2代目の猫「しゅり」のためにキャットフードの口コミを調べたり、猫に必要な栄養を調べたりしたことがありました。
そのかいあって、しゅりの毛並みがすごく綺麗になり、体臭も全くなくなったんです。
ストレスをなるべく減らしてあげるなど、食事以外のことにも気を付けたので、すべてがキャットフードのおかげではなかったのだと思いますが、それでも本当に驚くくらいの変化だったんです。
そんなキャットフードについて調べていた時に「ミール」にまつわる恐ろしいネットの記事を目にしました。
そのネット記事では、キャットフードには飲食店の残飯を使用している、鶏の羽根・くちばし・トサカなどすべての部位を使用してかさまししている、など書かれていました。
愛猫が口にしているキャットフードに、このようなものが使用されていると思うとぞっとしますよね。
そんな恐ろしく危険なキャットフードは実際に存在するのか、見分けるにはどうしたらいいのか、徹底的に調べてきたのでキャットフード選びの参考にしてみてください。
ミールとは「粉状にしたもの」という意味
キャットフードの原材料に使用されるミールには、チキンミールやミートミールなど様々なものがあります。
この「ミール」という言葉は粉状にしたもの、という意味です。
そのため、ミールと記載があるからと言って
必ずしも危険なキャットフードというわけではないです。
そうですよね。
ミールにする過程で、お肉以外の余計なものを混ぜてしまうのではないか、という印象がわたしにもありました。
しかしミールにすることには多くのメリットがあるんです。
- 生肉と比べ重量当たりの栄養価を高くできる
- 粉状にする過程で水分が無くなるため、長期保存できる
- ほかの材料とのつなぎになる
しかし、やっぱり重要なのはどんなものがミールにされているのかということですよね。
ミールにはどのようなものがあるのか、本当に安全なのか、飼い主として気になってしまう点を解説していきますね。
ミールの基準
多くのペットフードが取り入れている、AAFCO(全米飼料検査官協会)では次のような基準を設けています。
チキンミール |
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ミートミール |
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家禽(かきん)ミール |
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少し意外に思えますが、野生の猫やライオンなどは獲物の内臓を食べたり、小動物であれば丸呑みしてしまうので、骨が使用されていても問題はないということですね。
キャットフードの安全性を説明するうえで最も重要となってくるので、次にこのAAFCOについてご説明しますね。
キャットフードの安全性
さまざまなミールの定義についてはわかっても、まだまだ安全であると確信が持てませんよね。
ミールの安全性を証明するために、次のような、ペットフードの「栄養やラベル表記」の基準を設けている団体や法律を紹介しますね。
- AAFCO
- ペットフード公正取引協議会
- ペットフード安全法
まずは先ほどお話ししたように、多くのペットフードがその基準を取り入れている、AAFCOから説明していきますね。
AAFCOってなに?
