安全なキャットフード選びは、わかっているようで難しいなと思ったことがありませんか。
猫用のキャットフードには総合栄養食と副食と療養食があり、メインのご飯は総合栄養食を選べばいいのはわかるけど、愛猫に食べさせているキャットフードに不安をもつことがあるのではないでしょうか。
わたしが小さい頃に飼っていた愛猫「みゅう」は、両親にまかせきりで、ほとんどお世話をしませんでした。亡くなってから後悔ばかり残っていました。
次に出会った愛猫「しゅり」に対しては、健康的に暮らすことができるように、できることをやってきたので、最期のときも後悔はありませんでした。
わたしたち愛猫家は、キャットフードを選ぶことに、もっと気持ちを込めなくてはならないなと思っています。猫は、自分でキャットフードを選ぶなんて、できないですもんね。
特にわたしが大切にしている考えは、キャットフードの安全性です。わが家の家族と同じように、口に入れるものに気を使っていくべきだと思っています。
そんな想いを、皆さんと共有したくて、キャットフードを選ぶときに知って欲しい安全性の考え方やポイントについてまとめました。
ぜひ最期まで読んでいただきたいです。
キャットフードのリスクを知っていますか
キャットフードの安全性を考えるとき、まず知っていただきたいことがあります。
それは、キャットフードの与え方を考えることです。
キャットフードの与え方を考えると、危険を回避することができます。猫にキャットフードを与えるときに気をつけたいポイントは、以下の2点です。
- 安全なキャットフードを与える
- 開封して時間が経ったキャットフードを与えない
猫のために購入するキャットフードを十分に考えること自体が、リスク回避につながります。
また、開封したキャットフードは、風味が落ちるだけではなく、フード自体の酸化が進み、猫が食べると非常に危険です。大容量タイプのキャットフードより、1カ月で食べきるキャットフードの量を購入することが理想でしょう。
キャットフードの安全性の考え方
キャットフードを猫に与えるときの気をつけたいポイントをお示ししました。
ここから、具体的にキャットフードの安全性の考え方について紹介していきますね。
国産だから安全というわけではない
キャットフードを選ぶとき、国産と輸入品との両者で迷うことがあるのではないでしょうか。
わたしたちが食べる食品は国産ものが安心ですが、キャットフードに関しては、国産が安全とは言い切れません。
日本のペットフードの法的管理は歴史が浅く、海外の基準を用いて日本の基準を定めています。日本の品質基準は曖昧で、食品扱いされていません。
海外の基準は、非常に厳しく、「肉たんぱく質の原料は綺麗に洗浄した骨や肉であること」など、安全性に配慮した規定です。
日本のペットフードに関わる基準
日本で製造・販売されるキャットフードは、2009年に環境省と農林水産省が制定した「ペットフード安全法」により、基準や規格などが定められています。
「ペットフード安全法」がしっかり守れているかどうか監視しているのは、国の管轄の環境事務所や各地方の農政局、FAMIC(農林水産消費安全技術センター)です。
ペットフード法で定めているもの
- ペットフードの製造方法:有害物質が入るのを防ぐ
- ペットフードの表示の基準:賞味期限など表示規定
- ペットフードの成分の規格:添加物など
海外のペットフードに関わる基準
海外のペットフードに関わる基準は、2つの団体で定めたものを用いていることが多いです。
- AAFCO(全米飼料検査官協会)
- FEDIAF(欧州ペットフード工業連合会)
AAFCO(全米飼料検査官協会)は、アフコと呼ばれ、アメリカ産のキャットフードうち、基準を満たしたものだけに認定される基準です。
AAFCOの基準
- 栄養素に関するラベル表示
- 栄養の基準
- 犬・猫に必要な栄養素の数値化
- ライフステージごとの基準
- 実際の給与実験の実施に関すること
- 研究・分析
FEDIAF(欧州ペットフード工業連合会)は、ペットフード先進国が多い、欧州のペットフード製造に関するガイドラインを定めています。
FEDIAFの基準
- 栄養素に関するラベル表示
- 栄養の基準
- 犬・猫に必要な栄養素の数値化
- ライフステージごとの基準
- ペットフード製造工場ガイドライン
安すぎるキャットフードには要注意
手軽にホームセンターなどで購入できる安いキャットフードは魅力ですよね。
しかし、安すぎるキャットフードは、なぜ安いのかと言うことに注目して愛猫に与えるかどうか決めなくてはなりません。
猫の食いつきをよくするための香料など用いている場合は、安い材料を主にキャットフードをつくっていることも多く、商品の値段が安くなる傾向でしょう。
また、主な材料が「○○ミール」と記載されているものは、人が口にすることがないくちばしや羽などや、腐敗した肉を用いている可能性を否定できません。
「○○ミール」には人工防腐剤を使ってことが多く、このミールに用いる人工防腐剤はラベル表示の義務がありません。
安すぎるキャットフードは、なぜ安いのかという疑問を常に持ちましょう。
売れているキャットフードが必ずしも安全性が高いわけではない
売れているキャットフードは、必ずしも安全性が高いわけではありません。
