みなさん、お家の猫ちゃんの食事について悩んでいませんか。
以前飼っていた愛猫しゅりはとても早食いだった時期があり、ご飯のあとに吐き戻すことも多かったんです。
何度か続くようになると調子が悪いのではないかと不安になり、動物病院で診てもらいましたが、診察の結果、何も異常なし。
獣医さんからは「早食いが原因だろう」と言われ、「食事中の姿勢が問題だと思うから、まずお皿を変えてみては」と教えていただきました。
そこからすぐにペットショップに行き、猫用のお皿を購入。
使い始めてすぐに吐き戻しは無くなり、食事もゆっくり食べられる様になりました。
お皿を変えただけで、しゅりの食生活は180度変わりました。
その後もしゅりが体調が悪くなったときや高齢になって食欲が落ちてきたときは、お皿についても気を付けるようになりました。
お皿について色々と知識を得た今だからこそ、はっきりと言えます。
今回は猫のお皿について解説し、わたしのおすすめのお皿についても紹介しますね。
お皿選びを間違えると体調不良につながる
猫の餌をいれるお皿ですが、みなさんはどのようなものを使っていますか。
「ご飯が食べれるならなんでもいいんじゃない?」と、家にある適当なお皿を使ったり、100均に売っているそれっぽい小皿を使っていませんか。
わたしも、先ほどお話した出来事があるまでは、みゅうにもしゅりにも、家で使わなくなったお皿をつかったり、逆にデザイン重視のお皿を使ったりしていました。
それがなぜ、猫たちにとってあまり良くないのかというと、食事中の姿勢に答えが隠されています。
猫はお皿に直接顔を近づけて食事をするので、人間に合わせて作られた食器では食べにくさを感じたり、ひどい時は吐き戻しがくせになったり、顔にできものができてしまうこともあります。
そんな疑問にもしっかりお答えしていきます。
まずは猫と人間の身体の違いから見ていきましょう。
猫の身体の仕組みから考える
下にあるこの図が、猫の身体の構造です。
(出典:Wikipedia)
注目していただきたいのは、緑に色を塗られた場所になります。
口から胃までは横一直線
猫は、口から食道、胃までの臓器がまっすぐになっています。もちろん、人間とは違って、地面とは水平方向に伸びています。人間のように重力にしたがって食事が胃へと下りやすい仕組みではありません。
そのため、ずっと下を向きながら餌を食べると、食道が折れ曲がり、餌が飲み込みにくくなり、このときに飲み込み切れなかった餌は逆流しやすくなります。
また、かがんで食べる姿勢は、お腹を圧迫してしまい、吐き戻しにつながります。
こちらの記事にも、餌の吐き戻しについて記載されていますので、あわせてどうぞ。
https://www.shiawasegift.com/neko-esa-marunomi-haku-2/
このことを知るだけでも、猫の食事についての考えが変わってきたのではないでしょうか。
しかし、知ってほしいことはまだ残っています。
食事中の姿勢は、関節に優しくない姿勢
特に高齢になってくると、多くの猫が関節炎を発症していると言われています。(もちろん程度には差があります)
前にかがみながら餌を食べる姿勢は、関節への負担も大きいですし、何より猫にとっても痛みを伴うことになります。もちろん、食べにくさも倍増です。
ヒゲは大事な触覚器官!
