待ちに待った猫ちゃんたちのお楽しみ時間、「ご飯の時間だよ~!」。
猫ちゃんが美味しそうにご飯をほおばる姿を見れるこの時間、わたしの楽しみの時間でもあるんです。そう思いながら愛猫を眺めていると。
元気に走り回って体調には問題なさそうだけど、餌を食べなくなったことはありませんか。
猫が餌を食べなくなる原因は、わたし達に何かを訴えているサインと、体の変化によるものです。
元気だからといって何も対応せずにいたら、ストレスによる病気を招いて、辛い思いをさせてしまうかもしれません。
今回は元気だけど餌を食べない時の、猫の気持ちと体の変化、それらに合わせた解決方法についてご紹介します。猫ちゃんの訴えてるサインがわかれば、より一層愛猫が可愛くてしょうがなくなるでしょう。
成猫が何も食べなくても平気なのは1日
猫の元気があるけど餌を急に食べなくなる理由は、気持ちや体の変化によるものです。
だけど猫は気分によって、「今日は食べたくない!」と思ったら、お気に入りのご飯だったとしても、急に食べなくなっちゃうことって実はよくあるんですよね。
猫が何も食べなくても問題ない時間を、月齢別に分けたのがこちらです。
生後1~2ヶ月 | 8時間以内 |
生後2~3ヶ月 | 12時間以内 |
生後半年 | 16時間以内 |
1歳以上 | 24時間以内 |
成猫が何も食べなくなった時は、元気であれば1日様子を見てみるのが良いでしょう。
だけど、36時間(1日半)何も食べない状態が続くと、「肝リピドーシス」という病気になる可能性が高くなります。
「肝リピドーシス」とは体内の脂質が過剰に肝臓にたまり、肝臓が正常に働かなくなる病気。太った猫は要注意。
体調に変化がなくても、餌を1日口にしないのであれば、一度病院で診てもらうのが安心です。
では次に、元気なのになんで猫ちゃんはご飯を食べなくなっちゃうのかについて、詳しく説明していきますね。
猫が元気なのに餌を食べなくなる原因とは?
猫が元気だけど食べなくなる原因は主に6つあります。
- キャットフードの味に飽きた
- 新しいフードが好みじゃない
- 環境の変化へのストレス
- 成長期が終わり食欲が落ち着いた
- 繁殖期になった
- 老化による食欲減退
それぞれの食べない原因を詳しくご紹介していきます。
1,今までのキャットフードに飽きた
まず考えられるのは、今まで食べていたキャットフードに飽きてしまった可能性があります。
そうなんです。猫の気まぐれは突然やってくる。
美味しそうに食べているから、しばらくこの餌を与えれば大丈夫かな、と思いきや急に飽きて食べたくなくなってしまうんです。
そして猫は、一度食べたくないと思うととっても頑固者。
何がなんでも口にしてくれないので、「そんなの食べるくらいなら死んでやる!」と思っている子も中にはいます。
飽きた餌をなんでそんなに食べたくないのかというと、生きていくためにはいろいろな食べ物を食べた方が良いという生存本能が深くかかわっています。
昔飼っていた我が家の猫も、美味しそうに食べるキャットフードの大袋を買ったとたん飽きてしまい、一切口にしなくなりました。
ただ猫は初めにお伝えしたように、食べムラがある生き物なので、栄養とは関係なしに、なんとなく食べたくない気分の時もあります。
1日様子を見てから餌を変えるか検討してみるのが良いでしょう。
2,新しいフードの味が好きじゃない
猫の飽きがこなように、いくつかキャットフードを用意しても、与え方を間違えると失敗してしまうことがあります。
- 新しく用意した餌の味が好みじゃない
- 何種類かの餌をコロコロ変えられて嫌になった
こんな理由で食べたくない、ということもあるんですよね。
猫は、様々な食べ物から栄養を摂りたいと考えながらも、危険なものは避けたいと思っています。
単独で暮らしていくための、自分の身をまもる本能ですね。
猫が美味しいと思って食べるものは、昔食べたことのある物で、生後6か月までに食べた物しか口にすることはありません。
なので新しいフードを買ってきたからといきなり変えたり、いくつか用意しても、昔を思い出す味でないと食べてくれない事が多いのです。
ただ猫は賢い生き物なので、「食べなければ美味しいご飯を用意してくれる」と学んでしまうと食べない事もあります。
3,環境変化へのストレス
猫は好奇心旺盛で新しい物好きだけど、変化を嫌う生き物でもあるんです。だから住んでいる環境が少しでも変わると、とってもストレスを感じちゃうんです。
特に引っ越ししたり、家族が増えたりの環境の変化は、猫にとっては大きなストレス。慣れるまでに時間がかかります。
我が家の猫ちゃんは、ソファの位置が変わった時に、「いこいの場を変えたな」と言わんばかりにわたしを凝視したまま固まり、ご飯を食べる事を拒否しました。
