猫ちゃんが、いつもと違った様子だったり体調が明らかに悪くなった時、獣医さんに診察してもらうと安心しますよね。
その時、先生から病名だけではなく「点滴の必要があります」と先生に言われたらもっとドキドキして心配してしまいます。
点滴をしてぐったりしている猫ちゃんの姿を見てしまった時、「先生に言われたとおりに点滴しても本当に大丈夫だったのかな?」と急に不安になりました。そして、「点滴の副作用はないのかな?後遺症が残ったらどうしよう」と知識がないことに後悔もしました。
頭では点滴の必要性がわかっていても、心がついていけてない状態だったんです。飼い主にとって一番怖いことは、「知らない事」だというのがこの体験でよくわかりました。
その時は、軽度の尿石症だったので食餌療法としばらくの通院、点滴治療で大事なくすぐに回復はしましたが、またいつ同じような事が起きるかわかりません。
いざというときの為に不安や後悔しないように、治療で一番多い処置の点滴の事をしっかり知っていきましょう。
点滴とは
猫(動物)の点滴も人と同じで体内に針などを通して、直接血管へ栄養成分や抗生剤などを一定時間で一定量投与する治療法です。
「輸液」「補液」とも呼ばれたりします。わたし達には「点滴」の方が馴染み深いですよね。
動物医療でも一般的な治療法で、高齢の猫になると必要になることが多いです。
猫の点滴方法
点滴方法は、主に「静脈内投与」と「皮下投与」の2種類あります。
静脈内投与
点滴の特徴 | 人と同じく静脈に注射を刺して行う方法です。直接血管へと点滴を流すことができ一定速度で決まった量の薬などを体内に入れる事ができます。
また、早く効果が表れるので重症なときや迅速な水分補給が必要な時にこの方法で投与されることが多いです。 |
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デメリット | 投与に長時間かかってしまう事。また、途中で暴れても大丈夫なように手をテープで固定されてしまうので、飼い猫にとってはかなりストレスになる可能性もでてきます。 |
皮下投与
点滴の特徴 | 猫の肩甲骨の間に伸ばすとビヨーンと伸びる皮にまとめて投与する方法です。投与時間が短いのでストレス軽減になるので、予防接種など簡単な注射などはこちらの方法がよくつかわれます。 |
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デメリット | 吸収に時間がかかるので症状を重篤など早く改善したい時は適していません。 |
また、ほとんど行われることはないですが下記のような投与方法もあるとのことです。静脈内投与や皮下投与と違ってあまり使われない方法なので、知っている程度で大丈夫です。
- 腹膣内投与・・・お腹へ直接投与する方法。血管が細く投与が難しい場合や皮下投薬では効果が期待できない時に行う。
- 骨髄内投与・・・骨髄に直接投与する方法。血管が確保が難しい新生児の動物や極小動物に行う。また、即効性を必要とする場合にも使用される。
点滴を必要とする場合と種類
点滴は体内の水分量や血液量が減っている時、また口で餌を食べられない時に必要となり、病気の症状によって内容が違ってきます。
補水を目的とした点滴投与
激しい下痢や嘔吐、腎臓病の猫ちゃんで脱水症状や尿毒症を防ぐために水分や電解質の補水を一番の目的としている場合は、輸液にほとんど栄養は含まれていません。
ただし、獣医が必要だと判断した場合には脂質、糖質、アミノ酸等の栄養素や抗生剤などの薬を投与する場合もあるとのことです。
栄養摂取を目的とする点滴投与
口から栄養を摂ることが難しかたり食べることができない場合や、消化管の病気などで栄養が摂取できない場合にも投与します。体内に必要な栄養素(ビタミン類、糖質、アミノ酸、時には脂質など)輸液剤に混ぜて補給を目的とします。
上記以外でも、手術の前後や重篤な病気の場合にも点滴の投与はおこなわれます。
点滴投与による副作用や帰宅後の様子
点滴の大切さはわかりましたが、飼い主にとって一番心配なのが副作用ですね。
点滴の投与をしたからと言って大きな副作用にはつながりにくく、リスクは比較的低いのですが老猫になると何度も投与をおこなうのでリスク率は少し上がってきます。
