全国の猫愛好家の皆さん、初めて会った猫ちゃんを撫でるとき体のどの部位を撫でますか。
多くの方が迷わず「喉」や「あごの下」を撫でるのではないでしょうか。
その通り。猫は喉を撫でられるのが大好きなのですが、これってなんでだか知っていますか。
それではもう1つ。皆さん猫ってお肉とお魚どっちが好きだと思いますか。
答えはお肉です。
よくキャットフードのパッケージに「マグロ入り」や「カツオ味」と書いてあるし、お魚くわえたどら猫、なんてアニメの歌になるくらい、猫の好物って魚だと思われがちですよね。
しかし冷静に考えてみると、猫のご先祖さまって砂漠に住んでいたので魚なんて食べていなかったことが容易に想像つきますよね。
このように、イメージだけがひとり歩きしている事って結構あるんです。
今回はそんな、猫の喉を撫でてあげると喜ぶって聞いたことがあるんだけど、これってなんでだろう、という疑問にピッタリくる答えをご紹介していこうと思います。
これを読めば猫心をがっちりつかみ、モテモテになれること間違いなしです。
喉を撫でるとうっとりする理由
猫の喉のあたりを撫でてあげるとうっとりと気持ちよさそうに、満足そうな顔をしていることが多いのではないでしょうか。
これには大きく分けて3つの理由が隠されています。
顔回りに臭腺があるから
猫の喉や顔の側面にはフェロモンの分泌腺があり、ここを撫でたりマッサージしてあげることにより、飼い主に猫のニオイが付きます。
よくわたし達飼い主のからだや家の中の家具などに、すりすりと顔をくっつけるしぐさを見かけますよね。
これは洗剤や食べ物など、他の匂いのする飼い主のからだを自分のニオイで上書きし、安心したいという気持ちからの行動です。
この行動、いわばマーキングですね。
「マーキング」と聞くと、犬がお散歩中におしっこで縄張りを主張するイメージがあると思いますが、猫にとってからだから出るニオイを付けることはマーキングの一種です。
喉や顔回りを撫でてあげると、大好きな飼い主さんに自分のニオイがつくので大満足しているんですよ。
毛づくろいで届かないから
先ほどお伝えしたように、猫のあごの下から喉のあたりには臭腺をはじめ、様々な分泌腺が集中していて皮脂汚れがたまりやすいです。
そんな汚れの溜まりやすいところであるにも関わらず、残念ながら舌は届かず自分で毛づくろいすることができません。
喉を撫でてあげるというとは、まさに痒い所に手が届くということなのです。
そもそも毛づくろいは愛情のしるし
猫にとっての毛づくろいには、わたし達飼い主が想像する以上に大切な役割を持っています。
体温調節や体を清潔に保つことなど、生きていくうえで大切な行動ですが、他にもリラックスするための行動でもあります。
これは喉を撫でることに限った話ではありませんが、猫を撫でてあげるということは、愛情表現をしてあげることにつながります。
ゆねのようにご自宅の猫ちゃんが、わたし達飼い主にぺろぺろと毛づくろいをしてくれることはありませんか。
これは猫からの「大好き!」のメッセージなんですよ。
そんな猫に対して、撫でてあげたりマッサージをしてあげることは、「わたしもあなたのことが大好きだよ」とお返事をしてあげることになります。
猫からの毛づくろいを通してのメッセージについては、こちらの記事でさらに詳しく説明していますので、ぜひ読んでみてくださいね。
また猫が毛づくろいをしあったり、いつも同じ猫だけが懸命に毛づくろいしてあげていたり、気になる猫同士の毛づくろいの謎についてはこちらを参考にしてみてください。
猫にとって撫でてあげること、そしてその時に喉を撫でてあげることがちょっと特別であることがおわかりいただけたのではないでしょうか。
喉を撫でたときにうっとりする理由のおさらいをしておきましょう。
- 顔回りには臭腺がある
- 喉を撫でると飼い主にニオイがつき安心する
- 汚れの溜まりやすい喉は、自分で毛づくろいができない
- 撫でてあげることは愛情表現
猫に好かれる撫で方
ではさらに、猫からモテモテになる撫で方のテクを、余すことなく伝授していきたいと思います。
基本的な猫に好かれる撫で方や、お外で見かけた野良猫ちゃん、猫を飼っている友人宅にを訪ねた際に初対面でも好かれる方法などをご紹介していきますね。
猫の撫で方ー基本編ー
まずは多くの猫に好かれる、基本的なテクニックをご紹介していきますね。
【テクその①】タイミングを見極める
猫を撫でて喜ばせるには、撫でてほしいと思っているタイミングを見極めることは必須になります。
こんな仕草が見られたら、それは猫を撫でて喜ばせてあげるタイミングですよ。
- 手足を伸ばしてごろんとリラックスしているとき
- お腹を見せているとき
- 猫が自ら近寄ってきたとき
- 猫がペロッと舐めてくれたとき
猫がリラックスしているとき、機嫌がいいときに撫でてあげるといいということですね。
特にスリスリとすり寄ってくるとき、頭突きをしているときは撫でてほしいことをアピールしているので、積極的に撫でてあげましょう。
【テクその②】毛並みに沿って撫でる
どこを撫でるにも基本は、毛並みに逆らうことなく毛並みに沿って撫でてあげることです。
猫の被毛は水をはじいたり外部からの刺激から身を守る機能を備えているため、毛並みが乱れてしまうと不安な気持ちになってしまいます。
猫は毛が乱れることを特に嫌がる生き物ということをよく理解して接してあげてくださいね。
【テクその③】好まれる場所を撫でる
最初にお話ししたように、喉やあごなど顔回りを撫でてあげると猫は喜びます。
