猫は「幸せを運ぶ」と聞いたことはないですか。
猫を飼い始めてから「幸せが訪れたというエピソード」、実はよく聞く話なんです。
世界中で猫は神様としてあがめられています。たとえば、エジプトの女神バステト神や、イングランドの漁師の守り神などがいます。
日本でも猫がまつられた神社は多く、招き猫は「幸せを呼ぶ」縁起物として、有名ですよね。
このことからも、猫が「幸せを運ぶ」動物と言っても間違いなさそうです。
でも、猫が「幸せを運ぶ」といわれるのには、縁起のいい動物といての神秘的な力のほかにも、科学的に証明された理由もあるんです。
それを知ると、猫が飼い主に与えてくれる『本当の幸せを呼ぶ力』が分かり、愛猫のことがもっと好きになりますよ。
わたしも「みゅう」と「しゅり」からたくさんの幸せをもらい、いろいろなことを教えてもらいました。そしてその二匹のおかげで、今の「ゆね」との暮らしがこんなにも幸せなんだと実感しています。
それでは、「幸せを呼ぶ猫」についてと、猫の「本当の幸せを運ぶ力」についてお話していきたいと思います。
猫が幸せを呼ぶと言われた由縁
そもそも猫はなぜ、「幸せを呼ぶ」と言われるようになったのでしょうか。
それは、世界には出会うと幸せを呼ぶと言われている「福猫」がいます。この猫たちの由縁からきているんです。
その「福猫」たちはこちらです。
- 黒猫
- カギしっぽ
- オッドアイ
- 三毛猫
- 八われ猫
- 愛嬌(あいきょう)のある猫
それでは順に、猫の特徴と由縁をお話ししますね。
1黒猫
黒猫は魔女の使いのイメージからか、縁起が悪いなどと言われることもありますが、日本では昔から、幸せを呼ぶ猫として大切にされています。その理由はこちら。
- 商売繫盛や魔除け
- 結核を治す
- 恋わずらいをなおす
商売繁盛や魔除けの象徴
猫は夜の暗闇の中でも、はっきりと目が見えています。このことから「どんな状況でも見通しがいい」といわれ、魔除けや商売繁盛の象徴とされています。
結核や恋わずらいを治す
江戸時代で黒猫は、不思議な力を持つ猫として大切にされました。「黒猫を飼うと結核が治る」なんていう迷信ができるほど。
また結核の原因が、(※1)気うつや(※2)恋わずらいからくるものではないか、という噂から、黒猫は恋わずらいにも効果があるといわれてきました。
(※1)気うつ…気分がふさぐ病気 (※2)恋わずらい…恋の病
2カギしっぽ
途中で折れ曲がったしっぽの猫は、「カギしっぽ」と呼ばれています。
主にヨーロッパで大事にされてきたカギしっぽの猫は、釣り針の様に曲がったしっぽの先に、幸運をひっかけてくるんです。
日本では、「猫又(ねこまた)」という妖怪の言い伝えがあります。しっぽの長い猫が長生きすると、しっぽが二股に分かれて猫又になると言われています。
そのことから短い尾の猫やカギしっぽの猫は、猫又になる心配がないとして、歓迎されました。
3オッドアイ
オッドアイとは、先天性の遺伝子異常が原因とされている、両目の瞳の色が違う猫のこと。
とても希少性が高く、宝石のような神秘的で綺麗な美しい瞳を持つことから、幸運を呼ぶと言われています。
4三毛猫
三毛猫の3色の毛色は、縁起のいい毛色と言われており、それぞれ意味があります。
- 白「来福招福(らいふくしょうふく)」
- 黒「厄除け(やくよけ)」
- 茶「無病息災(むびょうそくさい)」
また三毛猫のオスは、30万匹に1匹しか産まれません。出会うと幸運を呼ぶと言われるほど希少性が高い猫なんです。
5八われ猫
八われ猫とは、顔の毛色が鼻筋を境に八の字に分かれている模様の猫です。
一部の地域では、はちわれを「鉢割れ」と漢字表記し、頭や兜(かぶと)が割れると連想されるため、縁起が悪いとされるところもあります。
ですが日本人にとって、『八』は末広がりの縁起のいい数字ですよね。なので、八われ猫も「八をもつ猫」としてとっても縁起のいい猫なんです。
6愛嬌のある猫
これは愛嬌のある猫のようにふるまえば、「仕事がうまくいきそれにより収入も上がる」ことからきています。
特にタイで愛嬌のある猫は、金運、ビジネス運がアップする「大金持ち猫」といわれています。
さらに愛嬌のある猫との生活は、癒し効果からストレスが軽減されることで健康になり、健康運もアップしちゃうんです。
猫のミステリアスなイメージとその能力や模様、希少性などから、猫は『幸運を呼ぶ』と言われることが多いようですね。
実は、「猫のひげ」も幸運を運ぶ縁起物とされているんです。
猫のひげは幸運を呼び込み、お財布に入れておくと金運がアップする、ともいわれているので、落ちていたら捨てずにとっておいてくださいね。
ここまでのお話では、昔話を聞いているような感覚で、猫が本当に幸せを運んでくれるのか、いまいちピンとこない方もいますよね。
でも猫が幸せを運んできてくれることは、科学的にも証明されているんです。このことについて、これから詳しくお話していきますね。
99%が幸せと感じる猫の力とは
猫を飼った人が、「猫を飼うことで幸福度が増したか」について、こんなデータがあるんです。
アニコム損害保険株式会社の『nekokusei(ねこくせい)調査』によれば、猫を飼うと99%の飼い主が「幸せになれる」と答えています。
「猫と暮らし始めて幸福度が高まったと感じるか」という質問に対して、なんと99.7%の方が「とても高まった/高まった」と回答しました。さらに「猫と暮らし始めて健康になったと感じるか」との質問についても、約半数の方が「健康的になった」と回答しています。
出典:アニコム損害保険株式会社 猫の生活実態調査「nekokusei(ねこくせい)調査」、結果公表!