AAFCO【The Association American Feed Control Officials】とは米国飼料検査官協会のことで、ペットフードの栄養基準やラベル表示の基準を作っているアメリカの団体です。
注意点として、あくまで基準を作っている機関であり、認定や検査を行う機関ではありません。
そのため、キャットフードやドッグフードにも「AAFCOの基準をクリアした」のように記載されています。
AAFCOの栄養基準では、犬や猫の必要最低限な栄養素と、取りすぎてはいけない栄養素の最高値の基準を設けているだけにすぎず、使用されている原材料の品質までは指定していません。
またAAFCOでは、ラベル表示についても明確に記すように基準を設けています。
たとえば鶏だけのお肉であればミートではなくチキンと記載するなど、原材料が消費者にわかりやすいようにするようルールが設けられています。
しかし一方で、少しの鶏肉と大量の骨でミールを作るとそれはチキンミールと記載されるなどある種抜け穴のようなものもあります。
そのため、残念ながらAAFCOのをクリアしているからと言って、安全性が保障されるわけではありません。
ペットフード公正取引協議会とは
AAFCOでは認定や検査を行っていないとお話ししましたが、主に日本で販売されているペットフードはペットフード公正取引協議会という団体が調査・検査を行っています。
こちらのペットフード公正取引協議会を取りまとめている、公正取引協議会のホームページに調査・検査を行っていると明記されていますのでご参考までにご覧ください。
消費者庁・公正取引委員会の認定を受けて設立された公正競争規約は、業界の自主規制機関によって運用されます。各業界では公正競争規約を運用するための団体を組織しています。
これが公正取引協議会です(既存の業界団体が運用していることもあります。)。これらの運営団体では、各業種に応じた調査や検査を行ったり、公正マークを発行するなど公正競争規約の遵守、普及のための活動を行っています。
全国には不動産や食料品、家庭用品、自動車など全国組織の協議会が77(平成31年4月現在)設立されています。このうち76が当連合会に加入しております。
また難しそうな団体が出てきたと思いましたよね。
ちょっとこちらの写真を見てみてください。
牛乳などでよく見かけると思うのですが、こういった公正と書かれたマークを見かけたことはありませんか。
少し身近に感じていただけたでしょうか。
他にもこのようなマークがあります。
これは全国公正取引協議会連合会が発行している、業種ごとに決められた表示や製造のルールに合格したことを表すマークです。
ペットフードを取り扱っている会社は、ペットフード公正取引協議会で定められたルールに合格すると、次のような文章でペットフード公正取引協議会に合格していることをペットフードに記載することができます。
- この商品は、ペットフード公正取引協議会の定める分析試験の結果、総合栄養食の基準を満たすことが証明されています
- この商品は、ペットフード公正取引協議会の定める給与試験の結果、総合栄養食であることが証明されています
ペットフード公正取引協議会のルールの中に、AAFCOの基準に従ってフードを製造することが定められています。
そのため、ペットフード公正取引協議会のルールに従って製造したキャットフードは、先ほど説明したAAFCOのミールの定義で製造されています
このペットフード公正取引協議会に加盟しているペットフード会社は、ペットフード公正取引協議会・会員一覧で確認できます。
またAAFCO同様、きちんと原材料を明記するというルールがあります。
AAFCOと違い調査・検査を行っている団体なので、きちんと基準が守られているという安心感がありますよね。
- 同事業者間でのルールを決めるために設けている、公正取引協議会という団体がある
- その公正取引協議会のなかに、ペットフード公正取引協議会がある
- ペットフード公正取引協議会では、調査・検査を行っている
- ペットフード公正取引協議会では、AAFCOの基準に従ってフードの製造をするルールが設けられている
- ペットフード公正取引協議会で設けられたルールに従って製造されたフードには、その旨がわかるように文章でパッケージに記載されている
日本国内で販売されている90%以上のペットフードが、ペットフード公正取引協議会に加入しているフード会社から販売されています。
そのため、日本で販売されているキャットフードにミールとの記載があった場合、ほぼすべてがAAFCOの定めるミールの定義で製造していることになります。
実際にわたしも近所のペットショップなどで片っ端からキャットフード・ドッグフードのパッケージをひっくり返してくまなく探してみましたが、ほぼすべてにペットフード公正取引協議会の文字がありました。
ペットフード安全法
2009年にペットフード安全法が施行され、メーカーへの立ち入り検査や製品・原材料の検査も行われるようになりました。
独立行政法人農林水産消費安全技術センター(FAMIC)による検査結果は農林水産省から確認することができます。
