最近、テレビをみていると野良子猫を保護して、里親さんを探す活動をよくみます。
野良子猫の生存率は10%~20%と言われているのはご存じですか。
交通事故、カラスに襲われる、栄養不足などなかなか生き残るのには過酷ですからそれを救うべく保護猫ボランティアさんは頑張っているわけです。
しかし、そんな気持ちを知らない野良子猫。
母猫に『人は怖いものだから心を許したらダメよ』と教育されています。
もし、つかまりそうになったら『シャー』とか『フーッ』っていうんだよっと教えられているのです。
なので、捕獲されると、一生懸命『シャー』『ウー』ってにらみをきかしながら唸るのです。
そうです、これが威嚇です。
威嚇にもいろいろと種類があり、気持ちによって違うって知っていましたか。
今回は、子猫や大人猫が威嚇する理由と威嚇の対処法について解説したいと思います。
子猫の威嚇の理由
子猫の威嚇の原因は、不安と恐怖がほとんどです。
母猫に敵だと言われている生き物に、知らない場所に連れてこられたら怖いに決まっています。
もし自分が、言葉も通じない100倍も大きな生き物に、いきなり知らないところに閉じ込められたら。
鳴くか叫ぶか固まるしかないですよね。
では、子猫の気持ちを考えつつ、どうしたら恐怖をとりのぞいて威嚇を止めてくれるか解説してきますね。
ちなみに・・・
猫の威嚇の『シャー』という声。実は、ヤマネコ時代に天敵だったヘビの声をまねしたと言われています。
子猫の威嚇の対処法
子猫が威嚇する時は、子猫の気持ちを考えて、恐怖心や不安を解消してあげることが大切です。
子猫は順応性が高いので比較的心は早く心を開き、威嚇もすこしずつ減っていきます。
子猫が落ち着くまでそっとしておく
これは、野良子猫、保護猫、ペットショップなどから購入した子すべてに当てはまります。
初めてきた場所、初めてみる人たち、知らないにおい、子猫は不安でいっぱいです。
子猫を迎えたら、かわいいので、触ったり撫でたり遊びたい気持ちはわかりますが、そこは我慢しましょう。
ケージを用意してあげて、隠れられるベッドや、ハンモックを用意してあげてください。
外から布を被せてあげるとより良いです。
プラケージは軽くて錆びないのでおすすめです。
優しく小さな声で話しかける
少し落ち着きはじめたら、優しく話しかけてあげましょう。
お母さんが赤ちゃんに話しかけるように、ゆっくりとやさしい声だと安心します。
猫は高い声が聞き取りやすく安心します。ただ人間の小さいの子供のキーキー声は苦手です。
逆に低い音は動物の『ウ~』という唸り声に聞こえ、威嚇と誤解され子猫はこわがってしまします。
男性の方も高めの声で話しかけるといいですよ。
ゆっくりとした動きをする
出典:感動猫動画YouTube
こんな怖い威嚇(笑)されたらびっくりして、ショック受けますよね。
そうすると、どうしても慌ててしまって、大きな声をだしたり、大きなリアクションを取ってしまいます。
しかし、この行為、子猫にとってはとっても怖いんです。
できるだけゆっくりと行動をして、安心させてあげてください。
時間がたつにつれて『この人は、自分に対して攻撃的なことはしてこないな』と気づき心を開いてくれます。
目を合わせない
子猫は、目を合わせると喧嘩を売られていると思われてしまいます。
威嚇されても、目を合わさずにしらんぷりしているのが1番。
知らんぷりする行動は『敵意ないですよ』思ってくれます。
無視するのはかわいそうだと思わず実践してみてくださいね。
子猫は恐怖と不安で威嚇することが分かったと思います。
しかし大人になると他の理由で威嚇する場面が多々あります。
猫が威嚇するのには、いろいろな理由があり、その時によって声も行動も違います。
紹介していきますね。
成猫の威嚇の種類
成猫になると威嚇を使う場面もさまざまです。
どのような威嚇があるのでしょうか、みていきましょう。
- 恐怖を感じている時
- 体調が悪い時
- 縄張りに侵入された時
- 怒っている時
- 不安な時
1.恐怖をかんじているとき
人や他の猫、生き物に対して恐怖を感じている時に威嚇をします。
この時は『シャーシャー』と牙をみせ耳はイカ耳、瞳孔が開いていることが多いです。
相手を攻撃するよりは、『来ないで』『あっちに行って』という気持ちが強いです。
すぐに飛びつくことはありませんので、気持ち落ち着くまで様子をみましょう
このような時は、無理になだめようとせず少し距離を置くのが賢明です。
イカ耳とは猫の耳がピンと張って外に向いている様子を表します。多くは外に向いていますが上向きになっている場合もあります。
2.体調が悪い時
猫は病気やケガをしていると、その痛みやストレスから「シャー」と鳴く場合があります。
わたしたちも体調が悪かったりすると人に当たったりしますよね。
何らかの弱みを抱えている猫は、防衛のために威嚇することがあるのです。
