猫ちゃんを新しい家族の一員として迎えると一日も早くなついて欲しいと思うのは皆さん一緒ですよね。
お世話をしたりたくさん遊んであげたりとコミュニケーションをとるために一生懸命なのではないでしょうか。
その方法の一つとして「またたび」を猫ちゃんとの生活に取り入れているという飼い主さんも多いそうです。
最近、ご褒美やコミュニケーションの為に猫ちゃんにまたたびをあげているという飼い主の方のお話を良く聞きますね。
子猫ちゃんに成猫と同じようにまたたびを与えるととっても危険なんです。
成長の妨げや呼吸困難を引き起こす可能性もあるんです。
猫の年齢や使い方に注意が必要なまたたびですが、正しく使えばメリットもたくさん。
意外と知らないまたたびの性質や正しい使い方を知って、猫ちゃんとの生活をより楽しくしていきましょう。
実は子猫にまたたびはNG!!
またたびは嗅覚神経を通じて脳を活性化するとされています。
子猫の場合嗅覚神経自体は発達しているものの、その電気信号を受け取る脳の方が十分に発達出来ていないため脳がパニックを起こす可能性があります。
猫の体が成長した生後6か月以降のタイミングで与えるのが安全だと考えられています。
またたびを使うとどうなっちゃうの!?
またたびを初めて使う時ってどんな症状が出るのか不安ですよね。
まずは、なぜ猫がまたたびに反応するのかを知りましょう。
またたびは猫の上あごにあるヤコブソン器官にまたたび特有の成分が通る事によって脳が活性化し興奮状態になります。
猫ちゃんによって反応はさまざまですが以下のような症状が見られます。
- 走り回る
- 興奮状態になる
- リラックス
- 泥酔状態
- 愛想が良くなる
ただし、症状が出る猫ちゃんも居れば無反応の猫ちゃんも居ます。
またたびの危険性
注意しなければいけないのは子猫だけではありません。
成猫でもまたたびを与え方を間違えると大変危険です。
一度にたくさん与えてしまうと、中枢神経に刺激が過度に伝わり異常麻痺や場合によっては呼吸困難を引き起こす危険性があります。
また、飼い主が目を離している隙に過剰摂取してしまう危険がある為、保管場所にも気を付けましょう。
そもそも「またたび」とは
またたびは山に自生しているまたたび科またたび属の樹木です。
6月から7月に梅によく似た花を咲かせるため別名「夏梅(なつうめ)」とも言われます。
つぼみの時期や開花前にまたたびにアブラムシが卵を産み付けると虫が寄生してかぼちゃ型の果実になります。これを「虫えい果」と言います。
この「虫えい果」が猫の好物とされています。
「また旅をしよう!!」で「またたび」
またたびの名前の由来は諸説ありますが、長旅に疲れた旅人が果実を食べた所元気を取り戻し「また、旅に出よう」と思えたことが由来とされています。
またたびを使うメリット
では、またたびが実際どのように役に立つのかご紹介します。
- ストレス解消
- 食欲増進
- 老化防止
- しつけ
- 飼い主とのコミュニケーション
①ストレスの解消
またたびを与えると猫は一定時間、活発に動き回るためストレスの解消と共に運動不足解消になります。
②食欲増進
食欲不振の時や水分補給をさせたい時などに、ご飯やお水に混ぜてあげる事で食欲増進を促します。
ただし、食欲不振の場合はそもそもなんだかの体調不良か何らかの病気を発症している可能性もある為、獣医師の相談を受ける様にしてください。
③老化防止
噛む事で脳が刺激をうけ老化防止につながると言われています。
またたびの匂いのついたおもちゃやまたたびグッズで遊ばせる事で噛む回数が増えるためです。
ここ10年で日本の猫の高齢化が進んでいます。大切な猫ちゃんいつまでも元気でいてほしいですよね。
④しつけ
爪研ぎの場所や猫ちゃんに使って欲しいくつろぎスペースの場所を教えるために使用すると効果があります。
爪とぎに少量ふりかけてあげるとそこで爪とぎをするようになる猫ちゃんも多いそうです。
また、またたびが最初から付属されている爪とぎもあります。
⑤飼い主とのコミュニケーション
ご褒美としてあげる事で飼い主さんとの距離を縮め、より楽しい時間を過ごせます。
歯磨き、爪切り、シャンプーなどのケアの後にあげると猫ちゃんの嫌な感情が中和されるという効果も期待できます。
またたびの正しい与え方
またたびは、枝<実<液体<粉末の順に強度が上がります。
強度によって適量が変わる為、まずは少量を与えて問題がないか様子をみます。
またたびは個体差があり少量でも泥酔状態になる猫もいれば全く興味を示さない猫もいます。
「粉末タイプ」
ご飯に混ぜたり爪とぎやおもちゃと一緒に使う事が多い粉末タイプ。
部屋の壁でガリガリ爪とぎをやってしまう猫ちゃんや新しい爪とぎに慣れさせたい方にお勧めです。
「液体タイプ」
液体タイプは粉末タイプと使い方は一緒です。
ニオイのみを対象のものに吹きかけるものなので形を選ばず使用できます。
「またたびの実」
またたびの実を乾燥させたものを与える時は、大きいまま与えてしまうと丸呑みしてしまい酷い場合は開腹手術が必要になる事もあり大変危険です。
与える時は小さくして与える様にしましょう。
また、またたびの実をお水に入れると「またたび水」を作る事が出来き、水分補給がしやすくなります。
「またたびの枝」
効果は一番弱い枝ですが、猫にそのまま与える事が出来るので手軽でおすすめです。
もし、猫がまたたびに反応しなくてもかじって遊ぶ事が出来るので、おもちゃとしても用途があります。
また、噛む事でストレス解消にも一役買ってくれます。
意外と知られていないまたたびの豆知識
実はキウイの木とまたたびの木は成分が同じ!
キウイもまたたびと同じく、またたび科またたび属の植物で和名では「オニマタタビ」といわれます。
キウイの根や葉にはまたたびと同じ成分である「マタタビラクトン」と「アクチニジン」という成分が含まれています。
そのためキウイの根や葉を好む猫も多いのです。
キウイ農家の方々の間では「猫害」とも呼ばれ困った問題になっています。根や葉を守る為に猫除けのネットをしている農家さんもいるそうです。
猫はまたたびを蚊よけとして使っている
近年の研究により、猫のまたたび反応は蚊よけの成分であるネペタラクトールを体にこすりつけるための行動であることが解明されました。
猫は茂みに身を潜め狩りをする習性からこのような行動をとるのではないかとされています。
国立大学法人岩手大学は、国立大学法人東海国立大学機構名古屋大学、英国リバプール大
学、国立大学法人京都大学との共同研究で、ネコのマタタビ反応が蚊の忌避活性を有する成
分ネペタラクトールを体に擦りつけるための行動であることを解明しました。
まとめ
今回またたびについて調べましたが、子猫にまたたびを与える事は危険を伴うため必要が無い限り与えない方が良い事がわかりました。
- 体が未発達な子猫には与えない。
- まずは少量から与えて問題が無いか確かめよう。
- それぞれの猫に合った与え方を考慮する。
またたびは正しい使い方守れば、猫ちゃんと暮らす際にとっても便利なものです。
またたびを初めて使う際に少しでも不安がある様なら必ず専門家に相談しましょう。