ある日、学校帰りの息子が愛猫のゆねにお土産を持って帰ってきました。
息子の手には猫じゃらしと呼ばれる草がありました。この猫じゃらしと呼ばれる草の正式な名前は【エノコログサ】と言います。
道端や庭などどこにでも目にする植物なので、手軽に猫と遊ぶことが出来ますよね。
我が家の子供たちも、ゆねとよく猫じゃらしで遊んでいます。息子がいつものようにゆねと猫じゃらしで遊んでいると、ゆねが猫じゃらしの先っぽを食べてしまったのです。
実家で飼っていた猫のしゅりも猫じゃらしを食べていたし、大丈夫だろうと思いました。
それから3日ぐらい経ち、猫じゃらしはうんちと一緒に出てきました。
猫が猫じゃらしなどの草を食べても大丈夫なのか。ふと疑問に思い、調べてみることに。
すると、猫じゃらしにはある危険が潜んでいることが分かりました。
このことを知らないままだったら、ゆねの命を危険にさらしていたのです。
今回は、猫じゃらしなどの草を猫が食べても大丈夫なのか。猫じゃらしに潜む危険なことなどについて解説していきます。
猫が猫じゃらしを食べても大丈夫!
猫が猫じゃらしを食べても基本は大丈夫です。
猫じゃらしを食べたからと言って、中毒症状が起きたりすることはありません。
基本的には、猫じゃらしのどこを食べても問題はありません。
黄金色の猫じゃらしは食べるのNG!
硬くなったノギに注意しよう!
エノコログサ@にいがたフィールド:被子植物門 単子葉植物綱 イネ目 イネ科 エノコログサ属.高さ20‐80㎝の1年草.全国の畑,道端等.多くの小穂が密生した円錐花序.小穂は小さい.緑色,時に紫色を帯びる長い刺毛がある.第2包穎は長く,小穂と同長.#マリンピア日本海 #新潟 #水族館 #植物 pic.twitter.com/TRO0pOfQRQ
— 新潟市水族館マリンピア日本海【公式】 (@marinepia) September 2, 2020
出典:Twitter
上の画像は猫じゃらしを拡大したものです。よーく見てください。見るからにチクチクと痛そうなものがたくさんありますよね。
これはノギと呼ばれていて、イネ科の植物には必ずあるものです。
猫じゃらしが緑色の時のノギは柔らかいんですよ。でも、猫じゃらしが黄金色になってくる頃にはノギはとても硬くなります。
このチクチクしたノギが猫の目に入ったり、鼻や脚に刺さったりすることがあるんですよ。
ノギが皮膚に刺さってしまうと、皮膚が炎症を起こし、その部分が化膿してしまうことがあります。
皮膚に刺さってしまった時には、無理に抜かず獣医さんに取ってもらいましょう。
ノギは皮膚に刺さるだけじゃない!?
ノギは皮膚に刺さるだけではありません。
黄金色になった穂先を食べることにより、硬いノギを体内に取り込んでしまいます。
体内に入った硬いノギが肺などの器官に侵入してしまうと、原因不明の咳や発熱が続き最悪の場合、髄膜脳炎を引き起こし死に至ることがあります。
【髄膜脳炎とは】脳を包んでいる髄膜に炎症が起きること。
症状:けいれん、ふらふら歩く、原因不明の発熱など
猫の体をノギから守ろう!
猫は猫じゃらしが大好き。お散歩が日課になっている子なら、お散歩コースに猫じゃらしがある可能性が高いです。
そんなお散歩大好きな猫ちゃんをノギの危険から守るには、猫じゃらしで遊ばないのが一番いいのですが、それでは猫がストレスを感じてしまいますよね。
猫にストレスを感じさせることなく、ノギから守るための方法をご紹介しますね。
- お散歩から帰ってきたら入念にボディチェックする
- いつもよりも丁寧にブラッシングする
猫じゃらしは子猫や胃腸の弱い猫に与えるのはNG!
