猫を飼っている友人が、とてもショックを受けていました。
この猫の爪とぎトラブル、猫に悪気はないのはわかるけれど、わたしたち飼い主にとっては大問題ですよね。
猫を飼うにあたり、爪とぎの場所を作ってあげることはとっても重要なのですが、意外とわからないことって多いですよね。
実は、爪とぎ器の選び方って知ってしまえば納得のポイントがあるんです。
それを知らないと、壁やソファなどの家具で爪とぎをされてしまいボロボロにされてしまうかも。反対に爪とぎ器は新品のまま部屋の片隅でオブジェと化している、なんてことにも。
そうならないためにも今回は、どんなポイントを抑えたら猫に好ましい場所で爪とぎをしてもらえるかを詳しく解説していきますね。
壁やソファで爪とぎをする理由
壁やソファなどで爪とぎをされてしまう理由は用意されている爪とぎ器が好みではないもしくは爪を研ぎたい場所に爪とぎ器がないのどちらかです。
爪とぎ器が好みではない
まず真っ先に考えられる理由は、用意してある爪とぎ器よりも壁やソファなど他のものに魅力を感じているパターンです。
爪とぎと聞くと「摩擦で削る」ことをイメージしませんか。
例えばお米を研ぐとか、包丁を研ぐとか。
でも実は猫の爪とぎって摩擦で爪を鋭く削っているわけではなく、古くなった爪を剥いでいるんです。
出典:アルプスピアホーム
そのため、猫にとって爪を研ぐときに「どれだけ爪にひっかかるか」「上手に古い爪を剥がせるか」が重要になります。
せっかく用意した爪とぎ器に、なんだかしっくりこないなと感じている場合、他の場所で爪とぎをする原因になってしまうんですね。
研ぎたい場所に爪とぎ器がない
もう1つの理由は、先ほどお話しした「古い爪を剥ぐ」ための爪とぎではなく、縄張り意識に由来するパターンです。
と、ぼうちゃんがアピールしようとしているように、猫はできる限り高い位置に自分のニオイのついた「ひっかき傷」を残そうとします。
これは壁やソファそのものに魅力を感じているわけではなく、その場所そのものに魅力を感じているということなんです。
例えば用意している爪とぎ器が平置きタイプの物だけであったり、高い位置に爪をとごうとしたときにグラグラしてうまく爪を研げない、なんて状況になっていないかチェックしてみましょう。
また、猫が普段リラックスしているスペースとごはんを食べるスペースの境界線、人の行き来が多い動線上など、猫が縄張りを主張したくなってしまう場所に爪とぎをしていないか意識してみることも大切です。
猫が爪とぎ器以外で爪を研いでしまう原因は2つ
- 用意されている爪とぎ器が好みではない
- 縄張り意識から、爪とぎをしたい場所がある
これらの2つの原因をもとに、解決方法をご紹介していきますね。
好ましい場所で爪とぎをしてもらう方法
たしかに運動の1つの手段として、爪とぎをしている猫もいます。しかしその時に壁やソファが選ばれてしまうのには理由があったんです。
理由さえ分かってしまえば、各ご家庭ごとの状況に当てはめて対策も取りやすいのではないでしょうか。
いくつか解決方法をご紹介していきますので、どの方法がご自宅の猫ちゃんとお部屋の状況にとってベストか参考にしてみてくださいね。
壁やソファの魅力を下げる
まずは今されてしまう爪とぎの場所を「猫にとって爪を研ぐ魅力のない場所」に作り替えるところから始めましょう。
わたし達人間も、普段使い慣れているものを買い替えるのって結構大変ですよね。
猫にとっての爪を研ぐスペースも必須です。
今まで研いでいた場所を変える必要があると感じない限り、同じところでしてしまう気持ちも少し納得してしまうのではないでしょうか。
猫の爪は犬とは違い、普段は肉球の中に収納されています。そのため日常生活で削れる機会があまりなく、爪を研ぐ必要があるのです。
使い慣れてしまわれている現在の爪とぎスペースの価値を下げることは、とっても重要になります。
縄張り意識による爪とぎかチェック
壁や障子、ソファなどいつも決まった場所に爪とぎをされてしまう場合、まずはそこが猫にとってどんな場所であるかチェックしてみましょう。
ごはんを食べに行くとき、別の部屋に行くとき、何かしたいときに必ず通るところに爪とぎをされるようであれば、それは縄張り意識からしている行動かも知れません。
猫の通り道がパッと思い浮かばない場合、わたし達飼い主がどこをよく通るかをイメージするとヒントになるかもしれませんね。
いつも同じような場合に爪とぎをされてしまう場合、意図的にその場所では爪とぎができない状況を作ってしまいましょう。
ちょっと意地悪かもしれませんが、猫の爪が引っかからないようなツルツルした素材のフリーボックスなんかを置いてしまうのも有効です。
猫は目いっぱい背伸びしたときの高さに爪とぎをします。配置換えができないような場所にされてしまう時はその位置にこのような保護シールを張ってしまうという手もありますよ。
用意されている爪とぎ器が好みで無い場合
爪とぎをされてしまう場所が高い位置ではない、場所に法則性が見つけられない場合、用意した爪とぎ器が好みではないのかもしれません。
新しい爪とぎ器を用意することはもちろんですが、まずは壁やソファなど、同じところで爪とぎをされないように工夫する必要があります。
先ほどご紹介した保護シールを貼る方法のほかにも、猫の嫌がるニオイを利用する方法もあります。
- ハッカ・ミント
- 柑橘系
- お酢
