わたしもついつい気を抜いてしまって、ブラッシングに集中できずにやっていると、絡まっている部分に気づかずにひっかけてしまう時があります。
スキンシップの延長で出来ればいいのですが、ブラッシングが苦手な猫に、毎日のケアをする事ってとても大変ですよね。
どうしたら平和に、お互いにストレスなくケアが出来るか、悩んでいる飼い主さんもいらっしゃるのではないでしょうか。
ブラッシングを敬遠することで、猫の体の中でトラブルが起きてしまう可能性があります。
ぜひ、考えられる原因を見つけてあげて『ブラッシングは気持ちいいことなんだ』と思ってもらいましょう。
お互いにリラックスして、スキンシップがてら、トラブルも病気も予防できる。
ブラッシング一つで、こんなにも充実した時間を過ごせるのは素敵ですよね。
こちらで、猫がブラッシングを嫌がる原因と対策、そしておすすめなのブラシもご紹介しています。
ブラシを持つだけで逃げ出してしまって、あまりブラッシングが出来ない子、昔はさせてくれてたのに嫌がる、なんて子がいたらぜひ読んでほしいと思います。
猫がブラッシングを嫌がる4つの原因
この4つの中で、当てはまっている事はありますか。
1.ブラッシングの力が強すぎる
地肌のマッサージになるからと、ガシガシ強くやり過ぎていたり、毛をかきだすように、逆立ててやったりしていませんか。
優しく毛並みに沿ってブラッシングするだけでも、マッサージ効果がありますよ。
又、毛並みに逆らうと、静電気が発生しやすくなり、ストレスになります。
また、ブラシの種類によって痛いと感じてブラッシングが嫌いになってしまっている可能性もあります。
別の道具に変えてあげることも視野に入れてみましょう。
2.猫の嫌がる場所をブラッシングしている
- お腹まわり
- しっぽの付け根
- 後ろ足
このような部分はとにかく優しくブラッシングしましょう。
また、例えばうつぶせになっている時など、肩甲骨が出ている場合、骨が当たる部分も同じように優しい力加減でやってあげましょう。
3.猫が嫌がるまで長時間ブラッシングをしている
嫌がるからと言って、無理にやろうとしたり、押さえつけたりしない方が良いです。
- 人の手を気にし始める
- 耳やしっぽが動き始めたりする
- 爪をたてる
4.何か異常が起きて嫌がっている可能性
今までブラッシングが好きだった子が、突然嫌いになってしまった場合、この理由が考えられるかもしれません。
皮膚などに、なにか異常が起きていて、痛みが生じている可能性も考えられます。
日頃から、体のチェックは行うようにしましょう。少しでも気になることがあれば、かかりつけの獣医師さんに相談してみましょう。
猫に合ったブラシとやり方
一般的には、短毛種、長毛種、それぞれブラッシングをする順番が違うと言われています。
それは、猫自身で毛づくろいする際に、届かない部分と、毛玉ができやすい部分があるからです。
嫌がる子に対しては、まずは触られると喜ぶ部分を優先的にブラッシングしていきます。
その上で、その子に合った、ブラシを見つけてあげて下さい。
抜け毛が多い場合
短毛種の子は、長毛種に比べて抜け毛も少ないと考えている方多いのではないですか。
種類にもよりますが、短毛種でも抜け毛が多い猫は多くいます。
猫は毛の生え方によって「シングルコート」と「ダブルコート」に分類されます。換毛期のないシングルコートの猫は抜け毛が少なく、ダブルコートの猫は抜け毛が多いです。
シングルコートはガードヘアのみ、ダブルコートはガードヘアとダウンヘアの二種類生えています。換毛期には、ふわふわのダウンヘアが抜けるのです。
猫ちゃんの種類別に紹介をしている記事がありますので、興味がある方はこちらをご覧ください。
換毛期や、忙しくてしばらくブラッシングが出来なかった時には、このようなスリッカーブラシを使うと、一気に抜け毛が取れて時短につながります。
こちらはとにかくよく毛が取れる分、やり過ぎてしまうとはげてしまったりする場合があるので、ブラッシングが好きな猫ちゃんの普段使いには不向きかもしれません。
毛玉ができやすい場合
長毛種の子の特徴として、毛玉ができやすいというのはみなさん思うのではないですか。
- 顎の下から喉にかけて
- 耳の後ろ
- わきの下
- お腹
- お尻
- 首輪や洋服でこすれるところ
毛玉になってしまう前に、猫のご機嫌や様子を見ながら、絡まりなどないか注意して見てあげましょう。
絡まりがあったら、猫の負担にならないように、毛先から少しずつとかしてあげて下さいね。
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もしも、毛玉が出来てしまった際の対処法は、こちらに詳しくご紹介しています。
ブラッシングを嫌がる時の対処法
過去にブラシで嫌な思いをした子や、怖い思いをした子も中にはいるのかもしれません。
ブラシを飼い主さんが持っただけで、逃げてしまう子への対処法をご紹介します。
ブラシは怖いものではないと教えてあげよう
ブラシを見るだけで、逃げてしまうという猫は、存在を慣れさせることから始めましょう。