Amazonでの売れ筋ランキングを確認しました。売れているキャットフードは、愛猫に与えることが気になる主原料を用いていました。
amazonドライキャットフード売れ筋ランキング(2021年1月28日AM5時)
- 第1位~5位までは同じキャットフードメーカーの商品
- 第1位のキャットフード:主原料に米・コーングルテンミール・チキンミール・大豆たんぱく・フィッシュミール・小麦粉・セルロース使用し、酸化防止剤も使用している
- 第6位のキャットフード:主原料の一番目に家畜ミートと表示しており、続いて米・植物性分離タンパク、動物性脂肪、とうもろこしが表示されており、酸化防止剤も使用している
キャットフードの安全性チェック:5つのポイント
キャットフードのリスクや安全性の考え方について学ぶことができましたね。
では、安全性を考えてキャットフードを選ぶとき、どのような点をチェックすればよいのでしょうか。
最低条件として、5つのポイントをご紹介します。
- 主原料が動物性のたんぱく質であるかどうか
- 安全性が高い原材料を使っているか
- 人工添加物が使われていないか
かどうか - 香料や着色料を用いていないか
- 栄養成分がAAFCOやFEDIAFの基準を満たしているか
① 主原料が動物性のたんぱく質であるかどうか
主原料とは、表示されている原材料名の先頭に記載されている材料のことを指します。
主原料は、キャットフードの中で使われる量が最も多いため、特に注意したいチェックポイントでしょう。
良質な動物性タンパク質は、猫の生育に必要だけではなく、健康的に体を維持するために必要です。品質が劣るたんぱく質や植物性たんぱく質は、栄養吸収率が落ちます。
キャットフードを選ぶときに、主原料が動物性たんぱく質を用いているものは、猫の体を想ったキャットフードであると言えます。
https://www.shiawasegift.com/cat-food-nikusyoku-zassyoku/
② 安全性が高い原材料を使っているか
原材料の安全性を考えるとき、2つの視点で考えていきます。
- 原材料の原産地がどこか
- 原材料自体が安全なものか
原材料の原産地の表示は義務ではない
ペットフード法ならびにAAFCOやFEDIAFでは、原材料の原産地のラベル表示は義務化されていません。
どのような原材料であるか材料名を表示することは義務化されていますが、例えばチキンが原材料であっても、どの国のチキンであるかわかりません。
原材料の原産地を公表している製造メーカーのキャットフードが安全性と信頼性が高いでしょう。
〜深読み〜
2007年ペットフード大量リコール
- 中国原産材料にメラミン混入
- 汚染されたとうもろしグルテンによるペットの腎不全
- 中国原産の汚染された米グルテンによるペットの腎不全
安全性重視なら人が口にできる原材料を選ぶ
キャットフードの品質に自信があるメーカーの原材料の表示は、どのような材料を用いているか、はっきり示しています。しかし、さまざまなキャットフードのラベル表示を見ると、何の原材料を使っているか、曖昧な表示のフードをみかけることもあります。
例えば、「骨なしチキン」と表示されているものもあれば、「チキンミール」と表示されているものもありますね。
同じような肉類であることはわかっても、表示の仕方が曖昧だと心配になりますね。
「○○ミール」や「○○肉粉」と表示されているものの中には、猫の健康に影響を及ぼす可能性がある原材料が含まれている可能性があります。
わたしたち飼い主が、キャットフードのあり方を全てチェックすることは難しいでしょう。
キャットフードの原材料の安全性が高いものかどうか、はっきりわかる指標の1つに、「ヒューマングレード」という考え方があります。
ヒューマングレードは、原材料そのものが、人が口にしても安全な材料のみ使用したペットフードであることを意味します。
キャットフードの全ての原材料をチェックすることは大変難しいことなので、1つの安全性のポイントとして、ヒューマングレードのキャットフードを選んでみることをおすすめします。
③ 人工添加物が使われているかどうか
ペットフード安全法では、BHA・BHT・エトキシキン・没食子酸プロピルは用量に制限はありません。没食子酸プロピルは、EU(欧州連合)理事会では用量制限を定めています。
BHA・BHT・エトキシキン・没食子酸プロピルは、人工添加物で酸化防止剤として使用されています。
キャットフードは脂質が多いため、酸化しやすいことがわかっています。酸化したキャットフードは、風味が落ちたり、猫が体調を崩す可能性があるので、酸化防止剤を用いています。
酸化防止剤は3つのタイプがあります。
- 天然ビタミンE:ローズマリー抽出物・緑茶抽出物
- 天然型:ミックストコフェロール(ビタミンEに酢酸を加えている)
- 人工型:BHA・BHT・エトキシキン・没食子酸プロピル
キャットフードの安全性のためには、使用容量の規定が曖昧な人工添加物を使用せず、天然の酸化防止剤を用いているキャットフードかどうか確認することがポイントです。
④ 香料や着色料を用いていないか
美味しそうな匂いや色合いのキャットフードは、飼い主さんは猫が嬉しいのではないかと思うのではないでしょうか。
猫は人工的につけられた匂いと天然の自然な匂いを嗅ぎ分けることができます。人が美味しそうな匂いと思っても、猫にとっては異なります。
