ある日、息子とテレビで『ドラえもん』を見ていたときのこと。
『僕は、ほんやくコンニャクがほしい、ゆねとお話がしたい』と息子。
たしかにわたしも子供の頃、同じことを思いました。
わたしも初代猫みゅうや先代猫しゅりと話がしてみたい思っていましたし、今でもゆねと話ができるなら絶対にしてみたいという気持ちがあります。
でも、よく耳を傾けてみてください。実は猫はわたしたちに一生懸命気持ちを伝えようとしているんですよ。
その手段は鳴き声。
実は猫は、本来あまり鳴かない動物なんです。
猫が鳴くのは、子猫と親猫のコミュニケーションのみ。
それは、猫が人とコミュニケーションをとるために身に着けたもの。
母猫だと思っているのかもしれません。
わたしみたいな、猫と話ができるならしてみたい、気持ちを理解したいと思っている飼い主さんに、こんなに健気でかわいらしい猫たちが、どのような鳴き声でどんな気持ちを伝えたがっているのか解説をしたいと思います。
猫の言葉を聞いて是非もっと仲良くなってくださいね。
10種類の鳴き声でわかる猫の気持ち
猫の鳴き声はたくさんのバリエーションがありますが、まだ明確にわかっていないことも多く、今も研究が進められているところです。
正確に何種類とは言い切れませんが、トーンや鳴き声の長さの違いなどでだいたい10数種類くらいあるのではないかといわれています。
表に書いてないものもありますので紹介しますね。
「ニャッ」という短い鳴き声
短い声で「ニャッ」と鳴くのは人間でいう挨拶「やあ」という感じです。
他にも、人に撫でてもらったりブラッシングをしてもらって気持ちよかった時に反射的に「ニャッ」ということがあります。
どちらも友好的、好意的な時に使う鳴き声です。
「ニャッニャッ」とういう鳴き声
「ニャッニャッ」は人で言う「キャッキャッ」に似ていて、はしゃいで喜んでいる時の鳴き声ですね。
ねこじゃらしとかお気に入りのおもちゃで遊んであげたりすると聞けるかもしれませんよ。
こんな感じですね。
ただ同じ「ニャッニャッ」でも短く鳴いてキョロキョロしているときは「ここどこ」「何するの」と驚いたり不安に思っている時の鳴き声です。
動物病院に連れて行ったときに、聞くことがあるかもしれません。
「アウアウ」という鳴き声
「アウアウ」はご飯を食べている時によく聞かれる鳴き声。
「アウアウ」はご飯を「うまうま」って言いながら食べてるように聞こえるんですよ。
保護された子猫が「アウアウ」とご飯を夢中で食べる様子がYouTubeにもたくさんあげられているので、ぜひ聞いてみてください。
出典:Yahoo映像トピックス
「ニャアン」という鳴き声
これはよく聞く鳴き声。
「ニャー」「ニャアン」と高い声で鳴きます。
「撫でて~」「構って~」「遊んで」甘えていたり、喜んだりするときの鳴き声です。
いっしょに喉もゴロゴロ鳴らしていたら、飼い主さん大好きと寄ってきた証拠。
ここぞとばかりに思いっきり甘えさせてあげましょう。
「シャー」「ウー」「ウーウー」という鳴き声
猫の「シャー」や「ウーウー」といえば、これはわかりますね。
怒っているか恐怖を感じている時の鳴き声です。
怒っていることが分かるポイントが他にもあるんですよ。
耳はイカ耳(耳が横にピンと張った状態)毛は逆立ち、ときには空気砲(パンとすごい音がします)が炸裂します。
出典 Minamon85 YouTube
この子のシャーの前の『パン』が空気砲です。
こんな時は、猫パンチをお見舞いされないように、そーっとしておいてあげましょう。
「マァ―ウ」という鳴き声
これは不安を感じている時の鳴き声。
他にも猫はストレスを感じると左右にしっぽを振ったりパタパタさせたりして伝えていますよ。
「ニャ・・・」「ウニャ・・・」「ミャオーン」などの鳴き声
「ニャ・・・」「ウニャ・・・」「ミャオーン」「ニャアン」「ブルルル」という鳴き声は怒られたり、大好きな飼い主さんが出かけた寂しい時のもの。
次に少し変わった鳴き方も紹介していくにゃ
「カカカ」「ケケケ」などのクラッキング
クラッキングというのは、猫が口を素早く動かして「カカカ」とか「ケケケ」のような鳴き声を出すことをいいます。
クラッキングは、狩りの対象である虫や鳥などをを見つけたけど、捕まえられないという時に出る鳴き声。
【クラッキングをする理由】
- 獲物を捕まえられずに悔しい
- 見たことがないものに不安や警戒心を抱いている
- 獲物を見つけて興奮している
クラッキングについてもっと知りたいという方はぜひこちらの記事もチェックしてみてくださいね。
関連記事:うちの子だけ?猫の歯ぎしりやチャタリングが気になる人は必見!!