猫のヒゲには、実は重要な役目があるというのをご存知でしょうか。
猫のヒゲは別名「触毛(しょくもう)」と呼ばれており、根元には感覚神経と血管が通っている、立派な触覚器官です。
空気の流れを感じ取れるほど敏感で、暗い場所や狭い道を歩くときに役立っています。
そんな敏感なヒゲなので、抜くととても痛いですし、切られることで能力が低下してしまいます。なので触れずにそっとしておくことが大事。
もし、餌を食べているときに、お皿の縁にヒゲが常にあたってしまっていたら、狭苦しい感じがして、とても食べづらいです。
人間で例えると、両側にすぐ壁がある部屋で食事をしている状態と同じです。
ここまでの話を、一度まとめてみますね。
- 猫の体は口から胃までが横一直線
- 下を向いて食べることで、餌が飲み込みにくく、吐き戻ししやすい
- 前かがみで食べるため、関節への負担が大きい
- ヒゲは敏感な触覚器官
ここまでの話で、普段から猫ちゃんの身体に合わせたお皿を使うことがとても大切だというのはお分かりいただけたと思います。
健康のために考える、お皿の選ぶ5つのポイント
ペットショップやホームセンターに行くと、たくさんの猫用のお皿があります。そこから自分の猫に合ったものを選ぶのは難しいかもしれません。
まずは、どんなところに気を付けて選べばいいのか、基本的なところをお伝えします。
その① 大きさ
ポイントは「大きすぎず、小さすぎず」となります。
獣医さんもおすすめしている形は、横幅の広い楕円形のもので、大きさは猫の顔よりも一回り大きなものが良いとされています。
この理由は、猫のヒゲにあたらないようにするためです。
先ほどもお話しましたが、餌を食べるときにヒゲが食器にあたるのは猫にとってストレスが溜まってしまう要因になります。
ぼうちゃんの言っている通り、大きすぎる場合は口がフードに届かなかったり、中に前足が入ってしまうこともあり、餌が食べにくくなります。また、フードの入れすぎにもつながり、肥満や病気につながる恐れもあります。
その② 重さ
猫が餌を食べるたびに、食器が動いてしまい、そのあとを追いかけるように移動しながら食べる姿を見たことがありますか。
わたしの場合は、今の愛猫ゆねがまさにこのタイプでした(笑)
餌を食べるたびにお皿と追いかけっこの状態を見るのはかわいらしさもありましたが、やっぱり可哀想でもあったので、いつも残りが少なくなると端の方に残っている餌を中央に集めてあげていました。
ある程度の重さが無いと、猫の動きに合わせて食器が動いてしまいます。それでは落ち着いて餌を食べることもできませんよね。
しかし軽い素材のお皿を使っている場合でも、滑り止めが最初からついているものもありますし、お皿の下に滑り止めマットを敷くことでも、対策ができます。
その③ 深さ
大きさの話と一緒になりますが、こちらも「浅すぎず深すぎず」なお皿が良いとされています。
浅いお皿はほぼ平らな作りになっているため、舌で餌がすくいあげるときにこぼれやすくなってしまいます。
深すぎるお皿は顔を深くまで入れる形になるため、食器の縁にのどやヒゲがあたってしまい、非常に食べにくくなります。また、底にある餌を食べきれないこともあります。
目安としては、猫の顔が底に届く程度であれば問題ないとされており、その深さはおよそ3~5㎝と言われています。
その④ 高さ
こちらもお皿を選ぶ上ではとても重要なポイントです。
猫の首や顔当たりの高さで、首を曲げすぎなくても食事ができるものを選びましょう。
猫の食道から胃までの構造、高齢の猫にとっては屈む姿勢も辛くなることはすでにご存じかと思います。
そんな猫ちゃんたちも、お皿の高さを調整するだけでも、ずいぶん楽に食事ができるようになります。
高さの目安は床から5~8㎝と言われていますが、どんな高さがいいのかは、猫によって異なります。
まずはお皿の下に何か台になるもの(まな板や空き缶など)を敷いてみて、ちょうどいい高さを探してみてください。
こちらの記事でも、お皿の高さについて詳しく書いています。
その⑤ 安全で、清潔管理のしやすいもの
餌を食べるうえで非常に大切なことは、清潔であることです。
そのため、飼い主にとっても清潔管理にとても気を使わなければいけないものや、手入れに手間がかかるものは少し考えものかもしれません。
また、安全性が高いものがいいというのも言うまでもないこと。
割れやすくはないか、破損はしていないかなどをよく観察して、猫ちゃんの安全と健康を守りましょう。
