愛猫家さんなら誰しも、一度は悩むであろう「猫のエサ食べ残し問題」。
気まぐれなところも猫の魅力の一つですが、振り回される飼い主さんはちょっと大変。特に食事をちゃんと取らないって、かなり心配。
猫はよく、食欲にムラがあるなんて言ったりしますが、ただの気まぐれなのか特別な理由からなのか、分かりにくいですよね。
わたしが飼っている猫も、ある日突然ご飯をちゃんと食べなくなったことがあったんですが、どこか具合でも悪いんじゃないかと心配になり、いろいろと調べてみることに。
調べて分かったことは、猫は体調が悪い以外にもご飯を食べなくなる理由がたくさんあるんです。
ここでは様々な原因の中から、よくあるケースを5つに絞ってご紹介。
あなたも今「猫のエサ食べ残し問題」に悩んでいるなら、この記事を読んで対策を考えてみてはいかがでしょうか。
対処法についても後半でご紹介しますので、ぜひ最後まで読んでみてくださいね。
本当に大丈夫?まずは病気ではないか疑おう
猫が餌を残す時は、体調不良以外にも原因が多いとはいえ、やっぱりどこか具合が悪いんじゃないかと疑いたくなるもの。
まずは、本当に病気ではないかきちんと健康状態をチェックしてあげると、あなたも猫ちゃんも安心ですね。
ここで、体調不良の時、猫が見せるサインを一覧にまとめました。
体調不良のサイン | メモ |
眠っている時の呼吸が速い | 健康な猫は、寝ている時も呼吸はゆっくりと一定。 |
いつもと違う場所でうずくまっている | 身を守るため、誰も来ない狭い場所で休みたがる。 |
下痢・嘔吐がある | 繰り返す下痢・嘔吐は、内臓に不調がある可能性が高い。 |
尿の色が薄い・濁っている | 健康なおしっこの色は、濃い目の黄色。 |
よだれを垂らす・食べ方がおかしい | 猫は口内炎になりやすいため、口内が痛い可能性も。 |
くしゃみを繰り返す | 繰り返すくしゃみは、感染症やアレルギーが疑われる。 |
猫は言葉が話せないので、こういったサインにいち早くわたし達が気づいてあげなくてはいけません。
そのため、少しでも気になる箇所があったら、すぐに動物病院できちんと診てもらいましょう。
特に、猫のおしっこは健康のバロメーター。
日ごろから、猫の尿の「色・量・ニオイ」を観察しておくことも、猫の健康を守る秘訣。
猫のオシッコには健康情報がたっぷり含まれています。毎日のトイレ管理は、掃除だけでなく、貴重な健康チェックのチャンス!普段の状態を知っていればこそ、異変にも早く気づいてあげられるもの。最低でも月に1度は、オシッコ(液体)そのものをチェックする習慣をつけましょう。
では、次の項目では、病気以外で猫が餌を残してしまうよくあるケースについて、詳しく説明していきますね。
猫が餌を残してしまう理由5つ
病気の場合以外で、猫が餌を残してしまうよくある理由を、5つにまとめました。
1.いつもの餌に飽きてしまった
毎日同じ餌を食べ続けたことで、餌の味に飽きてしまったパターン。
猫が餌を残すようになる、定番の原因です。
わたし達人間も、毎日同じ味のご飯を三食食べ続けると、かなり大好物のご飯でもさすがに飽きちゃいますよね。猫もそれは同じなんです。
特に、おやつを食べたり違う味を知ってしまうと、毎日同じ味のご飯は猫にとってはだんだんと退屈なものに。
なので、この理由が原因だった場合の解決法は割と簡単なんです。
対処としては、いつもの餌にちょっと変化を加えてあげるだけ。
詳しくは、対処法の項目でお伝えしていきますね。
2.キャットフードの種類を急に替えた
「もっと栄養バランスの良いキャットフードを食べさせたい」などの理由から、キャットフードの種類を替えたという時、気を付けたいのは「急に」替えてしまっていないかということ。
猫は嗅覚や舌が敏感な動物なので、いつものご飯がある日突然違う味に替わってしまうとビックリして食べないという場合があるんです。
3.おやつの食べすぎ
おやつの食べすぎによって、餌を食べたがらなくなるということも。
おやつは味も匂いも濃く、猫の好みに作られたものがたくさん。
