「声を出さず、猫の真似をしてください。」と言われたら、あなたは何をしますか。
きっと多くの人が、毛づくろいの真似をしますよね。
『猫と言えば、毛づくろい』と言っていいほど、猫は毛づくろいをします。
猫が毛づくろいをする最大の理由は「体の清潔を保つ」です。
かの有名な、郷ひろみさんは歯磨きを1日4回、1回10分行っているそうですが、それでも40分。
わたしは時間を計ったことはありませんが、おそらく歯磨きは1回1〜2分だと思います。
自分の体のメンテナンスに1つのことだけを合算しても1日2時間半以上、毎日するというのは人間ではなかなかできないことですよね。
清潔を保つためだけに毛づくろいをしているなら、誰もいないところでやってもいいと思うのですが、わたしがテレビを見ていたらゆねが近くで毛づくろいをし始めることが度々あります。
飼い主を信頼し、安心しているからこその行動なのですが、日頃は抱き上げても逃げていくようなツンデレの猫ちゃんが、なぜ飼い主の近くで毛づくろいをするのかを深く知れば、猫ちゃんの心の中が分かって、愛おしさがこんこんと湧き出てきちゃいますよ。
毛づくろいをする場所の意味
わたしが机に向かってパソコンを作業をしている時に、机と体の狭い隙間に入ってきて、ゆねが毛づくろいをすることがあります。
自分のベッドやキャットタワーなど、他にも場所があるのに「なんでここで毛づくろいするんだろう」と思ったことはありませんか。
いつも決まった同じ場所で毛づくろいをする猫ちゃんが多いと思いますが、体を清潔にするためには、全身をくまなく舐めなければなりません。
短時間ではできないので、猫は毛づくろいを安心安全な落ち着ける場所でします。
つまり、飼い主の近くで毛づくろいをするということは、信頼されている証拠であり、飼い主の周りを安心で安全な場所と認識しているからなのです。
飼い主の近くや膝の上で毛づくろいする理由
上でもご紹介しましたが、猫は安心できる安全な場所で毛づくろいをするので、自分の近くや膝の上で毛づくろいをしてくれたら、信頼されているのだと分かり、飼い主冥利に尽きますね。
でも、こちらから膝の上に乗せてもサッと逃げていってしまいます。
全ては猫ちゃんの気分次第です。
愛猫が私たち飼い主の近くを好んで毛づくろいをしてくれるのには、実は色々な理由があります。
- あたたかくてちょうど良い
- とにかく毛の乱れを直したい
- 待っている
- 自分のものだと思っている
あたたかくてちょうど良い
猫は砂漠出身の動物ですので、寒いところが苦手です。
あたたかい飼い主の温もりを求めて近くにやってくるのです。
また、飼い主の体の柔らかさやフィット感が猫ちゃんにとってちょうど良いのです。
あぐらをかいている時に乗ってきて、毛づくろいをする猫ちゃんはすっぽり体が収まってバランスが取りやすく居心地がいいなぁと思っていますよ。
とにかく毛の乱れを直したい
ちょっと乗っておこうと思って、膝の上に来たものの、飼い主のにおいが体に付いてしまいます。
膝の上に乗られて嬉しい飼い主が、なでなでするので毛も乱れます。
大好きな飼い主でも、においが付いて毛が乱れると、本能的に毛づくろいをしないと気が済まないのです。
待っている
お腹が減ってご飯が欲しい時、遊んで欲しい時に膝の上に乗ってアピールする猫ちゃんもいます。
猫としては「待っている間に、毛づくろいでもするか。」と飼い主の膝で毛づくろいをし始めるのですが、飼い主は膝の上で毛づくろいをされると嬉しくなって、じっとしてしまいますから、お互いの気持ちはすれ違ったままです。(笑)
自分のものだと思っている
飼い主の膝の上を縄張りにしていることがあります。
多頭飼いをしている家庭では、膝の上に座っている猫が「飼い主は自分が独占しているんだぞ。」という他の猫へのアピールになります。
猫の世界では相手より高いところにいる猫が強いという暗黙のルールがあります。
高いところに行くためには優れた身体能力が必要だと猫は思うのです。
ですから【飼い主の膝の上に乗る=飼い主より自分の方が上だと思っている】場合もあります。
心を許しているけれど、これだとちょっと悲しいですね。
毛づくろいをする理由
猫の毛づくろいは、体の清潔を保つ以外に、様々な役割や意味があります。
どんなものがあるかご紹介しますね。
におい消し
わたしは、ゆねの毛に鼻をうずめてスンスンするのが大好きですが、うっとりするほどいい匂い。
引っ掻かれてしまう時もありますが、やめられません。
何ヶ月も洗わなくても猫がいいにおいなのを不思議に思い調べてみると、なんと毛づくろいは清潔を保つ以外に、においを消すという意味もあったのです。
猫は元々、狩猟をして生きていましたが、狩りの方法はじっとして獲物が来るのを待つというものでした。
猫のにおいがしたら警戒して獲物は近寄ってきませんので、自分を舐めてあらゆる匂いを一時的に消して狩りを成功させていたのです。
その名残で、本能的に猫は何かにおいが付いた時はそのにおいを消すために毛づくろいをしてしまいます。
私が撫でると、ゆねがいつも毛づくろいをしていたのが不思議だったのですが、自分以外のにおいがつくと気になるからなのだと、納得しました。
リラックス効果
わたしの息子はここだけの話ですが、いまだにギューっとされるのが好きみたいです。
小さい時に抱っこされていた感覚を思い出して安心するそうで、上の子に内緒で時々ギューっとしています。
猫も一緒で、赤ちゃんの時に母猫に毛づくろいしてもらった記憶から、ザラザラした舌のマッサージ効果でリラックスして安心できるようです。
成長しても大きな音や飼い主に怒られるなど、ストレスや嫌なことがあったときに自分で毛づくろいをしてリラックスしています。
また、くつろいでいる時にも毛づくろいをしますが、ゆったりとした気持ちを堪能しているんですね。
絆を深める
多頭飼いをしている方は分かると思いますが、血縁関係が無くとも一緒に飼われている猫の間では互いに舐め合って毛づくろいをしている姿が見られますよね。
猫が毛繕いし合うことをアログルーミングと呼びます。
アログルーミングは自分で出来ない部分(鼻まわり、頭、首など)を中心に舐め合います。
信頼関係ができていないと、こういった毛づくろいはしませんので、多頭飼いをした時には猫同士の絆が育まれた証拠になります。
猫ちゃん同士が毛づくろいをし合っている姿って猫好きにはたまりませんよね。
もし猫ちゃんが飼い主を舐めるようなことがあったら、大好きだよと言ってくれているのと同じです。
こちらからも大好きな気持ちを伝えるために撫でてあげる、ブラッシングしてあげるとより一層絆が深まりますよ。
まとめ
猫がわたし達の近くやお気に入りの場所など、同じ場所で毛づくろいをする理由は、安心・安全な場所で落ち着いてやりたいからでした。
- あたたかくてちょうど良い
- とにかく毛の乱れを直したい
- 待っている
- 自分のものだと思っている
大好きで信頼しているから、飼い主の近くや膝の上で毛づくろいをするということも分かりましたね。
言葉でお話しできないからこそ、あなたの猫ちゃんが考えていること、やって欲しいことを想像してやってあげると、猫ちゃんからの信頼が深まります。
知れば知るほど、猫は奥が深くて魅力的ですね。