あまりにも活発でパワーが有り余る猫ちゃん。走り回るのは健康の証。元気なのは嬉しいけど、走り回って家の中がめちゃくちゃになって困っていませんか。
その気持ち、よくわかります。
ちょいちょいと前足で物を落とそうとする姿を見たら、もう大変。こっちは落とす前に何とかしなきゃ、とヒヤヒヤなのに、猫ちゃんは「何のこと?」と、とぼけた顔。あの顔が憎らしくも可愛い。(笑)
そしてよく「避妊したらおとなしくなるよ」と耳にしませんか。実際わたしはオス、メスどちらも飼育経験がありますが、手術をした後性格に変化があったかと聞かれても、正直わかりません。
今回は、元気すぎて困っている猫ちゃんを少しおとなしくするテクニックや、なぜ避妊手術をしたらおとなしくなると言われているのかの理由、避妊手術の知識も紹介していきたいと思います。
元気すぎて困る行動と対処法
元気すぎて困る行動
元気すぎて困った行動をする猫ちゃんは多いです。子猫のうちは本当にやんちゃで、我が家でも一苦労しました。他の猫を飼っている方はどうなのかなと調べてみると、以下の行動が特に多いことが分かりました。
- 時計など動くものに執着する
- 興奮しやすい
- いたずら好き
- 夜の運動会(夜電気を消してから家中を走り回る行動)
夜の運動会は本当に納得。同じ悩みを抱えている方が結構いて、わたしは安心してしまいました。
しかし、ずっと猫ちゃんの相手をしていると、遊んで遊んでと余計にヒートアップしてしまいます。ここからは、実際わたしが試してみて効果のあった、元気すぎる猫への対処法を伝授したいと思います。
元気すぎる猫へは、こう対処すべし!
1.疲れさせておとなしくなってもらう
暗くなってくると猫の目がランランに輝き始めます。猫は夜行性なので仕方がないですが、そんな元気に走り回る猫にはズバリ、疲れさせるのが一番です。
時間を決めて思い切り遊んであげましょう。猫ちゃんの体力を少なくしておくと、疲れておとなしくなります。
この時のポイントは、短時間で思い切り遊ぶこと。
だらだらと遊ぶと、体力の消耗が少なく、逆にもっと遊んでほしいと噛んできたりします。これでは問題行動は増えてしまいますね。
わたしはいつも10分ほど猫じゃらしで、全身を使って遊ぶようにしています。わたし自身もダイエットになるので積極的に動いています。終わる頃には二人でぐったり(笑)
この方法で、夜に暴れることも少なくなりました。
2.しつけをしてみる
猫は犬と違ってあまりしつけができないと言われています。これは猫の上下関係が薄いから、という理由だそうです。簡単に言うと、飼い主をボスとして見ていないのです。
猫は群れを作らず単体で行動する生き物。よく言うボス猫は、態度が大きいだけで、他の猫に指示や命令をしているわけではないのです。
ですが、猫は人間の感情や雰囲気を読み取ることができます。いけないことをしたら「ダメ」と大きな声で言ってみたり、無視をすると、猫はどうしてそうなったか考え、理解します。
もしまだ子猫の場合は、首の後ろをぐっとつかんで、飼い主さんの目線の高さまで持ち上げてみましょう。これは親猫が子猫を運ぶ際や、叱るときに行う行動です。これをされると、ダメな事をしたと理解してもらえるはず。
3.興奮させるものを置かない
カチカチ動く時計の針や、風が吹いてカーテンが揺れるだけで、猫は触りたくなり、時には攻撃を仕掛けて壊してしまう場合も。
これは狩猟本能と言って、猫はネズミなど動くものを対象とした狩りを行っていた動物なので、仕方がない行動でもあるんです。ですが、行き過ぎは困ったものですよね。
この場合の解決策として、興奮の原因になるものは目に入らないように工夫しましょう。
例えば、時計はデジタル表示のものにしたり、揺れるカーテン以上に集中して遊べるおもちゃを用意するなどです。キャットタワーや猫用トンネル、爪とぎなどがいいでしょう。
猫ちゃんが集中できるおもちゃを選ぶ時間は、結構楽しいですよ。
元気すぎる行動と発情期の関係
メスの猫は、春先から夏の終わりごろまでの年に数回(2~3回と個体差があります)発情期を迎えます。