特に疼痛(とうつう)と呼ばれる「じっとしていても感じるような、うずく痛み」があるため、威嚇をします。
これは、『疼痛(とうつう)性攻撃行動』と呼ばれます。
- 関節炎
- 胃腸障害
- 叩かれた
- しっぽをドアに挟まれた
そのほか発情期やホルモンのバランスが崩れるとストレスで威嚇することがあります。
3.縄張りに侵入された時
猫は、先祖はヤマネコです。
縄張りで1匹で生活していました。なので縄張りを荒らされることは命も脅かします。
その名残で縄張り意識とても強く、突然知らない人や他の動物が近づいてくると本能的に威嚇をします。
この時は「ウウウー」と低音でうなったり、『ウワーオー』「ヴゥゥゥー」と今にも飛びつきそう声をだします。
からだの毛を逆立たせ、しっぽは膨らみ、できるだけ自分を大きく見せようとします。
この時は猫の怒りはMAX状態なので下手に人が手を出すとケガをするので、やめましょう。
他にも妊娠中もしくは出産直後の母猫は子猫を守るために特に神経質になっていることが原因で威嚇をすることがあります。
4.怒っている時
猫は、自由奔放です。
自分が嫌な事をされると、威嚇することがあります。
シャンプーや爪切り、ごはんや大好きなおもちゃを取り上げられた時などです。
他にも過剰なスキンシップな猫にとってストレスの原因になります。
威嚇したその時は「もうやめて」という合図です。
気持ちよさそうだと思ってやり過ぎてしまうと反感をかうのでやめましょう。
5.不安な時
猫は、不安でパニックになっている時は、甲高い声で『アオーン アオーン』と鳴き叫びます。犬の遠吠えに似ています。
この時は、パニックで何をするか想像ができません。
少し離れた距離で気持ちが落ち着くのを待ちましょう。
保護猫を里親さんの家に連れて行ったことがあるのですが、その子はびっくりし過ぎて、ゲージの一番上によじ登り『アウォーン』と鳴き続けていました。
相当怖かったんだと思います。
猫が威嚇する時の表情
威嚇は、鳴き声だけでなく、目、口、しっぽにも表情が現れます。
見てみましょう。
目の変化
猫は、明るいところでは、普通細い糸状の黒目になります。
しかし、怒りや威嚇状態に陥るとアドレナリンが放出され、瞳孔が開きまん丸の目になります。
明るいところでも、目が丸ければ怒っている状態なので、刺激をせずそっとしておきましょう
口の変化
口を開けて犬歯である牙をみせ、『俺はこんなすごい武器を持っているんだぞー』という表情をします。
怒りのレベルが低い場合は、口を開けないこともあります。
しっぽの変化
自分を大きく見せるために、毛を逆立てます。できるだけ大きく見せることにより相手に恐怖を与えようとしているのです。
他にも怒るとしっぽを横にバタバタ振ることもあります。
猫が威嚇するときの対処法
猫の威嚇には、原因があります。まずその原因をみつけてあげましょう。
その原因を取りのぞいてあげることが大切です。
【対処1】
原因が分かっている場合(シャンプーをして、おもちゃを取り上げた)は、下手にご機嫌をとっても火に油をそそぐだけです。
目を合わせず静かに少し離れた所に移動して見守って、猫が自分の意志で近寄って来るのを待ちましょう。
【対処2】
先ほども紹介したように疼痛(とうつう)性攻撃行動という事もあります。どこか触ると怒る、食欲や元気がない。
そんな時は、早めに動物病院に連れて行ってください。
【対処3】
イライラしていてなかなかクールダウンをしてくれないという子にはこのアイテムがおすすめです。
レジ袋を体の後ろなどでガサガサ鳴らします。すると動きを止めて『姿がみえないけど、どこかで音がする』と音を探すことに関心がいきます。
そうすることで興奮状態が落ち着きます。
レジ袋のガサガサ音は猫の正面写真を撮りたいときにも使えますよ!
まとめ
子猫や大人猫が威嚇する理由と威嚇の対処法について解説してきました。
【子猫の威嚇の場合】
【理由】恐怖や不安から威嚇をすることが多い。
【対処法】とりあえず、そっとしておいてあげるのが一番の対処法
【大人猫の威嚇の場合】
猫のきもち | 鳴き声 | 特徴 |
恐怖を感じている時 | シャーシャー | 牙をみせてイカ耳目は瞳孔が開く |
体調が悪い時 | シャー | 元気がない |
縄張りに侵入された時 | ウウウ― ウワオー |
低音で今にも飛びつきそうな感じ |
怒っている時 | シャー | 嫌なことが終われば元に戻る |
不安な時 | アオーン | 犬の遠吠えのように泣き叫ぶ |
【対処法】
- 原因を見つけて取り除く
- 疼痛(とうつう)性攻撃行動である場合があるので様子がおかしかったら動物病院は連れていく
- レジ袋をカシャカシャして気分をそらす
猫の威嚇も、鳴き声も飼い主さんへのサインかもしれません。
ぜひ、耳を傾けて仲良く猫と暮らしてください。