そんなおやつに比べ、キャットフードは栄養バランスの整った、人間でいうと野菜たっぷりの健康食のようなもの。
こう考えるとおやつばかり欲しがるのも理解しやすいんじゃないでしょうか。
人間の子どもでも、おやつばっかり食べて肝心のご飯は食べずにお母さんが手を焼くというのは、よくある話ですよね。
そう考えると猫ってますます子どもみたいに感じちゃいます。
おやつの食べすぎは、猫の肥満にもつながる問題のため、おやつをあげる量やタイミングについては飼い主さんがきっちりと管理してあげたいですね。
4.環境の変化などストレスによる食欲低下
猫は環境の変化やストレスに敏感で、そのせいで食欲がなくなってしまうという場合も。
- 引っ越しによる環境の変化
- 餌皿を新しくした
- 食べる場所が変わった
- 一番なついている飼い主さんが留守
この中でも、引っ越しによる環境の変化は猫にとっては大きなストレスに。
「犬は人につき、猫は家につく」という言葉があるほど、猫にとって引っ越しは大きな環境の変化なんです。
その他にも、猫の周りに最近変化がなかったかどうか思い出してみてください。
猫のストレスになるような変化があれば、次にわたし達がすべきことは、ストレスを取り除いてあげること。
この続きは対処法にてご紹介しますね。
5.老化による食欲の低下
猫も加齢が進むと、次第に食欲がなくなっていきます。
老化によって、噛む力も衰えることから、食が細くなる傾向に。人間でも、「歳を取るほど、若い時みたいに食べられなくなった」というのは、よく耳にしますよね。
確かにちょっと寂しい話ですが、そんな時でもそっと猫ちゃんに寄り添ってあげられるのは飼い主さんだけ。
猫の年齢に合わせて、食事の与え方や食べ物を考えてあげましょう。
それでは、ここまでをおさらい。猫が餌を残してしまうよくあるケースは、次の5つでした。
- いつもの餌に飽きてしまった
- キャットフードの種類を急に替えた
- おやつの食べすぎ
- 環境の変化などストレスによる食欲低下
- 老化による食欲低下
これ以外にも、猫が持つ野生の習慣から、後で食べるために餌をキープしているというケースもあります。
自力で餌を見つけていた時代の野生猫は、次の餌がいつ見つかるか分からないため、餌を一度に全部食べてしまわずに、少しずつ小分けにして食べていました。
今の飼い猫にもその野生の習慣が残っており、ちょこっと食べをする猫が多いと言われています。
次の項目では、餌を残さずに食べてもらうための方法をお伝えしていきます。ちょっとしたひと手間や工夫だけで、難しい方法はありません。
餌を残さず食べてもらうには
まずは餌の味が飽きてしまった場合に、試してみてほしい方法から紹介します。
違うフードに切り替えてみる
同じ味が飽きたのならば、思い切って別のフードを試してみてください。
栄養バランスを見直す良い機会にもなり、今よりも猫の健康に良いフードと巡り合えるかもしれません。
キャットフードを切り替える時は、「急に」切り替えるのは禁物。今のキャットフードから徐々に新しいキャットフードに移していきましょう。
わたしの猫も、餌の味に飽きてしまっていたようで、別のフードに替えてからは以前のようによく食べるようになりました。
キャットフードを切り替える正しい手順については、この記事に詳しく載っています。そろそろ違うフードに切り替えようかなぁと言う人は必見ですよ。
フードの食感を変えてみる
いつも食べている餌に、違う食感を加えてみてあげるのも簡単にできる方法の一つです。
例えば、ドライフードをメインであげているなら、ウェットフードの柔らかい食感をプラスしてあげると、猫はいつもとちょっと違う食感に喜ぶことでしょう。
わたしの友達の猫ちゃんは、液状タイプのおやつをいつものドライフードの上にかけてあげると、ものすごい勢いで食べてくれるそうです。
そのおやつを出しただけで、遠くにいてもダッシュで餌皿までくるから、ちょっと怖いぐらいと言ってました(笑)
液状タイプのおやつは低カロリーのものが多いので、カロリーオフのおやつを中心に試してみるのもおすすめ。
