何だか最近毛艶が悪いな。
猫ちゃんと毎日一緒にいると、病気をしたとか、怪我をしたなどの大きな変化が無いと、なかなか毛艶や毛並みには気がつけないことがありますよね。
以前わたしは、たまたま遊びに来た母親に「写真で見ていたら気がつかなかったけれど、ゆねの毛並みがちょっと悪いし、黄ばんでるわよ」なんて言われて、慌てたことがあります。
「なんとかしなきゃ!」とパソコンとにらめっこをして調べていくと、実は毛艶、毛並みが悪くなるのは、病気が隠れていることもあることが分かりました。
心配で眠れない日々が続きましたが、まずは家庭で出来ることをやってみようと思い、早速ひとつひとつ取り組みました。
ゆねはラッキーなことに、日々のお世話の仕方を少し変えただけで改善できました。
毛艶、毛並みが悪くなる、白い部分が黄ばむと心配になりますよね。その原因と対処法をご紹介しますので、参考にしていただけると嬉しいです。
毛艶、毛並みが悪い原因&黄ばみの原因
ごろごろ大好き
猫の性質で所構わずごろごろします。
お腹を見せてごろごろしていると可愛くてついつい見入ってしまいますが、意味無くやっているわけではありません。
ごろごろする場所によっては毛が汚れてボサボサになりますし、黄ばみの原因になります。
いつも家をきれいにしておけば、ごろごろしても問題無いのですが、わたしは子育てと仕事で忙しくなってくると「ほこりでは死なない」と言い訳をして掃除をサボってしまうことがあります。
猫がごろごろして毛並みを悪くしてしまう理由は色々ですが、大きく分けて5つです。
理由が分かれば、猫ちゃんの毛艶や毛並みを保つ、そして黄ばみを未然に防ぐために対処できるものがありますよ。
ゴロゴロする理由
- リラックスしている 飼い主を信頼して安心している、遊んで欲しい、撫でてほしい、日向ぼっこしている、一人遊びをしている時にゴロゴロします。
- 体温調整 室内でお腹を見せてじっとしていたら、暑くて熱を逃している可能性があります。
- 発情期 避妊手術をしていないメスは、生後半年以降から、春先や秋の初めに発情期になる可能性があります。合わせて大きな声で鳴くようになります。
- 興奮している マタタビ、キャットニップはもちろんですが、マタタビ科のキウイなども猫を興奮させる匂いです。塩素系の洗剤、男性が着ていた服も猫を興奮させる匂いです。塩素系の洗剤の扱いは十分注意しましょう。
- 背中が痒い 人間は色々道具を使うことができますが、猫は難しいので床や地面で背中を掻きます。
猫も歳を取ると…
人間と同じで、歳を取ると猫も白髪が生えてきます。
しかし、白猫や毛の白い部分は老化で白い毛が黄ばんできます。
個体差はありますが、お手入れを熱心にしていても、老いには勝てずに毛並み、毛艶が徐々に悪くなっていきます。
イケ猫はベトベト?
若いオスはホルモンの関係で分泌物が多くなります。
そのため、毛が黄ばんだりベトベトとして毛艶、毛並みが悪くなることがあります。
人間も思春期にニキビができやすかったり、青春の香りがしますよね。
換毛期
換毛期になると大量に抜けた毛が、生えている毛に引っかかった状態になり、毛艶や毛並みが悪く見えます。
猫は本来、換毛期が年2回あります。
最近ではほとんどの猫が完全に室内で飼われているので、気温の変化が少ないことが多く、換毛期がなかったり、太陽の光を浴びることが少なくて換毛期のサイクルが乱れてしまうことがあります。
うまく換毛ができないと、皮膚が蒸れたり被毛が絡まってしまいます。
食べていても…
栄養バランスが良くないと毛艶が悪くなります。
あげている餌の表示をよく見てみましょう。
市販品にはたくさんの種類があって迷ってしまうくらいです。
値段が高いから良いというわけではありません。
選び方はこちらで詳しくご紹介しているので、参考にしてみてください。
https://www.shiawasegift.com/cat-food-nikusyoku-zassyoku/
体調不良
栄養バランスとも関わりがありますが、しゅりが口内炎が原因で思うようにごはんを食べることができず、栄養不足で毛並みが悪くなったことがありました。
わたしは、その時に猫の栄養状態を管理できるのは飼い主しかいないのだと、強く感じました。
人間が顔色で体調がある程度分かりますが、猫の体調は毛艶、毛並みで判断することができます。
例えば、脱水気味で水分不足の時はグルーミングをすると毛がベタベタする、口内炎等で出血がある場合は、毛に血液が付いて変色することがあります。
怪我や病気は毛艶と毛並みにとても影響があります。
猫風邪
