近年猫ちゃんブームにより猫ちゃんを飼い始めた方や、お家に複数の年齢の違った猫ちゃんを飼っている方が増えていますね。
皆さん猫ちゃんの成長に合わせたキャットフードを、あげられていますでしょうか。
同じキャットフードでも、たくさんの種類がお店で並ぶようになり、どれを選べばいいのかわ分からなくなってしまいます。
しかし、猫ちゃんの成長に合っていないキャットフードを食べさせ続けてしまうと、猫ちゃんの寿命を縮めてしまう危険性があります。
そこで、今回は猫ちゃんの成長に合っていないご飯をあげてしまうと、どのように危険なのかをお話しします。
子猫用と成猫用のフードの違い
子猫用のフードは成猫用フードに比べると、同じ量でも高カロリーで密度の高い必須アミノ酸やタンパク質、カルシウムやミネラルなどが多く、必要な栄養素がしっかり含まれていることがポイントです。
子猫に成猫用のフードを与えてはいけない理由
猫は成長速度が速くエネルギーの消費も速いです。
子猫は人間の赤ちゃんよりも15倍も早く成長するといわれているため、生まれてから2か月くらいの子猫は、成猫の3倍のカロリーを取る必要があります。
しかし、子猫は胃が小さく歯や顎が未発達のため、成猫用のフードでは必要な量のタンパク質やカロリーが摂取出来なくなってしまいます。
子猫の時に栄養が取れないとどうなるの?
- 体重が減る。
- 毛並みが悪くなる。
- 発育不良になる。
一番栄養が必要な子猫の時に栄養が取れていないと、体が未発達に成長してしまい免疫力が弱くなり病気にかかる危険性が高くなります。
猫の成長に合わせて正しく餌を選ぶには
子猫に成猫用フードでは、栄養が足りない事がお分かりいただけたと思います。
〔生後0週間~2週間〕授乳期
生後0週間から2週間は授乳期と言われ、母猫の母乳を飲みます。母乳には高脂肪、高たんぱくで栄養がとれます。
子猫はミルクしか消化できないため、子猫を保護した場合や母親の体調不良などで、母乳を与えるのが難しい場合などは猫用のミルクあげましょう。
粉ミルクにすると、一回にあげる量や濃さなどが調節しやすいです。
〔生後3週間~8週間〕離乳期
生後3~4週間を過ぎると、乳歯が生え始めるため、ミルク以外のものを食べられるようになります。
子猫用の離乳食は専用のものもしっかり売っていますし、子猫用のドライフードをお湯でふかし軟らかくしたものが食べやすいでしょう。
子猫用のウェットフードでも代用可能です。
この時期にミルクからお水を飲めるように、清潔なお水を部屋に置いておくとお、水が飲みやすくなると言われています。
〔生後1か月~6か月〕通常食
生後6か月を過ぎると乳歯が生えそろう事で、普通のウェットフードやドライフードが食べられるようになります。
成長期のため、高カロリーで必要な栄養価の高い子猫用のご飯をあげましょう。
猫は生まれてから12ヶ月程で、成長が止まりそれ以降はほとんど成長しません。それまでは子猫用のキャットフードを選ぶと良いでしょう。
では与える頻度は何回くらいが良いのか、次の項目で説明していきます。
ごはんを食べる回数の変化
猫は本来少ない量を何回かに分けて食べる特徴があります。
以下の表は目安として考えてください。
成長時期 | 1日の食事の回数(目安) |
生後2か月~生後3か月 | 5~6回 |
生後4か月~生後5か月 | 3~4回 |
6か月以降 | 2~3回 |
成長の早さや、性格よって食べ方はそれぞれ違いますので、1回分の食事を半日かけて食べる子もいますし、すぐに食べきる子もいます。
1回で全然食べない子でも知らないうちに、お皿が空になっていたりするんですよ。
猫が餌を食べない時
猫は気まぐれさんのため、具合が悪くて食べられないのか、もしくはその食べ物が好みではない事が原因で、食べないのかをしっかり見てあげることが大切です。
具合が悪い場合には、ご飯を欲しがる素振りがなく動きも鈍くなり、鳴く声が小さかったり、ほとんど鳴かないなどと明らかに元気がなくなります。
子猫は半日食事がとれないと低血糖になる可能性があるので、いつもと違う症状が見られたら速やかに獣医さんにみてもらいましょう。
ご飯をねだり出できたご飯の確認はするが食べようとせずに、再度要求をしてくる場合などはその食べ物を食べたくない、もしくは警戒している可能性が高いと思われます。
猫は賢いため以前食べて体を壊した食べ物はしっかり覚えています。
もちろん勘違いしている場合もあります。
そのため、ご飯を変える場合は今まで食べていたものと混ぜて、体調への変化(嘔吐や下痢)はないかを確認する必要があります。
成猫が子猫用のフードを食べてはいけない理由
成猫が子猫用のフードを食べ続けてしまうと。
子猫のフードは成猫に比べ栄養カロリーが多く必要なため、それに配慮された子猫用のフードを成猫が食べてしまうと、カロリーオーバーとなって肥満になってしまいます。
実は肥満になると寿命が一気に縮まってしまいます。
肥満になるとなぜ寿命が縮まるの?
