わたしがまだ高校生だった頃、捨てられている子猫を拾った経験があります。
思わず抱き上げてそのまま家に連れて帰ると、少し冷静になれてふと思いました。
「この子生まれてどれくらいなんだろう」
「何を食べさせたらいいんだろう」
「男の子かな、女の子かな」
その時は仮の名前で「みーちゃん」って呼んでいたのですが、みーちゃんについて何もわからないことに気づいたんです。
このとき初めて知ったのですが、生まれて間もない子猫って見た目で性別の判断をすることが難しいんです。
また親戚からこんな相談をされたこともあります。
性別を知ることは必須ではないけれど、知っておくことで繁殖を防ぐこともできますよね。
今回はそんな「猫の性別を見分けること」にスポットを当てて、お話をしていきたいと思います。
子猫のオスとメスの見分け方
まずはみーちゃんを動物病院に連れて行きました。
獣医さんに健康チェックをしてもらい、歯や毛の生え方の状態からからみーちゃんは生後2週くらい、そしてオスであることがわかりました。
成猫であれば、生殖器を見ればオスであるかメスであるかは一目瞭然ですよね。
しかし、生まれてすぐの子猫はまだ性器が小さすぎて見たり触れたりするだけではわかりにくいです。そのため、わたしもしゅりの事をメスだと勘違いしていたんです。
イラストを使って、オスとメスの生殖器のおおよその場所と見分け方のポイントについて説明しますね。
オスの場合 | メスの場合 |
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上記のようにオスとメスを見分けるには、肛門から性器(尿が出るところ)までの距離が遠いか近いかで判断することができます。
オスの特徴として睾丸がありますが、生後30~60日頃までは体内にあるため見て確認することは難しいです。そのため生まれてすぐの子猫の場合、睾丸がないからと言ってメスであるとは限りません。
子猫の月齢の見極め方は以前こちらの記事で紹介していますので、子猫を保護して月齢がわからない場合はぜひ参考にしてみてくださいね。
しかしこの方法、オスとメスの子猫がいれば見比べることができるのですが、どちらかの性別の子猫しかいない、もしくは子猫が一匹の場合、判断に悩んでしまう欠点があります。
獣医さんに性別がどちらか判断してもらうのが一番の方法ですが、そんなに頻繁に動物病院に通わないですよね。
もし動物病院に連れて行った際に月齢が若すぎて性別が確定しなかった場合、成長に伴い生殖器に変化がみられるかを観察してみましょう。
オスの子猫であれば肛門の下にみられる睾丸の位置がふっくらとしてきます。
反対にメスの子猫であれば、成長に伴って生殖器が大きく変化することはありません。
子猫の性別を確認したいからと、無理に生殖器を見たり触ったりはしないように注意しましょう。しっぽで隠れて見えない場合は、仰向け状態で抱っこすると確認しやすくなりますよ。
オス?メス?見た目と行動による見分け方
先ほどまでは保護した子猫を想定してお話をしてきましたが、近所の野良の性別を知りたい、なんて状況もありますよね。
元気に走り回っていて捕まえられない、もしくは警戒心が強いから近寄らず、見た目や行動から性別を知りたい、なんてことも多いと思います。
オスとメスを比較した時に、ポイントととなるのは以下の3点です。
- 顔つき・体つきが違う
- 発情期の行動の違い
- 性格の違い
どちらの特徴により当てはまるか比べてみて、性別を予測する時の参考にしてみてくださいね。
顔つき・体つきの特徴
まずはやっぱり、オス猫のほうが体が大きいです。
ライオンやクジャクをイメージするとわかりやすいですが、これは自分の力や魅力を誇示するための1つの手段として有名ですよね。
特徴としては頬やひげ周辺は厚みがあり大きい。瞳の大きさはメス猫と変わらないため、顔が大きい分目が小さく見えます。
また筋肉がしっかりとついているため、体全体も厚みがあるのも特徴の1つです。
メス猫は体全体がシャープであることが大きな特徴です。
オス猫のように顔回りに厚みはないため、小顔に見え、目が大きく見えるのも特徴的です。
