『パンチ=怒っている時』って思っている人がほとんどではないでしょうか。
猫って怒った時以外にもパンチするんですよ。猫は伝えたいことと気分によってパンチの強さを変えます。
パンチされた意味が分からないままでいると、せっかくの可愛らしいアピールに気付くことが出来なかったり、攻撃だった場合にはエスカレートして飼い主がケガを負うことも。
今回は猫がパンチする意味やパンチされてケガをした時の正しい対処法などを解説していきますね。
猫がパンチする3つの意味
猫がするパンチ、通称『猫パンチ』。
小さい前足を使って、一生懸命ぺしぺしと叩いてるのを見るとなぜか「頑張れ」って応援したくなってしまいます。
この猫パンチってどんな時にするものか知っていますか。
猫がパンチする意味はこちら。
- 遊びたい・構って欲しい
- 不快・不満
- 攻撃
この3つは猫の気分によって使い分けられます。そして、敵として攻撃されているかの判断は爪とパンチ力で判断することが出来ますよ。
それでは1つずつ見ていきましょう。
遊びたい・構って欲しい
初めて見る物や新しいおもちゃを見つけた時に、まずは前足でチョンチョンと触ったりしている姿を見たことはありませんか。
このように『遊びたい』『構って欲しい』時にはポンポンと優しくパンチしてきます。
初めは優しくパンチしていたのに遊び始めてしばらく経つと、猫も興奮してくるのでパンチが少し強くなることがあります。
パンチが強くなって来たなと思った時には「ダメだよ」などと言い、構うのを止めましょう。怒られることで力の加減を覚えてくれますよ。
【敵意の有無とパンチ力】
敵意:無し
爪の状態:出ていない
パンチ力:★
不快・不満
ブラッシングをしていた時や撫でていた時などに不意に猫パンチされたことがあるのではないでしょうか。
これは「これ以上は止めて」と不快な時や「今は一人になりたい気分なの」と構われたくない時などに警告の意味を込めたパンチです。
このパンチを『構って欲しい』と勘違いし、構い続けると不快度はどんどん上昇しパンチ力も強くなっていきます。
このような時には猫パンチをされる前にしていたことをまずは止めてあげましょう。それからゆっくりと猫から離れてあげてくださいね。
【敵意の有無とパンチ力】
敵意:猫の不快度による
爪の状態:出ている時もある
パンチ力:★★★
攻撃
他の猫とケンカする時など本気で怒った時のパンチ。人に本気でパンチすることはほぼありません。
わたしの友達の旦那さんが飼い猫に本気の猫パンチをされた時のお話をしますね。
奥さんが『猫吸い』をしていたので、気持ちよさそうだから自分もやってみたいとチャレンジすると、あっさり猫ちゃんは受け入れてくれたようです。
旦那さんはその日から猫吸いのトリコになりました。それからほぼ毎日猫吸いをしていたある日、その日は機嫌が悪かったのか、猫が少し強めのパンチで旦那さんを拒否しました。
それでも旦那さんは止めなかったらしく、猫のパンチは徐々に強くなっていったそうです。
奥さんが「もう止めたら?」って言った瞬間、猫の強烈パンチが旦那さんの腕にヒット。
敵意むき出しなので爪が出ていて、旦那さんの腕にざっくりと刺さったらしく病院で縫って貰うほどの大ケガを負いました。
爪を出していた上にざっくりと行くほどの強烈パンチ。その日から旦那さんは嫌われてしまったようで、今は信頼関係修復中だそうです。
猫吸いって抱っこしままの状態や寝そべっている状態で、猫の体に顔をうずめて「スーハー」って息をした時に猫のモフモフの毛と匂いで幸せな気持ちになってしまうんですよ。
友達の旦那さんがハマる理由も分かりますが、猫の機嫌が悪い時にはやらない方が身のためですね。
攻撃の意味を込めたパンチは、ネズミなどの小動物なら一発で気絶してしまうほど強いんですよ。
怒らせてしまった時は近づくのを止めて、猫の怒りが鎮まるのを待ちましょう。
【敵意の有無とパンチ力】
敵意:有り
爪の状態:出ている
パンチ力:★★★★★
猫パンチでケガをした時の対処方法
それでは猫にパンチされた場合の対処法についてお話していきますね。
【猫にパンチされたら必ずすること】
- 石鹸を使って優しく丁寧にパンチされた所を洗う。
- ケガをしていれば消毒をしてから絆創膏や包帯を巻く。
出血が多い時には手を洗い、消毒をしたらすぐに止血をしてください。
【傷が深い時の止血法】
- 傷口を心臓より高い位置に上げて、清潔なタオルやガーゼで15分ほど傷口を抑えて圧迫する。
出血が止まらない時は病院を受診してくださいね。
受診する時は皮膚科か外科、整形外科を受診しましょう。
猫にパンチされた時に傷口を放置はNG!