くしゃみ、咳、鼻水、発熱、目の炎症など人間の風邪とほぼ同じ症状が出ます。
体の回復にエネルギーが使われるので、栄養が毛の方に回らず毛並みが悪くなります。
慢性胃腸炎
急性胃腸炎になった後になかなか治らず1週間以上に渡って症状が続く、繰り返して何度も胃腸炎になってしまう病気です。
急性に比べ症状が強く出ないので、回復したように見えてしまうので厄介です。
猫はずっと苦しい思いをするので、胃腸炎はよくあることと決めつけずに、少しでも症状があれば早めに受診しましょう。
寄生虫
寄生虫が猫の栄養を奪ってしまい、毛並みが悪くなります。
健康な猫が感染しても症状が出ないことが多いですが、老猫や子猫は免疫力が弱く重篤な状態になることがあります。
自然治癒はないので、駆除薬を病院で処方してもらう必要があります。
症状は下痢、嘔吐、便秘、咳、腹痛、膨満感、体重減少などがあります。
慢性腎臓病
初期段階ではほとんど症状が出ない、高齢の猫(10歳以上)がかかりやすい病気です。
腎機能が失われ、血中の老廃物が排泄できなくなります。
多飲多尿、口臭、嘔吐、体重減少などの症状が現れて気がついた時にはかなり病気が進行してしまっています。
慢性腎臓病になってしまうと腎機能が元に戻ることは無く、病気の進行を防ぐしか治療法がありません。
甲状腺機能亢進症
甲状腺ホルモンが過剰に分泌される病気です。
ホルモンバランスが悪くなるため、症状が様々です。
多尿多飲、食欲増進、下痢・嘔吐、落ち着きがなくなる、攻撃的になる、脱毛・毛艶の悪化、呼吸困難、体重減少が主な症状です。
初期の段階では症状に食欲増進があり、一見元気に見えますが、進行すると食欲減退し元気が無くなります。
糸球体腎炎
腎臓内の血液を濾過する部分の糸球体に炎症が起こる病気です。
体力が無くなり毛並みが悪化します。
猫エイズ、猫伝染性腹膜炎、猫白血病ウイルス感染症が原因になるとも言われているので、予防接種をする、
定期検診に連れて行くなどをすれば未然に防げる可能性が上がります。
主な症状は体のむくみ、腹水、タンパク尿、多飲、食欲不振、体重減少です。
スタッドテイル
猫の尾には皮脂腺とアポクリン腺が多い部分があり、マーキングに使われます。
スタッドテイルは分泌物が過剰に出て尻尾がベトベトに固まってしまいます。
毛をかき分けると黄色から黒色のワックス状のベトっとした物質が付着しているのですぐにわかります。
毛穴に細菌が感染しやすくなるので炎症に発展することもあります。
去勢していない雄に多いですが、オス・メスや避妊・去勢に関係なく発症します。
ペルシャやシャムなどの長毛の猫に多いです。
抗脂漏性シャンプーで患部を洗う、薬が効きやすくなるように患部の毛を刈る、細菌感染を起こした場合は抗生物質で治療します。
症状が軽い場合は清潔を保つようにすれば改善しますが、一度動物病院で診てもらうようにしましょう。
毛艶、毛並み、黄ばみの対処法
すぐにできるものばかりなので、ぜひ猫ちゃんのためにやってみてください。
毛に直接アプローチ
ブラッシング
栄養バランスにも気を遣っているのに、なんだかボサボサという場合はまずはブラッシングをしてみましょう。
換毛期なら毛の絡まりを予防してれますし、スッキリします。
猫同士でグルーミングをし合うのをみたことがあるかもしれませんが、スキンシップの一環として猫ちゃんのブラッシングを習慣にしてみましょう。
短毛、長毛関係なく、猫ちゃんの体調の変化にもよく気がつくようになりますよ。
歳をとった猫ちゃんは体の柔軟性が落ちてきて思うようにグルーミングができなくなるので、飼い主がブラッシングしてあげることで毛艶や毛並みを保ってあげることができます。
短毛の猫ちゃんは毛の流れに沿って全身を、そして顔まわりはコームを使って丁寧にやってあげましょう。
長毛の猫ちゃんは目の荒めのブラシで全体をざっくりと、その後は絡まりやすいお腹や顔まわりをコームでやってあげましょう。
気持ち良さそうにしている顔を見ると、やらなきゃと言うよりやってあげたいという気持ちが湧き出てきますよ。
シャンプー
水を嫌う猫ちゃんが多いですし、基本的にグルーミングで清潔を保てるので必要ないのですが、換毛期や皮脂の分泌が多い場合、カビが原因の皮膚病、また長毛の猫ちゃんはシャンプーを必要とする場合があります。
子猫のうちは、皮膚病や乾燥肌を引き起こしてしまうのでシャンプーは必要ありません。
成猫でも、多くても半年に2~3回にとどめておきましょう。
シャンプーは必ずペット用を使用しましょう。
人間用のものや石鹸は洗浄力が強すぎて猫の負担になってしまいます。
洗わせてくれない時は?
