愛猫が家のあちこちにマーキングをして困った経験ありませんか。
マーキングには、おしっこをかける尿スプレーと呼ばれる行為のほか、爪を研ぐ、頬や頭をすり寄せるなどの行為があります。
これは、猫だけでなく多くの動物が行う習性なので、悪いことではありません。ただ、わたしたち人間と一緒に暮らしていく上では、そのまま放置することはできませんね。
中でも、尿スプレーは家が汚れるだけでなく、臭いもかなりきつく、これが続くと大問題です。
その尿スプレー。なぜか飼い主さんの「布団」にしてしまう猫がけっこう多いんです。
わたしの亡くなった愛猫しゅりや、友人の猫ちゃんもやってしまった経験あり。
布団は毎日使うものですし、簡単に洗うことができないので、なんとか解決しないと困ってしまいますね。
なぜ布団にマーキング(尿スプレー)をしてしまうのか。布団にさせない方法はあるのか。
今回はわたしの体験談と合わせて、その対応策と布団についた臭いを消す方法についてもお伝えしていきます。
猫がマーキングをする理由
猫がマーキング(尿スプレー)をする理由として、以下の3つが考えられます。
- 求愛行動
- 自分の縄張りを主張したい
- 不安やストレスによるもの
ひとつずつ見ていきますね。
求愛行動
一般的にメス猫は、春から夏にかけて発情期となり、オス猫はメス猫の発情に反応する形で発情します。
この発情のときに、大きな声でみゃあみゃあと鳴いたり、尿スプレーをしたりします。
そういうことになりますが、室内飼いだとしても、窓からメス猫を見かけたり、外から鳴き声が聞こえたりすることで刺激され、発情して尿スプレーをすることはありえます。
自分の縄張りを主張したい
猫は縄張り意識が強く、尿スプレーをすることで自分の縄張りを守ります。
室内飼いの場合、飼い始めは尿スプレーをしても、家に慣れれば家じゅうが自分の縄張りと認識するので、尿スプレーはしなくなります。
ただ、引っ越しや部屋の模様替えなどで家の様子が変わると、また新しく自分の縄張りを作ったり、守ろうとして、尿スプレーを行うようになるのです。
不安やストレスによるもの
猫は、環境変化などによる不安やストレスが原因で、尿スプレーを行う場合があります。
- 引っ越しをした
- ガラッと部屋の模様替えをした
- 家族が増えたり他のペットを飼った
- 家族や他のペットがいなくなった
- 家の近くで工事などが始まり騒音がひどい
- 飼い主が長期で不在にしていた
なぜ布団にマーキングする?
では、なぜ布団にマーキング(尿スプレー)をしてしまう猫が多いのか。
実は結論から言うと、はっきりとした理由はわからないんです。
というのも、何度も布団に尿スプレーをしてしまう猫もいれば、全くしない猫もいるから。
多頭飼いしている友人の場合、3匹いる猫の中で1匹だけが頻繁に布団に尿スプレーをしていましたが、残りの2匹は全くしなかったそう。
わたしの場合、現在の愛猫ゆねは大丈夫ですが、亡くなったしゅりには、一時期この問題で悩まされた経験があります。
このように個体差があるので、明確な理由はお伝えできないのですが、わたしと友人の経験から推測してみますね。
羽毛布団は鳥のにおいがする?
これは多頭飼いしている友人の話。
その猫ちゃんは、家にある布団のうち、「羽毛布団」にだけ尿スプレーをしていたそうです。
しかも布団に近づくと、いつもテンションが高く、くんくん布団のにおいをかぐのだとか。そして友人の目を盗んで尿スプレー。
もしかしたら、猫ちゃんは、羽毛布団の羽毛のにおい、つまり「鳥のにおい」に野生本能を呼び覚まされ、その興奮が尿スプレーという行為につながっていたのではないでしょうか。
もともと野生の猫は、鳥もエサにしていましたから、においがすれば興奮する理由もわかります。
そう思って調べてみたところ、製品によっては羽毛のにおいが残っていて、特に日干しした直後には、そのにおいが強くなるんです。
そう考えると、羽毛布団に強く反応する猫がいてもおかしくないのかもしれません。
布団の買い替え直後は注意?