この発情期に交尾ができれば妊娠、出産と進んでいきますが、交尾ができないと猫は、モンモンとした感情を出す、はけ口がなくなりどんどんストレスがたまります。この感情はとても強いもので、時には病気の原因になってしまうことも。
もしかするとストレスによって、普段より元気に動き回るようになっているのかもしれません。
発情期の流れ
猫は子育てをしやすいように、春先から夏にかけて平均2回発情期を迎えます。妊娠期間は2か月。本能で時期をちゃんと選んでいるのってすごいですよね。
そして発情期間は2週間~3週間程続きます。この発情期は4つのサイクルがあると言われています。
発情前期 | 食欲は減るけど普段より活発に動くようになる。約5日ほど続く。 |
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発情期 | 本格的にオス猫を受け入れようとする期間。約4日ほど続く。 |
発情後期 | メス猫は交尾を受け入れなくなる。約1日で終わる。 |
発情休止期 | 次回の発情周期が来るまでの待期期間。妊娠が成立しなかった場合は10日ほど期間があき、再度発情期に突入。 |
この発情前期と発情期に普段より活発な行動をとる猫が多いです。
- 頭を低くし、おしりを高く突き上げるようなしぐさ(ロードシス)
- くねくね床に体をこすりつける(ローリング)
- 遠吠えのように大きな声で鳴く
- 落ち着きがなくなったり、普段以上に甘えてくる
これらの行為は、生理現象です。無理に止めたり叱ってしまうと余計にストレスがたまり、余計に活発になってしまうなど逆効果になります。
この時期は猫にとってつらいものです。猫の気持ちになって、そっと寄り添ってあげたいですね。
発情期に気をつけたい猫への接し方
普段より甘えてくるからと猫を必要以上に撫でてしまうと、その刺激がきっかけで発情のスイッチが入ってしまうことも。
これが原因で落ち着きがなくなってしまうことがあります。体を触るという行為よりは、体を動かして運動メインにする方がいいでしょう。
前半でお話しした「元気すぎる猫への対処法」のように、おもちゃなどを使ってストレス解消してあげると、活発な行動は少し抑えることができます。
避妊したら性格は変わるの?
もし妊娠を望んでないなら、避妊手術を考えてみるのも一つの手かもしれません。
手術をすると婦人系の病気を防ぎ寿命が長くなる場合がある事、発情期にストレスを感じなくなるため、発情期特有の活発な行動を抑えることができるなどメリットがあります。
ですが、そもそも「避妊をするとおとなしくなる」というのは本当なのでしょうか。
手術後の性格の変化
避妊、去勢手術をして性格に変化があったという猫は、実は少ないんです。
しかし、性格に変化がなくても、性ホルモンが原因として起こっていた問題行動は抑えられるんです。
性ホルモンによって起こる行動は、発情期によくみられる行動のことで、上で説明していた落ち着きがなくなる、くねくね体をこするなど。
これらは避妊手術を受けることによって改善できることがあるそうです。この行動がなくなるので、おとなしく感じるという方が多いのかもしれませんね。
ちなみにオス猫は発情期はありません。発情期のメス猫を見つけると、その都度発情するようですよ。
避妊手術のメリット・デメリット
ここからは猫を飼っている方なら知っておきたい、避妊手術の知識についてお伝えしていきます。これを読むと、手術を受けるかどうか、今後の病気についても考えるきっかけになると思います。
メリット
望まない妊娠が減る
室内飼いで一度も外に出たことない猫でも、ちょっと目を離した隙に窓から脱走をしてしまう危険性があります。
その際に何もなければいいですが、万が一、発情期に脱走してオス猫と鉢合わせてしまったら妊娠してしまうかもしれません。その万が一を、手術していることによって防げるのです。
生殖器疾患の予防
性ホルモンの影響を受けなくなるため、子宮に膿がたまる子宮蓄膿症(しきゅうちくのうしょう)や、乳腺腫瘍(=乳がん)の発生するリスクを下げることができると言われています。
