猫は、とっても魅力的な動物ですが、その反面なかなかコントロールできない困った行動もありますよね。
爪とぎは、我が家も頭を悩ませました。
これはやめてっていう物に限ってガリガリとやるんですよね。
放っておくと、集合住宅にお住まいの方は爪とぎの音でご近所とトラブルになったり、ペットOK物件でも賃貸住宅にお住まいの方は引越しの時に高額請求されたりなんて怖いことも起きかねません。
爪とぎは猫の本能に組み込まれた行動なので、やめさせようと思っても絶対にできません。
しかし、猫が爪とぎをする理由を正しく理解して対処すれば、お互いが快適に暮らすことができます。
大切な家や家具を守れて飼い主はニコニコ、猫ちゃんもご機嫌に過ごせる方法を詳しく解説していきます。
爪とぎは猫にとって大切な行動
子猫を飼い始めたばかりの人は、猫の爪をしっかり切っていれば、爪とぎはしないと思っている人もいるかもしれません。
最近、子猫を飼い始めた友人がそうでした。
しかし、猫の爪切りと爪とぎは全く別です。
そして、爪とぎは猫にとって、毛づくろいと同じくらい重要な行動です。
色々な角度から説明をするので、なぜ爪とぎとするのかしっかり理解すればしつけなどもうまくいきますよ。
爪とぎをなぜするの?
上に少し書きましたが、猫の爪とぎは、毛づくろいと同じで猫の本能に組み込まれた行動です。
猫が、やめようと思ってもやめられません。
飼い主が、やめさせようとしてもやめさせられません。
しかし、放っておくとやりたい放題になってしまうので、なぜ爪とぎをするのかを理解して、対策を練りましょう。
狩りの道具
爪とぎをなぜするのかは、猫の爪の役割を考えると理由が分かります。
飼い猫は狩りをする必要がありませんが、猫は本来狩りをする動物です。
狩りをしなければ食べ物を得られなかったので、爪は命をつなぐためのとても大切な道具です。
爪で獲物を引っ掛けて捕まえるので、いつでも狩りができるように爪の先を常にとがらせておかなければいけません。
また、敵に出会った時にや驚いた時に、木の上など、高いところに逃げる時にも爪はとても重要な働きをします。
爪はどんどん伸びていくので、古い爪は不要です。
ですから、頻繁に爪を研ぎ、いつでも狩りができる状態を保つのです。
猫の爪の構造
二層構造になっています。
外側は角質化しているので、人間の爪のように切っても痛みはありませんが、内側は神経と血管が通っています。
縄張りアピール
猫は縄張りをアピールするのに、マーキングをします。
実は爪とぎもマーキングの一つなのです。
爪あとを残すことで、見た目からのアピール、そして猫は体中のあちこちに自分のにおいを出す分泌腺があるのですが、肉球にもあります。
爪とぎをすると同時にその肉球から出る分泌物を付けて自分のにおいを残します。
自分のにおいが付いた物や場所は安心できる縄張りになるのです。
自分のにおいが一度付くと、またそこで爪とぎをするのが猫の本能です。
爪とぎされたくない場所にされてしまった場合は、再び爪とぎされる前に対処が必要です。こちらも、後ほどご紹介します。
気分転換やストレス発散
猫だって人間のようにストレスを感じることがあります。
そんな時に、背伸びやストレッチのように爪とぎをすることがあります。
人間もずっとパソコンに向かって仕事をしていたら、腕を伸ばしたりしてストレッチしますよね。
猫ちゃんはやりたいことが上手くいかなかったり、遊びが思う通りにできなかったり、叱られた時に爪とぎをするのです。
もし、あなたの猫ちゃんが頻繁に爪とぎをする場合は、ストレスが溜まっているかもしれません。
注意してあげてください。
かまって欲しい!
