昔、猫友たちとランチした時の会話です。
「わかるわかるー!」と、とっても盛り上がったのですが、それと同時に「そんなにあげちゃってるのー!?」とびっくりしてしまったのを覚えています。
実は猫が好きな食べ物でも、量や与え方によっては健康を害してしまうこともあるんですよ。
わたくしみぽりん、ペットフード協会の資格の勉強をし始めてから、さらに猫の食生活の意識が高まりました。
猫を飼っている方、あなたの愛猫の好きな食べ物はありますか。
一般的に猫が好きな食べ物と言えば『魚』と思い浮かべる方は多いのではないですか。
本当はもっと、意外な食べ物が好きな猫も結構いるんだにゃ!
猫が好きな食べ物9選
それでは、猫はどんな食べ物が好きなのでしょうか。
猫飼育歴30年ペットフードマイスターのわたくしみぽりんの、今まで聞いた情報や調べたものを今回、9つほどご紹介したいと思います。
1.お魚
まず一つ目にご紹介するのはお魚。
猫が好きな食べ物といえば、『魚』が思い浮かぶ方は多いのではないですか。
猫は昔、海に囲まれた島国である日本では漁業が盛んで、食べきれない分の魚を猫がもらっていたために、猫が魚の味を覚えたのではと言われています。
魚には、タンパク質とやタウリンなど、猫にとって必要不可欠な栄養素が含まれています。
【マグロ、サンマ、イワシ サバ、アジ、サーモン】 |
〇 体に良い | × 体に良くない |
成分 | タンパク質、タウリン | 不飽和脂肪酸、寄生虫 |
効果効能 | 正常な心臓の機能、視覚、繁殖、胆汁酸塩の形成。 | ビタミンB6、黄色脂肪症(イエローファット) |
マグロなどに多く含まれる、ビタミンB6ですが、同時に不飽和脂肪酸によって体内の脂肪が参加してしまい、黄色脂肪症(イエローファット)を発症してしまう場合があります。
また、お刺身などの生魚だと寄生虫の心配がありますので、注意しましょう。
アニサキスは体長2~3センチほどの、白いひものような姿をしています。目視も出来ますので、食べる前はよく確認しましょう。
ちなみに、魚のすり身で作られたかばぼこや魚肉ソーセージなどは、加熱処理されているのですが、塩分が多く含まれていますので、こちらも与え過ぎに注意しましょう。
2.イカやタコ
実はこの言葉の意味、食べすぎたことによって体調不良や運動障害や知覚障害を起こし、目が回ってふらふら歩いたり、うなだれるようにしたりする様子からこう言われているそうです。
【イカやタコ】 | 〇 体に良い | × 体に良くない |
成分 | タウリン | チアミナーゼ |
効果効能 | 正常な心臓の機能、視覚、繁殖、胆汁酸塩の形成 | ビタミンB1欠乏症のリスク |
生の魚介類には、チアミナーゼという酵素が多く含まれています。これは体の中のチアミン(別名ビタミンB1)を壊してしまう酵素です。
ビタミンB1欠乏症になってしまうと、まさに『腰を抜かす』という通り、重症化すると歩けなくなってしまいます。
また、コレステロールが高いため、こちらもあげ過ぎには注意してくださいね。
3.ホタテ
ホタテが好物の猫は多いようです。あまり食べさせすぎると、うまみ成分たっぷりのホタテがくせになってしまうこともあるようです。
アワビと同じく、ホタテの内臓には貝毒があることがありますので、猫に与える時は毒のない貝柱のみにしましょう。
【ホタテ】 | 〇 体に良い | × 体に良くない |
成分 | タンパク質、亜鉛、タウリン | チアミナーゼ、貝柱以外は毒がある可能性あり |
効果効能 | 正常な心臓の機能、視覚、繁殖、胆汁酸塩の形成。味覚 | ビタミンB1を壊す、皮膚炎 |
イカやタコなどと同じくチアノーゼが多く含まれているため、食べる時には生ではなく加熱するようにしましょうね。
4.お肉
猫の先祖は野生のヤマネコですので、鳥などを自分で捕獲していたため、猫も鳥肉が好きと言われています。
