猫が餌を食べている姿は可愛らしく、愛おしささえ感じます。
1日に必要なカロリーをちゃんとあげているのに、まだ欲しがることってありますよね。食べ過ぎだと思っても、おねだりされるとつい可愛さ余って与えてしまいます。
そしてモリモリ食べてくれると安心しますが、その反面あまりにも食べ過ぎていると、体調を崩してしまわないか心配に。
食べ過ぎは下痢や嘔吐にも繋がり、消化不良を起こすことがあります。
下痢や嘔吐が続くとちゃんと栄養を吸収できないため、栄養を補おうと本能から食べ過ぎてしまうことがあります。
食べ過ぎると猫も人間同様、あらゆる病気や肥満の原因にもなりかねません。
猫が餌を食べ過ぎてしまわないように、飼い主が正しい知識を持ってコントロールしてあげる必要があります。
そこで今回は、猫が餌を食べ過ぎてしまう原因とその対処法について解説します。
猫が餌を食べ過ぎる原因とは
猫に一回分の餌を与えても、まだ欲しがるのはいくつかの原因が考えられます。一つずつ、順番に見ていきましょう。
妊娠or子育て中
人間でもそうですが、妊娠していると自然に食欲が増しますよね。これは猫も同じくお腹にいる赤ちゃんの分まで食べようと、自然に食べる量が増えます。
子育てをしている時でも、赤ちゃんに母乳をあげるため普段より栄養を摂ろうとするあまり、食欲も増します。
成長期
人間でも10代の成長期というのは、食べても食べても、まだ食べられる不思議な時期がありますよね。猫にも成猫になるまでの成長期は食欲が旺盛なんです。
我が家の愛猫も生後2ヶ月から飼っていますが、1歳を過ぎるまで食欲が止まりませんでした。
不妊or去勢手術後
不妊手術や去勢手術をした後は、ホルモンバランスの変化により自然と食欲が増してきます。
そして一般的に発情期というのはストレスを感じやすいため、そのストレスから解放されるので食べる量が増えます。
保護猫
いわゆる飼い主がいない野良猫は、いつご飯にありつけるか分からない中で生きているため、餌に飢えています。餌を見つけたら食べられる時に食べておかなければ、という「本能」が働きたくさん食べてしまいます。
しかし、飼い猫となり食習慣に慣れてくると、餌に困らないことが分かるようになるので、食べ過ぎることもなくなります。
多頭飼育
1匹飼っているともう1匹、そしてもう1匹、と猫を何匹も飼っている家庭も少なくないと思います。
私の友人も、捨てられている猫をみつけると放っておくことが出来ないらしく、すぐに家へ連れて帰り、気が付けば5匹まで増えました。
やはり餌を食べる時は、競争して食べているようですが、友人にはそれも癒される光景の一つのようで、猫に囲まれながら賑やかに暮らしています。
そういった多頭飼育の場合、いろいろな性格の猫がいるので、自分の餌だけでは満足出来ず、他の猫の餌まで食べてしまうことがあります。
猫同士で、食べれる時に食べなきゃという意志が働き、競争心から食べ過ぎてしまう猫も出てくるようになります。
ストレス
人間でも「ストレスからの過食」ということがよくあります。猫でも同じことが言えます。
例えばある日、飼い主が突然新しい猫用ベッドを準備したとします。飼い主が良かれと思って準備しても、それは猫にとって居心地が悪いこともあります。
まさに我が家の愛猫がそうでした。娘とペットショップでたまたま見つけたふかふかのクッションが、あまりにも気持ちよさそうだったので、買ってすぐに与えてみました。
しかし、不思議そうに見つめて匂いを嗅いだりひっかいたりするものの、そのクッションの上で寝ることはありませんでした。慣れてくればいつかは、と思い数日間待ちましたがその期待ははずれ、愛猫にとってただのストレスだったようです。
また、こんな話もあります。
猫を飼い始めた時は夫婦だけだったのに、赤ちゃんが生まれて新しく家族が増えると、飼い主夫婦の気持ちが赤ちゃんに向くようになり、猫と関わることも減ります。
そうなると猫にとっては、今まで遊んでくれていた時間が減り、寂しく過ごす時間が増えてストレスを感じるようになります。
