もうすぐ初夏ですが、猫ちゃんたちと楽しく過ごす準備はできていますか。
夏を待ちわびているのはわたしたちだけではなく、「ノミ」も楽しみにしています。
高温多湿の日本ではノミが生きるには1年中いい環境ですが、特に夏は繫殖力が猛威を振るう絶好調のチャンス。
きちんと対策をしていないと、愛猫の体はノミが寄生したくさん血を吸われてしまいかゆい夏を過ごすことに。
そして、そのままわたしたち人間にも被害が及ぶことになりかねません。
例えノミに寄生されていても、素早く正しい対策をとることによって、すぐに終息することができるんですよ。
今回はノミに寄生されてしまった時の対処方を解説いたします。
ノミとはどんな虫
出典:フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』
生存期間 | 1カ月~2ヶ月 |
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体長 | 1mm以下~9mm程度 |
特徴 | 体長の約60倍の距離と約100倍の高さを飛ぶことができる |
寄生場所 | 動物の皮膚の中 |
活発に活動する条件 | 温度13℃以上、湿度75~85% |
1回の産卵 | 1日平均30個(寄生してから8分以内に吸血を開始、36時間~48時間以内に産卵) |
ノミは人の目では確認するのが難しいほどの小さな虫で、世界各地で生息していて16科約200属約1,800種がいるといわれています。
成虫になったノミは動物が出す二酸化炭素・体熱・光の刺激に反応し、被毛の中に寄生をして血を吸って生きていきます。
とっても強力な筋力をもっていて、自分の体長の約60倍の距離と約100倍の高さを飛べるようになっているんだにゃ
主に猫に寄生する「ネコノミ」は、とても飢えに強く生存期間中血を吸わなくても、生きていく事ができます。
50日間で1匹のメスノミが1,745個産卵したとの情報もあるぐらい、繫殖能力がすごいんだにゃ
一生に1,000個以上の卵を産む場合もあり「猫の体にネコノミを1匹みつけたら、50匹はいると思わなければいけない」と言われています。
【ネコノミの成長過程】
出典:害虫なるほど知恵袋
成長するには「充分なエサ」と「ノミにとって過ごしやすい温度と湿度であるか」がとても重要になってきます。
現在の住まいは暖房設備が整っているため冬も温かく過ごす事がでるため、ノミにとって一年中環境がいい状態だと言えますね
特にこれからの季節「梅雨」は高温多湿であるため、特に警戒が必要です。
ノミの感染経路
わたしたち飼い主が、ノミの感染経路を作っている可能性があるんですよ
室内飼いしている猫がノミに寄生される原因として一番多いのは、散歩などで屋外に出たときに服にノミが付着し、室内に持ち込まれてしまうパターンです。
あまりにも小さい虫のため、気づかれることなく室内に侵入することができます。
同居の動物も人もノミがいそうな場所へ行ったら、まず玄関先で服を着替える・ブラッシングをするなどしっかり対策をしてから室内に入るようにしましょう。
ノミの寄生を疑う5つのサイン
いくら警戒していても、どこから忍び込むかわからないノミ。
もし次のようなサインがあればノミに寄生されている可能があるので要注意です。
【ノミに寄生されている可能性があるサイン】
- 部屋の中に黒い砂粒が落ちている
- 部屋の中にぴょんぴょんと跳ねる小さな虫がいる
- 飼い猫がかゆがっている
- 謎の虫刺されの跡がある
- 謎の水ぶくれがある
飼い猫がかゆがっている場合は、毛をかき分けてノミがついていないか目視してください。
「耳」「前足」「後足」「背中」「お腹」「しっぽの付け根」が寄生しやすい場所なので、しっかりチェックしてくださいね。
黒い砂粒の正体は「ノミの糞」
ノミの糞には血液が含まれているので、次の方法で調べることができますよ。
- 濡らしたティッシュの上に黒の砂粒を置きます
- そのまま1分から2分待つ
すぐに対策をしないと、大変なことになってしまいます
ノミに寄生されることで起こる症状や病気
小さい虫だからと、侮ってはいけません。
かゆくてストレスが溜まってしまうだけではなく、ノミに寄生されてしまったことが原因で様々病気を発生することがあります。
猫が寄生されて起こること
寄生されると発症する可能性がある病気は主に4つ。
症状に気づいたらすぐに獣医師さんの診察を受けましょう。
貧血
吸血時間は20分から25分で、一日に体重の15倍の血を吸い卵を産むのに備えます。
1匹単位で考えるとそんなに量にはなりませんが、何十匹ものノミが吸血してしまうと多量に血を失うことになってしまい貧血につながるます。
細菌の二次感染
吸血する時つくノミの唾液がアレルゲンとなり、強いかゆみをひきおこします。
その場所を猫がかきむしってしまうため、傷に細菌が入り化膿性皮膚炎などをおこしてしまうことがあります。
瓜実条虫(サナダムシ)
出典:フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』
ノミの体内に寄生してる瓜実条虫の幼虫を、毛づくろいなどをする時に食べてしまうことで感染します。
無症状なことが多いですが、濃厚感染すると下痢や嘔吐の症状がみられます。
ノミアレルギー性皮膚炎
ノミによる吸血が繰り返しされることで、アレルギー状態となり皮膚炎をおこしてしまいます。
この病気に一度でもなると、少量のノミの寄生でも皮膚炎に悩まさることになり激しいかゆみ・湿疹・脱毛などがおこります。