そして、幸せと密接な関係のある健康面での質問でも、半数以上の人が「健康になった」と答えていて、多くの人が「猫は幸せを運んでくれる」と実感しているんです。
しあわせの研究といわれるポジティブ心理学によると、日本では幸せのことを「happy(ハッピー)」と言い換えられることも多いですよね。
ですがハッピーな感情は一時的な感情で、本当の意味での幸せは「well-being(ウィルビーイング)」。つまりより良い状態が長く続くということ。
この幸せを支えている5つの柱と言われるのが、「PERM(パーマ)」 と呼ばれる考え方です。
P:Positive emotion「ポジティブ感情」
「喜び」「感謝」「安らぎ」「愉快」「愛」「希望」のポジティブな感情をもつことE:Engagement「エンゲージメント」
没頭、没入できる体験をすることR:Relationship「人間関係」
特に家族などの親密な人たちとの関係を大切にすることM:Meaning「人生における意味や意義ある活動」
人生に意味や意義、目的を見出して行動することA:Accomplishment (Achievement)「達成、完遂、マスター」
最初は達成(Achievement)の意味だけが取り上げられていましたが、近年では何かを習得し向上させることも加味され、このキーワードが使われています。
引用:life&mind 「幸せ」とは?科学的に分かった幸せの本質と幸せになる5つの方法
猫と暮らす多くの人が、一時的な幸せではなく、「PERM(パーマ)」に基づく考え方から、長期的な幸せを感じでいる方が多いんです。
ではその理由はどうしてなのか、それはこれら3つです。
- 癒しを与えてくれる(P:ポジティブ感情)
- 人間関係を豊かにしてくれる(R:人間関係)
- 猫の生きる姿勢から活力をもらえる(M:人生における意味や意義ある活動 A:達成、完遂、マスター)
1猫が与える癒し効果
現代社会において「ストレス」はつきものですよね。ストレスをため込むとポジティブな感情も軽減し、次のような症状も起こしてしまいます。
- 仕事の効率が悪くなる
- 記憶力が悪くなる
- 体中が炎症をおこす
- 太る
- 寿命が短くなる
こんな症状が起きないようにストレスは軽減したいもの。
実は猫にはこのストレスを軽減して、安らぎを与える癒し効果がたくさんあるんです。それは次の4つです。
- ゴロゴロ音でストレス軽減効果
- ぷにぷに肉球で癒され効果
- 猫に触れて幸せホルモン分泌効果
- 猫との生活でスマイル効果
順にくわしくご紹介しますね。
1ゴロゴロ音でストレス軽減効果
猫が甘えてくるときに鳴らす、「ゴロゴロ」という喉の音には、なんとヒーリング効果があるんです。
猫が鳴らす「ゴロゴロ」という音の周波数は、25~50ヘルツの低周波ですが、人間にとってこの周波数、体の緊張をほぐしリラックス効果のある癒しの周波数なんですよ。
「ゴロゴロ」音が、わたし達の体にもたらしてくれる癒しの効果。
- ストレス解消
- 免疫力アップ
- ポジティブ思考に導く
嫌な事があっても、ゆねと一緒にいると全てふっとんじゃうのは、「ゴロゴロ」音のおかげだったんだね。
2ぷにぷに肉球で癒され効果
猫の肉球を触ることでも、先ほどお話した癒しの周波数がでるんです。そのため、ぷにぷにと、肉球をもみもみすることで、「ストレス解消」や「血圧低下」にも効果を発揮。
わたしもその気持ちよさに、ついつい愛猫「ゆね」の肉球をもみもみしてしまって、すごく嫌がられる時もあります。笑
3猫に触れて幸せホルモン分泌効果
猫の柔らかな毛を優しく撫でることで、「幸せホルモン」と呼ばれている「オキシトシン」が分泌されます。
親しい人や動物とのスキンシップで分泌される、『愛情ホルモン』とも呼ばれるホルモン。脳や身体に働きかけ、温かい感情をもたらし、ストレスを和らげる働きをもっています。
撫でられてリラックスできるのは猫も同じ。猫と人間の双方が触れ合うことで、どちらにも得られる癒し効果があるなんて素敵ですよね。
「愛情ホルモン」については、こちらの記事で詳しく紹介しています。読んで頂けると、きっと幸せな気持ちになれるでしょう。
