突然ですが皆さんは猫に好きな匂い、嫌いな匂いがあるのをご存知でしょうか。
わたしたちが普段、「いい香り~」と感じている匂いであっても猫側は不快に思っている可能性も。
この飼い主さんたちのように、猫はどんな匂いが好きなのか、どんなことに気を付ければいいのか疑問に思っている人もいるではないでしょうか。
今回は、猫の好きな匂い、苦手な匂いを知り、快適な空間を作ってあげるだけでなく、愛猫と仲良くなるきっかけを作りましょう。
猫は匂いにとっても敏感
猫の嗅覚は人間の数万倍~数十万倍と言われています。
だからわたしが夕飯の準備中キッチンでツナ缶を開けた瞬間、遠くでゴロゴロしていたはずの「ゆね」が鳴きながらこんなふうに寄ってくるんですよ。
猫は食事をする際、腐っていないか、食べても問題ないかを嗅覚で判断します。
人間のわたしたちも鼻が詰まっていると、食事の味ってあまりしませんよね。
食事の時、実は味覚よりも嗅覚が重要だったりするんですよ。
猫の好きな匂い6選
では、さっそく猫の好きな匂いについて紹介していきます。
- マタタビ
- 湿布
- キャットニップ
- キウイ
- 魚、肉、チーズ
- 靴下、汗や加齢臭
マタタビ
好きな匂い度:
猫の好きな匂いといったら、マタタビを思い浮かぶ方も多いのではないでしょうか。
まさしく、その通りで多くの猫ちゃんはマタタビの匂いが大好き。
【マタタビの効果】
マタタビの中には脳の中枢神経を刺激して麻痺状態にさせる成分が含まれているため、一時的に活発になったり、興奮状態になります。
※効果は個体差がありますので、猫によっては反応が薄い場合もあります。
しかし、安心してください。
マタタビの効果は数分程度で収まりますし、適量を守って与えすぎなければOK。
これまでも先代猫の「しゅり」や「みゅう」にもマタタビを使って遊んできましたが、マタタビが原因で病院へ行ったことはありませんし、使い方を間違えなければ、ほとんど依存性はありません。
- 一時的に活発になるので、運動不足、ストレス解消に。
- マタタビの付いたおもちゃを噛むことで脳が刺激され老化防止に。
- 食欲がないとき少しご飯にふりかけてあげると食欲増進に。
毎日のように大量に与えすぎると、中枢神経が異常麻痺し最悪の場合、呼吸困難に陥ることがあります。またごくまれに「マタタビのアレルギー」を持っている子もいますので気を付けて与えてください。
- 初めて与えるときは少量から。
- 「粉末、液体、実、枝」の順で効果の強度が変わることを知っておきましょう。
- 頻繁にあげない(ごほうび程度に)
- 説明書をよく読み適量をあげましょう。
湿布
好きな匂い度:
湿布のかゆみ止めに含まれている、ハーブ由来のメントール系の匂いにはマタタビと同じ成分が含まれています。
猫ちゃんはそれを感じ取り、軽い興奮状態になることがあるようです。
キャットニップ
好きな匂い度:
キャットニップ…その名の通り猫が好む香りを放つことから名付けられた草花。
シソ科、イヌハッカ属
蚊、ゴキブリ、ノミなどの防虫効果がある。
このキャットニップの精油にはマタタビと同じ成分が含まれています。
イヌハッカ属の中でもキャットニップという品種はマタタビ以上の香りを放ち、草を切った時に猫ちゃんの好きな香りが放出されます。
キウイ
好きな匂い度:
実は、わたしも最近になって猫友さんから、猫はキウイの匂いが好きなのよって教えてもらったんです。
なんでも猫友さんの自宅にはキウイの木が植えてあるそうなんですが、よく猫が寄ってくるそう。
なんでだろうなって調べたら、衝撃的な事実が。
なんとキウイはマタタビ化マタタビ属のシナサルナシをニュージーランドで品種改良した果物だったのです。
スーパーで売っているキウイには、含まれているマタタビ成分が微量なので、ほとんどの猫はその匂いに気づきません。
しかし去勢前のオスやかなり臭覚に敏感な猫ちゃんは反応する可能性も。
キウイの実よりも葉や幹の方がマタタビ成分が多いので、猫友宅のキウイの木に猫ちゃんたちが集まっていたんですね。
魚、肉、チーズ
好きな匂い度:
魚や肉、チーズなど、一度も食べたことがないのにも関わらず匂いがすると不思議と寄ってきます。
腎臓の弱い猫にとって人間の食べ物は、塩分が多く、味が濃いため絶対に与えてはいけません。必ず「猫用」と書かれているものを与えてください。
靴下、汗や加齢臭