普段から、ブラシを目につく所に置いて、抵抗感をなくしてあげてくださいね。
また、おやつの時間とセットで触れさせるのも良いです。
手のひらを温めてリラックス
美容院やマッサージ店で、施術してもらう時に手が冷たかったら、ぞわーっと来ますよね。
猫ちゃんも同じです。まずリラックスしてもらうためには、手を温めてからやりましょう。
猫が触られて喜ぶ場所から始めてみる
顔まわりや首、耳の付け根など、猫が気持ちいと感じるところから、まずは撫でながら始めて下さい。
そして、顔→首→背中と、毛の流れに沿って行うことが大切です。
嫌がりやすい、お腹、おしり、しっぼは気持ちい場所を撫でながら、隙を見てサッとブラシをかけましょう。
短時間でやるコツ
自由を好む猫は、基本的に長時間の拘束を嫌うことが多いです。
機嫌が良い時や、猫が寝転んでリラックスしているタイミングを見計らって、ブラッシングしてあげましょう。
猫が安心するブラッシング保定
ブラッシングをする時に大切なのは猫を安心させてあげることです。それをかなえる方法があります。
無理強いは良くないですが、様子を見ながらやってみるのも一つの手かもしれません。
嫌がる場合は決してやらないように。
保定とは、人と動物の安全を確保しながら、円滑に治療を行うために動物を押さえる動作を指す専門用語。
【胸編】
座っている猫を、後ろから抱きかかえるようにひじで体を固定し、左手で猫の顔を上に向けます。
【足偏】
片手で足の付け根を持つと動きを固定しやすいです。猫の体勢に無理のないように持ってあげましょう。
【しっぽ編】
しっぼを引っ張ってはいけません。腕全体で体の方を固定してあげてください。
【押さえワザ編】
動いている猫の体に後ろから、肩、お尻の順に素早く手を添え、ふわっと棒をつかむような感覚で持ちます。
そのまま軽く押さえ込む形で、猫が『伏せ』の体勢になったらOKです。
【かぶりワザ編】
両足はさむ形で猫の体を固定し、上から覆いかぶさるようにすると、猫は『伏せ』の体勢になり、飼い主さんとの密着感もあるため大人しくなりやすいです。
このとき、飼い主さんは少し腰を浮かし、猫に体重をかけないように注意してくださいね。
後ずさりしたり、ひっかいたりと、猫が予測不可能な動きをするのも防げます。
【番外編】
猫は首元をつかまれるとおとなしくなることがあります。それは、母猫が子猫をつかむときのやり方で、成猫になってもその習性は残っているからと言われています。
ですので、大きめのクリップを首元に挟むのも一つの方法です。
挟む前に、まず自分の皮膚を挟んで力加減を試してみて下さい。
そして、首元をつかまれるのが苦手な猫もいます。嫌がったらクリップの使用をすぐにやめて下さい。
猫のブラッシングをしないことによるリスク
あまりにもブラッシングを怠ると、このような場合も考えられます。
皮膚トラブル
抜け毛が多く残っていると、皮膚が蒸れてしまいます。
皮膚に痛みやかゆみがある場合、毛づくろいの頻度も上がり、それだけ胃袋に毛が入る量も多くなってしまうのです。
毛球症
毛づくろいをした時に、少しずつ飲み込んだ毛が吐き出せもせず、便として排出もできずに、胃で塊になってしまう病気です。
無症状の場合も多いのですが、食欲不振になってしまったり、毛玉を頻繁に吐いている場合、食道炎になってしまうこともあります。
どうしてもブラッシングをさせてくれない場合
全て手を尽くしても、難しい場合は、他の物に頼りましょう。
毛球ケアペットフード
穀物を使われたフードは腹持ちは良いですが、消化吸収に時間がかかってしまいます。
ですが、動物性原材料を主とした穀物不使用のキャットフードは、消化吸収をサポートしてくれますので、毛玉の排出も促してくれるのです。
こちらの記事で、そのような穀物不使用のキャットフードを詳しくご紹介しています。
毛球ケアおやつ
食物繊維を適度に配合したおやつもおすすめですよ。おやつは猫の心をつかむ時の味方にもなります。
サプリメント
飲み込んでしまった毛玉をスムーズに排出できることを目的とした、油脂を含んだチューブタイプのサプリメントもあり、手軽に与えることができます。
まとめ
今回、猫がブラッシングを嫌がってしまうという方に向けてお伝えしました。
こちらに、その嫌がる原因と対処法をまとめます。
- ブラッシングの力が強すぎる
- 猫の嫌がる場所(お腹・しっぽの付け根・後ろ足)をブラッシングしている
- 嫌がるまで長時間やっている
- なにか他に異常が見られる
- 猫に合ったブラシを使用する
- ブラシは怖くないと教えてあげる
- 手のひらを温める
- 猫が触られて喜ぶ場所から始める
- 短時間で数日に分けてやる
- 猫が安心する『保定』
ブラッシングをあまりにも怠ると、皮膚炎や毛球症へつながってしまう可能性もあります。
ブラッシングと別の方法で、予防できることもご紹介しました。
- 毛球ケアペットフード
- 毛球ケアおやつ
- サプリメント
ブラッシングはスキンシップにもなり、心と体の両方のケアになります。
猫ちゃんに合った抜け毛対策を見つけてあげて下さいね。