…どのくらい切ったらいいのか分からない。
この子に嫌な記憶は残したくないし、なかなか実践できずにいます。
猫ちゃんへの思いやりが、素晴らしいです!!
猫との信頼関係を築く意味でも、重要な爪切り。
基本的に猫は爪切りが苦手な子が多く、猫の気持ちを理解していないと、トラブルの元になる可能性はあります。
初めてであればなお、細心の注意を心がけてほしいところ。
そして、猫の爪は鋭く細いため、猫だけでなく飼い主も怪我や感染症のリスクもゼロではないので、気を付けるべきことは案外多いんです。
そういったトラブルを避けるためにはやはり、幅広く知ることが必要になりますね。
知れば、万が一のトラブルの時も落ち着いて対応することができるし、猫との絶大な信頼関係だって築くことが出来ます。
今回は、猫飼育歴30年以上のわたくしみぽりんから、爪切りの知識をお伝えしたいと思います!!
爪切りの必要性、爪切りのコツ、爪切りの種類など、一通りご説明しますね。
また爪とぎにも少し触れているので、家中ひっかき傷をつけられて困っている方なんかも、読んでいただきたいと思います。
猫の爪を切る長さは、どれくらいが良いの?
うとうとして寝ちゃったにゃ~。あ、爪が短くなってる…今日もみぽりん切ってくれたんだにゃ、いつもありがとにゃ♪
どういたしまして♪ゆねが起きたところで爪切りについて、さっそく説明していきますよー
爪を切る長さ
猫の爪を切る時の長さは、約2~3mmが良いです。
猫の爪の根元を見ると、内側がピンク色に見えると思いますが、その部分は『クイック(quick)』と呼ばれる部分で、神経と血管が通っています。
そして、爪先に向かって徐々に透明になっていきます。クイック周辺は避け、この透明な部分だけ切るようにしてくださいね。
このクイック近くを切ってしまうと、出血してしまう恐れがあるので、注意してください。
万が一、出血してしまった場合は、清潔なコットンやガーゼなどをしっかり1~2分抑えるか、止血剤を使って止血しましょう。
あまりにも血が止まらない場合や、細菌によって化膿してしてしまった場合は、必ず病院で診てもらうようにしましょう。
爪を切る頻度
爪が伸びる速さは、年齢や運動量などから、個体差があります。
目安として爪を切る頻度は、子猫や運動量の多い成猫の場合は7~10日に一回、老猫は2週間~4週間に一回くらいが良いでしょう。
爪切りと爪とぎの違い
猫はもともと、狩りをする際に木に登ったり、獲物を捕まえたりしていたために、鋭い爪が必要でした。
しかし、家で飼われるようになってからは、その鋭い爪は必要がなくなり、逆にトラブルをかかえることの方が多くなったために、爪を切る必要が出てきたのです。
爪切りの目的
まず、爪切りをする目的についてはこちらです。
- 猫自身引っかいたり、人が引っかかれた後に起こりうる感染症のリスク軽減
- カーペットやカーテンなどに爪が引っかかり、爪が折れたり割れたりしないようにするため
- 家の壁や家具に、傷をつけられないようにしたり、カーテンや布製品から守る
鋭い爪は、家の中の物を傷つけるだけでなく、飼い主の肌も傷つけてしまいますよね。
軽い傷はよくあることだと思いますが、深い傷も負ってしまう可能性もあります。
ノミやダニ、他の猫と接触する可能性があるなど、猫によっては感染症のリスクも考えられますので、十分に気を付けましょう。
感染症とはどんなものがある?