猫のストレスになりやすい環境の変化は、上記以外にもこんなことが当てはまります。
- 餌皿を新しくした
- ペットを新たに迎え入れた
- ご飯を食べる場所が賑やかでゆっくり食べれない
どんな事が愛猫ちゃんのストレスになるのか気付けるように、普段から観察が必要ですね。
4,成長期が終わり落ち着いた
猫の成長期はかなり短く生後12ヶ月まで。
生後12ヶ月を過ぎると、それ以降はほとんど成長しないから、成猫に近づくにつれて食欲は落ち着きます。
いっぽう成長期の子猫時代は、成猫の約2~3倍のカロリーが必要なため、ガツガツと音が聞こえてきそうなくらい、見事な食べっぷり。
成猫の適正体重は、1歳の時の体重と言われているから、大幅に少ないということが無ければ、食欲が落ち着いてもそれほど気にしなくて大丈夫です。
だけど、痩せているのに食いつきが悪い時は、病院で一度診てもらった方が安心でしょう。
5,繁殖期になった
猫の発情期は季節によって変わります。ピークは冬から春にかけてと夏頃で、年に2~3回くらい。暖かくなって日中の明るい時間が長くなったら、発情期が始まります。
季節に合わせて発情するのはメス猫だけで、オス猫はメス猫のフェロモンに誘われて発情スタート。
発情期は食べることより異性に興味津々。異性を探すために体がウズウズするから、優雅にお食事を楽しんでる場合じゃなくるんですよね。
とくに去勢手術・避妊手術をしていない猫に見られます。
思春期の子に、「恋より勉強に集中しなさい」と言っても難しいように、猫ちゃんも「お相手を探すより食べなさい」と促しても難しいですよね。(笑)
もし妊娠を望んでいないのであれば、乳がんなどの病気になるリスクを減らすためにも、避妊手術・去勢手術をするのが良いでしょう。
手術のメリット・デメリットや手術にかかる費用についてはこちらでご紹介してます。
ただ繁殖期以外にも季節によって食事量が変動することもあるんです。
外の気温や日照時間で、夏は食事量が減り、冬は食事量が増える。そして猫も夏バテするから、体調管理には注意が必要ですね。
6,老化による食欲減退
これは説明しなくともわかると思いますが、やはり猫も年を重ねると若い時より運動量が減り、食欲は落ちます。
10歳を超える高齢猫は、1日なんと18時間~20時間平均して寝てるんですよ。
友人の高齢猫ちゃんは、大好きなママが帰ってきた時しか動かないようです。
この他にも嗅覚や味覚が低下したり、噛む力が弱くなりドライフードでは固すぎて、食欲が落ちちゃうことがあります。
猫の食欲を誘う4つの対策
猫ちゃんの、元気はあるのに餌を食べなくなる理由が分かったと思います。
体の異常ではない時、猫ちゃんの食欲を戻すためにわたしがしているとっておきの対策を、これからご紹介していきます。
◆いつものフードの食感や味を変える
今食べている餌に飽きている場合は、食感や味に変化をつけてみると良いでしょう。方法はドライフードにウェットフードを混ぜたり、猫用ふりかけをトッピング。
わたしはお茶パックにかつお節入れて、餌袋の中へ投入。ニオイを変えるだけでも、食欲が戻りバクバク食べてくれます。
家にドライフードしかない時は、ふやかすのもオススメです。
- 人肌ぐらい(約35度~約37度)のぬるま湯を用意
- ぬるま湯をフードが浸るぐらいまで入れる
- フードがふやけるまで待ち、柔らかさが足りない場合は少しずつぬるま湯を追加
- 指で潰せる程度に柔らかくなったら完成
ドライフードをふやかす際にも注意点があるので、詳しくはこちらを見てみて下さい。
◆フードの切替は時間をかける
美味しそうなキャットフードをみつけた時は、「喜んでくれるかな?」なんて考えると、すぐに与えたくなっちゃいますよね。
でもちょっと待ってください。
猫は初めての食べ物は、警戒心が働き食べてくれません。好奇心が強い子は食べるかもしれませんが、いきなり変えては下痢や吐いてしまうこともあります。
体調を崩してしまうと、「この餌を食べたら具合が悪くなる」と嫌な記憶が残ってしまい、2度と食べてくれなくなります。
そこで愛猫の体調を崩さずスムーズに餌を切り替えるには、こちらの方法がとっておき。
- 今まで食べていたフードに、新しいフードを気付かれぬよう少しずつ混ぜる。
- 与えるごとに新しいフードの割合を増やす。
- 10日ほどかけて新しいフードへ切替をする。
フードを切り替えるときの注意点もあるので、詳しくはこちらをご覧ください。
◆猫が安心できる環境を作る
猫はわたし達には気付かない、小さな変化にもストレスを感じてしまう繊細な生き物なんです。
例えば「○○をした後に食べなくなった」と心当たりがあれば、戻せる変化は戻してあげましょう。
でも中にはどうにもならない変化もありますよね。