猫が撫でられて喜ぶ場所をさらにご紹介しますね。
- 喉・あごの下など顔回り
- 顔(眉間・目の周り・耳の付け根)
- 背中
- しっぽの付け根
猫はひげと耳を駆使して周囲の情報を収集しています。
そのためわたし達が「肩が凝った」と感じるように、猫は顔に疲労が溜まりがちです。
猫を撫でるときに選ぶべきベストな場所は、猫の好みや、猫との関係性にもよりさまざまです。
特に初めて、もしくはあまり信頼関係の気付けていない猫を撫でるときにはこの「どこを撫でるか」が重要になってくるので、もう少し詳しくご紹介していきますね。
猫の撫で方ー初対面編ー
そんな方は以下のポイントに気を付けて、猫を撫でてみてください。
【ポイント①】喉あるいは背中から撫ではじめる
先ほどいくつか猫が撫でられると喜ぶ場所をお伝えしました。
その中で顔を撫でるときは、わたし達人の手が猫の顔を覆いかぶさってしまいがちです。
猫にとっては少し威圧的に捉えられてしまい、怖がらせてしまう可能性があるので、喉のあたりを触ってあげることからはじめましょう。
また、背中やしっぽの付け根を撫でられることを好む猫もいます。
ここで気を付けたいことが、しっぽを触られることが苦手な猫が多いことです。
なるべく背中の方を触ってあげるようにしましょう。
猫を驚かせないように、しゃがんで低い位置からアプローチするとさらに受け入れてもらいやすくなりますよ。
このように初対面の猫を撫でる場合、触る場所を工夫してあげるだけでも、猫からモテるポイントを稼ぐことができるんですよ。
【ポイント②】指先だけで撫でる
初対面の猫や、撫でられることに慣れていない猫をべたべた触ってしまうと、嫌がられてしまう可能性があります。
そんなときは、この指先だけで撫でるという方法を試してみてください。
指先だけで撫でることにより、猫同士の毛づくろいの感覚に似せてあげ、抵抗感を少なくしてあげることができます。
そんな猫ちゃんでも大丈夫。
猫は生まれてすぐに母猫にぺろぺろと舐めてもらいながら育っています。
生まれたての子猫は自分で排泄することができず、母猫におしりを舐めて刺激してもらっているんですよ。
母猫からの愛情を思い出して、うっとりと撫でられること間違いなしです。
【ポイント③】手の甲で撫でる
撫でられることをとても嫌がる猫はそう多くはいませんが、抱っこを嫌がる猫は結構多いですよね。
手の甲で撫でてあげることにより「捕まっちゃうかも」と猫を不安な気持ちにさせてしまうことを回避できます。
初対面で「こいつは何をするかわからない」と警戒されていそうな場合、この手の甲で撫でる方法は猫に抱っこする意思がないことを示してあげることができます。
手の甲で撫でることを試してみて、本当に撫でられたくないのか、はたまた触られたその先にある抱っこを嫌がっているのか見極めてみてはいかがでしょう。
撫でてほしい場所は猫によって異なりますし、その気分によっても左右されがちです。
猫の好みの傾向を知りつつも、反応を見ながら撫でてあげるのが1番のポイントだといえるでしょう。
最後にそんな、猫が嫌がっているときの行動についてお話ししていきますね。
撫でるのをやめるタイミング
どんなに気持ちのいい撫で方をしても「しつこい!」と思われては撫でられることをうっとおしいと思われてしまいます。
なにごとも適度って大切ですよね(笑)
最後に猫を撫でるやめどきをご紹介しますね。
猫が飽きてきたときのサイン
じっとしていることに飽きてきたり、ほかのことをしたくなったとなどに見られるサインは以下の3つです。
【猫が飽きているときの3つのサイン】
- イカ耳になる
- しっぽを振る
- 噛む
1、イカ耳になる
耳をピンと横に張っている状態をイカ耳と呼びます。
このイカ耳状態になっている場合、猫がなにかに不満を感じていたり、不安を感じている可能性が高いです。
2、しっぽを振る
しっぽをバッタンバッタンと大きく左右に振り始めたら、それはストレスがたまりイライラしているサインです。
犬はしっぽを大きく振って喜んでいることを表現しますが、猫には反対の意味があるんですね。
3、噛む
撫でているときに突然噛むことに愛撫誘発性攻撃行動(あいぶゆうはつせいこうどう)と名前がついているくらい、飽きたときの行動パターンとしては有名です。
突然噛まれる原因としては、
- 長時間撫でられて飽きてきた
- 撫で方がなんか違う
と猫が感じていることだといわれています。
特にしっぽ、お腹、足先などの猫にとっての急所や神経が集中しているしているところはイライラボルテージを急上昇させ、急に噛まれてしまう、なんて可能性があるためよく観察しながら撫でる必要があります。
まとめ
今回は猫を撫でるときのポイントとして、多くの猫が好む「喉」にスポットライトをあててお話をしてきました。
猫が喉を撫でると喜ぶポイントをおさらいしてみましょう。
- 顔回りには臭腺がある
- 喉を撫でると飼い主にニオイがつき安心する
- 汚れの溜まりやすい喉は、自分で毛づくろいができない
- 撫でてあげることは愛情表現
また、更に猫からモテる撫で方として基本編・初対面編と2つにわけてポイントもご紹介しました。
注意点なども合わせてお話ししていますので、本文内をご覧くださいね。
そして猫を撫でるときのやめどき、として3つの飽きているときのサインをご紹介しました。
【猫が飽きているときの3つのサイン】
- イカ耳になる
- しっぽを大きく振る
- 噛む
これらの技やポイントを駆使して、どんな猫からもモテモテライフを送ってくださいね。