このように変わった環境に置かれたり、飼い主に構ってもらえなかったりするストレスから、食べ過ぎることがあります。
病気から
胃腸の病気や薬の副作用が原因で、食べ過ぎることもあります。
猫が餌を食べ過ぎた場合
餌の食べ過ぎが続くと、どのようなことが起きるのでしょうか。
- 関節炎・・・体重が増えることによって、足腰に負担がかかる
- 心臓病・・・皮下脂肪が増え心拍数があがり、呼吸も困難になる
- 糖尿病・・・目が見えなくなったり、動くことさえ難しくなる
それでは、猫が食べ過ぎないようにどのように餌を与えたら良いのか見ていきましょう。
正しい餌の与え方
猫が餌を食べ過ぎてしまうことがないように、飼い主が正しく餌を与えるために次のことを知り、守ることが必要です。
- 一日に必要なカロリーを守る
- 一日に与える回数を決める
- 猫に合ったキャットフードを与える
それでは一つずつ順番に見ていきましょう。
1,一日に必要なカロリーを守る
猫はそれぞれ個体差があり、体重やライフステージ(成長段階や生活状況)によって必要なカロリーも変わってきます。
そう思いがちですが、実はとても簡単なたったの3STEPで必要なカロリーを算出することが出来ます。
STEP1
基本的な安静時のエネルギー要求量(RER)の計算式はこちらです。
30×愛猫の体重(kg)+70=1日の基本カロリー
例:3kgの猫の場合 30×3+70=160kcal
STEP2
愛猫のライフステージ(成長段階や生活状況)をあてはめます。
ライフステージ | 数値 |
1歳未満の成長期の子猫 | 2.5 |
1歳以上で去勢避妊済み | 1.4 |
妊娠中 | 1.8 |
母乳中 | 4.0 |
動きが活発 | 1.6 |
肥満気味 | 1.0 |
ダイエット中 | 0.8 |
高齢 | 1.2 |
闘病中 | 1.0 |
STEP1のエネルギー要求量(RER)×ライフステージの数値
=愛猫のエネルギー要求量(1日の最適カロリー)
STEP3
キャットフードによってカロリーは変わります。
キャットフードのパッケージに記載されている100gあたりのカロリーを使って計算すれば、愛猫に必要で正確なカロリーが分かります。
STEP2の愛猫のエネルギー要求量÷フードのカロリー(100gあたり)×100g=一日あたりの給餌量
実際に我が家の愛猫の場合を見てみましょう。
例)
- 2歳の女の子・体重3kg・避妊手術済
- キャットフード⇒カナガンデンタルキャットフード(100gあたり389kcal)
STEP1:30×3(㎏)+70=160㎉(1日の基本カロリー)
STEP2:160㎉×1.4=224㎉(飼っている猫の1日の最適カロリー)
STEP3:224÷389㎉×100g=57g
我が家の愛猫に必要な一日のキャットフードの量は約57gとなります。
2,一日に与える回数を決める
猫に与える餌の量は分かりましたね。次はその餌を何回に分けて与えるのか見ていきましょう。人間と同じように一日3回でよいのでしょうか。
結論から言うと、一日に与える餌の回数は決まっていません。飼い主と一緒に住んでいるので、飼い主のリズムに合わせて餌を与えても良いのです。
我が家では、日中誰もいないため、今は朝と夕方の一日二回です。生後2ヶ月で飼い始めましたが、子猫のうちは私が家にいる間で、数回に分けて朝2回、夕方2回の計4回にしていました。
子猫のうちから人間のリズムに合わせて餌をあげていれば、猫も餌が食べられないわけではないので、自然に慣れてくるものなんですね。
ただ、猫の成長段階によって理想の餌やり回数もあるので参考までにご覧ください。
- 子猫(3~5回)・・・消化器官が未発達のため、多く食べることが出来ないので少量に分ける
- 成猫(1~2回)・・・自分で食べる量を調整出来るようになる
- 高齢猫(2~3回)・・・運動量が減り、消化器官が衰えるため、多く食べることが出来ず、食欲にも波があるので注意が必要
