猫のどこが好きですか。
丸い目、耳、うっとりするような手触りの良い毛、一生懸命毛づくろいする姿、ツンデレな態度、背中に顔をうずめてスンスン嗅ぐなんとも言えない良い香り。
考えると次から次へと出てきますが、しっぽも捨てがたいですよね。
1匹1匹お顔が違うのと同じで、しっぽも色々です。
長いしっぽ、短いしっぽ、曲がったしっぽ、どれも可愛いですよね。
ゆねのしっぽはふわふわで、いつも触りたくて手が伸びてしまいますが、ハッとして手を引っ込めています。笑
犬は感情をしっぽで表すのはご存知の方も多いと思いますが、実は猫もしっぽで感情を伝えています。
しっぽが好きすぎて、わたしは何かとしっぽを注目して見ていることが多いのですが、しっぽの動きは本当に色々で面白いですよ。
あなたの猫ちゃんはどんなことを伝えているのか、じっとしていて顔がこっちを向いていなくてもこの記事を読めば分かる様になりますよ。
人間には無いしっぽだからこそ知っておきたい色々も合わせてご紹介しますね。
しっぽの構造と種類
しっぽについての素朴な疑問、たくさんありますよね。実は知らない猫の生態について、ここで一通り見て行きましょう。
しっぽの構造
長いしっぽの猫の場合、尾椎という20〜24個の骨と複数の筋肉で構成されています。
色々な動きができるのは尾骨神経のおかげです。
この神経は骨盤、陰部、下腹などの重要な神経と繋がっており、とてもデリケートな部分です。
しっぽの付け根をトントンされるのが好きな猫もいますし、とにかく触られるのを極端に嫌がる猫もいます。
しっぽの怪我に要注意
しっぽやその周りには大切な神経がたくさん通っています。
特にしっぽの長い子と生活している場合や、お子さんが小さい家庭は注意が必要です。
猫は赤ちゃんや小さい子には基本的に優しいので、子どもがしっぽを触っても怒らないかもしれませんが、だからこそ注意して猫ちゃんを守ってあげてください。
猫が自分で追いかけて遊んでいるからといって、猫のしっぽを子どものおもちゃにしてしまうのはNG。
しっぽはデリケートな部分なので、怪我をしてしまうと最悪の場合、下半身に障害が出て、歩行障害、排泄障害になってしまいます。
厄介なのは一部分の怪我が他にも影響するということです。
ですから、しっぽの長い猫ちゃんを飼っている人は、むやみに引っ張ることは絶対にしてはいけませんし、しっぽを踏んでしまったり、戸に挟んでしまうなどにも注意が必要ですね。
以下のことに気をつけるだけでも、猫ちゃんのしっぽを守れます。
- 毛布、布団の下に猫がいないか→うっかり踏むようなところに置かないようにしましょう。
- 立ち止まっている時に足元に猫がいないか→足音のしない猫ですから飼い主が気をつけてあげましょう。
- 戸を閉めるときに近くにいないか→パッと駆け寄ってきた時に挟んでしまうかもしれません。
- 危ないドアにはドアストッパーをつける→勢いよく閉まってしまう重たいドアなどには子ども用の指挟み防止グッズを使うのも手です。
しっぽの種類
猫のしっぽは、形も長さも色々で個性的ですよね。
大きく5つに分けられます。
- 長い
- 短い
- 中間の長さ
- かぎ尾(先が曲がったしっぽ)
- しっぽ無し(マンクスという種類)
ヤマネコが飼い猫の祖先と言われているので、基本的には猫はしっぽが長いのですが、遺伝子がしっぽの種類を決めます。
日本では、おとぎ話に出てくる化け猫のしっぽが長いので、しっぽの長い猫より、かぎ尾やしっぽの短い猫の方が好まれて、増えたようです。
しっぽが長い方が身体能力的に考えても、仲間との意思の疎通の面でも有利なのですが、まさか化け猫が恐れられたが故に、日本では短いしっぽの猫が多かったとはびっくりですね。
何のためにあるの?しっぽの役割を知ろう