【猫ひっかき病】
バルトネラ菌という細菌が体内に入り、リンパ節が腫れる感染症。倦怠感や頭痛、発熱、のどの痛みを伴うこともある。子猫に引っかかれて起こることが多い。
【パスツレラ症】
パスツレラ菌によって起こり、外傷部が早ければ数時間程度で腫れて赤くなる。抵抗力が弱い人や糖尿病などの基礎疾患を持つ人は重症化し、命にかかわる場合もある。
爪とぎの目的
次は、爪とぎをする目的はこちらです。
- メンテナンス
- マーキング
- 気分転換やストレス発散
爪とぎは、猫にとって欠かせない行動の一つです。
猫の爪は、玉ねぎの皮のような構造をしており、外側の部分は爪とぎをすることによって、古い爪がはがれて新しい爪が次々と作られます。
また、爪とぎはマーキング行為でもあります。猫の肉球には、強いニオイを放つ臭腺があり、そのニオイをつけて自分の縄張りだぞと主張しているのです。
そして、あまりにもそこら中にひっかき傷をつけてしまう猫は、普段の生活の中でなにかストレスをかかえているのかもと疑ってみると、思わぬ原因が見つかるかもしれません。
例えば…
- 爪とぎの位置や種類
- 環境の変化や他の猫との関わり
- トイレ問題
- エサ問題
なにかストレスを抱えている時は、猫の行動の中にヒントが隠されていることがありますよ。
爪とぎと爪切りの目的が、明らかに違うことがお分かりになりましたか?
では、爪切りの必要性がわかったところで、いざ爪切りのコツを伝授します!!
猫の爪切りの心構えとコツ
爪を切る時の最大のコツは、素早く切ることです。
もともと自然の中で生きてきた猫にとっては本来鋭い爪を切る必要がありませんでした。
飼い猫として爪切りの必要性が出てきたのは、猫の歴史を振り返れば最近のこと。
猫が爪切りに対して警戒したり、嫌がるのはあたりまえで、切らせてくれてありがとうといった心構えでいるのが良いかもしれませんね。
猫の爪切りのコツ
まずは焦って切ろうとせずに、普段からリラックスタイムの延長戦で、手の肉球を触ったり、ぎゅっとしたりしてみて下さい。
上の写真のように、指の近くを押し込むと、爪が出てくるので、触っても嫌がらないのであれば、爪切りを試してみてもいい合図です。
猫の落ち着ける体制で無理なく、切ってあげましょう。
子猫の場合
子猫にとっても、飼い主さんにとっても、初めての爪切り。
こちらが緊張してしまうと、その気持ちが伝わってしまい、さらに警戒されてしまいます。
好きなおもちゃ、好きなおやつを上手に取り入れながら、リラックスした状態で切りましょう。
また、爪切り自体にも初めは見慣れないと思うので、普段から触れさせる機会を与えておくと良いですよ。
初めての方は『ハサミタイプの爪切り』が扱いやすくおすすめ。
初めは一度に切ろうとせず、今日は爪1~2本、次は片足全部※、と少しずつ慣れさせるようにしましょう。
※親指部分が離れているので、忘れずに切りましょうね。
老猫の場合
年を重ねるにつれて、伸び方もゆっくりになると、切る頻度も下がったり、古い爪やよごれが蓄積されやすく爪も固くなります。
長年爪切りをしてあげられなかった場合には、巻き爪になってしまうことも。
そうすると、自身の肉球を傷つけてしまう可能性も出てくるため危険です。
極端に伸びてしまった場合や、巻き爪になってしまった場合、見えにくいかもしれませんがクイック部分も伸びています。
爪自体は長くても、3mm以上は切らずに、少しずつ切ってあげましょう。
こまめに切ってあげることで、クイック部分も徐々に正常な長さに戻りますよ。
固めの爪には、『ギロチンタイプ』がおすすめ。
飼い主さんの慣れは必要ですが、負荷をかけずにスパッと切ることができます。
また、汚れなどで黒ずんでいる爪は、クイックが見えづらい場合もあるかと思います。
その場合は、光を当てると見えやすくなりますよ。
嫌がって切らせてくれない場合
一人でやろうとすると、どうしても嫌がってしまう場合は、どなたかに抱っこしてもらったり、寝てる間にパッと切ってしまうのもおすすめです。
嫌がるからと言って、そのままにしておくのは良くありません。
対処法その1:体を包む
大きめのバスタオルで体全体を包んであげたり、洗濯ネットに入れて、落ち着かせてあげましょう。
猫は、何かに包まれていると落ち着く習性があります。
頭まで包み込んであげて安心させてあげると同時に、暴れてひっかかれたり、噛みつかれたりするのを防ぎやすくなりますよ。
- 比較的リラックスしている時に、横にして抱っこする。
- 全身バスタオルなどで包むか、洗濯ネットに入れて、爪を切る足だけ出してあげる状態にします。後ろ足を先にやる方が猫が嫌がりにくく、難易度が低いです。
- 爪の先2~3mmほどを、一回でぱちんと切る。
- 終わった後は、必ず褒めてあげること。(切らせてくれてありがとうとお菓子をあげるなど)
優しく声掛けをしながら、短時間で済ませて、数回に分けて切ることで猫の負担を軽減させることができます。
少しずつ回数を重ねて、苦手を克服させてあげられたらもう完璧です。
対処法その2:ネイルキャップを使う
2つめは、ネイルキャップを使うやり方です。
日本ではあまりなじみがないかもしれませんが、アメリカでは多く使われているそうですよ。
猫の爪の形をした、やわらかいゴム製のキャップ。爪を切った後に、接着剤を用いて装着。
古い爪の層がはがれることで、4~8週間ほどで自然に取れます。
おはようございます😊オハゲツヨウ😑
なんか昨日は久しぶりにゆっくり過ごせたなぁ~☕(やることはいっぱいあるのだが…💧)さて、月曜と戦ってくるか!