では、肥満になる事で猫にどんな悪影響があるのかをいくつか表にしました。
皮膚病 | 大きなお腹が床に擦れたり、毛づぐろいが自分で出来なくなる |
---|---|
呼吸疾患 | 首まわりの脂肪による圧迫 |
便秘 | 脂肪による圧迫 |
感染病 | お腹の脂肪が邪魔で、お尻周りの手入れができなくなる |
捻挫、関節炎 | 常に関節に負担がかかってしまう |
手術の危険性が高くなる | 脂肪が邪魔になるため |
この表以外に糖尿病や免疫力の低下や体内器官の老化など、様々な症状が肥満が原因となるものです。
肥満は悪影響しかありません。
家族であり、飼い主である私たちが体調管理をしっかりしなくてはなりませんね。
肥満になってしまった場合の正しいダイエット方法!!
太ってしまった猫ちゃんに対して、いきなり食事制限は危険。
健康を気にしてすぐに結果を出そうとしてしまい、フードの量を急に減らしてしまうと栄養バランスを崩してしまいます。
体重を減らす為の理想は、1週間で体重の1~1.5%ずつ落とすくらいです。
特に絶食をさせてしまうと、食事量が極端に減った事で内臓脂肪の分解が促され、逆に脂肪を代謝する臓器である肝臓に脂肪が蓄積してしまいます。
それが「脂肪肝」です。
脂肪肝の初期症状は、食欲不振、下痢、嘔吐などです。これらの症状がみられた場合は速やかに獣医さんに相談しましょう。
無理なく早く瘦せられる方法があるなら、私もやりたいですけどそんな夢のような話はないですよね。
だからこそ焦らず、猫ちゃんにも無理ないダイエットプランを考えてあげましょう。
妊娠・授乳中の母猫には子猫用フードを与えるべき!?
ここまでさんざん子猫には子猫用フード、成猫には成猫用フードを与えましょうとお伝えしてきました。ただ成猫に子猫用フードをオススメしている時期があります。それは「妊娠後期や授乳期」。
この時母猫は、子猫への栄養補給が必要となります。
そのため、体に負担がかからないよう消化に良く高タンパク質、栄養価が高い子猫用のフードを食べる事がおすすめとされています。
お家に猫が複数いる場合の餌のあげ方
複数の猫と暮らしていると、他の猫ちゃんのご飯を食べてしまう猫ちゃんがいますよね。
ゆっくり食べるからといって、成猫が子猫用のフードを食べてしまっては肥満の原因になるし、子猫もちゃんと育ちません。
その場合は以下のような対策がおすすめです。
- ごはんを食べる部屋を分けてみる。
- ごはんの食べる時間をずらしてみる。
猫が絶対食べてはいけないもの!!命が危ない
ネギ類
玉ねぎ、長ねぎ、ニンニク、にら、などのは注意してください。ネギ類の植物には「アリルプロピルジスルフィド」と言う成分が含まれています。
この成分が赤血球を破壊してしてしまいます。
重度の貧血、食欲不振、呼吸困難、血尿、嘔吐。摂取量によっては痙攣を起こし死に至るケースもあります。
人間がネギ類(特に玉ねぎ)を切る時に目にしみるあれです。
アリルプロピルジスルフィドは加熱したり、何かと混ぜても性質は変わりませんので気を付けてください。
アボカド
アボカドに含まれる「ペプシン」が猫にとっては毒になります。食べてしまった場合の症状として、嘔吐、下痢、軟便、呼吸困難、痙攣などです。
観葉植物として家で育っている人も多いと思いますが、アボカドの葉っぱや種なども有害ため気を付けましょう。
他にも与える量によっては危険性があるものがいくつかあります。
- ごぼう
- レンコン
- タケノコ
- フキノトウ
- 春菊
- 水菜
- ジャガイモ
※いずれも茹でて刻んだものを一つまみ程度に量を守らなければいけません。
多く取りすぎてしまうと、病気になる危険性が高くなってしまいます。
誤食しないための対策
食べ物が猫の行動範囲にある事が、誤食の原因となるため以下の事に注意しましょう。
- 部屋や特にキッチンやテーブルに、食材を出しっぱなしにしないこと。
- 生ごみなどのごみ箱には蓋つきのを使う。
- 人が食事をする前に先に猫の食事を済ませておく。
- 人が食事している間は別の部屋に猫を移動させる。
私達が食べないであろうと思うものでも、興味で口に入れてしまったりします。上記のような対策をしておくと猫が誤食することが避けられます。
たまに飲むためのお水があるのに猫がお風呂の水を飲んでいると、「なんで、そこの水飲むの!?」って思ったり、何を基準に食べたり飲んだりするかわからないですよね。
だからこそ、対策は必要です。
まとめ
子猫には少量でも豊富な栄養素が含まれている、子猫用フード。
成猫には猫の好みに合わせて栄養のバランスの取れたフードを選んであげましょう。
栄養が「少なすぎてもダメ」「多すぎてもダメ」と言われてしまうと、とても大変だと思いますが、ご飯の量が1日多かったからと言ってい焦ることはありません。
いっぱい動いた日はいっぱい食べますし、そんなに動かなかったひはいつもより食べなかったりします。
日々の猫ちゃんの様子をしっかり見ながらその子に合ったごはんの種類や量を選んであげてください。
この記事を読んで頂いた方が猫ちゃんと楽しい時間をたくさん過ごせますように。