また、猫は赤色を認識できないと言われています。
美味しそうな色合いも人の判断とは異なります。
さらに、着色料は人間に対して使用制限を設けている赤色40号や青色1号などありますので、安全なキャットフードを選ぶとき、着色料を用いていないものをチェックするすることが重要でしょう。
⑤ 栄養成分がAAFCOやFEDIAFの基準を満たしているか
AAFCOやFEDIAFの基準を満たしているキャットフードは、キャットフードをつくる上で、栄養成分を最低限守っているフードと言えます。
ただし、あくまでも栄養成分の基準をクリアしているだけなので、より安全なキャットフードを選ぶためには、栄養成分を満たしている原材料は何を用いているかチェックすることが大切です。
キャットフードの原材料の確認方法
いざ、キャットフードを選ぼうとしたとき、商品の原材料をどこで確認したらいいかわからないことがありますよね。
実際の商品を手に取って確認する方法と、インターネットに表示されているもので確認することができます。
パッケージやネットの商品説明で確認しよう
実際のカナガンデンタルキャットフード裏面のパッケージ表示です。この中で「原材料名」と記載している部分で、どんな材料を用いているか確認することができます。
原材料名の順番を確認しよう
原材料名の1番目に記載されている原材料は、最も多くキャットフードに含まれている材料です。上記のカナガンデンタルキャットフードの原材料名の1番目に記載されている原材料名は「七面鳥生肉」です。
カナガンデンタルキャットフードで最も多く使用している材料は「七面鳥生肉」であることがわかります。
キャットフードの成分表示の確認方法
成分表示は「ペットフード安全法」で表示義務はありません。しかし、「ペットフードの表示に関する公正競争規約」では、キャットフードの成分の表示義務を定めています。
キャットフードのパッケージやインターネットの商品案内などで、キャットフードの成分表示を確認することができます。
「ペットフードの表示に関する公正競争規約」で定めている成分の表示は5つの成分の割合です。
- たんぱく質
- 脂肪
- 繊維
- 灰分
- 水分
表示されている成分表示のたんぱく質が多くても、良質な動物性のたんぱく質を用いているとは限りません。
必ず原材料名を確認しましょう。
~ペットフード安全法での表示義務~
- 名称
- 賞味期限
- 原材料名
- 原産国名
- 事業者名および住所
~ペットフードの表示に関する公正競争規約で定められた項目~
- 目的
- 内容量
- 給与方法
- 成分
原材料や成分以外の表示の確認
原材料名や成分表示の確認ができたら、以下の4点の表示についても確認してみましょう。
- グレインフリー
- ヒューマングレード
- 香料・着色料不不用
- 人工添加物なし
実際のキャットフードのパッケージに記載されているものもありますが、今はインターネットでも手軽に確認することができます。カナガンキャットフードの公式ホームページを用いて上記4点について確認してみましょう。
引用:カナガンデンタル公式サイトカナガンデンタルキャットフードのホームページで、「香料・着色料不使用」「グレインフリー」を確認することができました。また、人工添加物については、「よくあるご質問」内で「人工添加物不使用」であることが確認できました。
ヒューマングレードについては、カナガンデンタルキャットフード公式ページでは、確認することができませんでした。しかし、他のカナガンデンタルキャットフード販売ページでは、ヒューマングレードである説明書が表示されてました。
This multi award winning food contains high amounts of meat, vegetables and botanicals in every bowl and only uses human grade ingredients
(多くのを受賞したフードは、すべてのフードに高品質の肉、野菜、植物を使用しており、ヒューマングレードの原料のみを使用しています。)
原材料名や成分は日本語表記ですが、ヒューマングレードの表示についても日本語表示になればいいなと思っています。
まとめ
キャットフードの安全性についての考え方と押さえておきたい5つのポイントについて紹介しました。
キャットフードの安全性の考え方については以下の3点が重要です。
- 国産だから安全というわけではない
- 安すぎるキャットフードには要注意
- 売れているキャットフードが必ずしも安全性が高いわけではない
キャットフードの安全性の考え方を踏まえて、ぜひチェックしていただきたい5つのポイントをご紹介しました。
- 主原料が動物性のたんぱく質であるかどうか
- 安全性が高い原材料を使っているか
- 人工添加物が使われていないかかどうか
- 香料や着色料を用いていないか
- 栄養成分がAAFCOやFEDIAFの基準を満たしているか
安全なキャットフードを選ぶには、少しばかりのコツと知識が必要です。愛猫に健康的で、生き生きと暮らしてもらうためには、飼い主さんの選ぶキャットフードが鍵になると言っても過言ではないでしょう。
キャットフードのことで不安があったり、どんな風に考えればいいか迷ったときは、ねこぎふとに立ち寄ってくださいね。