ツンデレの猫ですが、かまって欲しい時に、飼い主の気を引く為に爪とぎをすることもあるのです。
嬉しいけれど、困った行動ですよね。
猫は賢い動物で、自分が飼い主にかまってもらえたシチュエーションをよく覚えているのです。
ソファ・柱・壁など、爪とぎしてほしくない場所でやられた時に、誰でも怒ってしまうと思いますが、その怒られたのを猫はかまってもらえたと思っているのです。
そして、爪とぎした場所には自分のにおいが付いているので、今度はかまって欲しいわけではなくても、爪とぎをしてしまうという、飼い主には恐怖の無限ループになってしまいます。
遊んで欲しい時、ご飯や水が欲しい時など、何かを主張しているので、要求に応えてあげてください。
いつから爪とぎをするの?
爪とぎは本能に組み込まれた行動なので、誰からも教わらなくてもするようになります。
猫は生後5週頃になると爪とぎを始める子が多いようです。
やめさせようと思ってもやめさせられないと、上で紹介しましたが、爪とぎを怒るとかまってもらえると学習してしまいます。
飼い主はこれから愛猫と快適に暮らすための修行だと思いましょう。
大声を出したいのをグッと我慢してさっと爪とぎを持っていく、爪とぎのところに連れていき、やっていい場所を教えたり、してはいけない場所を教えるのがベスト。
猫を家族に迎える前に、爪とぎは用意しておき、いつ始めてもいいように準備しておくと心の準備もできるのでおすすめです。
まだ爪とぎをしていない子猫を飼っていて、家に爪とぎが無い方は急いで用意してくださいね。
どんな爪とぎ器があるかは後ほど詳しくご紹介します。
爪とぎは値段も大きさも形も色々なので、まずは爪とぎを始めた時にさっとその場に持って行ける小さめの持ち運びしやすいものを一つ用意しておくと良いかもしれません。
事前に爪とぎされたら困る場所は保護しておくのも手です。
反対に、爪とぎしてもいいようにしてしまうのも手です。
爪を切るのは爪とぎの代わりになるの?
本能に組み込まれた行動なので、猫の爪を切っても爪とぎは絶対にします。
上でご紹介しましたが、爪とぎは外側の爪を剥がす行為なので、爪とぎをしていても内側の爪は伸びていく一方ですので、爪切りは必要です。
内側の爪をしっかり切っておくと万が一爪とぎをされたくない場所にしてしまった時に、被害が最小限に食い止められます。
爪が伸びると爪にも血管があるので、その血管も伸びてしまい、爪を切ると出血してしまいます。
また、猫の爪が伸びても放っておくと肉球に刺さるなど、大変なことに。
爪とぎは猫の毛づくろいと同じくらい重要な行動ですが、なぜ爪とぎとするのかしっかり理解すればしつけなどもうまくいきますよ。
子猫のうちは爪とぎをしませんし、爪切りを習慣にしておくと何かと後で役立ちます。
爪とぎのしつけかた
『しつけ』と書きましたが、爪とぎは猫の性質、本能に組み込まれている行動なので、飼い主の思い通りにコントロールできるものではありません。
全ては猫次第なので、こちらがしっかり猫の性質を理解し歩み寄って、お互い気持ちよく過ごせる方法を見つけていくしかありません。
大丈夫ですよ。人間には知恵と色々便利な道具があります!