戦う人も戦わない人もルンルンで素敵な1日になりますように♥.。.:*♡#友達ん家のネコちゃん#ネイルキャップ♡ pic.twitter.com/SjdGbMpjzI
— ドゥドゥ (@duduchan_ktm) December 16, 2018
出典:Twitter
一見、爪切りが苦手な猫にとってはハードルが高いように思えますが、爪切りの「パチン!」という音が嫌いな猫にはおすすめかなと思いますよ。
ネイルキャップは、つけている期間は爪切りをする必要がなく、爪切りの頻度を下げてあげることができます。
- 装着する前に、爪を切る。
- 入るかどうか試しにはめてみてから、大きそうなら根元の部分を少し切って、長さを調節する。
- 接着剤をキャップに塗り、向きに注意して爪にはめ込む。
装着をしてもらえる病院もありますので、まず爪切りを全くさせてくれない猫など、お任せした方が安心かもしれませんね。
家中、色々なところで爪とぎをしてしまう猫にもおすすめで、キャップが取れてしまう前に、対策をしておくのも良いですよ。
ひっかかれないように壁や家具に防止シートを取り付けたり、猫の嫌がる匂いのしつけスプレーを使って、ここはひっかかないでねと教えるなんてことも可能です。
まとめ
今回は、爪をどれくらいの長さで切ればいいのかわからない方へお話しさせていただきました。
爪を切る長さは2~3mm。
クイック部分に気を付けて、五本の指すべて切りましょう。
子猫なら7~10日、老猫なら2~4週間に一回のペースが目安です。
合わせて、爪を切る目的と切らなかった場合のリスクをまとめました。
- 猫自身引っかいたり、人が引っかかれた後に起こりうる感染症のリスク軽減
- カーペットやカーテンなどに爪が引っかかり、爪が折れたり割れたりしないようにするため
- 家の壁や家具に、傷をつけられないようにしたり、カーテンや布製品から守る
感染症とはどんなものがある?
【猫ひっかき病】
バルトネラ菌という細菌が体内に入り、リンパ節が腫れる感染症。倦怠感や頭痛、発熱、のどの痛みを伴うこともある。子猫に引っかかれて起こることが多い。
【パスツレラ症】
パスツレラ菌によって起こり、外傷部が早ければ数時間程度で腫れて赤くなる。抵抗力が弱い人や糖尿病などの基礎疾患を持つ人は重症化し、命にかかわる場合もある。
清潔に保つことは、リスクの軽減や健康につながります。
爪切りをする時のコツについてもお話しさせていただきました。
- リラックスしている時のスキンシップの延長で始める
- 落ち着いて、時間をかけずにやること
- 切る時は、一回でぱちんと切る
- バスタオルなどで包んで、安心させる
- おやつなど、活用できるグッズがあれば活用する
ここまで読んでいただいた方は、それだけ猫を思いやれている証拠なのできっと大丈夫。
爪切りを嫌がってしまう猫にも、ぜひこちらの記事を参考にして、爪切りに挑戦してもらえたら嬉しいです。