サイレントニャー
猫の約半数がするといわれている、猫が声を出さずに口を開けて鳴く「サイレントニャー」
サイレントニャーは、子猫が親猫に、ミルクをねだる時に使います。
実は鳴いていないわけではなく、人に聞こえないぐらいの高周波で鳴いているんですよ。
人間が聞くことのできる音域は約20キロヘルツくらいですが、猫の場合は約60~65キロヘルツ。
猫が親猫からはぐれたり自分に危険が迫ったとき、周囲には気づかれないように高周波の鳴き声で、自分の状況を母親に伝えるときにも使われます。
もし、飼い主さんに向けてサイレントニャーをしたら、母猫のように慕っているということ。
ぜひ気持ちを込めてヨシヨシしてあげましょう。
メス猫の発情期の鳴き声
びっくりするほどの大きな「ニャオン」や「ギャオン」と低めの大きな鳴き声。
これは、発情期のメス猫の声。
あまり鳴かない子がすごい声で鳴くので飼い主さんも驚きますよね。
実は、交尾が出来ない猫にとって、発情期はとてもつらいもの。
望まない妊娠を防ぐだけではなく、生殖器系の病気を予防するためにも、避妊手術は有効。ぜひ検討してあげたいですね。
関連記事:猫の発情期が辛い!!楽しく過ごすための改善法と体のメカニズムを解説
【10種類の鳴き声でわかる猫の気持ち】
猫の気持ち | 鳴き声 |
撫でられて気持ちいい、嬉しい | 『ニャッ』 |
楽しい、はしゃいでいる | 『ニャッニャッ』 |
ご飯がおいしい | 『アウアウ』 |
甘えている | 『ニャー』『ニャアン』 |
怒っている、機嫌が悪い | 『シャー』『ウー』 |
不安がある | 『マァ―ウ』 |
寂しい、悲しい | 『ニャ・・』『ウニャ・・』『ミャオーン』 |
獲物を捕まえられず悔しい | 『カカカ』『ケケケ』 |
母猫にミルクをおねだり | サイレントニャー |
発情期のメス猫 | 低くて大きい『ニャオン』『ギャオン』 |
猫は本来あまり鳴かない動物?
猫が「にゃー」とかわいい声ですり寄ってくる姿はとってもキュートですよね。
猫をイメージするとほぼほぼ「にゃー」と鳴いているのは、恐らくわたしだけではないはず。
でもノラ猫が、鳴いたところってあまりみないですよね。喧嘩の時の「うわ~ぁん」って唸り声は聞きますけど。
猫の祖先であるヤマネコは、独り立ちをすると縄張りを作り、単独生活をするというのが主でした。
他のヤマネコとの接触は発情期のみ。
なので、「鳴くことでコミュニケーションをとる」という必要がなく、基本的にはあまり鳴かない動物になっていったのです。
もう一つ猫は、舌が薄いため声を出すことが苦手なんです。
体の作りからして声を出すのが苦手なのに、どうして鳴くようになったのでしょう。
どうして猫は鳴くようになったの?
では現代の猫はどうして鳴くようになったのでしょうか。
飼い主さんに気持ちを伝えるため
猫は人と暮らしていくうちに、飼い主さんに気持ちを伝えるためには、鳴いて訴えたほうが伝わると気付いて、よく鳴くようになったんですよ。
猫はかまって欲しい時以外にも、時には困っていることを知らせたりと人間と一緒に過ごすためのノウハウをたくさん学んできている証拠。
飼い猫は、コミュニケ―ションのすべを知っているんですね。
飼い主を母親だと思っている
本来猫が鳴くのは、子猫が母猫に空腹や寂しさを訴える時だけで、大人の猫同士では鳴き声でコミュニケーションをとることはありません。
猫が飼い主さんに鳴き声で気持ちを伝えるのは、飼い主さんを母猫のように思い甘えて鳴いているんですね。
【猫が鳴くようになった理由】
- 飼い主に気持ちを伝えるため
- 飼い主を母親だと思っているため
鳴き声以外にも体全体で感情表現
これまでご紹介したように、猫の鳴き声でも感情を知ることが出来ることがわかりましたね。
ですが、もっと猫のことを分かってあげたい時には、ぜひ猫の仕草や行動を併せて見てみることをオススメ。
猫はしっぽで感情表現
猫はしっぽの動きで感情を表現。
【しっぽで分かる猫の気持ち】
- しっぽをくねくね ワクワク、遊びたい
- しっぽが膨らむ びっくり、威嚇
- しっぽをピーンと立てる 嬉しい、構って欲しい
- しっぽをバタバタ動かす イライラ
この他にもしっぽを使い分けることで今どんな気持ちでいるのかを知ることが出来るんですよ。
もっとしっぽについて知りたい、興味が沸いたなという方はこちらの記事も併せて読んでみてくださいね。
関連記事:【猫は気持ちをしっぽで伝える】しっかり見てもっと仲良くなろう!