人間のお皿を洗う時に使っている洗剤には、猫にとって苦手な香料を使ってる場合が多いです。普段使っている洗剤で猫のお皿を洗う場合は、十分に洗い落とすようにしましょう。
では、ここでポイントを振り返ります。
- 大きさ:猫の顔よりも一回り大きいもの。ヒゲが縁にあたらないこと。
- 重さ:食事中に猫の動きに合わせて動かないもの。
- 深さ:猫の顔が底につくくらい。約3~5㎝。
- 高さ:猫の首や顔当たりの高さで、首を曲げなくても食事ができる高さ。約5~8㎝。
- 安全、清潔管理のしやすさ:割れにくいこと。手入れがしやすいこと。
最近は猫のお皿の種類も大変豊富になってきました。
その中から、このポイントだけを注意してお皿を選ぶのもなかなか難しいですよね。
次の項目では少し視点を変えて、素材からお皿を見てみましょう。
素材からお皿を選ぼう!主流の3素材を紹介
猫のお皿の素材は、主にステンレス、プラスチック、陶磁器の3つに分けられます。
ここからは、それぞれの素材の特徴についてお伝えします。
それぞれの素材の特徴を知り、愛猫にあったお皿を選ぶようにしましょう。
1.ステンレス製
あの銀色の器は、THE・動物の食器という雰囲気のありますよね。ペットショップなどでもシンプルなお皿としてよく見かけます。
ステンレスの長所はとにかく頑丈なこと。
落として割れることもないし(大きな音はしますが)、猫ちゃんが歯でかじったとしてもそう簡単には傷つきません。
また、洗いやすいので、清潔を保ちやすいという特徴もあります。
そのため、ウェットフードやふやかした餌などの汚れが残りやすい餌でも非常に使いやすいです。
短所は、気温の変化で餌の温度が変わりやすいこと。特に夏場は暑さで餌がいたむスピードも速くなってしまうため、普段以上に食べ残しには要注意です。
また、重さも軽めのため、猫の動きに合わせてお皿が動く可能性は高いです。
そして、ステンレス独特の金属臭があるため、その匂いを嫌がる猫にとってはそもそも食事が苦痛になってしまうことも。
あなたの愛猫が餌を嫌がったり、お皿を手で押そうとする動作が見られるなど、明らかに食事を拒否しているときは、ステンレスのニオイが嫌なのかもしれませんね。
ニオイの好き嫌いも猫によって異なります。ご自宅の猫はどうなのか、よく観察してみましょう。
2.プラスチック製
プラスチック製(メラミン樹脂・ポリプロピレン)は、見た目は白や透明で、重さは軽いものがほとんどです。
特徴は何と言っても、猫にとっては低刺激であること、そして価格がお手頃なことです。
しかし、細かい傷が付きやすく、その傷の隙間に入った汚れや細菌が残りやすく、手入れを怠るとすぐに不潔になってしまいます。
消耗が激しいので、ある程度いたんだら、新しいものと取り換えるようにしましょう。
この素材も軽さが人間にとっては長所ですが、猫にとっては短所になります。滑り止めや固定されているものを選ぶようにしましょう。
3.陶磁器(セラミック製)
陶磁器のお皿は、ずっしりとした重さがあるものが多く、また傷つきにくいため清潔に使えるというのが特徴です。
耐熱性のものもあり、器のまま温められるため、冬の寒い時期でも温かい餌をあげることができます。
長所しかないようにも感じますが、短所ももちろんあります。
最大のデメリットは割れやすいため、取り扱いには注意が必要だということです。万が一、割れてしまった時もきちんと片づけをしなければ、猫にも人間にも危険が及びます。
また、値段も上記二つと比較すると少し割高のため、気軽に取り換えることができません。
素材によって特徴は様々で、何を優先するべきか、飼い主さんによって様々な意見が分かれると思います。
ここで、それぞれの素材について項目ごとに分けて評価をしてみました。
安定感 (重さ) |
安全 | 清潔 | 値段 | |
ステンレス | △ | ◎ | 〇 | 〇 |
プラスチック | △ | 〇 | × | ◎ |
陶磁器 | ◎ | × | ◎ | △ |
管理人厳選!おすすめのお皿
ここからは、いよいよ本題の「管理人ゆねのおすすめのお皿」を11種類を紹介していきたいと思います。
どの猫にも安定して使えるお皿
猫壱(necoichi) ハッピーダイニング 脚付フードボウル
こちらは獣医さんはもちろん、他の猫サイトさんでもおすすめされている、とても評価の高いお皿です。
素材はセラミックで、足がついているため高さもあり、猫にとっては楽な姿勢で食事をすることができます。
サイズ展開も3パターンあり、子猫から成猫まで、猫の体格にあったお皿を選ぶことができます。
また、食器の内側に返しが付いており、食べこぼしについても対策されています。