百均で売っているようなスプレーボトルに、アロマオイルやお酢を数滴たらすだけで、お手製のスプレーの完成です。
ただし、猫の嗅覚はわたし達が想像するよりも優れていますので、ニオイが強くなりすぎないように注意しましょう。
また、手作りスプレーは短期間でニオイが揮発してしまうので、こまめに作り替える必要があることも覚えておきましょう。
まずは爪を研がれてしまう場所の魅力を下げることが大切。
- ツルツルした素材のもので塞ぐ
- 保護シートを貼る
- 猫の嫌がるニオイのスプレーを使う
基本的な事ですが、まずはこれらを試してみましょう。
これらの方法と並行して、本来の爪とぎ器の魅力を猫に知ってもらうという合わせ技で解決していきましょう。
爪とぎ器を使ってもらう方法
上記の方法で壁やソファを魅力を下げることに成功したら、すかさず爪とぎ器で爪を研いでもらえるような工夫を始めましょう。
試してみてほしい方法は3つ。
1、素材を変えてみる
猫の爪とぎ器に使われている素材には、大きく分けて3種類あります。
- 麻
- ダンボール
- 布(カーペット)
例えばソファで爪を研がれてしまうようであれば布タイプが、壁で研がれてしまうようであればダンボールタイプが好みなのかもしれません。
ちなみに、猫に人気な素材は麻とダンボールのタイプです。
買い替えを検討する際は、このようにどんな素材でできている爪とぎ器であるかを比較して、使ってくれなかった素材とは別の物を買ってみるようにしましょう。
2、デザインを変えてみる
先ほども少し話題に出しましたが、用意しているのが平置きタイプの爪とぎ器だけでないかもチェックしたいポイントです。
反対に、キャットタワーに巻かれている麻ロープだけで、爪とぎスペースを完結させてしまっていないかもチェックしましょう。もしかしたら、高い位置ではなく低い位置で爪を研ぎたいのかもしれません。
3、場所を変えてみる
どうしてもその場所にこだわりがある場合、わたし達飼い主が猫の都合に合わせるほうが解決は手っ取り早いです。
猫が爪とぎをしたい場所に置いてあげられるタイプの爪とぎがないか探してみる、というのも解決方法の1つに加えてあげてくださいね。
爪とぎ器に試してみてほしいポイントは3つ。
- 麻・ダンボール・布の素材を変えてみる
- 平置きタイプ・縦置きタイプなどデザインを変えてみる
- 配置場所を変えてみる
【番外編】爪切りをしてみる
猫の爪は普段は肉球の中に隠れています。そのため、普段の生活で削れるということはありません。
あまりにもあちこちで爪とぎをされて困ってしまっている場合は、定期的に爪切りをしてあげるのも対策としては有効です。
爪が短くなることで爪を研いだときの引っかかりが少なくなり、「なんだか楽しくない」と爪とぎをする頻度が少なくなる効果がありますよ。
猫の爪切りについてはこちらで紹介しているので、合わせて読んでみてくださいね。
オススメの爪とぎ器6選!
ここまでご紹介したことを踏まえ、オススメの爪とぎ器をいくつかご紹介していきますね。
壁を守るタイプ
まずは、どうしても壁などで爪とぎをしてしまう猫ちゃんにオススメな爪とぎ器から紹介していきますね。
こちらのように、高い位置で爪を研いでもグラグラとしないタイプのものがオススメです。
これは剥がれた古い爪や、ダンボールのカスが床面に落ちるのでお掃除もとっても楽ちん。
「高さが足りない!」「ダンボールの素材は好きじゃない…」なんてときは、このような商品もあります。
ねじを用意すれば直接壁に貼り付けることも可能なので、ご家庭の事情に合わせては大活躍するのではないでしょうか。
ソファを守るタイプ
ソファの配置を、変えることはなかなか難しいですよね。
すべてのソファに使用できるわけではありませんが、ソファ自体を爪とぎをしてもいい場所に変えてしまうという解決方法もあります。
保護シートを貼るのであれば、こちらを試してみるのもいいかもしれません。
プラスで買い足したいタイプ
そんな時は、プラスで小さめの爪とぎ器を購入して、場所が好みではないのか、素材が好みで無いのか試してみてはどうでしょう。
カリカリーナのシリーズは見た目が可愛く、見ているだけでも満足してしまいます。
「ほかの爪とぎ器では爪を研がなかったけど、これなら研いだ」という口コミが多いのも購入を決めたポイントです。
こちらのように、シンプルイズベストな爪とぎ器が好みな猫ちゃんもいますので、検討してみてくださいね。
爪とぎ器は麻タイプかダンボールタイプのものが多いですが、布に爪が引っかかる感覚が好きな猫ちゃんもいます。
こちらのような、カーペット素材の爪とぎ器を買い足してみるのもいいかもしれません。
タイプ別にいくつかの爪とぎ器を紹介しましたが、まだまだいろいろな爪とぎ器があるのでお家にぴったりの爪とぎ器を探してみてくださいね。
まとめ
今回は壁やソファなど、わたし達飼い主にとって好ましくないところで爪を研がれてしまう原因と対策方法をご紹介してきました。
簡単におさらいしてみましょう。
原因 | 対策方法 |
用意された爪とぎ器が好みではない |
|
爪とぎをしたい場所に爪とぎ器がない |
|
現在爪とぎをされてしまう場所の魅力を下げることも、とても重要であることもお伝えしましたね。
- ツルツルした素材のもので塞ぐ
- 保護シールを使用する
- 猫の嫌がるスプレーをかける
これらの方法を組み合わせて、ご家庭にあった猫の爪とぎ対策を講じてみてください。