猫は元々肉食なので、草を消化することが出来ません。
そのため消化器官が未熟な1歳未満の子猫や、胃腸の弱い猫には与えないでください。
友人の子供たちが飼い猫と猫じゃらしで遊んでいた時のこと。
遊びに夢中だった子猫が、猫じゃらしの穂先をパクっと食べてしまったのです。
2歳の猫が遊んだ後に猫じゃらしを食べることもあったので、特に心配はしていませんでした。
消化できないから2歳の猫のように吐き出すだろうと思っていたのです。
でも吐き出すそぶりはあるものの、一向に出てきません。
4日目に友人はある異変に気付きました。それは、子猫のお腹がパンパンになっていること。
さすがに心配になった友人は、子猫を獣医さんに診てもらいました。診断結果は『便秘』。
獣医さんには「今回は便秘で済んだけど、草は消化できないから子猫や胃腸の弱い猫が食べた場合には、草が腸に詰まってしまう腸閉塞(ちょうへいそく)になってしまうよ。だから、草は食べさせたらダメだよ」と言われました。
病院で便秘の治療をしてもらってから、翌日の夕方に子猫がとても苦しそうにしていたので、病院に連れて行くべきか見守っていると嘔吐しました。
嘔吐物を見てみると、猫じゃらしの穂先が入っていました。それから子猫はすっかり元気になったそうです。
子猫のお腹がパンパンになるのは実はとても危険なことで、命にかかわる病気のサインの可能性もあります。
猫じゃらしは猫草のひとつ
猫草って知っていますか。
猫草と言われるのは主に次の2種類があります。
【燕麦(えんばく)】
3時のおやつは、朝採り猫草🍀に限るぜ😸🎵 pic.twitter.com/AmJFFvqJm6
— 柴田 さとみ (@sakusaku3333333) July 11, 2021
出典:Twitter
【猫じゃらし(エノコログサ)】
皆様🌿✨𓂃 𓈒𓏸
おはようございます🌈✨
今週もどうぞよろしく
お願い致します♪.:*・゜
穏やかな週の始まりで
ありますように…♪*゚( *´꒳`* )🌼✨今朝の風景𓂃 ☀️🌱✨𓈒𓏸
❀.*・゚エノコログサの花言葉
別名(猫じゃらし)
♡゚遊び
♡゚愛嬌 pic.twitter.com/lgGQc7qGIB— 弥生 (@yayoi_chandayo) July 11, 2021
出典:Twitter
この2種類は、猫が好んで食べる上に安全に与えることが出来る草です。
猫が猫じゃらしなどを食べた後に食欲がなくなったり、元気がなくなったりした時には獣医さんに診て貰いましょう。
植物の中には猫が口にすることで、命の危険が伴うものもありますので一部ご紹介しますね。
【猫が食べると命の危険が伴う植物と症状】
花のカテゴリー | 花の名前 | 症状 |
ネギ科 | ネギ、玉ねぎ、ニラ等 | 嘔吐、下痢、貧血(大量摂取の場合)など。 |
ユリ科 | ユリ、チューリップ等 | 目に入ると失明する可能性がります。食べると嘔吐、下痢、呼吸困難など。 |
ツツジ科 | ツツジ、サツキ等 | 嘔吐、筋力低下、けいれんなど。 |
猫が草を食べる4つの理由
猫が草を食べる理由はこちら。
- 毛玉を吐き出すため
- 草の繊維で便秘を予防するため
- 草に含まれる栄養素を摂取するため
- 食感が好きなため
それでは1つずつ見ていきましょう。
毛玉を吐き出すため
猫は起きている時間の半分は毛づくろいをすると言われるほど、大の毛づくろい好きですよね。
でも、毛づくろいをした時に毛を飲み込んでしまうんですよ。
飲み込んでしまった毛の排出方法は2通りあります。
【飲み込んでしまった毛の排出方法】
- うんちと一緒に出す
(うんちに毛が付いています) - 口から吐き出す
(吐き出したものの中に毛が混じっています)
飲み込んでしまった毛は定期的に吐き出さないと、お腹の中に溜まった毛が複雑に絡み合い、玉のような形になる毛球症(もうきゅうしょう)になるリスクが高くなります。
