トイレでおしっこやウンチをしていたのに、ある日突然、床の上や洋服、洗濯できないソファやベッドにまで粗相(そそう)をされて困った。
そんな経験のある人や現在、悩んでいる飼い主さんもいるのではないでしょうか。
粗相とは、猫の場合、おしっこや排泄を失敗することです。
猫は本来、トイレの場所は決まった場所でする習慣があり、基本的にトイレのしつけは、1度教えてあげれば覚えるのでほとんどいりません。
そのため粗相をしまったということは必ず何かしらの原因が隠れています。
今回は、猫ちゃんが粗相をしてしまう原因と注意点、その対策などを徹底解説していきます。
猫が粗相をしてしまう6つの原因
猫が突然、粗相をしてしまう原因には次の6つがあります。
- トイレが汚い
- マーキング(スプレー)行為
- 生活環境などの変化によるストレス
- 構ってアピール
- 病気
- 高齢
原因1.トイレが汚い
猫はとっても綺麗好き。
トイレの周りが汚い、中におしっこやウンチの固まりがたくさん残ったままだと、その場所で排泄をしたくなくなります。
実は、猫ちゃんが粗相をする原因で一番多いのが「トイレ環境に不満を持っているから」なんです。
その他にも
- トイレの砂が気に入らない
- トイレの形が嫌
- トイレのサイズが合わない
- 扉の付いたトイレに入る時「カタッ」と音が鳴る
- 綺麗に掃除したつもりが、おしっこの固まりが1つだけ残っていたなどの理由で粗相をしてしまう可能性も。
粗相の一番の原因であるトイレ環境、その子によって理由さまざまですが今一度、見直してみましょう。
原因2.マーキング(スプレー)行為
マーキングとは
「自分をアピールするために臭いを残す行為」で、おしっこの量は少量です。
多頭飼い、発情期、去勢、避妊手術を行っていない子は、異性にアピールしたり縄張り作りのための意思表示としてマーキングを行います。
原因3.生活環境などの変化によるストレス
生活環境などの変化でストレスを感じてしまう例は次の5つです。
- 引っ越し
- 新しい家族が増えた
- 見かけたことのない野良猫が来るようになった
- 来客
- 飼い主さんのライフスタイルが変わった
猫は警戒心の強い動物です。
わたしの友人が結婚、子どもが誕生して夢のマイホームを購入したときの話ですが、飼い始めて5年経つ猫ちゃんが突然、粗相をするように。
相談を受けて、環境の変化が原因かもしれないと説明し、対策も教えたところ改善されて粗相はなくなりました。友人は、「私にとっては幸せな変化だったけど、猫ちゃんに負担かけちゃって申し訳なかったな」といっていました。
原因4.構ってアピール
最近、仕事が忙しくて一緒に遊んであげられてない、なんてことはありませんか。
猫ちゃんが飼い主さんに構ってほしくて、粗相する場合があります。
猫のおしっこは臭いがきついので、飼い主さんも気づきますよね。
と言わんばかりに、飼い主さんに自分の存在を示しているので、最近コミュニケーションとれてなかったなという方は猫ちゃんからの構ってアピールの可能性がありますよ。
原因5.病気
トイレ環境やマーキング、生活環境に変化がないのに粗相をした場合、膀胱炎や腎臓の病気が隠れている可能性があります。
- おしっこの色が濃い(白く濁っている)
- おしっこに行く回数が極端に多い又は少ない
- 血尿が出ている
などの症状がある場合、おしっこの濃さや回数がいつもと違うなと気づいた時はすぐに病院に連れて行ってあげてください。
原因6.高齢
高齢が原因の場合考えられるのは次の3つです。
- 認知症によってトイレの場所がわからなくなる
- 視力低下でトイレの場所が見えない
- 筋力低下で身体が思うように動かずトイレが間に合わなくなる
猫が粗相を繰り返さないための6つの対策
粗相をしてしまう原因は6つあると説明しました。
