我が家の愛猫「ゆね」って、すごくよく寝るんですよ。
窓辺でスヤスヤ。ベッドでスヤスヤ。
やっと起きて、お気に入りのキャットタワーで遊んでいるなと思ったら。次に見た時にはまた寝ているんです(笑)
そう、猫は「よく寝る子」だから「寝子」と呼ばれるようになったと言われるほど、昔から良く寝る生き物。
みなさんのお家の猫ちゃんも良く寝ているのではないでしょうか。
猫が寝る時間が長いのは、立派なハンターとしてネズミなどを狩っていた頃からの習性が大きく関わっています。
ですが、中には体調不良が原因でずっと寝ていることもあるんです。
今回は、猫が長い時間寝ている理由や、体調不良に気付くためのポイントを中心に、健康と密接に関わる睡眠についてお伝えしていきます。
猫が寝る時間は長い
猫は一日の半分から2/3近くを寝て過ごします。
つまり、猫の睡眠時間は12時間~16時間ということ。人と比べるとかなり長く感じますよね。
人の平均は8時間と言われていますが、日本人の平均は世界で一番低く、6時間30分前後なんですよ。
猫の平均睡眠時間
たくさん寝る猫たちですが、人と同じで年齢によって寝る時間の長さも変わってきます。
生まれてすぐの子猫は20時間以上寝ることも。大きくなるにつれて少しずつ短くなっていきます。
子猫にとっての睡眠は、健康に成長するためにとても大切な時間です。
寝ている間に成長ホルモンが分泌され、脳内に新しい神経の回路がつくられていくんですよ。なので、ゴハンの時間以外はほとんど寝ています。
子猫特有の生活リズムについては、こちらにまとめました。
一方、シニア猫は10歳を過ぎると少しずつ眠っている時間が長くなっていきます。足腰が弱ってくることもあり、日常生活を送るにも体力を使うからです。
あまりに寝たきりになると、「床ずれ」を起こしてしまうこともあるので、時々体勢を変えるなどしてあげてくださいね。
「床ずれ」とは、ずっと床に接している部分の血行が悪くなり、皮膚が壊死してしまうこと。皮膚にぽっかりと穴が空いてしまうんです。
子猫:18~20時間
成猫:12~16時間
シニア猫:20時間前後
猫が長く寝る2つの理由
それには、狩りをしていた頃の習性に基づいた2つの理由があるんです。
- 常に周囲を警戒しているため
- 体力を温存するため
一つずつ詳しくお伝えしていきます。
常に周囲を警戒しているため
まずは自分の身を守るため、敵が近づいてきたら逃げなければいけません。そして、獲物を他の猫や動物に取られるわけにもいきません。
だから猫は常に警戒状態。いつでもアンテナを張り巡らせているんです。
睡眠には、レム睡眠とノンレム睡眠という2種類があります。
レム睡眠はウトウトとうたたねをしている状態、ノンレム睡眠は熟睡している状態です。猫も人も、この2つをを繰り返します。
- レム睡眠(うたたね):1回30分~90分
- ノンレム睡眠(熟睡):1回7分
ぐっすり眠っている7分間のノンレム睡眠を何度か積み重ねても、1日の合計は3時間ほどしかありません。
寝ているゆねの名前を呼ぶと、しっぽを振ることがあるんです。レム睡眠の状態では、起き上がりはしないけれど聞こえてはいるんですね。
寝ているけれど、実は全然眠っていないのが猫たちなんです。
無駄に体力を使わないため
猫は肉食動物。肉食動物は狩りをしますよね。
睡眠は狩りの合間に取り、獲物の気配を感じればすぐに狩りに出られるように力を蓄えています。
わたしもずっとそう思っていました。
ですが、実際のところ猫は薄明薄暮性(はくめいはくぼせい)。明け方と夕方に活発に動くことを言います。
猫が獲物としてきたネズミも同じく薄明薄暮性。ネズミが活動する時間に合わせて狩りができるように、それ以外の時間はじっと寝ているんですね。
実は獲物を狩るタイミングに睡眠時間を合わせていた習性、狩りをしなくなった今も続けているんですよ。
そのとおり。起こせばゴハンをもらえると学習して、しっかり時間を守って活動しているんです。
反対にその習性を生かして、飼い主さんが起きてからゴハンを与えるようにしてみましょう。
早く起きても得るものがないと感じた猫はゆっくり寝てくれますよ。
休みの日はゆっくり寝たい人や、お仕事の都合で毎日同じ時間にはゴハンをあげられない人におすすめなのがこちら。
- 常に周囲を警戒しているため
- 体力を温存するため
猫は長く寝ていますが、熟睡はせず、じっとすることで必要な時に活動できるようにしています。
知っておきたい体調不良の可能性
子どもの頃飼っていた「みゅう」が、じっと動かず寝ていたことがあったんです。
いつも寝ているのでしばらくそのまま様子を見ていましたが、あまりにも動かない。心配になったわたしは、母に相談して動物病院に連れて行ってもらうことになりました。
すると、結果は胃腸炎でした。
- ずっと同じところで寝ている
- 毛が逆立っている
- 呼吸が荒い
- 気温は低くないのに震えている
- 食欲がない
- 熱がある
もし、こんな症状がみられたら体調が悪いのかもしれません。
理由はいくつか考えられます。
- 病気にかかっていて辛い
- 怪我をしていて痛い
- 精神的にダメージを受けて落ち込んでいる
長い時間体調不良が続くと命の危険もでてくるため、24時間以上異変を感じ続けるようであれば、動物病院を受診するようにしましょう。
愛猫の体調不良は気が動転してしまいがち。わたしは動物病院に行っても、症状を伝えそびれてしまうことが多かったんです。
考えられる病気や、病院で伝えたいことについてはこちらにまとめてあります。
もし今、猫ちゃんの様子に不安を感じていることがあれば読んでみてくださいね。
いつも長く寝ているとはいえ、様子の違いにはすぐに気付いてあげたいですね。