シリーズでウォーターボウル(水入れ)とトレーも発売されていますので、セットでの購入も可能です。
このお皿のように、脚付きデザインになっているお皿はここ数年で増えています。
他にも以下のお皿がありますので、気になる方はチェックしてみてください。
ペットボウルスタンドセット
まず目に入るのが、かわいらしいアンティーク調の台です。とにかくおしゃれで、かわいい。
この台はおしゃれなだけでなく、脚には滑り止めのゴムがついているので、食事中に台や食器が動かず、安定して食事ができます。
そして、台座があるおかげで高さが確保され、猫にとっては無理のない姿勢で食事をすることができます。
お皿の素材はステンレス製とプラスチック製のものが2枚ずつあり、お手入れはとてもしやすいです。
このお皿のように、台とセットになって販売されているお皿は他にもあります。レビューやネットでの評価が高いものはこちらになります。
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ちなみに、現在うちのゆねが使用しているお皿はこちらです。
このお皿は角度を付けることができるため、猫の姿勢に合わせやすく、お皿も取り外し可能でお手入れもしやすいので気に入っています。
ヘルスウォーター フードボウル
こちらのお皿は猫特有の食べ方に配慮され、食べやすさと周囲が汚れないように開発されたものです。
写真で見たところは分かりにくいですが、器の中に段があり、猫が口にする場所は浅めで、非常に食べやすい作りになっています。
また食べこぼしに対しても、縁でとらえることができるようになっており、食べこぼししにくい構造になっています。
これまで紹介した二つと比べて高さは無いですが、台を用意することで低い姿勢で食べることが苦手な猫や高齢の猫にも使用できます。
他にも、高さはないけど、猫の食べ方の特徴に配慮されたお皿も多数あります。こちらもぜひ参照にしてください。
高齢の猫におすすめのお皿
ペッツルート フリーフリー食器
こちらの食器はプラスチック製ですが、重さもあるので安定感は折り紙付きです。
この食器の特徴は何と言っても、角度調整ができるところ。
猫の状態に合わせてお皿の角度が調整できます。
そして寝たきり状態になっても台を取り除くことで、自分でお皿から食べてもらうことも可能です。
現在ほぼ寝たきり状態の猫を介護をしている友人がいるのですが、彼女もこのお皿を絶賛しています。
底に丸みがあるため、猫の動きに合わせてお皿も傾いてくれますし、流動食などのは中央に餌が集まる仕組みになっているため、平らなお皿を使っていた時よりもよく食べるようになったと話していました。
高齢の猫ちゃん、もしくは病気で弱っている猫ちゃんにおすすめです。
早食い・吐き癖のある猫におすすめのお皿
【 早食い防止 】iikuru 猫 食器 陶器 フード ボウル y297
こちらのお皿は、早食いの猫ちゃん対策にぴったり。
ご覧の通り、お皿の中が複雑な構造をしていて、一口に入る量が少なくなるような作りになっています。
ただ、洗いにくいということと、あまりの食べにくさに、猫が食べることそのものを嫌がるようになる可能性もあります。
早食いで困っているときに一時的に使うものとしてはちょうどいいと思いますので、早食いやそこからの吐き癖にお悩みの方にはぜひ試していただきたいです。
まとめ
猫の餌をいれるための大切なお皿の役割について、最後にまとめました。
- 猫の身体の構造上、人間のお皿を餌入れに使うことで食べにくさや体調不良につながる
- お皿を選ぶ際は、大きさ・重さ・深さ・高さを見て、そのうえで衛生管理がしやすいものを選ぶ
- お皿に素材にも特徴があるため、猫と飼い主にあったものを選ぶ
- 猫の年齢や早食い対策などの特徴に合わせたお皿も販売されている
今、使っているお皿がお家の猫ちゃんに合っているものなのか、また、新しいお皿を買う際に気を付けるべきポイントについてもまとめました。
- 大きさ:食べるときにヒゲが当たっていないか
- 重さ:食べるときに動いていないか
- 深さ:食べこぼしや底の方に食べ残しがないか
- 高さ:吐き戻しがあったり、食べにくそうにしていないか
- 安全・清潔:お手入れしやすいか
何か食事のことで悩んでいることがあったら、まずは食事中の様子を見て、お皿に問題が無いかどうかを確認してみてください。
今はペットショップやホームセンターでもたくさんのお皿がありますので、今回の記事を参考に色々と見てみてはいかがでしょうか。