友人と話しているとこんな話題に。
実はわたし達人間も好き嫌いがあるように、猫にも食べ物の好き嫌いが起こりやすいんです。
せっかく栄養価の高いフードを選んであげていても、偏食のせいで残されてしまっては、元も子もありません。
なんと好き嫌いの原因を作っているのは、ほとんどがわたし達飼い主。
あなたは、猫が餌を食べないときに、猫のご機嫌取りに必死になっていたりしませんか。
わたしも猫が餌を選り好んで食べなくなってから、餌を食べてほしくてついつい甘やかしてしまった経験が。
好き嫌いが深刻化することで、大切な猫の健康が脅かされる事態になることも。
ここでは、餌の好き嫌いに悩む飼い主さんへ、どうして猫が好き嫌いをしてしまうのか、また、猫が餌を選り好みしないように飼い主であるわたし達が気を付ける点などをご紹介します。
猫が健康に長生きするためにも、食事の管理はわたし達飼い主の大切な役目。
猫が餌を選り好む理由が分かれば、ちゃんとした解決策が見えてきますよ。
猫が餌を好き嫌いしてしまう理由
1.人間の食べ物を食べさせている
わたしもこの気持ち分かります。
あのつぶらなウルウルの瞳で「くださいな」と見つめられたら、「まぁちょっとぐらいなら良いか」と思ってあげたくなってしまいますよね。
人間の食べ物を食べていることで、味付けの濃い食べ物に慣れてすぎてしまい、キャットフードを食べてくれなくなるケースは、実は飼い猫にはあるあるなんですよ。
2.おやつの食べすぎ
猫のおやつは種類が多く、味や匂いも猫好みに作られたものがたくさん販売されています。
猫が好きな匂いや味付けになっているため、餌のドライフードをなかなか食べない子でも、食いつきが良い場合があります。
猫がおやつを喜んで食べてくれるとうれしくなっちゃいますよね。
でもおやつをたくさんあげすぎちゃうことで、いざゴハンのときにはお腹が減っておらず食べなくなってしまうことに。
そして、餌を食べなくても、またおやつが貰えることを覚えてしまっていることで、食べ物の好き嫌いをするようになるんです。
3.餌の風味が落ちている
そうなんです。猫は他の動物と比べても匂いにとっても敏感で、食べ物は匂いで判断しています。
だから、キャットフードの風味の落ちた、劣化した餌は食べたがらないんですよ。
餌の風味が落ちる原因は、ほとんどが「置き餌」。
こまめに餌を入れ替えずに、餌を置いている時間が長くなるほどに、餌の風味は落ちていきます。
また、風味が落ちた餌は酸化が進み、栄養価も悪くなっています。
置き餌をしていなくても、大袋で餌を買った場合などは保存状態が悪いと、餌袋の封を切った時からフードの酸化が進んでしまい、風味が落ちる原因に。
4.フードがよく替わる
フードがしょっちゅう替わることも、猫が餌を好き嫌いをするようになる原因の一つ。
猫の餌の食いつきが悪いと不安で、猫が美味しく食べるおやつで釣ってみたり、違う餌をあげたりと、いろいろ試してみちゃいますよね。
猫のことを思った行動ですが、実はしょっちゅう餌を変えてしまうと、猫はもっと美味しいものが出てくると期待して、今の餌を食べなくなってしまうんですよ。
【猫が餌を好き嫌いする原因】
原因は多くが飼い主側にある。
- 人間の食べ物を食べさせている
- おやつの食べ過ぎ
- 餌の風味が落ちている
- フードがよく替わる
好き嫌いが続くとどうなるの?
せっかくキャットフードも準備したけど、結局こっちしか食べないからと、人間の食べ物やおやつをゴハン代わりに食べさせ続けることで、猫にも生活習慣病のリスクや栄養不足に陥る危険が。
人間の食べもので心臓病や腎臓病のリスクが増える
人間の食べ物といっても、ここで注意したいのは調味料を使ってある味の濃い食べ物。
塩分の多い食事はわたし人間でも、高血圧や心臓病、腎臓病のリスクを上げるため、気をつけたいところですよね。
もちろん人間同様、猫の体にとっても塩分は必要なもの。
ですが、全身から汗を出す人間と違って、猫はほとんど汗をかかず、体外に多くは排出できないため摂取量は人間よりも少なくて良いのです。
体に入った多くの塩分を排出するため、また血液中のナトリウム濃度を下げるために、猫の体にはたくさんの水分が必要になります。
体の中の水分が増えるということは、腎臓と心臓に大きな負担を与えてしまい、結果、心臓病や腎臓病のリスクが上がってしまうんです。
猫の腎臓病は7歳頃から増え始め、15歳以上の約8割の猫がかかる病気。
シニア猫を飼っている方は特に注意したいですね。
関連記事:【猫が汗をかくのは肉球のみ!?】注意すべき熱中症の対策を紹介!