眠りの質は寿命に直結する
ただでさえ熟睡している時間が短い猫。
その時間にちょっかいを出されて邪魔されてしまったり、寝床が落ち着ける環境でなかったりすると、睡眠不足になってしまうかもしれません。
ストレスは免疫力を下げてしまったり、体にたくさんの不調を招きます。
すると、体の中がどんどん老化していってしまう原因に。
いつまでも元気でいるために、快適な眠りにつける環境を整えてあげましょう。
寝るのに適した環境づくり
猫が快適に眠るために大切なポイントは3つです。
- 安心できる
- 明るすぎない
- 気温が心地よい
一つずつ解説していきますね。
1.安心できる
いつ敵が襲ってくるかわからない環境では眠れないのは当然のこと。猫は、狭いところや高いところだと安心して眠ることができます。
高いところにいれば周囲を見渡すことができ、地上の敵から襲われにくくなるんです。
お家で暮らしている猫は襲われる心配はありませんが、遺伝子に刻まれたものがあるんですね。
2.明るすぎない
猫は人の1/7の光でも十分に見えると言われるほど、暗闇でも見える目を持っています。だから、普段わたしたちが過ごす部屋は明るすぎる場合があるんです。
猫が目を覆うポーズをして寝ていたら、眩しいと感じているかもしれません。
すっきりしたお部屋にお住まいで影になるところがないという方は、こういった囲われているタイプのベッドを選んであげるといいですよ。
また、段ボールを使っての即席ベッドも案外気に入ってくれたりします。
高校生だったわたしは、昔の愛猫「しゅり」を拾ってきてすぐ 段ボールにタオルを敷いてベッドを作ってあげたんです。
その後ペットショップに行って、お小遣いで可愛いベッドを買ってあげたのに、段ボールの方が気に入って寝ていたなんてこともありました。
猫は体がすっぽりと収まるくらいの方が安心できるんですね。
3.気温が心地よい
ぽかぽかの場所はやっぱり心地よいですよね。「しゅり」は良く、テレビの上で寝ていました。
そう、もちろん薄型テレビではなく、昔のブラウン管テレビのこと。熱くもなく、冷たくもなく、ちょうどよかったのでしょうね。
猫にとって快適な気温は20度~28度と言われています。
お腹を出していたら暑い、丸まっていたら寒いと感じているかもしれません。猫の様子を見ながら、エアコンなどで調節してあげましょう。
猫が快適なのは、少し狭くて薄暗く、ぽかぽかした誰にも邪魔をされない場所。
そんな場所をいくつか用意してあげると猫はゆっくり眠ることができます。
こちらでは、猫はもちろん、わたしたち飼い主も快適に暮らすための部屋づくりについて紹介しています。
番外編:寝相に表れる猫の気持ち
猫は寝ている時でも常に警戒している生き物。だから、寝相を見るとその時猫が何を感じているかがわかっちゃうんです。
- 体調
- 暑い・寒い
- リラックス度
体調が悪い時や寒いときは、丸くなることが多いです。暑い時は上の章でもお伝えしたように、お腹を出して寝たりします。
すぐに動けるようにしておくのが鉄則。
- 足裏を地面につけている
- 顔を前足に乗せ頭を高くしている
立ち上がるのに少し時間がかかる体勢。
- 脚を伸ばして寝ている
- お腹を出している
いろいろな呼び名がある猫の寝相を、ここで少し紹介しますね。
安心度 | 呼び名 | 特徴 |
とても安心 | ヘソ天 |
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安心 | しり向け寝 |
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安心 | 香箱座り
(こうばこずわり) |
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やや警戒 | 座り寝 |
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警戒 | アンモニャイト |
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ここでリラックスにゃ😸🐾#ロシアンブルー#ねこ#ねこのきもち#香箱座り pic.twitter.com/kM4kKMhXGv
— LisaLisa🧡 (@LisaLisa200601) January 26, 2021
出典:Twitter
なんとなく見ていた寝姿も、ひとつひとつ猫の気持ちが表れていると思うとおもいしろいですよね。
もし「アンモニャイト」が頻繁に見られる時は、何か不安を抱えているのかもしれません。少し注意して様子を見てあげたいところです。
まとめ
猫は長い時間寝るものです。
ライフステージによって違う、平均睡眠時間を確認しておきましょう。
子猫:18~20時間
成猫:12~16時間
シニア猫:20時間前後
猫がこれだけ長い時間寝ているのには、狩りをしていた頃の習性が関係していました。
- 常に周囲を警戒しているため
- 無駄に体力を使わないため
そのためにうたたねと熟睡を繰り返し、12~16時間のうち熟睡しているのは合計3時間ほどという驚きの事実をお伝えしました。
そして、寝ている時間は変わらなくても、こんな症状が見られたら要注意。
- ずっと同じところで寝ている
- 毛が逆立っている
- 呼吸が荒い
- 気温は低くないのに震えている
- 食欲がない
- 熱がある
体調が悪いのかもしれません。異変に気づいたら、動物病院で診てもらうようにしましょう。
健康でいるために大切な睡眠。猫の習性を大切にしながら、快適な生活のサポートをしてあげたいですね。