先日、生まれたばかりの子猫をお迎えした友人に、こんな質問を受けました。
彼女は新米飼い主さんなので、子猫はいつからお風呂に入れていいものなのか、そもそもお風呂自体が猫に必要なのか分からず悩んでいました。
確かに、人間の赤ちゃんも産まれたばかりの頃はお風呂に入れませんので、猫の赤ちゃんの場合どうなのかなと疑問に思いますよね。
それに、わたしたち人間は毎日お風呂に入りますが、猫は水嫌いなイメージがありますし、猫もお風呂に入るべきなのかどうか分からない方が多いと思います。
今回はそんな皆さまのために、子猫はいつからお風呂に入れていいものなのか、そもそも猫にお風呂は必要なのか、そして、入れる時の手順やコツなどをお伝えしていきます。
同じような疑問を持っている皆さま、子猫のお風呂について分からないことが多い皆さまのお悩みを、この記事ですべて解決いたします。
猫にお風呂は必要?
まずはこの疑問。気になりますよね。
結論からお伝えすると、基本的に猫にお風呂は必要ありません。
猫は綺麗好きというイメージや、自分で自分の体を舐めている姿は想像がつきやすいと思います。
ほこりや砂などの環境由来の汚れや、排泄物による自然な汚れは、お風呂で洗わなくとも自分で舐めて綺麗にすることができるのです。
それに、基本的に猫は水に濡れることを嫌います。
猫は野生の頃、砂漠地帯という降水量が少ない場所に住んでいました。
雨もあまり降らず、降ってもすぐに蒸発してしまうため、猫は水との関わりがあまりなく、水に慣れていないのです。
また、猫は肉球以外からは汗をかきません。(毛がない品種を除く)
ですので汗のにおいもなく、人間のように汗をお風呂で流してスッキリ、なんてことも必要ないのです。
わたしは夏に汗だくで帰宅して、すぐにシャワーで汗を流してサッパリしたいので、汗をかかないというのは本当に羨ましいと思ってしまいます。
お風呂に入れるタイミングは?
猫にとってお風呂は基本的に必要ないことが分かりましたね。
では、飼い猫にとってどんな時がお風呂に入るタイミングなのでしょうか。
- 室内飼いをしていて、人工的な汚れがついてしまった
- 尿などの臭いが取れない
- 猫自身の毛づくろいでは届かない部分に汚れがある
- 毛がもつれや、毛玉ができている(毛が長い猫、長毛種に多い)
臭いが気になったり目立った汚れがない場合は、特に頻繁に洗ってあげる必要はなく、年に1〜2回の頻度で十分です。
ほぼ毎日お風呂に入るわたしたちからしたら、これもちょっと羨ましいですよね。
お風呂でゆっくりするのも好きなのですが、夜は疲れて眠いし、お風呂に入るのが少し面倒な時もあるんですよね。
子猫はいつからお風呂に入れていい?
それでは本題に入ります。
子猫のお風呂はいつから入れていいものなのか説明していきますね。
まず、産まれて間もない子猫は、お風呂に入れるべきではありません。
産まれたばかりの子猫はまだ体温調節が上手くできず、体調が悪くなってしまったり、命を落とす可能性もあるのです。
人間は、暑い時は汗をかいて熱を逃がし、寒い時は体を震わせることで筋肉を動かし体温を上げるなどして体温調節を行なっています。
ですが、猫は基本的に汗をかきません。寒い時は暖かい場所に、暑い時は涼しい場所にいて体温を調節していますので、人間のように自分自身で行うことは不得意なのです。
では、いつからお風呂に入れて良いのかというと、少なくとも生後三ヶ月以上、最初のワクチン接種が済んでからです。
子猫が産まれた時に母猫からもらった免疫は、段々と消失していきます。
そのためワクチン接種を受け、抗体力をつけてからお風呂に入れるのが良いのです。
ちなみに、ワクチン接種後も1〜2週間はお風呂は避けてください。
ワクチン接種で、しっかり抵抗力が付くのを待ちましょうね。
お風呂に入れるために必要な事前準備
初めてのお風呂、どのようにのぞめば良いのか、どんな順番で進めたらいいのか分からないことが多いのではないでしょうか。
ぶっつけ本番で慌ててしまわないために、まずは、お風呂の前にやっておくべきことをご紹介していきます。
準備1:お風呂に入ることを想定し、様々なことに慣れさせておく
猫は警戒心が強く、環境が変わることにストレスを感じるデリケートな生き物ですので、お風呂で待ち受けるさまざまなことに慣れておくとスムーズです。
スキンシップをする
お風呂に入る時は、飼い主さんが猫を抱っこしたり、体を洗ってあげたり、足を持ったりします。
普段から猫を撫でてあげたり、スキンシップで猫の体に触ることに慣れさせておくと、お風呂中猫も安心してくれますよ。
お風呂場を見慣れた場所にしておく
猫は自分のなわばり以外の場所にやってくると、途端に警戒モードに入ります。
今まで来たことのない場所に連れて来られたあげく、そこに大嫌いな水があったもんなら、逃亡間違いなしです。
ですので、まずはお風呂場も普段から解放し、猫のテリトリーにしておくと良いでしょう。
準備2:猫の様子を確認
次に、お風呂に入れても良い状態か判断するために猫の様子を確認します。チェックするのは、以下の点です。
猫の体調は良いか