【猫だけじゃない!!】人へのノミの影響
わたしたち人間もノミに寄生されて病気を発症する可能性もあるんだよ
ノミ刺咬(しこう)症
ノミに刺されることによって激しいかゆみがおこり、患部かいてしまった事でおこる病気です。
細菌感染をしてしまい、ひどい場合にはアレルギーになって水ぶくれのような状態になってしまいます。
猫ひっかき症
「バルトネラヘンセレ」という細菌が原因の感染症で、猫が噛んだりひっかかれたりして、リンパ節の腫れ・発熱・頭痛などをひきおこします。
原因である細菌「バルトネラヘンセレ」がノミの一種に寄生しており、猫を媒介することで人に感染をします。
猫が感染した場合はほとんど症状があらわれることはないですが、細菌を保持した猫に免疫力が低下している人が嚙まれた場合、重い合併を起こす可能性があります。
見てるだけでかゆくなってくるんだにゃ
猫がノミに寄生されたときの4つの対処手順
飼い猫がノミに寄生されていることがわかれば、数が増える前に早急に対処します。
- 飼い猫についたノミだけではなく、体から飛び出た「部屋の中にいるノミ」の対処が必要
- 卵から成虫まで全てのノミが対象なので、完全駆除まで30日は必要
駆除したノミは、絶対につぶしてはいけません。
メスのノミだった場合、潰すことでお腹にいる卵が広範囲に飛び散ってしまう可能性があります。
粘着テープにくっつけることをおすすめします。
- ノミ取り専用のクシで大まかなノミを取り除く
- シャンプーをして、ノミを洗い流す
- ノミ駆除の薬を投与する
- 部屋の中を掃除する
飛び出たノミが隠れるところがなく、後片付けも流すだけなので簡単です。
換気には十分注意してくださいね。
1、ノミ取り専用のクシで大まかなノミを取り除く
普通のクシではノミをとることができないので、目の細かい専用のクシで大まかなノミを取り除きます。
2、シャンプーをして、ノミを洗い流す
クシで取り除くことができなかったノミを洗い流してしまいます。
ノミはシャンプー剤に触れると10分から15分気絶してしまうので、その間に洗い流してしまうのがポイントです。
ノミ取り専用のシャンプーは刺激が強いことが多く、肌が弱ってる猫ちゃんが嫌がるかもしれません。
猫専用のシャンプーは、ノミ取り専用のシャンプーと効果は同じなので安心してくださいね
シャンプー初心者の飼い主さん・猫ちゃんはこちらの記事を読んでからチャレンジしてくださいね。
3、ノミ駆除用の薬を投与する
1、2では成虫に対してアプローチをしましたが、「サナギ」や「卵」にはまだ効果が期待できません。
ノミ駆除用の薬を投与することによって、駆除を促します。
投薬にはスポットオン(滴下)タイプ、スプレータイプ、チュアブルタイプなど様々な種類があり、飼い主さんが使用しやすいタイプを使用してください。
ノミ駆虫薬には「動物用医薬品」と「医薬部外品」の2種類があります。
大きな違いは下記の通りです。
動物用医薬品 | 卵やサナギの成長を阻害したり、成虫を死滅させる効果があり、安全保障がされている |
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医薬部外品 | 猫ノミの忌避が目的となっており、口に含むと危険な物もある |
購入の際は、必ず「動物用医薬品」と表記されているものを選んでくださいね。
首輪に殺虫成分を染み込ませおり、成分が合わずに首回りが赤く腫れてしまっている猫ちゃんをみたことがあります。
我が家では、「首の後ろ側に垂らすだけで簡単に投薬できて、ダニやシラミなどにも効果があるからいいよ」と獣医師さんのおすすめもあり「フロントライン プラス キャット」を使用しています。
ノミの卵の羽化と幼虫からサナギへの変態を抑制もするので、ノミ対策もバッチリです。
4、部屋の中を掃除する
飼い猫の駆除が終われば、再び寄生されないように部屋の中を掃除します。
掃除の方法としては、
- 除湿をする
- 掃除をまんべんなくかける(家具の隙間やカーペットは特に念入りに)
- 飼い猫が使用している毛布やベットは週一回洗って天日干しをする など
ノミが好まない環境にするように心がけるといいですよ。
ノミ取り専用の燻煙剤やキャットタワーの側に「ノミとりホイホイ」を置いておくのも手ですよ。
新たに寄生されないように、
- 飼い猫を屋外には出さない
- 定期的にブラッシングをする
- ノミを寄せ付けないように部屋の環境を整える
- 定期的に薬を使用して予防する
を心構けるようにしましょう。
冬でも換気をこまめにするといいですよ
まとめ
特にこれからの季節、予防対策をしておきたいノミについてご紹介いたしました。
- 同居の人や猫・犬などが散歩などの屋外でノミが付着し、室内に持ち込まれる
- ノミがついてる動物に接触をしてしまい寄生されてしまう
どれだけ予防に力をいれていても、ノミに寄生されてしまうことがあります。
1匹で50日間で1匹の雌ノミが1,745個産卵したとの報告があるほど、一度見つけてしまったら大変です。
長期戦になりますが、がんばりましょう
- ノミ取り専用のクシで大まかなノミを取り除く
- シャンプーをして、ノミを洗い流す
- ノミ駆除の薬を投与する
- 部屋の中を掃除する
駆除したノミは、絶対につぶしてはいけません。
メスのノミだった場合、潰すことでお腹にいる卵が広範囲に飛び散ってしまう可能性があります。
粘着テープにくっつけることをおすすめします。
高温多湿な日本では切ってもきれない「ノミ」の問題。
いち早く対策をして、飼い主さんも飼い猫も楽しい夏を過ごしていきたいですね。