この間、我が家で起こった「ゾッ」とする話を聞いてください。
最近美容院に行く暇がなく、髪の毛が伸びてきていたわたし。
家事をするときは髪が邪魔になるので、ヘアゴムで髪をくくっていたのですが、料理中にゆるんでほどけたゴムが床に落ち、たまたま近くにいたゆねが口に含んでいたのです。
慌ててゆねからゴムを奪いましたが、その後もしばらく心臓がドキドキしていました。
なぜわたしがこんなに怖い思いをしたかというと、猫はゴムなどの異物を誤飲しやすいから。
そして、誤飲は猫の命に関わる事態になる可能性があるからです。
皆さまの大切な猫にとって、危険は身近にあるものです。
しかしその危険性や対処法を知っているか知っていないかで、猫が安全に暮らせるかどうかが決まってきます。
今回は猫の誤飲が命に関わる理由、そして万が一誤飲してしまった時の対処法など、詳しく説明していきますね。
猫の誤飲が命に関わる理由
先ほどわたしの体験談をお話ししましたが、実はこのように猫が誤ってゴムなど食べ物以外のものを飲み込んでしまうことは、日常生活で起こりやすいんです。
特に好奇心旺盛な子猫は、どんなものでも舐めたり噛んだりしますので、そのうちに飲み込んでしまったり。
子猫でなくても、物に興味を持って遊んでいるうちに誤って飲み込んでしまったりします。
ではなぜこの誤飲が猫の命に関わるのか。
それは誤飲によって様々な危険が及ぶ可能性があるからです。
- 誤飲したもののうまく飲み込めず、食道で詰まる
- 誤飲したものが胃や腸で詰まる
- 消化管穿孔(しょうかかんせんこう。胃や腸に穴が開くこと)を起こす
誤飲によってこのようなことが起こり、最悪の場合死に至ることもあります。
猫が誤飲しやすいもの
では、猫がどのようなものを誤飲しやすいかを紹介します。
・ゴム、ヘアゴム
・糸やひも状のもの(靴ひもなど)
・画びょう、ピン、くぎ、針など尖ったもの
・ピアスなどの小さなアクセサリー類
・ティッシュペーパー
・ビニール袋、お菓子や食品のパッケージ袋
・猫のおもちゃの細かい部品
誤飲してしまった場合の対処法
万が一猫が異物を誤飲してしまった場合、早急に病院で受診してください。
「吐き出すかもしれないし、ちょっと様子を見よう」「小さいものだからウンチと一緒に出てくるかもしれない」など、こんな考えは危険です。
飲み込んだものは、大体3~4時間で腸に移動します。
異物が胃の中にとどまっていれば、内視鏡を使った手術(※)で取り出せる場合もありますが、腸まで行ってしまうと、腸を切開しなければならない可能性があります。
腸はとてもデリケートな器官ですので、異物が腸管を移動し通過していくと、腸管が傷ついてしまいます。
それにより壊死(組織の一部が死亡すること)を起こすこともあります。
もしも腸が壊死した場合、腸の切除を行わなければなりません。
目を離している隙に誤飲してしまったら?
家の中を片付けるなど対策をしていても、誰もいない家で猫が何かを誤飲してしまったらと心配ですよね。
そんな時のために、誤飲したかどうかの見極め方を知っておきましょう。
こんな様子が見られたら、知らないうちに誤飲しているかもしれません。
・嘔吐する
・吐きたそうにしているが、吐かない(吐けないように見える)
・食欲がない
・口を開けたり、開いたりしている
・呼吸をするのが苦しそう
・ぐったりしている
・舌や歯茎、口の中の粘膜が青紫色になっている
ちょっと違うかもしれませんがわたしが子どもの頃、大きな氷の塊を舐めていたら誤って飲み込んでしまったことがあるんですよね。
大きすぎて飲み込めないし、吐き出せないしで、すごく苦しかった覚えがあります。
きっと猫も、異物を飲み込んでしまうと苦しいでしょうから、いち早く気づいてあげたいものです。
話がそれましたが、猫の様子以外にも気づくポイントがあります。
それは、家の中の様子。
家を出る前と、様子が違っていないかチェックしてみてください。
・飼い主のヘアゴムやヘアピンなどがなくなっている
・飼い主の服からほつれた糸が出ている、噛んだ跡がある
・飼い主のアクセサリーがなくなっている、または壊れている
・猫のおもちゃがなくなっている、または壊れている
・ゴミ箱の中やキッチンの中をあさった痕跡がある
・毛布やクッションなどの布製品がボロボロになっている
・ペットシーツがボロボロになっている
以上のような形跡が見られたら、もしかしたら猫がいたずらしたあと誤飲しているかもしれませんので、猫の様子にじゅうぶん注意してください。
猫の誤飲を防ぐ方法
では、どのように誤飲を防げばいいのでしょうか。
それは以下の3つがポイントです。
- 部屋のものを片付ける
- 猫の届かない場所に収納する
- 特に危険な場所には立ち入れないようガードする
分かりやすいようひとつずつ解説していきますね。
これは基本とも言えるのですが、リビングでも、寝室でも、どこであっても部屋をきれいに保つことです。
物を出しっぱなしにしたり、床に置きっぱなしにしたりしていると、どうしても猫は興味を持ってしまいます。
猫が届かない、高い場所に物を片付けたり、猫には開閉できない扉付きの収納場所に片付けるといいでしょう。
小物がたくさん存在するような場所には、そもそも猫が立ち入れないようにすることもおすすめです。
特にキッチンには小物や細かな食品なども多いですので、猫が入れないよう扉を付けたり、飛び越えられない高さのフェンスを取り付けても良さそうですね。
まとめ
それでは、まとめに入ります。
猫の誤飲は、胃や腸に詰まると命に関わります。
- ゴムやアクセサリー、ひもやティッシュなど小さいものはきちんと片付ける
- 手の届かないところに収納する
- 小物が多い場所には猫が入れないようガードをつける
また、外出時に猫が誤飲する可能性もあるので、部屋が散らかっていないか確認することや、猫の様子を見ることも重要です。
- 嘔吐する
- 吐きたそうにしているが、吐かない(吐けないように見える)
- 食欲がない
- 口を開けたり、開いたりしている
- 呼吸をするのが苦しそう
- ぐったりしている
- 舌や歯茎、口の中の粘膜が青紫色になっている
これらの様子が見られ、誤飲しているかもと思った時点で早めに病院で受診してください。
大切な猫の体、きちんと守ってあげたいですね。
日常生活でじゅうぶん有り得ることですので、覚えておきましょうね。