おやつのあげすぎは肥満や糖尿病のリスクが増える
こちらも人間同様、おやつのあげすぎは、猫の肥満の原因になります。
さらに肥満の猫が糖尿病になるリスクは、標準体型の猫の約4倍以上。
猫の糖尿病は食事に注意してあげるだけではなく、場合によってはインスリン注射が必要になることも。
猫にも飼い主さんにも、大きな負担になってしまう病気なんですよ。
関連記事:猫の肥満は見た目でも判断出来る!あなたの猫ちゃんは大丈夫ですか?
おやつだけでは栄養不足になる
わたし達が猫の餌にと買うキャットフードは、主に『総合栄養食』というもの。
【フードの種類】
- 総合栄養食…栄養価の整った主食になるもの(ご飯とおかず)
- 一般食…総合栄養食のサブ的な役割(おかずのみ)
- 間食…ご褒美やご飯までの合間に食べるもの(おやつ)
猫の好きなおやつが総合栄養食のウェットフードの場合、選り好んで他の餌を食べなくなってしまっても栄養はちゃんと摂取できているから問題ありません。
ですが、一般食や副食ばかり好んで食べて、メインの総合栄養食であるキャットフードを食べてくれないという場合は、十分ば栄養が摂れず、栄養不足に陥ってしまう危険があるんです。
餌の好き嫌いを直す【5つの対策】
好き嫌いすることでのリスクを知れば、餌をきちんと食べてほしいという飼い主さんの気持ちはみんな同じだと思います。
今あなたの猫が好き嫌いをして、餌を選り好むようになっていたら、次の方法を試してみてください。
1,人間の食べ物をあげない
人間の食べ物は、猫にとっては毒になるものがたくさん。
どんなにおねだりされても、栄養学の知識がなければあげないほうが猫の為。
日ごろから人間の食べ物を与えないようにしておくと、猫もそれが普通になって、わたし達の食事に興味を持たなくなります。
人間の食べ物を食べる癖がついてしまうと、最後にあなたの猫ちゃんが苦しむことになってしまいます。
子猫のうちから、人間の食事が与えないようにすることが大切。
もう成猫になってしまったという場合でも、これからはどんなに可愛い顔で横に立たれておねだりされても無視するようにしましょう。
2,おやつはご褒美のときだけに
おやつは、しょっちゅうあげるのではなく、決まったときだけにしましょう。
猫が家でお留守番をしていて、帰ってきたときなどに、あくまでご褒美という位置づけであげましょう。
おやつのあげすぎは、肥満の原因。「適度」がとても大切。
毎日おやつをあげてしまうと、どこかの時間で必ずおやつをおねだりするようになり、おやつをくれないせいで餌も食べないということにも。
3,餌をいつまでも置かない
餌をすべて食べきっていないのに、下げてしまうのは可哀想な気がしますが、食べない餌をいつまでも置いておかないようにしましょう。
餌をいつまでも置いておくと、いつでも食べられる状態のため猫も安心してしまいます。
この餌を食べないと、もう餌がもらえませんよということを教えてあげなくちゃいけないんです。
そのため、餌を置いて15分~20分ほどしても食べない場合は下げてしまってください。
そして、1時間~2時間後にまたあげてみましょう。
これを繰り返すうちに、お腹を空かせた猫は根負けして餌を食べます。
猫より先に根負けせずに、粘り強く続けること
ちなみに、初代猫のみゅうのわがままボディから学んで、同じく先代猫のしゅりはこの方法で餌を選り好みせずに食べるようになりました。
かわいいからこそ、時には厳しい心も必要なんだなと実感。
その時はちょっと可哀想でしたが、続けてみる価値ありですよ。
4,餌の時間を決める
餌の風味が落ちるのを防ぐためにも、置き餌せずに、餌の時間を決めてしまいましょう。
おねだりされた都度あげているという人も、これを機に見直してみてはいかがでしょうか。
いつでも餌が食べられるダラダラ食べになってしまわないよう、食事にメリハリをつけることも大切。
決めたサイクルが猫にとっても習慣となれば、出した餌を決まった時間に食べるようになります。
うちでもゆねのゴハンは1日2回、時間を決めて与えています。
【ゆねのゴハン時間の見本】
- 朝 7:00
- 夜 19:00
餌をあげる回数などについて詳しく知りたい人のために、こちらの記事をピックアップしました。ぜひ参考にしてみてくださいね。
関連記事:猫の年齢で変わる!?【餌の適切な回数】1回量に悩まない早見表付き!