次はしゅりのお話です。
しゅりが布団に粗相をしてしまったのは、確か4~5歳のころ。しゅりはわたしの部屋に出入りしていて、普段からよく布団の上で遊んでいました。
ある時、布団の買い替えをしたんです。そして布団を買い替えて1週間くらいしたころでしょうか。しゅりからふと目を離したら、布団の隅に丸いシミが。
びっくりして、しゅりを𠮟ってしまったのを覚えています。本当は叱るのはよくないのですが、そんな余裕はありません。
おしっこかと思いましたが、けっこう臭いがキツかったので、尿スプレーだとわかりました。
ここからはわたしの推測ですが、しゅりのスプレー行為は、「不安の表れ」だったのでしょう。
買い替え前の布団は、しゅりが我が家で暮らし始めたときから使っていて、しゅりも慣れ親しんでいたもの。それが急に新しくなったことで、においや触り心地などすべてが変わってしまいました。
思い返せば、しゅりは毎日わたしの部屋に入っていたのに、買い替え直後の布団に全く近づかなかったんですよね。きっと警戒していたに違いありません。
しゅりの不安の訴えが、尿スプレーという行為につながったのかな、と想像しています。
布団にマーキングさせないために
では、布団にマーキング(尿スプレー)をさせないための対策をお伝えしていきます。
尿スプレーを防ぐ
まずは、尿スプレーそのものを抑える対策です。
去勢手術
去勢手術が一番有効な解決策で、去勢手術をすることで9割の猫は尿スプレーをしなくなります。
ただし、残念ながら、すでに尿スプレーが習慣化してしまっている場合など、残りの1割の猫は引き続き尿スプレーを行ってしまいます。
不安やストレスを取り除く
不安やストレスが尿スプレーを引き起こしている場合は、その不安を取り除いてあげることが大切です。
環境変化が原因の場合、環境を戻せる場合は戻してあげるのも手ですが、元に戻せない場合も多いでしょう。
そんなときは、愛猫がその変化に慣れるまで、いつも以上に愛情を持って接してあげてください。
物理的な対策を取る
猫の尿スプレーを抑えることが難しい場合は、物理的に布団から遠ざけましょう。
猫を寝室に入れない
これが一番簡単な解決策ですね。わたしは当時の経験から、ゆねは寝室に入れないと決めています。
子猫時代から立ち入らない場所と認識させれば、無理に入ってくることはないですよ。
ただ、ご自宅の環境によっては難しかったり、今まで習慣的に出入りしていたのに、急に立ち入り禁止にするのはかわいそうでできない、という場合もあるかもしれませんね。
布団を必ずしまう
ベッドを使用している場合は難しいのですが、これも簡単にできる対策です。
布団をクローゼットに収納できるようであれば、昼間はしまっておきましょう。
羽毛布団は使わない
羽毛布団の使用は避けておくのも方法のひとつ。
わたしの知人は、猫ちゃんが尿スプレーを繰り返していた羽毛布団は処分し、その後は羽毛布団を使用していないそうです。
現在その猫ちゃんは、まったく尿スプレーをしておらず、平和に過ごしていますよ。
防水布団カバーを購入する
布団を汚されるのをどうしても避けたい、という場合は、ペットのおしっこ対策として「防水掛け布団カバー」というものが市販されているので、それを利用するのもよいでしょう。
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尿の臭いを消す
一度尿スプレーをされてしまった布団は、しっかり洗って臭いを消さなければいけません。
猫は、自分の臭いや跡が残っている場所に、もう一度マーキングする習性があります。繰り返しマーキングすることで、習慣化してしまうので、早めの対策が必要です。
実はしゅりが最初に布団に尿スプレーをしたとき、隅っこが汚れただけなので、その部分だけ濡らした布でふき取って済ませていたんです。
でも数日後、再び尿スプレーされてしまいました。人間には感じない臭いでも、嗅覚が敏感な猫には届いていたのでしょう。
このままでは繰り返しになってしまうと思い、思い切って布団を丸洗いしました。
その後は、しゅりは寝室へ入れないようにし、無事に尿スプレーは収まりました。それ以降しゅりは、亡くなるまで一度も尿スプレーをしていません。
「尿スプレーそのものを防ぐ方法」と「物理的に布団から遠ざける方法」の両方向で対策を取りましょう
マーキングされた布団の臭いを消したい場合は?