ペットシートで拭いてあげる、タオルをお湯で濡らして拭くと汚れや黄ばみがきれいになります。
これも必ずペット用を使いましょう。
人間用は刺激が強すぎる、香りが付いているなど猫ちゃんの負担になります。
美しい外見は内側からアプローチ
猫は喋ることができないので、飼い主が体調管理をしっかりしてあげるしかありません。
本、インターネットや人からの情報は大部分の猫ちゃんに当てはまったとしても、自分の猫ちゃんに当てはまるとは限りません。
目の前の猫ちゃんの年齢、性別、生育歴、全身状態をよく見てあげて、適切なお世話・処置をしてあげましょう。
それが良い毛並み、毛艶に繋がります。
あなたの猫ちゃんにとって、あなたが一番の理解者で、猫ちゃんにとって一番頼れる人間です。
食事を見直す
食べる物の内容も大切ですが、食器をお気に入りのものにしてあげる、食べやすい形状のものを選ぶ、食器の高さを工夫してあげるのも忘れずに見てあげたいポイントです。
タンパク質が大切!
人間と同じで、猫の毛はケラチンというたんぱく質で作られています。
良質なたんぱく質をしっかり食事で摂ることが大切です。
ケラチンはメチオニンという必須アミノ酸を摂取することで、体内でケラチンに再合成されます。
メチオニンはさまざまな食材に含まれていますが、猫は動物性タンパク質が必須なので肉類をメインに使っている餌を選ぶと良いです。
マメ、野菜、果物にも多く含まれていますので、原材料をよく見て選びましょう。
ビタミンB郡は毛と肌の味方!
皮膚の再生にはビタミンB郡は欠かせません。
ビオチンというビタミンは、毛の主成分のケラチンの生成を助け、毛を健康に保ってくれる働きをします。
特にレバーがビタミンBをバランスよく含んでいます。
オメガ脂肪酸で良い血液に!
身体中を巡っている血液が栄養を隅々まで届けてくれます。
つまり、良い血液が良い毛艶、毛並みには欠かせません。
オメガ脂肪酸は色々ありますが、どれかだけを摂れば良いというわけではありません。
亜麻仁油、キャノーラ油(カノラオイル)がオメガ3とオメガ6のバランスが良いので、これらを使用した餌を選ぶと良いですね。
直接舐めさせてもいいのかな?