鳥肉と牛肉に関しては、新鮮であれば生肉でも大丈夫だと言われていますが、茹でたりしてもおいしい汁が出ますし、より安全です。
豚肉に関しては菌が繁殖しやすいのでしっかり加熱をしましょう。
【鳥肉・牛肉・豚肉】 | 〇 体に良い | × 体に良くない |
成分 | タンパク質 | 飽和脂肪酸 |
効果効能 | 血や肉となる | 肥満、心疾患、糖尿病 |
肥満の原因にならないように、あげ過ぎには十分に気を付けましょう。
おすすめは、脂肪の少ない鳥ささみや、胸肉を味付けをせずに茹でてあげると良いですよ。
低温調理などすると、柔らかく出来ます。
昔猫は、生の鳥肉を食べる習慣がありました。しかし普段食べ慣れていない猫に関しては注意が必要です。
また、加熱した骨は固くなり、かみ砕きづらくまた内臓を傷つける場合も考えられますので、与えない方が良いでしょう。
5.チーズや牛乳、ヨーグルト
チーズや、牛乳やヨーグルトなどの乳製品も好きな猫は多いですよね。
【チーズ、牛乳、 ヨーグルト】 |
〇 体に良い | × 体に良くない |
成分 | カルシウム、鉄分 | 脂肪、塩分 |
効果効能 | 骨の形成 | 肥満 |
6.かつお節
魚のうまみや香りがたっぷりのかつお節も猫は好きです。
人間用の花かつおは塩分やミネラル成分を多く含みます。
猫は、ミネラルを多く摂取することで、体内で石が作られやすくなり『尿路結石』という病気になる場合があるので注意が必要です。
子猫や老猫は特にかかりやすいので気を付けましょう。
【かつお節】 | 〇 体に良い | × 体に良くない |
成分 | 適量のミネラル | ミネラルの取りすぎ、塩分 |
効果効能 | 体を作るための必須成分 | 尿路結石のリスク |
ミネラルや塩分の取り過ぎにならないように猫用の物にして、食欲がない時やご褒美の時などに少量あげる程度にしましょう。
7.海苔やめかぶ、とろろ昆布
海苔や昆布には、うまみ成分のグルタミン酸が含まれるため、猫にとってもおいしく感じるのでしょう。
適量であれば体に良いですが、取り過ぎによる心配もあります。
【海苔・めかぶ とろろ昆布】 |
〇 体に良い | × 体に良くない |
成分 | ビタミンK・グルタミン酸 | ヨウ素、ミネラル、食物繊維の取りすぎ |
効果効能 | 骨や血液の形成・腸の働きをサポート | ヨウ素過剰症・尿路結石 |
また、とろろ昆布については酢につけて作られていますが、製品によってはちみつを使われていたりする場合があるので、ポツリヌス菌で中毒症状を引き起こしてしまうため注意が必要です。
8.かぼちゃやさつまいも
意外に思われる方もいるかもしれませんが、かぼちゃやさつまいも好きの猫も多くいます。
かぼちゃやさつまいもはは柔らかく煮て、味付けをしないで適量のスプーン一杯程度であれば、猫にとって栄養価も高く良い食べ物です。
ただし、カロリーが高いため、食べ過ぎると肥満の原因となるので注意です。
【かぼちゃ】 | 〇 体に良い | × 体に良くない |
成分 | 食物繊維・βーカロテン | 生のまま・皮・たね・糖質 |
効果効能 | 抗酸化作用・血行促進・がんの予防効果・便秘解消 | 消化不良・ウリ科アレルギー |
しかし、アレルギー反応を引き起こす場合もありますので、様子を見ながらあげましょう。
万が一、食べた後に肌をかゆがったり、目が充血し始めたら必ず病院へ連れて行くようにしてくださいね。
9.キャベツやきゅうり、豆苗
猫草は食べないのに、育てていた豆苗を食べられた!!なんて方もいるようです。
猫草を食べる理由は、
- 毛玉を排出するため
- 便秘にならないため
- 葉酸などのビタミンをとるため
などがあります。
キャベツなども、生のままで食べると胃腸薬代わりにもなるそうですよ。
【キャベツ・きゅうり 豆苗】 |
〇 体に良い | × 体に良くない |
成分 | ビタミA・ビタミンC・ビタミンK・葉酸・ビタミンU | レクチン・大量に食べるとミネラルの取り過ぎに |