猫は耳で感情表現
しっぽと同じくらい猫の感情が分かりやすいのが『耳』。
【耳で分かる猫の気持ち】
- 前に向けてピンと立てている 警戒、興味津々
- 後ろにパタンと寝かせる 怒っている、恐い
- 横に寝かせる リラックス
- 後ろに向けてピンと立てている イライラ
猫は仕草で感情表現
他にも、猫たちは飼い主さんに色んな仕草で気持ちを伝えてくれています。
【仕草で分かる猫の気持ち】
- ゆっくりまばたき 愛情表現、あいさつ
- 毛づくろいをしてくれる 愛情表現、自分の匂いをつけて安心したい
- 前足でふみふみしてくる 甘えたい
猫がわたし達飼い主にする愛情表現を見逃さないために、こちらの記事もぜひチェックしてみてください。
関連記事:【猫が毛づくろいをしてくれる】可愛すぎる5つの理由を大公開!!
気を付けないといけない鳴き声は?
猫の鳴き声は、人間と一緒に暮らすなかで色んなパターンを使い分けていることがわかりましたね。
ですが、猫たちの声は気持ちを伝えるだけではなく体調不良を訴えてることも。
認知症
飼い猫の平均寿命は年々延びているんです。
そして、猫の高齢化に伴って増えてきているのが認知症。
認知症の猫は急に鳴き出し意味もなくウロウロすることがあります。
鳴き声は「アオーン、アオーン」とびっくりするような大声で鳴くこともあるんですよ。
そんなときには、慌てずに「どうしたの、大丈夫だよ」と話しかけてあげましょう。きっと猫ちゃんは安心してくれますよ。
- トイレで排泄できなくなる
- 穏やかだった猫が攻撃的になったり鳴き続ける
- 食べてもすぐに食事をねだる
中枢神経系障害の主な症状
脳神経や中枢神経に異常があると急に大きな声で鳴きだしたりします。
- 歩いていてもすぐに倒れていたり立つことができない
- 痙攣発作がある
- 真っ直ぐに歩けない、どちらか一方に回転してしまう
- 左右の目の(瞳孔の)大きさが違う。目が見えていないようだ
- 呼んでも反応しない(耳が聞こえていない)
脳に何らかの障害が起きている場合、このような症状が見られます。
声がかすれている
人と同じで猫の鳴き声がかすれていたら何かしらの異常があるかもしれません。
- 鼻水
- くしゃみ
- 咳
- 食欲不振
- 結膜炎 目やにがたくさんでる
- 口内炎など
このような症状も一緒に出ていたら、それは猫風邪かもしれません。
早めに病院を受診するようにしましょうね。
関連記事:子猫のワクチン接種はもう迷わない!【必要性や副作用を徹底解説】
からだを触ると痛そうに鳴く
からだのどこかを触って「ギャッ」と鳴いたり怒って噛もうとしてくるなどの行動が見られたら、どこかケガをしているサインかも。
実は、わたしの知り合いの飼い猫が、触るとギャっと言っていました。慌てて痛いがる所を探したのですが、毛に覆われているのでどうして痛がっているかわかりませんでした。
3日ぐらいたったある日、大きな穴が開いていました。(皮膚ごと患部がそぎ落ちた感じです)
まとめ
ではここでおさらいしていきましょう。
今回は鳴き声でどんな気持ちを伝えたがっているのか解説してきました。
猫の気持ち | 鳴き声 |
撫でられて気持ちいい、嬉しい | 『ニャッ』 |
楽しい、はしゃいでいる | 『ニャッニャッ』 |
ご飯がおいしい | 『アウアウ』 |
甘えている | 『ニャー』『ニャアン』 |
怒っている、機嫌が悪い | 『シャー』『ウー』 |
不安がある | 『マァ―ウ』 |
寂しい、悲しい | 『ニャ・・』『ウニャ・・』『ミャオーン』 |
獲物を捕まえられず悔しい | 『カカカ』『ケケケ』 |
母猫にミルクをおねだり | サイレントニャー |
発情期のメス猫 | 低くて大きい『ニャオン』『ギャオン』 |
猫は鳴き声以外にも全身で気持ちを伝えています。
一緒に見ることで、より一層猫が何を考えているのか、感じているのかを知ることが出来ますよ。
是非猫の鳴き声を聞き分けてコミュニケーションをもっと深めましょう。
きっと愛猫も喜んでくれるはずですよ。
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