好きな匂い度:
猫が飼い主さんの靴下や汗の臭いを嗅ぐのは、人間の体臭には猫のフェロモンに似た成分が含まれているから。
もしも、何度も匂いを嗅ぎにくるなら、それは飼い主さんからのフェロモンを感じとっていると考えらます。
オスの猫ちゃんの中には「男性の汗の匂い」に対して強いストレスを感じる子もいます。
理由は、自然界の中で単独行動をする猫にとって同性であるオスは攻撃対象でもあり危険な存在だから。
猫の嫌いな匂い、危険な匂い5選
次に紹介するのは、猫の嫌いな匂い、危険な匂いです。
嫌いなだけでなく、種類によっては猫の体にとって有害なものもあります。
知らない間に猫に避けられることになったり、命の危険にさらすなんてことになったら大変です。
今、読んでくださっている飼い主の皆さんには後悔をしてほしくないので、しっかりと猫の嫌いな匂い、危険な匂いについて学んでいきましょう。
- 柑橘系
- アロマ、ハーブ系、香水
- 香辛料(スパイス)
- タバコ
- 柔軟剤
柑橘系
柑橘系はさわやかな香りで、好きな方も多いのではないでしょうか。
わたしたちが普段使っている生活用品の多くに柑橘系の香りが使用されていますが、実は猫にとっては嫌いな匂いです。
その理由は、元々野生の肉食動物として暮らしていた猫は、食べ物を食べるとき、腐った酸っぱいした匂いがしないか嗅覚で確かめて判断していました。
その名残りからか「酸っぱい匂いのするものは危険なもの」と体が本能的に覚えているからです。
また、柑橘系の皮に含まれるリモネンという成分を分解する酵素を猫は持っていません。
もしも猫が食べてしまうと肝臓を悪くするだけでなく、皮膚のかぶれ、最悪の場合は嘔吐やけいれんを起こし、命に関わりますので注意して下さい。
アロマ、ハーブ系、香水
家でアロマをたいて癒されている方や普段から香水をして出かける人、ハーブを庭で育てている飼い主さんもいらっしゃるかもしれませんね。
しかし、アロマや香水は中毒症状を起こすだけでなく、ハーブに至っては種類によって毒になるものもいくつかあります。
【嫌い(危険)なハーブ】
- ラベンダー
- ユーカリ
- ローズマリー
- タンジー
- ヘンルーダー
そして最も危険なのがラベンダーです。
ラベンダーには猫の肝臓や腎臓の組織を破壊する成分が含まれており、直接食べたり嗅いだりしなくても皮膚から成分が入り吸収されるので大変危険です。
【中毒症状を起こさない安全なハーブ】
- キャットニップ
- カモミール
- ローズヒップ
- シソ
香辛料(スパイス)
香辛料は、人間のわたしたちにとっても刺激があります。
ですから猫にとってはもっと刺激が強く感じ嫌いな匂いの一つです。
もし、誤って食べてしまうと胃腸炎や内臓障害を起こすこともありますので、飼い主さんが香辛料やスパイスの入った料理を食べる時は注意しましょう。
タバコ
人間の私たちにとっても不快な匂いと感じる人も多いでしょう。
猫たちも受動喫煙(じゅどうきつえん)しますし、匂いの付いた毛を毛づくろいすると、有害な物質が直接、体内に入ります。
受動喫煙とは…タバコから出てくる煙や、吐き出された煙を吸ってしまうこと。
柔軟剤
成分表示に「メチルノニルケトン」や「中鎖トリグリセリド」と記載されている場合、猫の嫌いな匂い成分になるので注意が必要です。
柔軟剤だけでなく、シャンプーやボディーソープなどにも含まれている可能性がありますので一度、確認してみてくださいね。
まとめ
今回、猫の好きな匂い、嫌いな匂いについて紹介しました。
猫の好きな匂いには
- マタタビ
- 湿布
- キャットニップ
- キウイ
- 魚、肉、チーズ
- 靴下、汗や加齢臭
の6つがあり、そのほとんどに「マタタビ」が関連していましたね。
好きな匂いといっても「湿布」や「靴下、汗や加齢臭」の匂いは個体差があり、好きな子と嫌いな子がはっきりする匂いだということもわかりました。
また、嫌いな匂い、危険な匂いは次の5つがありました。
- 柑橘系
- アロマ、ハーブ系、香水
- 香辛料(スパイス)
- タバコ
- 柔軟剤
上記のほとんどが、人工的な香りであり猫の体にとって有害なものもありました。
嫌いな匂い、危険な物だと知らずに、使ってしまうと中毒症状を起こしたり、最悪、命に関わることもあります。
紹介したことを覚えて猫にとって快適な環境を作り、絆を深めていきましょう。