先日、愛猫ゆねがいつもよりゴロゴロと喉を鳴らしていました。
猫のゴロゴロ、きっと多くの人はリラックスしている時に鳴らすイメージがありますよね。
でも、こんな風にずっとゴロゴロいっているなど、なにかがいつもと違うなと感じるゴロゴロもあるというのはご存知ですか。
このいつもと違ったゴロゴロには猫のストレスや緊急事態が隠れていることも。
今回は、いつもと違うゴロゴロ音を発している時に考えられる、猫の状態についてご紹介していきたいと思います。
猫がゴロゴロ言い過ぎるのはネガティブな時が多い
猫がゴロゴロと喉を鳴らすのは、幸せな時だけではありません。
そうなんです。
むしろ猫がゴロゴロ言い過ぎているという場合はネガティブな理由で鳴らしているケースが多いんです。
これにはゴロゴロ音の特徴や効果、役割などと深い関係が。
まず、どんな状況でゴロゴロ鳴らしているのかみていきましょう。
猫がゴロゴロ言い過ぎる4つの理由
では猫がゴロゴと言い過ぎる理由についてご説明していきますね。
理由1、リラックスしている
猫はリラックスして幸せな時にゴロゴロ~と喉を鳴らします。
先代猫のしゅりはわたしが拾ってきたこともあり、わたしにすごくなついてくれていました。
わたしが使っていたタオルケットがお気に入りでふみふみしながらゴロゴロ~。
このゴロゴロ音を聞いているとわたしたち人間も幸せな気持ちになれますよね。
わたしの歴代の愛猫たちの紹介や、ねこぎふとを始めるきっかけについてご紹介した記事があります。
ぜひこちらもお読みください。
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理由2、緊張やストレスから自分を落ち着かせている
ストレスや不安、緊張を感じている時に自分を落ち着かせるためにゴロゴロと喉を鳴らすことがあります。
これは猫のゴロゴロ音にはリラックス効果があるため。
ケース1:病院の診察台で
先日猫を病院に連れて行った時のことです。
診察の順番が来て診察台に乗せるとずっとゴロゴロと喉を鳴らし続けていました。
ケース2:新入り猫を迎えたとき
新しく猫を迎え入れた日のこと。
新入り猫は子猫だったのですが、ずっとちっちゃくうずくまったままゴロゴロと鳴き続けていました。
しばらく経つと環境にもなれたのかゴロゴロ言わなくなり、周りの環境に興味を示し始めてました。
関連記事:先住猫の威嚇期間はいつまで?長引く理由と上手な対面4ステップを紹介
理由3、要求が満たされていない
猫にとってゴロゴロ音はコミュケーションツールの一つ。
生まれたばかりの子猫も母猫とコミュニケーションをとるために生後数日でゴロゴロ音を発するようになります。
猫にとって飼い主は母猫のような存在。
先ほどのゆねのように『何かを訴えたい』、『要求したいことがある』といったときは、飼い主さんに伝えようとゴロゴロ喉を鳴らすのです。
いつもよりゴロゴロ言っているかもと感じたときには、何か猫がストレスを抱えている時かもしれません。
猫はちょっとしたことでもストレスに感じやすく、またストレスに弱い動物です。
【猫の感じるストレスってこんなにある】
- トイレ問題(汚れている、猫砂を変えた、位置を変えた、他の猫が使った)
- ご飯が欲しい
- 遊んでほしい・構ってほしい
- 引っ越しをした
- 部屋の模様替えをした
- 新入り猫が来た
- 飼い主に新しく家族ができた
- 長く留守番をさせられた
ストレスの原因の一つであるトイレ問題。
この問題について詳しく説明した記事があるので、そちらも一緒にご覧ください。
関連記事:猫は綺麗好き!快適なトイレ環境と超簡単お手入れ術をご紹介します
理由4、病気や怪我などのピンチの事態
猫は病気や怪我をした場合や、死期が迫った場合などに、ゴロゴロと喉を鳴らすことがあります。
実は猫の怪我や骨折の治癒は人の約3倍といわれています。
猫のゴロゴロ音にその秘密があると、研究者が注目。
猫のゴロゴロ音は25ヘルツという低周波なのですが、これが骨を強くする周波数であることがわかったのです。
なんと現在の人間の骨折治療には、この猫のゴロゴロ音からヒントを得た治療法が先進医療として用いられているんですよ。
猫のゴロゴロ音が骨折治療に使われていることについて、詳しくご説明したものがこちらの記事になるので、ぜひ読んでみてくださいね。
関連記事:猫のゴロゴロ音は【骨折予防と治療に有効!】科学的証明と5つの効果
また猫は自分が病気になった時、分娩の時、死期が近づいた時に鳴らすゴロゴロには痛みを減らし、幸せを感じられる作用があります。
猫が緊張や不安、苦痛を感じてゴロゴロと喉を鳴らすときには、脳内からエンドルフィンという物質が分泌されています。
エンドルフィンとは?
「お腹いっぱい食べた」や「欲求が満たされた」といったときにも放出され、脳が幸せだと感じる作用を持つ物質。
さらに脳内麻薬と呼ばれ、鎮痛効果はモルヒネの約6.5倍。
つまり、病気や分娩、死期が近づいている辛い状況になった時に、猫たちはこのエンドルフィンを分泌させ、脳が痛みを感じないように、幸せな気持ちになれるようにゴロゴロと鳴らしているということですね。
このゴロゴロ以外にも猫が自分の「死」を悟った時にとる行動について、また飼い主の心構えについて書いた記事があります。
関連記事:いつかは死ぬ愛猫。あなたは事前の行動の変化に気がつきますか?