こんなにあったのか、と驚かれた方や不安になった方もいるかもしれませんね。
しかし安心してくださいね、これから次の対策6つを解説していきます。
- トイレを清潔にする
- 去勢、避妊手術する
- 猫と遊ぶ時間を作る
- トイレの場所や周辺を工夫する
- 寝室に猫をいれない
- 粗相をしたらすぐに臭いをとる
対策1.トイレを清潔にする
トイレが汚いのが原因ならば対策はとっても簡単。
綺麗に掃除してあげましょう。
また、仕事が忙しくて、こまめにトイレ掃除することができない飼い主さんもいらっしゃると思います。
そんな方はトイレをもう一つ用意してあげると猫ちゃんも綺麗な方のトイレで排泄ができるので粗相も減らすことができます。
飼い主さんの中には忙しい方もいると思いますが、猫ちゃんのトイレ環境に気を付けましょう。
対策2.去勢、避妊手術をする
マーキング行為での対策は、これから子どもを作る予定がないのであれば、去勢、避妊手術をおすすめします。
マーキングと言われると、何となくオスのイメージがありますが、メスも発情期にはオスを見るとおしっこをします。
また不思議なことにほとんどの猫は手術をすると異性に興味がなくなるのでその結果、粗相がなくなります。
対策3.猫と遊ぶ時間を作る
生活環境が変わった子や、最近構ってあげられずに粗相をしてしまった子には、猫と遊ぶ時間を作りましょう。
対策4.トイレの場所や周辺を工夫する
高齢でトイレの場所が分からない、間に合わなくなった猫ちゃんの場合は次の対策がおすすめ。
- トイレの数を増やしてあげる
- トイレ周辺におしっこシートを敷いてあげる
- 猫の行動範囲内にトイレを置く
仕事で猫ちゃんのトイレフォローができない場合は、猫用のおむつを使うといいですよ。
対策5.寝室に猫をいれない
洗濯物ができないソファやベッドなどの家具に、粗相をされるとショックですよね。
対策としては、寝室に猫をいれないこと、そしてビニール製のカバーをつけることです。
野生の猫は土や砂を掘ってトイレをします、つまり「掘る=トイレ」なんです。
対策6.粗相をしたらすぐに臭いをとる
粗相を繰り返さないためにも、気づいたらすぐに掃除をして臭いをとってあげましょう。臭いが残っていると「ここでトイレしていいんだ」と猫ちゃんが勘違いしてしまいます。
- おしっこを中性洗剤やアルコールでふき取る。
- ペットの消臭剤で臭いをとる
- ②で臭いがとれない場合は熱湯をかける
これだけは注意!粗相をしても怒らない
これまで、猫の粗相の原因や対策を紹介してきましたが、絶対にやってはいけないことがあります。
飼い主さんからすると、粗相をされると掃除するのも大変だし、何度も同じことされると怒ってしまいそうになりますよね。
しかし絶対に怒ってはいけません。
怒られると逆にプレッシャーに感じてしまい、ストレスの原因に。
また、構ってアピールの子に怒ってしまうと「おしっこをすると構ってくれる」と勘違いし、更に粗相を繰り返してしまう原因にもなりかねません。
まとめ
猫は綺麗好きで、決まった場所でトイレをするので、粗相をしてしまうということは何かしらの原因があります。
猫が粗相をしてしまう原因は次の6つです。
- トイレが汚い
- マーキング(スプレー)行為
- 生活環境などの変化によるストレス
- 構ってアピール
- 病気
- 高齢
こんなにあるのかと驚いてしまいますが、原因がわかれば対策もしやすくなるので安心してくださいね。
その対策は6つあげられます。
- トイレを清潔にする
- 去勢、避妊手術をする
- 猫と遊ぶ時間を作る
- トイレの場所や周辺を工夫する
- 寝室に猫をいれない
- 粗相をしたらすぐに臭いをとる
もしも、対策を行っても改善されない場合は、獣医さんに相談してくださいね。