効果効能 | 肝臓機能を助ける | 生の豆苗は下痢や嘔吐の可能性あり・子猫や老猫は注意 |
ビタミンなどの良い栄養素にも言えることなのですが、良くないとされるレクチンも同じく水溶性のため、加熱をすると減少します。
生のまま与えるとレクチンを摂取してしまい、下痢や嘔吐を引き起こす場合もありますので注意が必要です。
先ほど、育てている豆苗を猫に食べられたと言っていましたが、少量であったため大丈夫だったのでしょう。あげる際は、茹でた状態で与えるようにしましょう。
以上、猫が好きな食べ物9つご紹介しました。
- お魚(マグロやサンマ、イワシやサバ、アジやサーモンなど)
- イカやタコ
- ホタテやアワビなどの貝類
- お肉(鶏肉、牛肉、豚肉)
- チーズや牛乳、ヨーグルト
- かつお節
- のりやめかぶ、とろろ昆布
- かぼちゃ
- キャベツやきゅうり、豆苗
我が家の愛猫のお気に入りの食べ物はありましたか。過度な摂取を控えて、加熱などをすれば体に良いものも多くありますね。ですので、与え方が大切になります。
猫に食べさせる『与え方』については後ほどご説明いたします。
猫の危険な食べ物3選
猫にとって危険な食べ物。加熱しようが、少量だろうが、絶対に与えてはいけません。
3項目に分けて、ご紹介しておきますね。
1.ネギ類
玉ねぎや長ネギ、ニラやにんにくなどに共通して含まれている『アリルプロピルジスルフィド』という物質。
この物質は赤血球を破壊し、食欲不振や呼吸困難、貧血、嘔吐などの症状を引き起こしてしまいます。
この物質は、加熱処理をしたとしても消えることがありません。
2.チョコレートやココア
チョコやカカオに使われる原料、カカオには『テオブロミン』と呼ばれる成分が含まれます。
この成分は、興奮剤のような働きをし、猫の中枢神経を刺激します。
即効性がなく、食べてから1~2週間で症状が出るので原因を突き止めづらいです。
症状としては、嘔吐や下痢、尿失禁をすることや、重度になってしまうとけいれん発作をおこし、死に至ることもあり大変危険です。
3.アボカドとブドウ
アボカドの果肉に含まれる『ペルシン』という成分は、下痢や嘔吐、または呼吸困難などの症状を引き起こすと言われています。
ブドウも危険な食べ物とされています。しかし猫は好んで食べることが極端に少なく事例があまりないため、明確に解明されていないのが現状です。
犬の場合はブドウを食べると急性腎不全を引き起こし、食べてから数時間で嘔吐、重症化すると無尿、最悪の場合死に至る場合があります。
致死量は、小型犬で4粒ほどです。
猫も危険とされていますので、気を付けた方がよいでしょう。
- たまねぎやネギ、ニラやにんにく
- チョコレートやココア
- アボカドとブドウ
猫の好きな食べ物ばかりは危険?
それでは、先ほど言っていた与え方についてご説明します。
今回、『猫が好きな食べ物9選』ということでご紹介しましたが、愛猫が好きな食べ物をあげたくなる気持ちはみなさんよくわかると思います。
ですが現時点で体調に問題がなくても、果たして欲しがるだけあげても良いのでしょうか。
猫の好きな食べ物をあまりにも与え過ぎると、肥満の原因やトラブルにつながる可能性があるため、食べ過ぎには気を付けた方がいいです。
また、他にもリスクがあります。
実はキャットフード以外の食べ物は、歯に食べカスが残りやすく注意が必要なのです。
歯科衛生士でもある(本業)わたくしみぼりん、ゆねの歯磨きをいつもしています。
猫にとって虫歯の心配はないのですが、歯周病になってしまう可能性は十分にあるんですよ。
歯周病になると、食事も思うようにできなかったり、他のトラブルにつながる可能性もあります。
ですから、猫も歯磨きをすることは大切なんです。
みぼりんに任せておけば安心なんだにゃ♪
それで、食べすぎ食べすぎって言うけど、どのくらいならOKなのか教えてにゃー!