【ゴロゴロ言い過ぎる理由】
- リラックスしている
- 緊張やストレスから自分を落ち着かせている
- 要求が満たされていない
- 病気や怪我などのピンチの事態
猫のゴロゴロ音の特徴・効果
猫がネガティブな理由からゴロゴロと喉を鳴らすことがあることもわかりましたね。
ここで猫のゴロゴロ音の特徴や効果について改めてご説明していきたいと思います。
猫のゴロゴロ音は喉の筋肉を収縮させて、声帯をふるわせることで鳴らすことができます。このゴロゴロ音の周波数は25ヘルツという低周波です。
この周波数には次の効果があります。
- 低周波は副交感神経を優位にする効果がある
- 20~50ヘルツの周波数には骨を強くする効果がある
これは科学的にしっかり証明された事実です。
交感神経 | 副交感神経 | |
早くなる | 心拍数 | 遅くなる |
上がる | 血圧 | 下がる |
早くなる | 呼吸 | 遅くなる |
促進 | 発汗 | 抑制 |
散大 | 瞳孔 | 縮小 |
抑制 | 消化器 | 促進 |
ゆねが気付いてくれたように、活動的に動くときに優位なのは「交感神経」。その反対に、リラックスした状態に優位になるのが「副交感神経」になります。
副交感神経が優位になることで、心を静め、ストレスを減らし自己免疫力もあがります。
そして先ほどもお話しした通り、猫が緊張したり苦痛を感じている時にゴロゴロ鳴らす時には、脳内麻薬と呼ばれる「エンドルフィン」という強い鎮痛作用と幸せを感じる作用を持つ物質が分泌されます。
【猫のゴロゴロ音の特徴・効果】
- ゴロゴロ音は25ヘルツの低周波
- 低周波は副交感神経を優位にする
- 副交感神経が優位になることでストレスを軽減・自己免疫力を高める
- ゴロゴロ音を聞くと幸せホルモンの『セロトニン』が分泌される
- 猫の緊急時にゴロゴロ鳴らしている時は脳内から『エンドルフィン』という脳内麻薬が分泌されている
猫のゴロゴロ音は人間にとっても嬉しい効果がたくさんあるんです。
関連記事:猫と暮らして幸せホルモン分泌?スキンシップがWin-Winの秘訣
猫のゴロゴロは音の高さでも理由が違う
このゴロゴロ、頻度だけでなく、ゴロゴロの音の高さも一緒に把握しておくとより一層猫が何を言いたいのかがわかるようになります。
高いゴロゴロ音は何か要求がある
この高い音のゴロゴロは、「何かしてほしい」「甘えたい」など要求があることを飼い主さんに伝えるときに聞かれます。
この高音のゴロゴロの周波数はおよそ220~520ヘルツ。
これはなんと人間の赤ちゃんの泣き声の周波数に近いんですよ。
この人間の赤ちゃんの泣き声と周波数が似ていることで、人間は猫の高音ゴロゴロを聞くと『要求にこたえてあげなくちゃ』という気持ちに。
中低音はリラックスしている
中低音のゴロゴロ音は子猫が母猫とじゃれあったり、逆に母猫が子猫のお世話をするときなどに出す音。
そして私たち飼い主がよく耳にする「幸せなとき」「リラックスしているとき」に聞かれるゴロゴロ音なんです。
低いゴロゴロ音は痛みや苦しいなど異変がある
そして低いゴロゴロ音。この低いゴロゴロが聞かれたときには注意が必要です。
病気や分娩、死が近づいている時には低いゴロゴロ音が聞かれます。
動物病院の受診が苦手な猫も多いですよね。
そんな猫ちゃんを飼っている飼い主さんのために動物病院受診に向けた準備などをご紹介した記事があります。ぜひ読んでみてくださいね。
関連記事:【猫が動物病院で暴れる!】今からでもできる対策方法を徹底紹介
【番外編】ゴロゴロ音が大きい猫
中にはそんなにゴロゴロ言っているわけではないけど、すごくゴロゴロ音が大きいということがあります。
ゴロゴロ音の大きさを左右するのは次の3点
【ゴロゴロ音が大きくなる理由】
- 体が大きい
- 相手に伝えたい思いが大きい
- 筋肉が発達している
一般的な猫のゴロゴロ音は25デシベルです。
この平均を大きく上回ったのがギネス世界記録に載っているイギリス在住のマーリンちゃん。
2013年に『世界一大きなゴロゴロを鳴らす猫』としてギネス新記録に登録。
その時の記録は「67.8デシベル」と一般的な猫の約2.7倍。
インタビューを受けているマーリンちゃんの動画があるので、音の大きさを体感してみてくださいね。
まとめ
ここまで、猫がゴロゴロをいつもより言い過ぎているなと思ったとき、どんなことが考えられるのかについて説明してきました。
猫のゴロゴロは嬉しいときなどポジティブな時に出すものばかりではなく、ネガティブな場合もあるということがわかりましたね。
【猫がゴロゴロ言い過ぎる理由】
- リラックスしている
- 自分を落ち着かせている
- 何か訴えたいことがある
- 病気や怪我などのピンチの事態
これは猫のゴロゴロ音がもつ特徴や役割に深く関係していました。
【猫のゴロゴロ音の特徴・効果】
- ゴロゴロ音は25ヘルツの低周波
- 低周波は副交感神経を優位にする
- 副交感神経が優位になることでストレスを軽減・自己免疫力を高める
- ゴロゴロ音を聞くと幸せホルモンの『セロトニン』が分泌される
- 猫の緊急時にゴロゴロ鳴らしている時は脳内から『エンドルフィン』という脳内麻薬が分泌されている
猫のゴロゴロ、ぜひ今度からどんなときに鳴らしているか、音の高さはどうかなと意識して聞いてみてください。
今よりもっと猫のことを分かってあげられるはずですよ。
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