5,餌を頻繁に替えない
餌をしょっちゅう替えてしまうと、この餌を食べなければもっと美味しい餌をくれるはずだと思って、今の餌を食べなくなります。
餌を頻繁に替えることが原因で、好き嫌いをしなかった猫が餌を選り好んで食べるようになってしまうケースも。
そのため、飼い主さんの気分でころころと餌を替えることは、やめましょう。
一日に食べる餌の量は、きちんとはかって把握しておこう
なぜ一日に猫が食べる餌の量を知っておくことが大切かというと、食べなかったときにもどのくらい食べていないか、すぐに把握することができるからです。
カロリーや栄養不足は猫の体によくないので、きちんと管理してあげましょうね。
また、食いつきが悪くなっている餌を食べやすくしてあげる工夫も必要です。
餌を食べやすくする方法へ進む前に、ここまでをおさらいしましょう。
【餌の好き嫌い対策】
- 人間の食べ物をあげない
- おやつはご褒美のときだけに
- 餌をいつまでも置かない
- 餌の時間を決める
- 餌を頻繁に替えない
餌の食いつきを良くする方法
餌の食いつきを良くするには、猫が好きな香りや食べ物を入れて、餌に興味を持たせてあげなきゃいけません。
猫の餌は、栄養価の高い高価なフードほど味が薄いものが多く、栄養面より価格を下げる事を意識したフードほど味付けが濃く猫好みのものが多い。
この豆知識は当時猫歴8年目の友人に教えてもらい、アドバイスのもと、フードの特徴を活かした餌のあげ方を実践。
どんなあげ方かというと、食べてほしい栄養価の高いドライフードに、一般食(おかず)のウェットフードを少しまぶしてあげるという方法です。
ウェットフードは水分が多いため、猫が好きな特有の匂いがしっかりするフード。
水分補給にもなるし、ドライフードだけだと食べてくれない時には、ちょうど良いですよね。
少しずつ食いつきが良くなり始めて喜んでいたのもつかの間。次は餌皿の中から一般食のフードだけを選り好んで食べるという問題が発生したのです。
そこで、ドライフード60%に対してウェットフード40%ぐらいにして、まんべんなく二つをかき混ぜてからあげてみました。
しばらくはその割合を続けながら、徐々にドライフードの割合を増やして、ウェットフードの割合を減らして餌をあげるようにしていったところ、最終的にはドライフードのみで食べてくれるように。
時間はかかりますが、餌皿を置いて完全にプイッとされてしまうよりは餌をきちんと食べてくれるので安心ですし、混ぜてあげるだけなので簡単にできました。
ドライフードとキャットフードの割合について、詳しく知りたい人はこちらの記事も合わせてチェックしてみてください。
関連記事:【理想の割合】猫のドライフードとウェットフードの特徴と与え方!!
餌の正しい保存方法
猫が餌を食べたがらない、選り好む理由には餌の鮮度も大きく関わっています。
わたし達も、出来立てアツアツのご飯が食べたいように、餌の鮮度が落ちて風味が変わってしまった、美味しくない餌を猫は嫌がります。
そのため、ここで餌の保存方法についてきちんと知っておきましょう。
【餌の保存方法一覧】
フードの種類 | 開封前 | 開封後 | 注意点 |
ドライフード | 高温多湿は避け、直射日光の当たらない冷暗所 |
|
湿気・酸化対策を必ず行う |
ウェットフード | 高温多湿は避け、直射日光の当たらない冷暗所 |
|
缶のまま冷蔵庫へ入れず、必ず密閉容器に移し替える |
一覧表と合わせて、次のポイントも要チェック。
- ドライフードは湿気大敵のため、乾燥剤を利用しよう
- 密閉容器は湿気・酸化対策にも効果的
- ウェットフードは缶のまま冷蔵庫に入れない
乾燥剤付きの保存容器を使うと、保管が便利で楽ですね。虫などからも、ドライフードを守れますよ。
また、おすすめなのが珪藻土を使った保存方法です。
珪藻土の魅力についてはこちらでご紹介していますので、ぜひご覧ください。
関連記事:キャットフードの保存は珪藻土にお任せ!【頼れる効果とお手入れ方法】
まとめ
今回は猫が餌を好き嫌いする原因と問題点、そして対策についてご説明してきました。
猫が餌を好き嫌いする原因は飼い主にあることが分かりましたね。
【猫が餌を好き嫌いする原因】
- 人間の食べ物を食べさせている
- おやつの食べ過ぎ
- 餌の風味が落ちている
- フードがよく替わる
そんなリスクを猫に負わせないために、好き嫌いは克服したいですね。
【好き嫌いを直す5つの対策】
- 人間の食べ物をあげない
- おやつはご褒美のときだけに
- 餌をいつまでも置かない
- 餌の時間を決める
- 餌を頻繁に替えない
好き嫌いなく、栄養バランスの良い食事を摂ることは健康で長生きの秘訣。
あなたと猫ちゃんが、いつまでも健康に暮らしていける参考になると嬉しいです。
関連記事:オールステージ用キャットフードとは?【長所や短所と選ぶ際の3項目】
関連記事:猫は餌でダイエット!?キャットフード選び3つの要点と4つの移行手順