また、ウェットフードやおやつなどを買わずに、ドライフードだけあげたいという人には、いつものドライフードをふやかしてあげてみてください。
用意するものは、いつものドライフードとぬるま湯のみでOK。
【ふやかす手順】
- 人肌ぐらい(約35度~約37度)の、ぬるま湯を用意
- ぬるま湯をフードが浸るぐらいまで入れる
- しばらくするとフードがぬるま湯を吸ってふやけてくるので、柔らかさが足りない場合は少しずつぬるま湯を追加
- スプーンで押してみて完全にフードが柔らかくなったら完成
この時に、ぬるま湯を猫の好きな鰹出汁や、チキンスープに変えてあげると、より香りが強くなり、食いつきがよくなりますよ。その時は必ず、無塩のお出汁でふやかしてあげてくださいね。
ドライフードを正しくふやかす方法をもっと詳しく知りたい人には、以下の記事がおすすめ。
おやつを与えすぎない
栄養価の高いキャットフードよりも、おやつの方が猫の嗜好性(しこうせい)に合った濃い味付けのものが多い。
そのため、おやつを食べすぎると、おやつよりも味付けの薄いキャットフードを食べなくなってしまいます。
人間でも、ハンバーガーやフライドポテトなどのジャンクフードばかりを食べていると、その濃い味付けに慣れてしまって、普通のご飯が味気なく感じてしまうなんてことがありますよね。
猫のおやつも同じように考えて、与える回数を決めておきましょう。
わたしは猫におやつをあげるのは、基本的にはご褒美の時だけと決めています。
お留守番を頑張ったときや、動物病院で大人しく診てもらったあとなど、「よしよし、頑張ったね。」というときに、あげるようにしていますよ。
ご飯の時間を決める
もし今、餌をあげている時間がまちまちになってしまっていたら、餌をあげる時間をきちんと決めてあげてみてください。
この時間に食べないと、次の時間までは餌は食べられないということを猫に教えてあげましょう。
餌をあげる回数や時間は、あなたと猫ちゃんのライフスタイルに合わせて決めて大丈夫。わたしの猫は、朝8:00 昼15:00 夜 22:00 と時間を決めています。
また、時間を決めて出してあげた餌を食べない場合は、15~20分を目安に下げてしまいましょう。
まだ全て食べきっていない餌を下げるのは可哀想ですが、これも時間通りに餌を食べる習慣を付けるために、必要なこと。
一般的な猫のエサの回数
- 子猫…一日3~5回
- 成猫…一日2回
- 老猫…一日3~4回
https://www.shiawasegift.com/neko-esa-ichinichi/
ストレスを解消してあげる
最近引っ越しをしたり、模様替えをするなどして、明らかに猫が暮らす環境に変化があった場合、そのせいで猫がストレスを感じているかも。
そんな時は、原因に合わせてストレスを解消してあげましょう。
最近引っ越しをした
猫ができるだけ新しい家に早く慣れるためにも、寝床にはいつも敷いているマットを敷いてあげたり、お気に入りのおもちゃを近くに置いてあげるなど、安心して休める環境を整えてあげましょう。
また、突然新しい家の広い空間(リビングなど)に猫を出してしまうと、慣れない広い空間に戸惑ってしまうことも。
最初は狭めの一部屋だけで生活するようにしてあげて、徐々に慣れてきてから行動範囲を広げてあげると良いですよ。
餌皿を新しくした
わたし達が思っているより、猫ちゃんってデリケート。餌皿を新しくしたら、餌の食いつきが悪くなったというのもよくある話。
そのため、前の餌皿が割れてしまったり壊れてしまった場合を除いては、すぐに捨てない方が良いでしょう。
新しい餌皿で食べにくそうにしていたら、いったん使い慣れたものに戻してみてあげてくださいね。
食べる場所が変わった
家の模様替えなどをして、猫のエサの位置が変わってしまった場合、いつもと食べる場所が違うことから、猫が混乱してしまうことが。
そのせいで極端に食欲がなくなっている場合は、食べる場所をいったん前の場所に戻してあげましょう。
少しずつでも食べに来るようであれば、猫ちゃんのペースで徐々に警戒心を解いていっているだけなので、そのまましばらく様子を見てあげてください。
一番なついている飼い主さんが留守