また点滴後の飼い猫の様子も気になりますよね。治療前より少しでも元気になって帰ってきてくれたら一番いいのですが、なかなか私たちが思うようにならず大丈夫かなと心配ばかりしてしまいます。
病院から帰ったらぐったりと動かなくて心配になり、主治医に相談したことがあります。原因としては下記の2つのどちらかが多いとの事です。
- 点滴の副作用というよりかは、体調が悪いのに動物病院につれていかれてストレスになって疲れ切ってしまっている。
- 点滴をすると水分を一度にたくさん入れるで、体が冷えてしまっている。
点滴を投与すると、夏でもかなり寒くなるので毛布などで温めてあげたり、嫌がらなければ優しくマッサージをしてあげたりしたらいいですよ。
このコブは次の日にはなくなりましたが、その間トイレの回数が多かったような気がします。この症状は、点滴をすると一時的になる副作用の一種なんです。
点滴投与したのに調子が悪いのが続いてしまったり 嘔吐があったり、食欲が少しでも上がらない、水分をなかなかとらないなど状態がおかしいと思ったら何かの病気のサインかもしれないのですぐに獣医さんに相談してくださいね。
また副作用も心配ですが、感染症にも気を付けなければいけません。
我が家の猫ちゃんは静脈内投与する際、注射の部分だけ毛を刈られていました。血管が見えにくいときや、感染症予防の一環として処置をする所の毛を剃ることもあります。
点滴後どうしても傷口や剃った所が気になってしまい舐めてしまいます。飼い主としては感染症のリスクが心配ですが、舐めるのを想定して抗生剤を飲み薬で出している獣医さんがほとんどなので傷口が開かなければ気にしなくても大丈夫ですよ。
傷口を治そうとしている行動でもあるので、無理矢理に止めてしまうと反対にストレスになってしまいイライラしてしまいます。
ですが、あまりにもしつこく舐めるようなら要注意!傷口が開いたり、赤くなって化膿してしまったりしたらエリザベスカラーなどの防止策を検討してくださいね。
点滴の料金
動物病院で幅はありますが、大体下記のような料金のところが多いみたいです。
同じ病気でも投薬の種類によって、大きく異なる場合があるので、不安がある方は治療説明の時にしっかりと聞いてみるといいですよ。また、緊急性がなければ概算見積を作ってくれる病院もあるので相談してみてくださいね。
静脈内投与の場合 | 2,000円から5,000円くらいですが、必ず入院代が伴ってくるので入院代も別途必要となってきます。 |
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皮下投与の場合 | 1,500円から3,500円くらい。 |
投与回数が多い猫の場合、最近は獣医さんに指導してもらって飼い主が自宅で投与をする「在宅投与」もあり、希望される方が多くなってきています。
皮下投与となり病状も限られてしまいますが、経済面での軽減ももちろん飼い猫に通院のストレスをかけないなどのメリットがあるので希望をされる場合は一度主治医に相談してみてくださいね。
まとめ
治療で一番多い処置の点滴で知っておきたいことをご紹介しました。
- 猫の点滴には「静脈内投与」と「皮下投与」がある。
- 緊急性や迅速な効果が必要な時は「静脈内登用」ストレス軽減やゆっくりと吸収させたい時は「皮下投与」をすることが多い。
- 水分補給を一番の目的をしている場合の投与には、ほとんど栄養は含まれていない。ただし獣医が必要と感じた時は栄養素や抗生剤などの薬を混ぜて投与する場合もある。
- 点滴の副作用は低いといわれているが、帰宅後はしっかり様子をみる。状態がおかしかったら主治医に連絡をする事。
- 料金は、動物病院と投与内容によるが1,500円から5,000円くらいが多い。費用面で心配な場合、緊急性がなければ概算見積を作成してくれるところもある。
- 最近は経済面と飼い猫さんのストレス軽減するため「在宅投与」という選択肢もある。ただし、病状など一定の条件があるので主治医に相談すること。
一緒に住んでいると可愛くて家が明るくなりますが、病気をしたりケガをしたりと思わぬハプニングもたくさんあります。
大切な家族の一員の猫ちゃん。飼い主が少しでも知識を持っていざという時落ち着いて判断できるようにしたいですね。