猫は群れで過ごすのではなく、自分で考え行動して生活していました。
犬のように褒めても猫の気分次第では喜びませんし、叱ってもこちらの思いは伝わりません。
ですから、人間は頭を使う必要があります。
色々なアイデアをご紹介しますので、ひとつダメでも諦めず、あなたの猫ちゃんにピッタリな方法を探ってみてくださいね。
好みのタイプを用意してあげよう
爪とぎ器は素材も様々です。
カーペットのようなもの、段ボール、木製、麻縄などがあります。
お値段も色々ですので、まずはお手頃価格のもので素材の異なるものを数種類用意してあげて、ぴったりのものを見つけてあげましょう。
ここで注意なのは、壁や家具などとは別の素材にするのが大切です。
「お友達の猫がジーンズの生地が好きって言っていたなぁ。ジーンズで作ってみよう!」というのもやめましょう。
素材が同じだと、猫からしてみると「あ!ここにも爪とぎ!こっちにも!」と認識してしまい、大変なことになります。
ジーンズの生地だと人が履いていてもお構いなしに爪を立ててとぎはじめたら大変なことになります。
単純に好きだからではなく、家に無い素材でお気に入りを見つけるのは、猫との幸せな生活でとても重要なことです。
爪とぎ器の種類とメリット・デメリット
たくさんある爪とぎ器ですが、それぞれの素材や形でメリット・デメリットがあります。
住宅事情で置けるサイズや数は決まりますが、素材や形はある程度選べますので、色々知って愛猫にぴったりなものを選んであげてください。
年齢によっても好みが変わってきますので、知っておいて損はありませんよ。
ダンボール製
メリット
- 爪がとても引っかかりやすいので、猫ウケがいい。
- そして、他のものに比べるとお財布に優しい。
- 軽いので、持ち運びができる。掃除の時に動かしやすい。
- 捨てるのも簡単で、取り替えやすい。
デメリット
- とぎカスが出るので、お掃除をこまめにする必要がある。
- 耐久性がないので、すぐにボロボロになる。
麻縄製
メリット
- 爪が引っかかりやすいので、ダンボール製と同じく、猫ウケがいい。
- とぎカスが出ない。
- 耐久性があるので、長持ちする。
デメリット
- 麻特有のにおいがあるので、嫌がる猫がいる。
- 値段は安くない。
- 替え時が人間には分かりにくい。
- サイズによっては、買い替えなどで、捨てるときに費用がかかる。
- 人間が触ると痛い。
においが気になる場合は、綿素材のものもあります。
木製
メリット
- 猫はもともと木で爪とぎをしていたので、猫ウケがいい。
- 耐久性抜群。
- 見た目が良い。インテリアに馴染む。
デメリット
- 値段が高い。
- 木の硬さによっては木屑が出たり、ささくれが出来てしまうので、木屑の処理やささくれで猫の肉球や人間が怪我をしないように注意する。
体に合うサイズの爪とぎ器を探そう
猫の爪とぎには色々な役割がありましたが、飼い猫の場合、爪とぎをすると同時にストレッチをして気分転換やストレス発散をしています。
爪とぎ器には床置き型と立てかけ型があります。
ご自宅の状況に合わせて大きさを選ぶのももちろんですが、爪とぎをする時に身体をしっかり伸ばせるか、思いっきり爪とぎをしても動かず、安定感はあるか、ある程度の高さがあるかを基準に選びましょう。
自分のものだと教えてあげよう
爪とぎ器を用意したら、最初が肝心なのでがんばりましょうね。
爪とぎはマーキングの役割があるというのを利用して、爪とぎ器は自分のものだと覚えてもらいましょう。
機嫌の良い時に挑戦するのがオススメ、簡単3ステップです。
①爪とぎ器のところに猫を連れて行きます。
②猫の前足を優しく持って、爪とぎの真似をさせます。(前足を爪とぎ器に擦り付けるように。爪を出す必要はありません。)
③爪とぎ器に猫のにおい(フェロモン)が移り、安心できる物、縄張りの出来上がり。
これで、猫にとっては『自分のにおいがついたもの=自分のもの』となります。
先輩猫がいるご家庭では、真似をして自然と覚えることがありますが、いない場合は飼い主が自らお手本を見せるのもおすすめです。
自分でもすぐに爪とぎ器で、カリカリやったら覚えてくれた証拠ですね。
猫は犬のようなしつけは効きませんが、上手に爪とぎができたら撫でてあげる、ちょっとしたご褒美でおやつをあげると【爪とぎ器で爪とぎをする=いいこと】と学習してくれます。
毎回はできなくても、最初のうちは意識してみましょう。
置く場所を工夫しよう
猫の習性を利用して考えましょう。
縄張りは落ち着く場所、安心できる場所に作りますから、愛猫のお気に入りの場所やその近くに爪とぎ器を設置するのも一つの手です。(必要に応じて複数の場所に。)
起きてすぐに爪とぎをする習性があるので、寝て起きてすぐにできるように、寝ている場所の近くに爪とぎ器があるのが理想ですね。
爪とぎ器以外で爪とぎをしちゃったら
爪とぎ器ににおいを付けても、他のところで爪とぎをしてしまう子はいます。
見かけたら大きな声で「ダメっ!!!」と言ってしまいそうになりますが、グッと飲み込んで、その場所は爪とぎNGと覚えてもらうために、すぐに爪とぎ器のところに連れて行きます。
大声を出す、追いかけると猫は、何で叱られているのか分からず、ストレスを感じてしまいます。
もしくは構ってもらえたと思い、爪とぎ行為がエスカレートする場合もあります。
とにかく人間側はじっと粘り強く取り組みましょう。
そしてピンチはチャンスと言いますが、爪とぎ器以外で爪とぎをされてしまった時は、愛猫のお気に入りの素材が分かるチャンスでもあります。
ソファなどの柔らかい場所なら紙・ダンボール素材、椅子、家具、柱など固い場所なら麻縄・木製で爪とぎ器を用意すると効果があるかもしれません。
防御に徹する!