『猫にパンチされたら石鹸を使って手や傷口を洗いましょう』とお話しました。
それではなぜ傷口が浅くても放置してはいけないのか、その理由は猫から人へと移る猫ひっかき病を発症してしまうリスクが高まるからです。
バルトネラ菌を持ったノミの排泄物が原因となり、猫が毛づくろいをした際に口の中や爪の中にノミの排泄物がくっついてしまうんですよ。
引っかかれると傷がジュクジュクし、傷の周囲に腫れや発疹が出ることがあります。
このバルトネラ菌がわたしたちの体の中に入ってしまうと、脇の下などのリンパ節が痛くなったり腫れたりします。重症化すると意識障害などが起こる危険な感染症です。
猫ひっかき病は噛まれることでも感染が起こります。ノミが原因なので定期的に駆除を行い、爪も定期的にチェックをして短くしておきましょう。
猫のパンチを回避するには怒らせないこと!
遊んで欲しい時などの優しいパンチなら痛みなどを感じることはありませんが、怒らせた時など本気のパンチがヒットしたら痛いですよね。出来れば遠慮したいものです。
猫を怒らせないために気を付けることは次の4つです。
- 嫌がる場所を触らない
- 構いすぎない
- ビックリさせない
- 無理に抱っこしない
それでは細かく見ていきましょう。
嫌がる場所を触らない
猫を触る時に皆さんはどこを触りますか。わたしは頭やあごなどを触ります。
頭やあごを触ってあげると喉をゴロゴロと鳴らしてとっても可愛いんですよ。
甘えてくれてるのが嬉しくてつい触ってしまうのですが、ある場所を触ると怒ることがたまにあるんです。
触ると攻撃される可能性が高くなるのはこちら。
- お腹
- 肉球
- 足(前も後ろも)
- しっぽ
仰向けになって寝ている猫のフワフワの毛に包まれたお腹を見ていると、気持ちよさそうだなぁととっても触りたくなりますがグッと我慢しましょう。
猫のお腹には臓器が集中しており、猫にとっては急所です。
肉球はわたしたち人間で言うと足の裏です。ここを触られるのはくすぐったいから嫌と言う方も多いのではないでしょうか。猫も同じなんですね。
足やしっぽは猫が行動するうえでとっても大切な役割のある場所です。
小さい子が猫のしっぽをつかんだりして、猫が怒ったのを見たことがあるという方も多いはず。
わたしとゆねのように信頼関係が築けていれば、たまになら触らせてくれることがありますよ。
構いすぎない
猫が可愛すぎるあまり構いすぎていることはありませんか。
猫は基本的に自分だけの時間を大切にします。猫が求めていない時に構ってしまうと、かえってストレスを与えたり、嫌われてしまうことに。
でも全く構わないのもダメなんですよ。猫とのスキンシップは絆を深めるためには大切なことです。
【猫と遊べる時間・頻度と止めて欲しい時のサイン】
1回の時間 | 頻度 | 止めてのサイン | |
子猫期 | 10分程度 | 1日3回まで |
|
元気で活発な成猫 | 15分程度 | 1日1~2回 | |
シニア期(7歳頃~) | 疲れない程度 | 1日1~2回 |
*スマホ横スクロール可
上記のことに注意して、猫が自分から甘えてきた時に構ってあげるようにしましょう。
特に子猫との遊びは時間は短いものの、成長するにはとても大切な時間となります。
なぜ子猫との遊びが成長するために大切なのか知りたくなった方は、こちらの記事を見てみてくださいね。