これらの「免疫力アップ」や「ポジティブ思考効果」を考えると、黒猫が「結核を治す」「気うつや恋わずらいを治す」というのは、あながち迷信ではないのかもしれませんね。
4猫との生活でスマイル効果
カリフォルニア・ローマ・リンダ大学の研究で、おもしろいネコ映像をみているだけで、被験者のストレスホルモン「(※3)コルチゾール」の分泌量が減るということが分かりました。
(※3)コルチゾール…ストレスが増えると身体から分泌され、心拍数や血圧、体温、血糖値を上昇させる。
とんでもない所にはまる姿や、液体のようにダラリとくつろぐ姿。
一緒に生活する中で猫がみせてくれる、思わず笑わらってしまう行動の数々に、クスリと笑いながら癒されますよね。
思いっきり笑うことでストレスが減り、血圧が安定すると、心臓や血管の病気にかかりにくくなります。
ミネソタ大学心臓研究所による2008年の研究でも「猫を飼っている人は心臓発作で亡くなるリスクが、飼っていない人に比べて30%低い」という調査結果が報告されているんです。
2人間関係を豊かにしてくれる
猫がいるだけでその場が明るくなり、猫を通じて家族との会話もふえますよね。自閉症を抱える人が猫と触れあうことは、効果的なセラピーになることも分かっています。
2012年のフランスでの研究によると、自閉症の子供とそのペットを観察した結果、ペットがいると子供たちが落ち着きを保ち、他の人とコミュニケーションを取ろうとすることが分かりました。
猫がいるだけで、他者とのコミュニケーションの機会が増えて、人間関係を豊かにしてくれるのです。
これはわたしの話なんですが、兄とは歳が離れていたこともあり、一緒に遊ぶことはあまりありませんでした。そんなある日、兄が「みゅう」を拾ってきたことで、兄と「みゅう」を交えて一緒に遊ぶことが増えました。
そしてわたしが「しゅり」を拾ってきたとき、わたしは思春期真っただ中の高校生。家族との会話が減っていたのですが、「しゅり」のお世話を通じて家族との会話が増えました。
この二匹が、わたしと家族との関係を豊かにしてくれたのは、間違いありません。
3猫の生きる姿勢から活力をもらえる
猫の生き方からいろいろなことを学べます。
- 登れなさそうな高いところを、何度もめげずに挑戦する猫の姿に「自分ももうちょっと頑張ろうかな」と勇気をもらったり。
- 単独で狩りを行う動物なため、周りに愛想はふりまかない猫。そんな猫のように、誰かに依存せず、他人に振り回されないで強く生きぬく生き方を学んだり。
- 猫の、マイペースに自分のやりたいことを進め、夢中になったらとことん続ける姿から、夢中になれることに没頭することに、充実感があることを教わったり。
そんなマイペースで媚びない猫でも、ときには飼い主を頼りすり寄ってきます。そんな自分を必要としてくれる猫の存在は、人の心を穏やかにしてくれます。
- 癒しや安らぎといったポジティブな感情を与える
- 人間関係を豊かにしてくれる
- 人生で大切な事を気づかせてくれる
まとめ
今回は「幸せを呼ぶ猫」についてと、猫の科学的に証明された「本当の幸せを運ぶ力」についてお話してきました。
- 黒猫…魔除けや商売繁盛の象徴
- カギしっぽ…カギしっぽが幸運を呼び込む
- オッドアイ…希少な瞳から出会うと幸運を呼ぶ
- 三毛猫…白「来福招福」、黒「厄除け」、茶「無病息災」の縁起のいい毛色を持つ
- 八われ猫…縁起のいい「八」を持つ猫
- 愛嬌のある猫…金運、ビジネス運がアップする「大金持ち猫」といわれている
- 猫に触れるとストレスを軽減させる「幸せホルモン」が分泌され、癒しを与える
- 猫との生活で、他者とのコミュニケーションの機会を増やし、人間関係を豊かにする
- 猫がいると笑顔が増え、ストレスが軽減されて健康になる
- 猫の生きる姿勢から「勇気」「生き方」「充実感」を学び、猫に頼られることで生きる活力をもらえる
猫と一緒に暮らすことで、わたしたちはたくさんの幸せを運んできもらっているんですね。
そんな猫たちに感謝し、愛情をもって接することで、ポジティブ感情が高まりさらに幸せが増していくと思います。
そして今度は、もらった幸せを猫たちに返してあげられるように、お互いに思いあって末永く幸せに愛猫と暮らしていきたいですね。