絶対に爪とぎをされたく無い場所は、徹底的に防御するのも手です。
すぐにできることとして、観葉植物や移動しやすい家具などを置き、されたく無い場所に行きにくくする方法があります。
それでも諦めてくれない場合は、お金も時間もかかりますが、やられたく無い場所を守るしか方法はありません。
ソファにはカバーを付ける、柱・壁・家具は板やアルミホイルを駆使してカバーするのです。
頑丈なものでなくても、爪が引っかかりにくい素材であれば効果はあります。
爪とぎ防止スプレーも市販されているので試してみるのもいいですよ。
爪とぎ器の状態を確認しよう
ずっと同じ爪とぎ器だと、とぎ心地が悪くなって、より良いとぎ心地を求めて別なところでやっている場合があります。
古くなってきたら新しいものに変えてあげてください。
愛猫家の中にはDIY(日曜大工)で爪とぎ器を作っている人もいるようなので、インターネットで検索すると色々出てきますから、直せそうなら直してみる、手作りが好きな人は愛猫の好みに合わせて作ってみるのも楽しいですね。
たかが爪とぎ器と思わず、猫の視点に立ってみると改善策が見えてきます。
まとめ
猫の爪とぎは爪切りをしていても、絶対にするので、しつけというか猫の習性をしっかり理解してお互い気持ちよく過ごせるように飼い主が工夫すると良いということが分かりましたね。
- 爪とぎ器の選び方は、愛猫の好みの素材、体のサイズに合った大きさ、置く場所を工夫するの3点です。
- 爪とぎがマーキングの役割を果たしているのを利用して、猫を家族に迎えたタイミングで爪とぎ器に、猫のにおいをつけて自分のものだと認識させましょう。
- 愛猫のお気に入りの場所や寝ている場所の近くなど、置く場所を工夫する、可能なら複数用意することで爪とぎでやってくれるようになります。
- 爪とぎ器以外の場所で愛猫が爪とぎをしても大声を出したり追いかけたりしてはいけません。
- 怒りの気持ちはグッと飲み込んで、冷静に爪とぎをサッと持っていく、もしくは爪とぎ器のところに連れていくとやって良い場所を覚えます。
- 爪とぎ器でやってくれていたのに、別なところでやり始めたら爪とぎ器が古くなってとぎ心地が悪くなっている可能性があるので、状態を確かめて新しいものを用意しましょう。
- 爪とぎは猫の習性なので、どうしてもされたくない場所は防御しておくと安心です。
人間は便利な道具、暇つぶしの方法、運動は色々な方法でできますし、ストレス発散方法も様々です。
しかし猫は、飼い主の住んでいる環境で色々な条件が決まってしまいます。
だからこそ、猫の大切な行動である爪とぎを厄介だと思わず、心置きなくできる環境を整えてあげたいですね。