亜麻仁油やキャノーラ油は猫にとって必要なオメガ脂肪酸を含んでいますが、量の加減を間違うと猫ちゃんの消化管がただれる、皮膚炎を患う、嘔吐・下痢をするといった状況になりますので、与える際は獣医さんの指示を仰ぎましょう。
また、油は開封・開栓したその時から空気に触れると、どんどん酸化していくので、キャットフードの中の油も開封した瞬間から酸化が進みます。
酸化した油は体に悪いので、キャットフードの鮮度には気をつけてあげてくださいね。
1~2ヶ月以内に使い切ると安心ですよ。 もちろん、人間のわたしたちも酸化した油には気をつけましょう。
ストレスを減らす
グルーミングは猫の気持ちを落ち着かせる役割があります。
しかし何かしらのストレスで過剰にグルーミングをするようになると、ザラザラの舌の刺激で毛が抜けてしまう、手足や尻尾を噛むという自傷行為に発展することもあります。
そうなると毛並みはボサボサになってしまいます。
そしてストレスは、食欲減退、免疫力の低下につながり病気まで発展することがあります。
そうなると毛艶毛並みだけの問題では無くなりますので、しっかり対処しましょう。
環境を整える
猫は大きな音や環境の変化に弱い生き物です。
家具や家電は仕方ないですが、何か部屋にあるものを買い替える、変える時は配置に気を配る、猫が使っているものを変えるときは、突然新しいものにするのではなく、両方置いておいて新しいものに慣れてから古いものを処分するなどしましょう。
また、新しいペットを迎えると外敵と判断することもあります。
人間が良かれと思ってやることも猫にとっては良いこととは限りません。
引っ越しをする場合は、お気に入りのものを必ず残して安心できる環境を整えましょう。
運動は大切
野良猫や外に自由に出られる猫は別ですが、室内飼いの猫はどうしても運動不足になりやすいです。
人間も思いっきり体を動かすとスッキリしますよね。
私は運動が苦手なので、時々おひとりさまカラオケで人の目を気にせず大声で歌ってスッキリしています。
猫ちゃんとずーっと遊んであげれば運動不足解消になるでしょうが、なかなかそれは難しいです。
また、住宅事情で広いスペースを取れない場合もあります。
そこで活用したいのは高低差です。
キャットタワーや階段をうまく利用して猫ちゃんが自由に遊べるようにしてあげるといいですよ。
トイレは憩いのスペース
わたしの夫は何度注意してもトイレに新聞、マンガ、スマホを持ち込みます。
「ひとりでゆっくりできる大切な時間なんだ」と言っていますが、トイレのタイミングって大体みんな同じになるので、毎回家族は大変です。
落ち着いて排泄ができるのは当たり前のことですが、人間も猫も同じです。
トイレをきれいに保つ、多頭飼いしている場合は猫の数より1つ多めにトイレを用意すると猫ちゃんは安心できます。
爪研ぎも猫にとっては大切な時間なので、いつでも好きな時にできるように場所を工夫してあげるといいですね。
諦めも大事?
飼い主の気持ちと猫の気持ちは一緒?
毛艶、毛並みが悪い、白い毛が黄ばむと見た目が悪くなるので、飼い主としてはなんとかしてあげたくなります。
簡単に対処できるものがたくさんなので、やってあげるのは飼い主の猫ちゃんへの愛情です。
しかし、活発な猫ちゃんの手足の肉球周りの毛の汚れや黄ばみ、老化による毛並み、毛艶の変化、毛の黄ばみ、イケ猫のベトベトはどうしようもない場合があります。
体調が悪い、怪我をしている以外は毛艶や毛並みが悪くても、黄ばんでいたとしても大丈夫。
猫ちゃんは多少、見た目が多少悪くなっても、鏡を見て見た目を気にするわけではないので、何も困っていないですよ。
まとめ
毛艶、毛並みが悪い、黄ばみの原因は猫の性質のゴロゴロするのが好きでいること、グルーミング、老化、成長による皮脂腺の活発化、換毛、栄養不足、体調不良でした。
また、それぞれは単独で起こりうるものもありますし、いくつかの原因が絡み合っている場合もありました。
対処法はすぐにできることとして、ブラッシング、シャンプー、ペットシートやお湯で濡らしたタオル等で拭く、ストレス緩和の環境整備などがありました。
シャンプーを嫌がる猫ちゃんにはストレスになってしまうので、医師から洗うように指示があった場合以外はブラッシングや拭くことでまずは対処しましょう。
食事でのケア、病気のケアは時間がかかるかもしれませんが、とても大切なことなのでしっかり正しい知識を身につけて取り組みたいですね。
毛艶や毛並み、黄ばみは外見だけの問題の場合もあります。
愛猫を思いすぎるあまり、自分の行動が猫ちゃんの負担になっていないか客観的に見ることも大切です。
ちょっと違いはあれど、わたし達人間も猫ちゃんも同じことを大切にすれば、きれいな毛艶、毛並みを維持して、黄ばみのケアをしてあげられますね。