毛球症になってしまうと自力では吐き出すことが出来なくなるので、1ヵ月以上猫が毛玉を排出しない時には動物病院で診て貰いましょう。
この毛球症を予防するために草を食べることがあるんです。
毛球症を予防するには毛玉を作らせないことが大切です。こちらの記事では、毛球症の症状や予防策についてまとめていますので見てみてくださいね。
草の繊維で便秘を予防するため
実は猫って便秘がちな子が多いんですよ。
健康を維持するためにも、うんちは毎日出た方がいいですよね。
草に含まれる食物繊維を摂るとお通じが良くなるので、便秘を予防するために草を食べることがあります。
草に含まれる栄養素を摂取するため
草にはわずかですが『葉酸(ようさん)』が含まれています。
この葉酸はヘモグロビンを作るには必要なものです。
貧血を防ぐためにもわずかな葉酸を摂取しようと、草を食べる猫もいるんですよ。
貧血は気付くのが遅れてしまったり、放っておくと命に係わることがあります。
猫の貧血の症状を詳しく知りたい、貧血の予防方法を知りたくなった方はこちらの記事をご覧ください。
食感が好きなため
愛猫に食べさせているキャットフードの食感について考えたことはありますか。
ドライフードを食べさせていれば食感は硬め、ウェットフードならば柔らかいですよね。
猫もいつも同じ食感では飽きてくる子もいるので、キャットフードとは違う食感の草を食べることがあります。
無理に草を食べさせる必要はない
猫が草を食べる理由を見てみると、『健康を維持するため』っていうのがわかりますよね。
猫じゃらしはどこにでもありますよね。だからこそ、誰でも触ることが出来るんです。
お散歩中の犬がおしっこをかけていたり、農薬がかけられていることもあります。
こうした危険から猫を助けるためにも、猫に草を食べさせることをためらってしまいますよね。
愛猫の健康を維持したい。でも草は衛生的に嫌と言う方にオススメするのが毛玉ケア用キャットフードです。
水とフードだけで健康を維持することが出来るように、猫にとって必要な栄養素がギュギュっと詰まったフードのこと。
まとめ
猫じゃらしと呼ばれている【エノコログサ】は猫が食べても大丈夫なのか。というお話をしました。
猫が猫じゃらしを食べても問題はありません。
緑色の猫じゃらしは猫が食べても問題はありませんが、穂先が硬くなった黄金色の猫じゃらしには注意してくださいね。
猫じゃらしなどのイネ科の植物には、穂にノギと呼ばれるチクチクと痛そうなものがあります。
このノギが猫の体にくっついてしまうことで、皮膚が炎症したりと健康被害が生じることがあるのです。
最悪の場合には、皮膚にくっついたノギが体内に入り、肺などに侵入してしまうと原因不明の咳や発熱が続いてしまい、死に至ることもあります。
こんな恐ろしいノギから猫を守る方法についてお話しました。
- お散歩から帰ってきたら入念にボディチェックする
- いつもよりも丁寧にブラッシングする
猫じゃらしを食べさせるのは、1歳以上の健康な猫だけにしましょう。
猫じゃらしを食べさせた後で、いつもと様子が違う時は病院を受診してください。
猫は肉食のため、葉っぱを食べても消化することが出来ません。
それでも猫が猫じゃらしなどを食べる理由は4つあります。
- 毛玉を吐き出すため
- 草の繊維で便秘を予防するため
- 草に含まれる栄養素を摂取するため
- 食感が好きなため
猫が猫じゃらしを食べるのは健康維持するためですが、毛玉ケアのために食物繊維が多く含まれている毛玉ケア用キャットフードでも問題はないので、無理に猫じゃらしを食べさせる必要はありません。
猫ちゃんを守るためとは言え、大好きな猫じゃらしを取り上げるのは、猫にストレスを与えてしまいますし、飼い主さんとしても心苦しいものです。
猫ちゃんとの信頼関係を壊さないためにも、猫じゃらしの取り扱いを理解した上で食べさせたり遊んだりしてあげてくださいね。