ビックリさせない
猫はビックリさせると次のような行動を起こします。
- 飛び上がる
- ダッシュで逃げる
- 目を見開く
- ジッと固まる
それでは実際に動画を見てみましょう。
みんな、お行儀よく食べています。そして食べ終わった子から退席をしていっていますね。
そんな中1匹の猫が後ろを通った時、ビックリした猫たちはダッシュで逃げたり、目を見開いたまま少し固まったり様々。
このようにビックリした猫が飛び上がったり、逃げる時にどこかにぶつかったりしたら怪我をしてしまいますよね。
猫がビックリするのが面白いと言って、何度もビックリさせたりしていると嫌われてしまう可能性もあります。
無理に抱っこしない
抱っこが好きと言う猫もいますが、大半の猫が抱っこは苦手なようです。そして、抱っこが好きと言う子も「いつでも抱っこしてOK」というのはないでしょう。
猫はストレスと感じることを嫌います。そして、ストレスを溜めすぎると病気になってしまうんですよ。
猫のパンチは「もう止めて」と怒った時にすることが多いので、猫にとってストレスになることは避けましょう。
構い過ぎや無理矢理抱っこするなどの他にも、何が猫にとって良くないことなのか調べてみましたので、こちらも併せてご覧ください。
猫のパンチに関する雑学
猫のパンチについて調べている時に「へぇ~」と思うことがあったので、ご紹介したいと思います。
猫にも利き手がある!?
まずは動画をご覧ください。
画面向かって右側の猫が左前足をあげると、左の猫はすかさず右前足で防御。というか、早すぎて見えません(笑)この間わずか2秒ほど。一体何回パンチしたのでしょうか。
イギリスの動物学者が猫に利き手があるのかを調べました。
透明な瓶の中にエサを入れると、どちらの足で取り出すのかと言う簡単な実験なのでお家でも出来そうですね。
その結果、猫には利き手が存在し、オスとメスで利き手が違うことが分かったんです。
- オスは左足を使うことが多い
- メスは右足を使うことが多い
オスとメスで利き手が違うなんて面白いですよね。
猫パンチが出来るのは猫だけ!?
猫パンチは猫やネコ科の動物であるトラやライオンだけって思いませんか。
な、なんとネコ科の動物以外に猫パンチが出来る動物がいました。それは『クマ』。
クマの放つ猫パンチ、一撃で天国に行ってしまいそうですね。
まとめ
猫のパンチには3つの意味があると解説しました。
- 遊びたい・構って欲しい
- 不快・不満
- 攻撃
猫は気分によって使い分けます。そして、敵意の有無は爪の状態とパンチ力で分かるとお話しました。
そして猫にパンチされた時の傷は出血の有無にかかわらず、適切な応急処置をしてくださいね。
傷を放置してしまうと『猫ひっかき病』を発症する可能性が高くなります。
猫は怒った時に本気の猫パンチをして来ます。この怒りMAXの猫パンチがヒットすると痛いしケガなどをしてしまうので、猫を怒らせないために注意することを解説しました。
- 嫌がる場所を触らない
- 構いすぎない
- ビックリさせない
- 無理に抱っこしない
猫は遊んで欲しい時などにもパンチすることで、飼い主さんの興味を引くなんてとっても可愛いですよね。愛猫への愛情は増すばかりです。
でも怒らせると猫も怖いので怒らせないように注意し、愛猫との平和な暮らしを手に入れてくださいね。