好きな食べ物を出す回数と頻度
先ほどお伝えしたように、魚介類や肉はカロリーが高いので、与えるならご褒美程度に少量におさえたり、野菜も加熱した方が良いです。
猫の好きな食べ物は、人間でいうとジャンクフードに当たります。
毎日毎日、ハンバーガーやフライドポテト、ピザやフライドチキンを食べていたら、健康な体は保てないし、生活習慣病などのリスクが高まりますよね。
猫も同じく、カロリーの高い好きな食べ物はほどほどに、栄養のバランスを考えられたキャットフードをメインで食べることが健康につながりますので理想的です。
猫の1日に必要なカロリーはこちらですので確認してみてください。
子猫 | 体重(kg)×160kcal |
---|---|
成猫 | 体重(kg)×80kcal |
老猫 | 体重(kg)×60kcal |
ダイエット中 | 体重(kg)×70kcal |
妊娠・授乳中 | 体重(kg)×160kcal |
避妊・去勢後 | 体重(kg)×70kcal |
猫に好きな食べ物をあげるときは、おやつの時間だけと決めたり、ご褒美の時にあげるなど飼い主さんがしっかり管理してあげましょう。
意外とカロリーが高いものもあるかと思うので目安として食材のカロリー表を載せておきますので、良かったら確認してみてくださいね。
参考サイト:「簡単!栄養andカロリー計算」食品のカロリー一覧表
猫の食事について考えてみる
理想は適量のキャットフードを与えることですが、なかなかうまくいかないこともあるかと思います。
だからといって、好きなものを好きなだけあげるというのも体に良くない。
猫用以外の食べ物、人間が食べているものと同じ食材だけでは、栄養管理していくことはとても難しいです。
1.ミルクや出し汁でふやかしてみる
子猫や老猫など、カリカリのキャットフードを食べるのに苦労してしまう子もいるかもしれません。
そんなときは、ミルクやお湯を少し浸してふやかしてあげると食べやすくなります。
温度は人肌くらいの35~37℃がベスト。熱すぎると栄養が流れ出てしまうので避けてくださいね。
また、成猫でしたらかつお節でとった出し汁や、鶏肉を茹でた時に出た汁を含ませてあげたりすると、好きな匂いに誘われて食べに来てくれるかもしれません。
しかし、注意して欲しいこともあります。
先ほどご説明しましたが、牛乳ですと肥満や尿路結石の原因になりかねないので注意も必要です。
最近では、ヤギのミルクも猫にとっては体に良いとされ、注目が高まっています。
出し汁も塩分の取り過ぎを避けるために、人間ようのかつお節ではなく、猫用のかつお節を使うようにすると良いでしょう。
2.お魚、お肉など少し入れて混ぜる
愛猫のお気に入りの食材を細かく切って、キャットフードと混ぜて変化を持たせるのも、キャットフードに飽きてしまっている猫には良いです。
ですが、毎回与えるのはおすすめはできません。
食欲が落ちている日が続いていたり、ご褒美の時などにあげるようにしましょう。
キャットフード以外のものですと、歯に食べ物が残りやすいために、歯周病などのリスクが高まりますのでケアは念入りにしましょう。
また、ウェットタイプのキャットフードばかりだと良くないといったことも同じ理由です。
ドライフードとウェットフードの理想的な割合など知りたいなといった方にこちらの記事をご覧ください。
3.キャットフードの切り替えを検討してみる
実は違うんですよ。一番わかりやすい違いとしては、お値段。
お安いものはやはり、原材料もかさましするために雑穀を多く使われていたりします。
穀物は消化に時間がかかるため、腹持ちが良いです。
しかしその反面、猫の体は本来、穀物を消化する機能は持ち合わせていないため、体への負担が出てきがちになってしまうんです。
一方、お値段が少し高いものについては、栄養価の高い魚介類やお肉、野菜などを中心に作られていて猫の健康を考えて作られています。
わかりやすいように、比較表を用意しましたので参考までにご覧くださいね。
タイプ別キャットフードの特徴 | |
タイプA | タイプB |
値段は格安で買いやすい | 少しお値段はお高め |
穀物が多く使われている | マグロやカツオなどの猫に合わせた成分 |
腹持ちが良い | 十分な栄養と食物繊維が取れる |
消化不良になりやすく便秘になりやすい | 便秘解消、猫の体に合わせた成分で作られているため、健康な体づくりを目指せる |
|
|
こう比べてみると違いが分かりやすいのではないでしょうか。
今までのキャットフードを食べてくれない猫には、キャットフードの味を変えるのも一つの手かもしれません。
ちなみに、わたしがいつも食べてるこのキャットフードはこれなんだにゃー
まとめ
今回は、猫が好きな食べ物をご紹介しました。
- お魚(マグロやサンマ、イワシやサバ、アジやサーモンなど)
- イカやタコ
- ホタテやアワビなどの貝類
- お肉(鶏肉、牛肉、豚肉)
- チーズや牛乳、ヨーグルト
- かつお節
- のりやめかぶ、とろろ昆布
- かぼちゃ
- キャベツやきゅうり、豆苗
それぞれ、加熱処理をしたり、食べすぎに注意するなど適切に与えるようにしましょう。
そして、食べると危険な食べ物も合わせてご紹介させていただきました。
- たまねぎやネギ、ニラやにんにく
- チョコレートやココア
- アボカドとブドウ
そして最後に、おすすめのキャットフードについても少しお話させていただきました。
ご興味のある方は、こちらに詳しく書いてありますので、良かったらご覧くださいね。
ご覧いただきありがとうございました。