引っ越しをした、家族が増えるなどの環境が大きく変わる時は、猫がリフレッシュできるように努めるのが一番です。その方法がスキンシップ。
- いつもより長くブラッシングする
- お気に入りのおもちゃでたくさん遊ぶ
以前飼っていた猫ちゃんと一緒に引っ越しをした時、初めのうちは部屋の隅に隠れてなかなか姿を見せてくれませんでしたが、「新しいお家はどう?」と話しかけながらブラッシングをしたら、安心してくれたようでうっとり顔で寝てました。
そしてご飯には、愛猫お気に入りの食事を混ぜるなど、慣れるまで工夫してみるのも良いでしょう。
我が家の猫ちゃんは、出汁パックで香りをつけたドライフードに、猫用ふりかけでさらに香りをプラスすると、どんなに不機嫌でも絶対食べる。
◆老猫用の餌に変える
猫の体力が衰え始めるのは、7歳を過ぎるころから。
寝ている時間が増えて食欲が落ちる以外に、味覚や消化器系がだんだんと弱くなることも原因です。
猫の食欲が今までと比べて落ちてきてるなら、猫の消化の負担にならないことも考えつつ、香りをつけるとよく食べるようになりますよ。
- ウェットフードに変える
- 温めて、香りで食欲をそそる
- ふやかして食べやすくする
1つずつ詳しく説明していきます。
ウェットフードに変える
一番簡単な方法は、ドライフードからウェットフードに餌を切り替えることです。
ウェットフードはお肉やお魚の香りが強いため、嗅覚が衰えているシニア猫にとってオススメフード。
消化にもよく、水分補給にもなるため喜んで食べるでしょう。
温めて、香りで食欲をそそる
ウェットフードを温めるとさらに香りを強く出せます。
以前飼っていた高齢猫ちゃんは、ご飯の香りに誘われて、温め終わるのを今か今かと電子レンジの前で待っていました。
温める方法は「電子レンジ」「湯煎」があります。
- 電子レンジ・・・耐熱容器に移し、ラップをかけて数十秒温める。
- 湯煎・・・お湯をいれた鍋に、パウチタイプのフードを袋のまま入れて温める。
※どちらの場合でも、温めムラがないようほぐして人肌程度になったことを確認してから、与えましょう。湯気が立つほど温めると、美味しくなくなります。
ふやかして食べやすくする
ドライフードをふやかすのは一度ご紹介しましたが、噛む力が弱くなっているシニア猫にも、オススメの方法です。
「のどが渇いたから水を飲む」という感覚が鈍くなるシニア猫は、水分補給の為にもドライフードをふやかして食べさせるのが良いでしょう。
シニア猫の食欲をそそるのに一番簡単なのは、「ウェットフードに切り替える」ですが、「ドライフードをふやかす」方がお財布に優しいので、私はよくドライフードをふやかして与えていました。
同じ餌に飽きてしまった場合の解決方法でもお伝えしましたが、出汁パックの香りをつけておいたドライフードをふやかす、わたしがしていた一番オススメの秘策です。
- ウェットフードに変える
- 温めて、香りで食欲をそそる
- ふやかして食べやすくする
シニア猫の食欲をそそるための3つの方法をご紹介しましたが、それでも食べてくれない場合は、シニア用フードに切り替える事を考えてみると良いでしょう。
シニア用フードもいくつか種類があるので、体調も相談しながら動物病院で診てもらうのが安心です。
シニア猫についてこちらでも詳しくご紹介しています。ぜひご覧ください。
少しでも不安な時は動物病院へ
ここまで猫が体調に問題がなく、元気だけど餌を食べない原因についてご紹介してきました。
体の変化によるものと、食べない事によってわたし達に何かしらのサインを送ってくれています。
このサインを見逃さないよう、普段から様子を見ておくのはもちろんですが、猫は体調に変化がある時こそなかなか素顔を見せてくれません。
その理由は、自然界で生きるときに弱みを見せては狙われてしまうからです。飼われるようになった今でも、弱った姿は本能的にご主人様にも見せようとしません。
猫が餌を食べない場合、「飽きてしまった」「今は食べたくない」以外に口内炎・毛玉が溜まっているなど、病気やケガの可能性もあります。
1日様子を見て食べない時は、元気であっても必ず動物病院へ連れて行き、診てもらうようにしましょう。
まとめ
猫が元気だけど餌を食べない原因は、この6つが考えられます。
- キャットフードの味に飽きた
- 新しいフードが好みじゃない
- 環境の変化へのストレス
- 成長期が終わり食欲が落ち着いた
- 繁殖期になった
- 老化による食欲減退
そして体調の異常ではない時、猫ちゃんの食欲を戻すためのオススメの方法はコレ。
- いつものフードの食感や味を変える
- フードの切替に時間をかける
- 猫が安心できる環境を作る
- 老猫用の餌に変える
猫ちゃんのお食事タイムは、体調に異変がないか確認できる時間です。普段からご飯の食べっぷりを見て、体の変化に気付けるようにしておきましょう。