猫が自分のしっぽを追いかけてぐるぐる回っているのを見たことがある人もいるかもしれません。
子猫のうちは、何だか分からず、ひょっとしたらおもちゃだと思っている子もいるかもしれませんが、猫のしっぽは感情を表す以外にも重要な役割を持っています。
猫らしい動きを支える
猫は高くて狭い場所でも、落ちずに歩けますよね。
うちのゆねは、息子がおもちゃを落とすなどして、大きな音がした時は驚いて高いところに避難するのですが、カーテンレールの上を走ったりするので、毎回驚かされます。
もちろん、猫の機敏な動きやバランス能力はしっぽの働きだけではないのですが、しっぽを瞬時に動かしてバランスを取っているのです。
人間も平均台の上や塀の上を歩くときに、両手を広げて左右前後に振って落ちないように歩きますが、猫の場合はしっぽがその働きをするのです。
高いところからジャンプして着地するときも、体の向きや足の方向を変えたりするのにしっぽが役立ちます。
携帯ふとん?あったまるのに使う
最近は暖房設備が発達して冬でも家の中が暖かく、便利グッズも多いので、猫が寒い思いをすることはなかなかないと思いますが、猫は寒さに弱い動物です。
寒い時には、体をなるべく小さく丸めて熱が逃げるのを防ぎます。
しっぽも首や体に巻きつけて空気に当たる部分を減らします。
自分のニオイをつけてリラックス?マーキング
よく猫は人に甘える時に、体をすり付けてきますよね。
余裕がある時ならいいのですが、忙しい時にお尻でぐいぐいこられると嬉しいやら困ったやらです。
あのスリスリはマーキングの一種なのですが、猫は顔には側頭腺、しっぽの近くには尾腺という分泌腺があります。
肛門腺や尿のマーキングとは違って、人間には感じないにおいです。
このにおいは、猫がリラックスできるにおいなので好きな人や、お気に入りの場所にすりすりしてくつろぎます。
愛猫のマーキングに困っている方へ
側頭腺や尾腺から出すにおいはフェイシャルフェロモンと呼ばれ、このにおいがする場所では猫はあまりマーキングをしないそうです。
そのにおいを利用してマーキングを防ぐ薬もあります。
猫にも人間にも優しく、叱ったり、猫に嫌な思いをさせずに、マーキングをやめさせることができるかもしれないですよ。
インターネットで手軽に購入できます。
しっぽでどのくらいの感情を表しているの?
この記事では分かりやすいサインとしてしっぽをご紹介していますが、しっぽが短かったり、しっぽが無い猫でも、感情をくみ取ることはできます。
猫はしっぽだけでなく、目、耳、ひげ、鳴き声など、全身を使って感情をわたし達に伝えてくれています。
猫の真似をしてくださいと言われたら「にゃぁ」と言う人がほとんどだと思います。
実は猫はあまり鳴かない動物で、本来鳴き声でコミュニケーションを取るのは子猫と親猫の関係だけです。
飼い主に鳴き声で色々伝えてくれる猫ちゃんは、信頼してお母さんと同じ様に思ってくれているのかもしれませんね。
しっぽの無い種類の猫は全身で感情を伝えてくれています。
しっぽの短い種類の猫は、よ〜くしっぽを見てみて下さい。
ピコピコ振ったり、ぐるぐる回すようにしたり、毛を逆立てたりして必死に伝えてくれていますよ。
しっぽを持ち上げられない分、お尻を必死に上げて小刻みに振るわせている時は、嬉しい時です。
しっぽが短い、無い猫を飼っている方はしっぽ以外の感情を知る方法が書かれていますので、こちらの記事もぜひご覧ください。
https://www.shiawasegift.com/cat-cry%E3%80%80-2/
しっぽの動きと感情
たくさんの動きがあるので、喜怒哀楽と番外編の5つに分類してご紹介します。
【喜】~嬉しい時
くねくね