これはあくまでも目安であり、理想の回数です。一日中留守にすることがあったり、不規則なお仕事をされている場合は、「自動給餌器」があるので、それを利用するのも一つの方法と言えます。
最近では、タイマーがついていたり、遠隔操作が出来たりといろいろなタイプの自動給餌器があるので、興味のある方はぜひご覧下さいね。
3,猫に合ったキャットフードを与える
キャットフードには、ドライフードとウェットフードの2種類があります。それぞれにダイエット中の猫にはメリットがあるので見てみましょう。
- 硬いので食べるのに時間がかかる
- 時間がかかるので満腹感を感じやすい
- 素材が柔らかい
- 高タンパクで低カロリーのものが多い
これらを考えると、食べ過ぎる猫に対して成猫であればドライフードとウェットフード、子猫や老猫にはウェットフードが向いていると言えますね。
食べ過ぎる猫への対処法
決まった量の餌をあげていても、まだ欲しがる場合、ついついあげたくなってしまいますがそこはぐっと我慢しましょう。
欲しがったらすぐにあげるのではなく、その都度対処していく必要があります。それでは、具体的にどのような対処法を取ればよいでしょうか。まずは3つ試してみましょう。
- 無視をする
- ドライフードを2,3粒与える
- 餌以外のことに注意をそらす
1,無視をする
餌を欲しがって、高い甘えた声を出しながらすりすりと寄ってきて可愛いつぶらな瞳で見つめてきます。
可愛いつぶらな瞳で見つめられたら、餌はあるんだからついあげたくなりますよね。でもそれは絶対にいけません。愛猫のことを思うからこそ、そこはぐっと我慢です。
私もすり寄ってくる愛猫の瞳に負けそうになりながら、何度自分の心の中の鬼と戦ったことか・・・辛いものです。
しかし、目が合ってしまうと、その表情に気持ちが負けてしまいそうになるので、まずは「目を合わせない」ことです。目を合わせなければ猫もそのうちに諦めるようになります。
何度もこの行動を繰り返していくうちに、猫は「甘えてももらえないんだな」と学習します。
2,ドライフードを2、3粒与える
餌以外のおやつをあげてしまうと、すり寄って甘えたらまたおいしいものがもらえる、と思ってしまうのでいつも食べているドライフードを2、3粒あげてみましょう。
私は基本、目を合わせないようにしていますが、うちの娘は愛猫が可愛いあまり、やはり無視することを徹底することが出来ず、キャットフードを3粒ほどあげてしまいます。
しかし、キャットフードたった3粒でももらえたことに満足したのか、それですり寄って甘えてくることはなくなりました。
3,餌以外のことに注意をそらす
つい食べることに気が向いてしまいますが、餌以外に注意をそらしてあげることも必要です。遊んであげることで猫も楽しくなり、食べたい気持ちを忘れてしまいます。
うちの娘は学校から帰ると毎日のように愛猫と猫じゃらしで遊んでいます。当然ながらその時間は、餌やおやつを欲しがることもなく、遊ぶことに夢中になっています。
飼い主も愛猫と体を動かすことによって、一緒に軽い運動をしながら、ストレス発散にもなるので一石二鳥ですね。
これらを試しても、猫が餌を欲しがることが続くと、飼い主としても辛いですよね。そんな時は、一人で悩まずかかりつけの獣医さんに相談してみましょう。
まとめ
食べ過ぎる原因はこちらの7つ
- 妊娠or子育て中
- 成長期
- 不妊or去勢手術後
- 保護猫
- 多頭飼育
- ストレス
- 病気から
正しく餌をあげるために注意する3箇条
- 一日に必要なカロリーを守る
- 一日に与える回数を決める
- 猫に合ったキャットフードを与える
正しく餌をあげていても、餌を欲しがる場合は「無視をする」「ドライフードを2、3粒与える」「餌以外のことに注意をそらす」を試してみる。
食べ過ぎると、人間と同じで病気になってしまうので、長く元気に過ごすことが難しくなります。少しでも長く一緒にいられるように愛猫のことを観察しながら試してみてくださいね。
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