飼い主さんが旅行などで、長期的に家を空けてしまう場合、寂しさから餌を食べなくなるということもあります。
猫ちゃんは、いつもお世話をしてくれる飼い主さんのことが大好き。
できるだけ家を空けないということが一番の対策ではありますが、飼い主さんの匂いがついたおもちゃを置いていくと、匂いで安心させることができます。
その他、最近では留守番カメラという便利グッズも。飼い主さんの声が送れたり、自動的に餌が出てくる給餌器(きゅうじき)と一体化した商品もあるので、長時間のお留守番に備えておくと心強いですね。
年齢に合わせた餌を選ぶ
猫の年齢に合わせた餌をあげることは、残さず食べてもらうためだけではなく、猫の健康にも大切なことです。
人間でも、歳を重ねるごとに好みや食べられる量も変わってきますよね。
老猫になると、成猫のときよりも内臓機能に衰えが出たり、噛む力が弱まるもの。そんな老猫に、成猫のときと同じ量・質のフードを与え続けることは、良いこととは言えません。
猫は一般的には、7歳からシニアに入ると言われていますので、そのタイミングで一度餌の見直しをしてみると良いでしょう。
また、老猫になると一回の食事量が多いと負担になるため、餌の回数を今よりも1~2回増やしてあげると、食事の負担が軽くなりますね。
餌の切り替えのタイミングなどについては、次の記事がおすすめ。子猫~老猫まで、猫の成長度別に詳しく紹介されていますので、ぜひ参考にしてみてください。
餌を残さず食べてもらうための方法をおさらい。
- 違うフードに切り替えてみる
- フードの食感を変えてみる
- おやつを与えすぎない
- ご飯の時間を決める
- ストレスを解消してあげる
- 年齢に合わせた餌を選ぶ
次に、食べ残してしまった餌について、気を付けてほしい大切な注意点をお伝えしていきます。
注意!食べ残しの餌は処分する
猫が食べ残した餌、多ければ多いほど勿体ないと感じてしまいますよね。
でも、一度猫が口につけた餌は、どんなに勿体ないと感じても、必ず処分するようにしましょう。
なぜなら、餌は一度空気に触れてしまうと、それだけで酸化が進みどんどん劣化していきます。そこへ、猫の唾液が少しでもついた状態になってしまうと、さらに菌が繁殖。
特に、「ドライフードならちょっとぐらい大丈夫かも」と、餌を再利用する人って案外多いんです。
酸化が進んだドライフードは、悪玉コレステロールが増加した体に悪いフードに大変身。
そんな餌を猫が食べると、動脈硬化やガン発症のリスクを高める原因に。
もちろん、ウェットフードも再利用はNG。
ウェットフードは水分が多く含まれており、ドライフードよりも腐っていくスピードが速いため、開封後はその日中に食べきるのが鉄則。
愛猫の健康のためにも、気を付けてあげましょうね。
怖い病気にならないためにも、勿体ないとは思わずに、食べ残した餌はきちんと処分するようにしましょう。
猫の健康を考えてあげると、勿体ないという気持ちもなくなっていきますよ。
まとめ
あなたの猫がどうして餌を食べ残すようになったのか、その原因をきちんと見極めてあげる必要がありますね。
まずは、病気の可能性はないかどうかを疑ってあげてください。少しでも体調に気になる点があれば、早めにかかりつけの動物病院へ行きましょう。
病気以外で、猫が餌を食べ残すよくあるケース5つ
- いつもの餌に飽きてしまった
- キャットフードの種類を急に替えた
- おやつの食べすぎ
- 環境の変化などストレスによる食欲低下
- 老化による食欲低下
餌を残さず食べてもらうには
- 違うフードに切り替えてみる
- フードの食感を変えてみる
- おやつを与えすぎない
- ご飯の時間を決める
- ストレスを解消してあげる
- 年齢に合わせた餌を選ぶ
理由ごとに、あなたの猫ちゃんに必要な対処法を実践してみてください。
また、食べ残した餌は、菌が繁殖しやすいため不衛生です。勿体ないとは思わずに、必ず処分しましょう。
猫によっても、餌を残す理由は様々。
あなたの猫は、どんな理由でどんな対処法が必要なのか、この記事が解決策を見つける手助けになると嬉しいです。