安全性に関しては、ペットフード安全法の第二章の第七条に主に明記されています。
第七条 農林水産大臣及び環境大臣は、次に掲げる愛がん動物用飼料の使用が原因となって、愛がん動物の健康が害されることを防止するため必要があると認めるときは、農業資材審議会及び中央環境審議会の意見を聴いて、製造業者、輸入業者又は販売業者に対し、当該愛がん動物用飼料の製造、輸入又は販売を禁止することができる。
一 有害な物質を含み、又はその疑いがある愛がん動物用飼料二 病原微生物により汚染され、又はその疑いがある愛がん動物用飼料
これらに違反すると「一年以下の懲役若しくは百万円以下の罰金に処し、又はこれを併科する」とあります。
安全なキャットフードを選ぶポイント
AAFCOやペット公正取引協議会の存在により、原材料に表記のないものが、キャットフードに入っていないことはわかりました。
そのためミールと記載があるからと言って、わたしが目にしたネット記事のような、残飯やトサカなどがキャットフードに入っていることはありえません。
しかしラベル表記や栄養基準の基準はありますが、ミールに使用される品質についての基準には明確な物がないのも確かです。
ポイントは3つあります。
- 原材料を確認する
- 副産物不使用を選ぶ
- ヒューマングレードを選ぶ
1つずつ見ていきましょう。
1.原材料を確認する
とてもシンプルですが、原材料を確認することが一番大切です。
キャットフードは使用されている原材料の多い順に記載されています。
穀物や副産物(次の項目でご説明します)など、猫にあまり必要でない栄養が多く含まれる原材料が初めのほうに記載されているキャットフードは購入を控えたほうが良いです。
また、キャットフードメーカーのホームページを一度覗いてみるのが一番おすすめです。
少し手間に感じるかもしれませんが、原材料へのこだわりがあるメーカーは製造方法や栄養成分などをわかりやすく掲載しています。
反対に原材料への自信がないメーカーは、食いつきの良さやラインナップの多さなどを猛プッシュしています。
2.副産物不使用を選ぶ
副産物とは、肉以外のすべての部位の事を言います。
たとえば豚副産物や家畜副産物と記載があれば、心臓(ハツ)や肝臓(レバー)砂肝など内臓が使用されていることが多いです。
いわゆるホルモンと呼ばれる部位はわたしたちも口にしますし、ビタミン・ミネラルが豊富で、それ自体が危険性があるというわけではありません。
副産物が何番目に表示されているか、そしてほかの原材料で上質なタンパク質や脂質などの栄養が補われているかを確認する必要があります。
それらが難しい場合、副産物不使用を謳っているキャットフードもあるので、そういったフードを選ぶのも一つの手です。
3.ヒューマングレードを選ぶ
ヒューマングレードとは、人間の食用基準を満たしている原材料で作られたフードの事を言います。
しかし人間の食用とする明確な基準はないため、本当に質の良いヒューマングレードのキャットフードであるかは見極める必要があります。
こちらの記事で詳しくお話ししているので、あわせて覗いてみてください。
まとめ
起きていないことの証明は、起きていることを証明するよりも難しい、という状態なのですが、実在する団体や法律を用いてミールの安全性をお話ししてきました。
まず、主なミールの種類はこちらでした。
チキンミール |
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ミートミール |
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家禽(かきん)ミール |
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これはAAFCOの定めた基準であり、日本で販売されているペットフードの90%以上が加盟しているペットフード公正取引協議会もこの基準を取り入れています。
- AAFCOでは原材料を消費者にわかりやすく明記するよう定めている
- ペットフード公正取引協議会では、AAFCOの栄養基準やラベル表示の規定を取り入れており、調査・検査を行い、公正を認定している
そのため、ミールに残飯やトサカ・くちばしなど量を増すために原材料に明記されていないものが入っていることはありえません。
また、ペットフード安全法では以下の二点の使用を禁止しています。
- 有害な物質を含む、またはその疑いのある愛がん動物用飼料
- 病原生物により汚染、またはその疑いのある愛がん動物用飼料
- 原材料を確認する
- 副産物不使用を選ぶ
- ヒューマングレードを選ぶ
また、原材料に使用される材料の質についてはどこにも基準が設けてありませんでした。その不透明さが、あらぬ噂の原因なのでしょう。
ミールという定義自体には危険性はありませんが、どのような材料を使っているかが一番のポイントとなります。
これはキャットフードに限らず、わたしたち人間の口にする食べ物にも同じことが言えますよね。
少し手間に感じてしまいますが、信頼のおけるペットフード会社のキャットフードを購入するのが一番の安全法だと感じました。