面白いことを見つけたり、遊びたい時などワクワクしています。
ぷるぷる
しっぽを立てて小刻みに振るわせている時は、嬉しくて興奮しています。
ぴーん
嬉しい時や餌が欲しい時です。
どちらかはすぐに分かりますね。
猫同士だと、子猫が母猫に寄って行くときにぴーんとしっぽを立てます。
大人の猫は仲良し同士だと、ぴーんとして挨拶します。
【怒】〜怒っている、機嫌が悪い時
ボワッ
猫は威嚇する時、自分を大きく見せるために毛を逆立てますが、しっぽの毛もボワッと逆立てて膨らませます。(立毛筋という筋肉が収縮して逆立ちます。)
びっくりした時、怖がっている時にも同じ様にしっぽが膨らみます。
スッ
山を描く様にしっぽをスッとへの字型にしている時は臨戦状態です。
ボワッと毛を逆立てるのとセットで攻撃です。
近づくなと言っている状態なので気をつけましょう。
ブンブン・バタバタ
イライラしている、ストレスが溜まっている時に大きく動かします。
犬だと喜びの合図ですが、猫は機嫌が悪い時、敵を目の前にしている時に早く動かします。
横になっていても、しっぽを振っていたら近づかないのが一番です。
なでなでした時にしっぽをこのようにふり始めたら、顔はうっとりしていても嫌がっている合図ですので、注意ですよ。
【哀】〜悲しい、怖い時
だらん
叱られて悲しい時、元気がない時はしっぽをだらんと下げます。
元気がない時は気持ちでなく体調不良の場合もありますので、よく見てあげて下さい。
くるり
怖い時に、後ろ足の間にくるりとしっぽを巻き込みます。
耳も寝かせるようにしていたら、体を小さくして身を守っています。
ピクピクッ
小さく速く動かしているときは不安を感じている、緊張している場合があります。
考え事をしている時にもなりますが、複雑な感情の時ですので、様子を見てあげましょう。
【楽】〜楽しい時
ピクピク
しっぽを立てていても、下げていても先っぽだけピクピクさせているのは好奇心が刺激されるものを見つけてワクワクしている時です。
番外編
名前を呼んだときにしっぽだけ動かす
飼い主の方を向いたりせずにしっぽの先だけ動かして返事をしています。
「聞いてる聞いてる」「はいはい」って適当に返事しているのでしょうか。
ツンデレの猫っぽい対応ですね。
しっぽを大きくゆっくり振っている
機嫌よく、リラックスしている状態なのでそっとしてあげましょう。
座ってしっぽを前足に巻きつける
これもリラックスしている証拠なのでそっとしてあげましょう。
座ってしっぽを上下にパタパタ
次に何をしようかと考え中の合図です。
実際の猫のしっぽはどのような動きをするのか、一例としてこちらの動画で見ることができます。
まとめ
猫はしっぽで様々な感情を伝えてくれていましたね。
嬉しい時→くねくね、ぷるぷる、ぴーん
怒っている、機嫌が悪い時→ボワッ、への字にする、ブンブン・バタバタ
悲しい、怖い時→だらん、くるり、ピクピクッ
楽しい時→しっぽの先だけピクピク
名前を呼んだときに「ちょっとめんどくさいなぁ」と思ったらしっぽだけで返事をするというのもご紹介しましたが、ツンデレな猫っぽい対応で寂しいけど猫好きとしてはキュンキュンですね。笑
しっぽをゆっくり振っている時、座って足にしっぽを巻きつけている時は、リラックスしています。
可愛いから触りたくなっちゃいますが、猫はそんな時は放っておいてほしいので、じっと我慢です。
座ってしっぽだけをパタパタしているときは何をしようか考え中なので、一緒に遊ぶチャンスかもしれませんね。
しっぽの動きと合わせて、目、耳、ひげ、鳴き声なども合わせて見ると、より一層愛猫の気持ちが分かり、もっと仲良くなれますよ。
人間にはない、魅惑的な猫のしっぽは奥が深くて、知れば知るほどまた猫の虜になりますね。