これらの病気になるのを防げると健康でいる期間が長くなり、結果、長生きする猫が多いようです。
発情期のストレス減少
性ホルモンが分泌されなくなるので、発情期の猫のストレスがなくなります。とびかかったり攻撃的になることも少なくなるので、これは飼い主さんにもメリットがありますね。
デメリット
麻酔のリスク
手術の際は全身麻酔をかけます。麻酔の事故はかなり少ないですが、無いと言い切れません。麻酔の量を間違えてしまうと長い時間意識が戻らなくなったり、最悪の場合は死んでしまいます。
太りやすくなる
手術をすると猫のホルモンバランスが変わります。代謝が落ちたり、食欲旺盛になる子もいるようです。その結果、太りやすくなります。
手術後はご飯の量を減らしたり、避妊した猫用のキャットフードが売られているので、そちらを与えてみましょう。
ちなみに、わたしが以前飼っていた猫ちゃんは、よく食べ、よく寝るようになりました。
手術後の様子は要観察
手術後2、3日は病院にいたストレスや、傷口が痛くてじっと動かなくなる子も多いです。そっと見守ってあげましょう。
しかし、餌を食べないなど、元気がない状態が3日以上続く場合は要注意。動物病院に行ってみてもらった方が安心です。
避妊手術を受ける時期
初めての発情が来る前、生後6カ月~生後12カ月の間にするのが適していると言われています。ですが、個体差があり、早いと生後4カ月から発情期を迎えてしまう猫もいるようです。
そして猫の発情は、人間のように陰部から出血があるわけではないので、とても分かりにくいです。
避妊手術を考えている方は、早めに動物病院へ相談しておくのがいいですね。
猫は交尾の刺激で排卵するという交尾排卵動物(こうびはいらんどうぶつ)です。
人間や犬とは違い、複数のオス猫と交尾をし、それぞれの子を一度の出産で産むことができるのです。なので、兄弟で全く違う色や柄の猫ちゃんが生まれるのも珍しくないんですよ。
手術方法
ほとんどが1日入院して行います。手術内容は、全身麻酔をかけ、お腹を開き左右の卵巣、子宮を取り除きます。また、最近は腹腔鏡(ふくくうきょう)手術と言って、開腹せずに、お腹に小さな穴をあけ行う手術方法もあるようです。
こちらは傷の治りも早いですし、猫に負担がかかりにくい方法です。
値段
手術自体は1万5千円~3万円ほどかかったという方が多いようです。わたしの時は2万円ちょっとだったと記憶しています。
このほかにも検査代や入院費、エリザベスカラー(傷口を舐めないようにする首に巻くもの)のレンタル代などがかかります。
動物病院は自由診療なので値段の差はありますが、トータルで8万円~10万円ほどを見積もっておくといいでしょう。
ちなみにこちらがエリザベスカラーです。当時わたしはプラスチック製のものを借りましたが、最近はこんなに可愛いものがあるんですね。これなら傷がなくても欲しいかも。
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まとめ
今回は、元気すぎる猫ちゃんへの対処法、避妊手術をしたら性格の変化があるのかのお話をしました。結論として、元気すぎる子は発情期も関係している。だけど、避妊手術をしてもおとなしくなるとは限らないということが分かってもらえたと思います。
しかし、避妊手術を受けることで、猫の発情期に受けるストレスを軽減できたり、病気を防ぐことにより寿命が長くなるメリットもあります。しかしながら麻酔のリスクや太りやすくなるというデメリットもあるのが悩みどころ。
愛猫ちゃんが避妊手術後、発情期ではないはずなのに元気すぎる時は、もともとの性格が活発で元気なのでしょう。そんな時の対策はこの3つ。
- 短時間で思い切り遊び疲れさせる
- ダメな事は「ダメ!」と伝えしつける
- ゆらゆら動いて猫が興奮するようなものを置かない
発情期の猫の行動や、元気すぎてやんちゃな行動も、可愛いあなたの猫ちゃんだから見れる行動です。知識を得たこれからは、すべてを受け入れる広い心で接してあげたいですね。
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