まず、猫の体調が良いかをチェックしましょう。
熱があったり、だるそうにしている場合は、お風呂に入れるべきではありません。
手術後や妊娠中など、抵抗力が低くなっているときも避けましょう。
ワクチン接種後1〜2週間はお風呂を避けましょうと前章で説明しましたね。
きちんと抵抗力がついてからというのもそうなのですが、実はワクチン接種後は副反応というものがあるんです。
- 顔面の腫れ
- 皮膚がかゆそうにしている
- 嘔吐や下痢をする
- 熱がある
- 元気がない
- 呼吸が苦しそう
以上のような状態が見られないか確認し、発見した場合はすぐに病院へ受診してください。
猫の爪のお手入れはしてあるか
猫が水を嫌がった場合、暴れた猫に爪で引っかかれ怪我をしてしまう可能性があります。
わたしの友人が初めて猫をお風呂に入れようとした時、爪を切っておくのを忘れてしまい、案の定腕を引っかかれてしまったそうです。
やはり、爪は切っておくと安全ですね。
子猫の毛をブラッシングしてあげたか
やはり水が苦手ならば、嫌なことは早く終わらせてあげた方がいいですよね。
わたしも勤め先の歯科医院で、歯医者さんが怖い子供に「すぐ終わるからね〜」なんて言って励ましたりしています。
子猫のもつれた毛や抜け毛をブラッシングで取り除くことで、シャンプーの泡がなじみやすくなり、時間の短縮に繋がります。
優しく丁寧にブラッシングをしてあげましょう。
お風呂の入れ方
事前準備が整ったら、実際にお風呂に入れてみましょう。
ここでは手順とコツを紹介していきますね。
1、猫の体を濡らす
洗面器やペット用のバスタブに子猫を入れてあげ、30度〜35度のぬるま湯で子猫の体を濡らしていきます。
ここでのポイントは、猫の背中からお湯をかけてあげること。
人間の子どもでも同じなのですが、水が怖いのにいきなり頭から水をかけられたらもっと怖くなってしまいますよね。
ですので、背中からゆっくり、次に前足を持ち上げてあげて、お腹を濡らします。
こうして全体を濡らして上げることで、大きな汚れが落ちシャンプーの泡立ちが良くなります。
シャワーの勢いが強いと水しぶきが飛んで子猫がびっくりしてしまいます。水力は弱めで、できるだけシャワーヘッドを猫の体に近づけてあげると良いですよ。
2、シャンプーをして、すすぐ
シャンプーを泡立て、濡らす時と同じように子猫の背中から洗っていきます。
背中の次に前足を持ち上げてお腹、次にお尻です。
お尻を洗うときは、片手で猫の首元を支えてあげながら洗って上げると良いです。
お尻周辺は汚れがつきやすいので、優しく入念に洗ってあげてください。
最後に顔ですが、顔まわりは特に嫌がる猫が多いので、無理にシャンプーでゴシゴシはしなくて大丈夫です。
ガーゼなどの柔らかい布をぬるま湯で濡らして、優しく撫でるように洗ってあげると良いですね。
使用する子猫用のシャンプーもネットなどで購入できますので、検討してみてはいかがでしょうか。
3、乾かしてから毛並みを整える
すすぎが終わったら、タオルで体を優しく包み押さえるようにして水気を取ります。
水気が取れたらドライヤーができる場所へ移動し、ドライヤーで毛を乾かします。
このとき、ドライヤーの大きな音が苦手という猫も多いと思いますので、できるだけ弱い風を当ててあげてください。
そして熱風だとやけどをしてしまう可能性がありますので、熱い風は遠めにして当てるか、もしくは冷風で乾かしてあげてください。
毛の根元に風を当てると早く乾きやすいので、ブラシで毛を優しくかき分けて根元に当てて上げると良いでしょう。
まとめ
子猫をいつからお風呂に入れるかという問題を中心に、猫の性質やお風呂の入れ方をご紹介させていただきました。
それでは、まとめに入ります。
猫は基本的にお風呂に入る必要はなく、臭いや汚れが気になる場合に、年に1〜2回の頻度で入れてあげましょう。
- 生後三ヶ月以上
- 初めてのワクチン接種を終えてから1〜2週間経ってから
初めてのお風呂にはいくつか注意することがあります。
普段からやっておくこと
- 体を洗ってあげるとき猫が安心できるよう、普段からスキンシップをとる
- お風呂場に対して警戒心を持たぬよう、お風呂場を解放して慣れさせておく(浴槽に水を溜めている場合は、猫が落下する可能性があるので入れないようにすること)
お風呂の直前に確認すること
- 猫の体調が良いか(優れない場合は中止にして病院へ)
- 猫の爪は切ったか(嫌がって暴れた場合引っかかれて怪我をします)
- 猫の毛をブラッシングしたか(抜け毛などを取っておくとシャンプーが早く馴染み時短になります)
次に、お風呂の入れ方です。
- 猫の体を濡らす(35度前後のゆるま湯で背中からお腹へ)
- シャンプー、すすぎ(背中→お腹→お尻。顔は嫌がる猫が多いので布を濡らして優しく拭く)
- タオルで包んで水気を取り、ドライヤーの弱い風で乾かす。(やけどの可能性があるので温度調整する)
皆さまの子猫ちゃんが、快適なお風呂タイムを過ごせますように。
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