わたしが高校生の時のお話です。
ある日、視線を感じて振り向くと我が家の飼い猫しゅりが、こちらをジーっと見つめていました。それから、2秒ほどかけてまばたきをしたのです。
この光景には見覚えがありました。先代猫「みゅう」と母がやっていたんですよ。
その時、小学生だったわたしは母に「みゅうと何やってるの」と聞きました。すると、「みゅうとお話しているのよ」と言われたのです。
その時のわたしは、母の言葉を不思議に思わなかったのです。
わたしは、母がどうやってみゅうとお話していたのかを知りたくなり、調べてみることに。
すると、猫がまばたきをする時は、ある気持ちを伝えていたことが分かったのです。
猫がゆっくりまばたきをするのは最大級の愛情表現
愛猫がゆっくりとまばたきをしている姿を見たことはありませんか。
猫のまばたきのスピードは、わたしたちよりもゆっくりなんですよ。
でもある気持ちを飼い主さんに伝えたい時、いつもとは違うまばたきをします。
それでは実際に見てみましょう。
猫がゆっくりとまばたきをしてくれるのは、『大好き』という気持ちを飼い主さんに伝えたいからなんですよ。
【イギリスの大学が行った研究結果】
飼い主さんが愛猫に対してゆっくりとまばたきをすると、「愛猫はどんな反応をするのか」という実験をイギリスの大学が行いました。
飼い主さんが何もしなかった時に比べると、愛猫に対してゆっくりとまばたきをした時に愛猫も同じように返してくれる確率が上がりました。
このことから、飼い主さんと愛猫がゆっくりとまばたきをし合うことで、『信頼関係がより深まる』ことが分かったのです。
半分だけ目を閉じるのはイライラサイン!?
【スローブリンクとは】
猫がまぶたを半分だけ閉じ、キープした状態のこと。
スローブリンクしている猫にまばたきと勘違いして、見つめ続けることでストレスを与えてしまうことがあります。
猫はストレスに弱いので、ストレスを溜め続けてしまうと体調を崩してしまいます。中には寿命を縮めてしまうような、重大な病気に繋がってしまうことも。
【ストレスが原因でかかりやすい病気】
病名 | 主な症状 |
特発性膀胱炎 (とくはつせいぼうこうえん) |
血尿が出る、何度もトイレに行くなど |
胃腸炎 | 何度も吐く、下痢を伴う(軽症の場合) 食欲がなくなる、水も飲めなくなる、腹痛で動けなくなる(重症の場合) |
猫風邪 | 鼻水、目やに、くしゃみなど |
自傷行為 | しっぽを噛もうとグルグルする、皮膚が赤くなって腫れているのにグルーミングを止めない、皮膚を噛むなど |
便秘 | うんちが硬い、コロコロのうんち、量が少ないなど |
こちらの記事では、猫にやってはいけないことや猫が嫌がっている時にする行動などについて解説していますので、読んでみてくださいね。
まばたきとは違い、まぶたを閉じることがないのでとても分かりやすいです。このスローブリンクを猫がした時には、猫を見つめることを止めてあげましょう。
猫はまばたきが少ない
猫はまばたきが少ない動物と言われています。
猫のまばたきは1分間に3回ほどと言われており、わたしたち人間は1分間に20回ほどなのでその差は歴然ですね。
それは猫の眼には『瞬膜(しゅんまく)』があるからなんです。この瞬膜は人間にはありません。
【瞬膜とは】
眼球を保護する白い膜のことで、第三のまぶたとも言われています。
瞬膜の中に涙を出す場所があり、まばたきをすることで涙が眼球全体に広がるので目が乾燥しにくいのです。
薄眼を開けて寝る猫の
目の動き・瞬膜の動きを
ご堪能ください pic.twitter.com/auxiltWD8b— Masa (@HanChapp) October 26, 2019
出典:Twitter
猫の目がいつもウルウルしているのは、瞬膜によって目が潤っているからなんですね。
猫はまばたきをしない時もある!?
