできませんよね。
猫の背骨は非常に柔軟性が高く、この柔軟性が「猫背」を可能にします。
猫背になって体を縮め、バネのように体を伸ばすことで大きくジャンプすることができるのです。
ジャンプを失敗する理由
猫の優れたジャンプ力は、祖先から受け継いだ体に秘密があったんですね。
色々あるみたいなので、ひとつずつ解明していきましょう。
足をすべらせた
足をすべらせて上手く跳べなかった、これはなんとなく想像がつくのではないでしょうか。
- 床が水で濡れていた
- 床がツルツルしている(ガラスの上など)
これは人間なら普通に歩いていても転びそうになってしまいますよね。
加齢によるもの
猫は11歳頃からシニア期に入ります。
猫の11歳は、人間に換算すると大体60歳ほど。
60歳にもなると、体の衰えが出てきますよね。
それは猫も同じで、体の機能の衰えでジャンプをしなくなる、またはできなくなる傾向にあります。
運動不足
猫は日頃から運動をしていないと、運動不足となり筋力が衰えてしまいます。
筋力が衰えるとジャンプしてみても失敗することが多くなり、失敗する恐怖心からジャンプをしなくなります。
そうするとさらに運動不足になり、肥満となります。
運動不足になってしまわないためにも、おもちゃなどで遊んであげましょう。
わたしがゆねとよく遊んでいるのはこちらのおもちゃです。
おもちゃ目掛けてピョンピョン跳ねる姿は、とても楽しそうですよ。
怪我をしている
なんらかの原因で猫が足に怪我を負っている場合、ジャンプをしない可能性があります。
怪我をしていればジャンプすると痛みが出ますので、当然とも言えますよね。
- 足を引きずっている
- 歩き方がおかしい
- 触ろうとすると怒る(怪我の部分を触られると痛いため、嫌がります)
「もしかして怪我?」と思ったら、これらに注意して様子を観察し、病院へ受診しましょう。
病気の可能性がある
実は、病気が原因でジャンプに失敗している可能性もあります。
- 変形性関節症
- 貧血
- 重症筋無力症
このうちのどれが原因か、と断言するのは難しいですが、考えられるものをご紹介しますね。
変形性関節症
猫によく見られる関節炎、変形性関節症です。
骨と骨の間にあってクッションの役割をしている軟骨が、なんらかの原因で炎症を起こし、それに伴い関節が大きくなる(変形する)病気。
- 動きたがらなくなった
- 少しの段差でもジャンプしなくなった
- 元気がない
- 足を触ると嫌がる
原因が分からない場合が多いため、予防法がないのが現状です。
様子を見ておかしいと感じたら、早めに病院へ連れて行ってあげましょう。
重症筋無力症
神経から筋肉への伝達が上手くいかなくなってしまい、筋肉の力が弱くなる病気。
- 歩こうとしても歩けず、うずくまる
- 段々と歩けなくなっていく
- 食べ物を上手く飲み込めなくなる
- 鳴き声がかすれてくる
とても怖い病気ですよね。
この病気の発症は先天性と後天性どちらも有り得ることで、残念ながら予防法はありません。
上手く歩けない様子が見られる場合は、早めに病院へ受診しましょう。
ジャンプ失敗後、猫が取る行動って?
ゆねにスルーされてしまいましたが、実はジャンプに失敗したあとに猫が取る行動があるんです。
それを、転位行動と言います。
ジャンプに失敗したことによるイライラや、びっくりしてドキドキした気持ちを落ち着かせるためにこの行動を取るんです。
- 毛づくろい
- あくび
- 爪とぎ
- 意味なくウロウロする
まとめ
猫のジャンプ失敗について、分かったことをまとめていきましょう。
猫のジャンプ力は体高の約5倍なので、平均1.25m〜1.5mの高さをジャンプすることができます。
野生の頃の名残りでジャンプすることが大の得意な猫ですが、時には失敗してしまうことも。
- 足場が悪く、足をすべらせた
- 加齢により、体の筋力が衰えてきた
- 運動不足
- 足に怪我を負っている
- なにかの病気の可能性がある
運動不足の猫は肥満になりやすいので、おもちゃなどで遊び適度に運動させてあげることを心がけましょう。
怪我、病気の可能性に関しては、足を引きずったりなどいつもと違う様子が見られるはずですので、注意深く観察し、早めに病院へ連れて行ってあげてくださいね。
猫がジャンプを失敗するのを微笑ましく見ていましたが、意外にも様々な理由があったことが分かりましたね。
猫ちゃんがジャンプに失敗したら、体に怪我がないか確認し、優しく見守ってあげられるといいですよね。