猫の睡眠時間は16時間ほどあるそうです。1日の半分以上寝ていることになりますね。それゆえ、寝てばかりいるから「寝子」と書いて「ねこ」と呼ぶようになったそうです。
睡眠時間の長い猫ちゃんでも、なんだかいつもより寝ているな、と感じる時があります。特に暖かい季節は、お昼寝するのが最高に気持ちいいですよね。わたしも春先は特に好きな季節です。
だけど、寝ているけど苦しそうに見える、帰宅時にはいつも起きてくるのに起きてこない、いつもより元気がないように見える、そんな場合は要注意です。
いえいえ、歳のせいにしてはいけません。実はちゃんと元気がなく寝てばかりいるのには理由があるんです。
その理由や原因についてお話していきたいと思います。思い当たる猫ちゃんがいる方は必見です。
こんな症状ありませんか?
- 元気がなくて食欲もないように見える
- グルーミング(毛づくろい)をしなくなった
- いつもと違う暗い場所で寝ている
- うずくまって顔を隠すように寝ている
上記の行動で思い当たるのものがあったら、ストレスを抱えている、もしくは病気の可能性があります。猫は強いストレスを感じると元気がない、起きているのに動かなくなる、寝てばかりになる、という行動をとるようになります。
まずはストレスが原因の場合、原因になるものを特定し、猫がストレスを感じないようにする必要があります。
猫のストレスの原因
猫は環境の変化にとても敏感です。特に引っ越しをした、一緒に住む家族の構成が変わったなどの環境に変化があった場合、ストレスを感じ、家の隅で丸まって動かない、ご飯を食べなくなるといった症状が出てきます。
新しいペットをお迎えした時も同じような行動をとります。猫にとってお家は縄張り。その縄張りに入られたことで警戒心が強くなり、ものすごくストレスが溜まるのです。
もし環境の変化が原因の場合、時間がたてば慣れてくるので、だんだんと落ち着きを取り戻し、元気を取り戻すでしょう。
しかし、強いストレスで体の同じところを舐め続け、皮膚が赤くなったり、脱毛を起こしている場合は、病院で見てもらった方がいいでしょう。
ヒゲに異常はありませんか?
環境に変化がなく、今まで元気だったのに突然丸まって動かなくなる、グルーミングもしなくなったという行動が2日以上みられるとき、ストレスが原因の場合だと、ヒゲに何かしらの異常があったと考えられます。
猫のヒゲは空気の流れを読んだり、障害物をよけるセンサーのような働きをしています。猫の視力は0.1程といわれており、ヒゲは第2の目としての役割があるのです。
このヒゲを1本でも切ったり、あるいはコンロに近づいて焦がしたりしたら、猫は平衡感覚を失います。結果、元気がなくなるし不安で動けなくなるので、寝てばかりいるようになります。
ヒゲって人間だと剃ってお手入れするし、平衡感覚がなくなるっていまいちわかりませんよね。例えるなら猫のヒゲに異常があるとき、人間だと真っ暗なところを歩いているような感覚と同じだそうです。これなら不安になるのも納得ですね。
猫のヒゲは口の周り以外にも生えています。
- 目の上
- 頬
- あごの下
- 前足の足首あたり
もし何らかの原因があってヒゲを切ってしまった場合、そのままにしても生えてくるので心配しなくて大丈夫です。これ以上のストレスがかからないように、そっと見守ってあげましょう。
もしかして病気かも
元気がない、寝てばかりいる理由はストレスの他に病気の可能性があります。病気かどうか、動物病院へ行く前にいくつかのチェックをしてみましょう。
確認したいポイント
1.体を触ってみて体温のチェック
猫の体温は39度ほどといわれています。温かいより熱いと感じる時は、発熱していると考えられます。
逆にひんやりしていると感じた場合は低体温になっています。その場合は毛布などで温めて、すぐに動物病院へ行きましょう。
2.体を触って嫌がるところはないか
極端に触らせてくれない場合は、ケガや骨折している場合があります。猫の体は毛で覆われているので、腫れていたり傷があっても確認しにくいです。
3.目に見える異常はないか
下痢や嘔吐をしている、食欲がないなど、普段の生活から読み取れる情報があります。どのくらいキャットフードを与えていたか、そしてどのくらい食べていないのか、量の確認をしてみましょう。
もし下痢や嘔吐の症状があった場合、病院に行く前にそれらを採取して一緒に持っていくと、より詳しい病気の診断ができます。
考えられる病気
猫の体温が高い場合、具合が悪いのでうずくまり、苦しそうに寝るようになります。その場合は体内に膿(うみ)がたまり炎症をしていたり、ウイルス感染が疑われます。
代表的な病名は、子宮蓄膿症(しきゅうちくのうしょう)や猫風邪、猫エイズなどです。
また、体温が低い場合は急性腎不全の可能性があります。どちらもすぐに病院へ行きましょう。
以前飼っていた猫が猫風邪をひいてしまったことがあったのですが、本当に苦しそうでした。人間と同じように、鼻水が出たりくしゃみをするようになります。
特にその子は目やにが多くて目が開かなくなり、可哀想な思いをさせてしまったと反省。以後、健康を気にするようになりました。
食欲がない場合は、毛玉症も考えられます。毛玉症とは、毛づくろいをした時の毛が胃の中で溜まり続け、吐きだせなくなる病気です。この不快感で元気がない、という子も多いです。
大きくなってしまった胃の中の毛玉は自然には吐き出せないので、病院で取ってもらいましょう。
病院に行く際伝えたい事
- いつから元気がないのか
- 寝ている時の様子(苦しそう、体勢など)
- 食欲はあるか、水は飲んでいるか
- 下痢や嘔吐はないか(もししていたら持参する)
- 触って嫌がるところはないか
- 熱があるか
わたしは病院に行く際、いつもこの情報を伝えています。
もしもの入院に備えて、普段与えているキャットフードも持参するといいでしょう。この情報があるかないかでは診察の時間が結構変わってきます。
早く猫ちゃんに元気になってもらうためにも、スムーズな診察を受けれるようにあらかじめメモを取るのがおすすめですよ。
まとめ
元気がない、寝てばかりいる猫ちゃんの原因は3つ。
- 引っ越しなど環境に変化があった
- ヒゲの異常がある
- 急性腎不全などの病気にかかっている
病気以外は、どちらも過剰なストレスが原因です。早く環境に慣れるようそっと見守ってあげましょう。また、ヒゲはデリケートなのであまり触らないようにしましょう。
そして病気かどうか見極めるポイントはこちら。
- 猫の体温
- 食欲があるか
- 触って嫌なところはないか
元気がなく寝てばかりいる時、気をつけたい代表的な病気はこちらです。
- 子宮蓄膿症(しきゅうちくのうしょう)
- 猫風邪
- 猫エイズ
- 急性腎不全
今回紹介した病気はほんの一例です。特に猫風邪や猫エイズなどのウイルス感染するものは、多頭飼いしている場合、他の猫ちゃんにうつるので注意が必要です。
体調の変化に気付いてあげれたら、早く治療に取り掛かれるので、普段からコミュニケーションをとるように心がけたいですね。
人間界も猫の世界も、シニアになっても元気な方はたくさんいます。寝てばかりいるのは年のせいにしてはいけませんよ。