またオス猫よりも筋肉量が少なく、手足が細くスラッとした体つきをしています。
発情期の行動
メス猫の発情行動は、早い猫で生後4か月頃から見られるようになります。しかし、日照時間の影響のが大きいため、いつ頃から発情行動が見られるか明確にするのは難しいです。
行動の特徴としては、「お尻を高い位置に持っていく行動をする」「大きな声で鳴く」「背中を床につけてクネクネする」です。
オス猫は、生殖器が発達する生後6ヶ月頃からスプレー行動(マーキング)という縄張りを主張する行動が目立ち始めます。
スプレー行動はメス猫の発情行動に反応して行う行動のため、性成熟を迎えたからと言ってすぐに見られるようになるわけではありません。
メス猫の発情期や、オス猫のスプレー行動の開始時期などはこちらの記事で紹介しているので、詳しい内容はこちらをチェックしてみてください。
オス・メス両方に見られる発情期の行動
発情期の行動としてマウンティング行動とスプレー行動(上記と同じ)がありますが、この行動はオス猫メス猫どちらの猫にもみられます。
【マウンティング行動の特徴】
- 他の猫などの上に乗り、腰を押し付けるような行動
- 相手が動けないよう、首のあたりを噛むこともある
- 縄張りの主張やストレス発散のため行うこともある
【スプレー行動の特徴】
- しっぽを高く持ち上げ広範囲に尿をかける行為
- オス猫は周りのメス猫の発情期の行動に反応してスプレー行為を行う
- メス猫は発情期を迎えている期間(7〜14日程度)にスプレー行為を行う
マウンティング行動やスプレー行動だけではオス・メスの判断することはできないので注意が必要です。
性格の特徴
性格の特徴は性別よりも、育った環境など個体差による違いが大きいです。
しかし一般的にはオス猫のほうが甘えん坊でさみしがり屋、メス猫のほうが落ち着いた性格をしていることが多いと言われています。
メス猫は妊娠、出産、子育てをオス猫に頼ることなく行います。そのため警戒心が強い傾向にあることが特徴です。
そんなメス猫に比べると、オス猫は友好的で好奇心旺盛な性格。行動範囲が広いこともオス猫の特徴であると言えます。
実際にわたしも含めオス猫、メス猫の飼育経験のある猫友にも話を聞いて、どんな特徴があるかまとめてみました。
オス猫の性格 | メス猫の性格 |
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実際に飼い主さんも、オス猫は甘えん坊、メス猫は落ち着いている、と印象を持っていることがわかりました。
オスとメスを、見た目や行動で見分けるポイントのおさらいをしてみましょう。
【オス猫の特徴】
- 頬やひげ周りに厚みがあり目が小さく見える
- 筋肉質で体が大きい
- スプレー行動が目立つ
- 甘えん坊な性格
- 好奇心旺盛で行動範囲が広い
【メス猫の特徴】
- 小顔で目が大きく見える
- 手足が長くスラッとした体
- 大きな声で鳴く、体をくねくねさせるといった発情行動が見られる
- 落ち着いた性格
- 警戒心が強い
まとめ
子猫の性別を見分けるポイントと、オスとメスの見た目や行動の特徴をご紹介しました。
オス猫
【生殖器での見分け方】
- 肛門の下に睾丸と性器(ペニス)がある
- 睾丸があるため、肛門から性器までの距離が遠い
- 肛門に比べ性器が小さい
【見た目や行動での見分け】
- 頬やひげ周りに厚みがあり目が小さく見える
- 筋肉質で体が大きい
- スプレー行動が目立つ
- 甘えん坊な性格
- 好奇心旺盛で行動範囲が広い
メス猫
【生殖器での見分け】
- 肛門から性器(陰部)までの距離が短い
- 肛門と性器の大きさが同じくらい
【見た目と行動での見分け】
- 小顔で目が大きく見える
- 手足が長くスラッとした体
- 大きな声で鳴く、体をくねくねさせるといった発情行動が見られる
- 落ち着いた性格
- 警戒心が強い
猫の性別がわからずに困った際には、ぜひ参考にしてみてくださいね。
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