猫はまばたきが少ないとお話しましたが、全くまばたきをしない時があります。
猫がまばたきをしない理由には大きく2つの意味があり、信頼関係が築けているかで異なってきます。
- 警戒している
- 緊張している
- 甘えたい
- おねだりしたい
それでは1つずつ見ていきましょう。
信頼関係が築けていない:警戒・緊張をしている時
初めて会った人や動物に対して、「この人(動物)は安全なのか」と判断している時に猫はまばたきをせずにジーっと見てくることがあります。
信頼関係が築けている:甘えたい・おねだりしたい時
みぽりんとゆねのように信頼関係が築けている場合は、甘えたい時やおねだりしたい時に飼い主さんのことを、まばたきせずに見つめてくることがあります。
猫がまばたきをする5つの理由
わたしたちがまばたきをする時って、目の乾燥や目にゴミが入って違和感を感じた時ですよね。
では、猫はどのような時にすると思いますか。
猫がまばたきをする理由はこちらです。
- 目を保護するため
- ピントを修正するため
- 「ニャー」という返事の代わり
- アイコンタクトをしている
- 愛情表現
それでは1つずつ見ていきましょう。
1.目を保護するため
乾燥から目を守ったり、目に入ったゴミから眼球を守ったりと目を保護するためにまばたきをします。
これはわたしたちも同じことをしているので、イメージしやすいですね。
2.ピントを修正するため
まず遠くを見てください。それからまばたきをせずに近くを見てみましょう。
どうですか。ピントがズレているので、ぼやけて見えますよね。
猫もわたしたちも、このピントのズレを修正する時にもまばたきをします。
3.「ニャー」という返事の代わり
愛猫の名前を呼んだ時に「ニャー」と鳴いてくれるという事はありませんか。でも声で返事をしてくれると言うのは、ペットとして飼われている猫だけなんですよ。
- メス猫
- 甘えん坊な性格
- 自分の名前がわかっている
- お腹が空いている
人間と一緒に生活していく中で、猫も人間のコミュニケーションを学んでいるからだと言われています。
いつもは名前を呼べばお返事してくれるのに、たまーに返事がないことってありませんか。
そんな時は猫の姿が見えるところで名前を呼んでみましょう。
愛猫が自分の名前を理解していれば、呼んだ時に目やしっぽなどを使って返事をしてくれていますよ。
わたしが飼っているゆねは、眠そうにしている時に呼んでも返事はありません。
でもゆねの近くまで行って名前を呼ぶと、まばたきをしてくれます。
4.アイコンタクトをしている
猫との信頼関係が築けてくると、目が合った時に猫の方からまばたきをしてくれることがあります。
これは「あなたに敵意はないですよ」と言う意味が込められているんですよ。
猫と信頼関係を築く前に目を見つめてしまうと、猫にストレスをあたえることがあります。
猫にとって目が合うというのは、「ケンカ売ってるよね」と誤解させてしまうのです。
猫と信頼関係を築く前に目が合ってしまった時には、ゆっくりと目を閉じながら視線を外してくださいね。
5.愛情表現
猫は愛情表現の方法の1つとしてまばたきをすることがあります。
他にもしっぽやひげで愛情表現してくれるので、気になる方はこちらを見てみてくださいね。
猫がするこんなまばたきには注意!
まばたきって両目で行いますよね。でも、目に違和感がある時は違和感のある方だけパチパチと目を動かしませんか。
片目だけでまばたきをしている時や、まばたきがいつもより多い場合などについて解説していきますね。
片目だけでまばたきをしている場合
まるでウインクしているかのように片目だけでまばたきをしている場合は、まばたきをしている方の目に違和感を感じていることが多いです。
目にゴミが入っている時は、猫の目に傷をつけてしまうことがあるので、飼い主さんの手でゴミを取ったりしないでくださいね。
まばたきの回数が多い場合
まばたきのゆっくりな猫ですが、わたしたち人間のように素早くパチパチっとまばたきをしていたり、まばたきの回数がとても多い時には次のような病気が疑われます。
【猫のまばたきの回数が多い時に疑われる病気】
結膜炎 | 目の表面である結膜に炎症が起こる病気。白目が赤くなる、目やにが出る、涙の量が増えるなどの症状がでる。 |
角膜炎 | 目の一番外側にある角膜が炎症を起こす病気。激しく痛み、目をショボショボさせたり、涙の量が増えるという症状がでる。 |
まとめ
猫がゆっくりとまばたきをしている時の気持ちについてお話しました。
【猫がゆっくりとまばたきをする理由】
飼い主さんへの最大級な愛情表現
まばたきとは違い、猫がスローブリンク(半分だけ目を閉じた状態をキープ)している時は注意が必要です。
猫がスローブリンクした時には、見つめる事を止めて猫から視線をゆっくりと外しましょう。
猫には瞬膜があり、目の乾燥などを感じることが少ないので、まばたきの回数がとても少ないのです。
まばたきの回数が少ないながらも、わたしたちに愛情を伝えてくれているんですね。
- 目を保護するため
- ピントを修正するため
- 「ニャー」という返事の代わり
- アイコンタクトをしている
- 愛情表現
猫は小さな体の色々な場所を使って、わたしたちに気持ちを伝えてくれていると思うと、ますます猫ちゃんへの思いが募りますね。
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