毎日使う大事な布団にマーキング(尿スプレー)されてしまったら本当に大変。簡単に洗うことができないだけに、どうしたらいいのか悩みますよね。
応急処置
まずは、被害を広げないために、次のような応急処置をしましょう。
- 乾いた布で、すぐに尿を丁寧に拭き取る
- 濡らして固く絞った布で、さらに拭き取る
- 布団を陰干しして乾かす
(注意)太陽に当てると汚れが定着してシミになるので避けましょう
布団を洗う
「洗う」と言ってもそんな簡単ではないですよね。
そこで、理想的な対応の順番をお伝えします。
- しっかり丸洗いする
- 汚れた所を部分洗いする
- 臭い消しの方法を試す
一番確実な方法は丸洗いすることなので、洗濯表示をしっかり確認し、自宅で洗うか、クリーニングに出しましょう。
部分洗いのやり方は以下を参考にしてみてください。
- 洗濯表示に、洗濯可の記載があるかを確認
- 薄めた中性洗剤を布に含ませて、汚れた部分をポンポンと叩くようにして汚れを落とす
- 水で濡らした布で、洗剤を拭き取る
- 布団を陰干しして乾かす
※中性洗剤は、おしゃれ着洗い用の洗剤を使用すればOK
次に尿の臭いを消す対策です。臭い取りに効果的な「クエン酸」を使った方法をお伝えしますね。
- 応急処置のあと、水200mlに小さじ1杯のクエン酸を入れクエン酸水を作る
- スプレーボトルにクエン酸を入れて、汚れた部分にたっぷり吹きかける
- 布で水分をしっかり吸い取り、陰干しして乾かす
ちょっと大変ですが、無理なくできるやり方を試してみてください。
くれぐれも、布団をダメにしてしまわないよう、ご注意くださいね。不安であれば、クリーニングに出すことが一番です。
汚れがひどい場合は買い替えを
繰り返し尿スプレーやおしっこをされて、洗濯しても臭いが消せない場合は、もったいないですが、処分して買い替えを検討しましょう。
臭いが残ったままでは、スプレー行為がなくなりませんし、買い替えることで解消する可能性もあります。
買い替えの際は、できれば「自宅で洗える」ものを選んでください。また、先ほどご紹介した「防水布団カバー」などを組み合わせてもいいですね。
ペットと暮らす以上、布団やカーペットなどが汚れるのはどうしても避けられませんので、それを想定した上で布団や家具選びをしてくださいね。
まとめ
飼い主さんを悩ませる猫のマーキング。特に布団に尿スプレーをされてしまったら大問題ですよね。
猫が尿スプレーには、以下のような原因があります。
- 求愛行動
- 自分の縄張りを主張したい
- 不安やストレスによるもの
大事な布団に尿スプレーをさせないために、次の対策を取りましょう。
- 去勢手術を行ったり、猫の不安やストレスを解消させる
- 猫を寝室に入れない
- 使わない時間は布団を必ずしまう
- 尿の臭いがついた布団は、しっかり洗って尿の臭いを消す
尿スプレーされてしまった布団は、しっかり洗って尿の臭いを消す必要があります。
- しっかり丸洗いする
- 汚れた所を部分洗いする
- 臭い消しの方法を試す
理想は丸洗いですが、状況に合わせて対処してみてくださいね。
猫のマーキングは頭の痛い問題ですが、必ず解決策はあります。飼い主さんと愛猫ちゃんにとってベストな方法がみつかるよう願っています。