もう一匹いれば遊び相手が出来て、楽しくなるでしょうか。二匹目を飼うにあたって気を付けることがあれば知りたいです。
先日、このようなご質問をいただきました。
確かに、二匹以上飼うことで猫同士が兄弟のようにじゃれあって楽しそうに過ごす姿微笑ましいですよね。
しかし、注意しておかないと、逆にストレスを抱えてしまう猫もいるんです。
相性については、実際飼ってみないと分からない部分はあるのですが、元々飼っている猫、つまり先代猫の性格がひとつの判断材料になったりします。
あなたの猫は、どちらのタイプですか。
- 活発で遊び好き。目新しいものに自分から近づく。大胆で物怖じしない。
- 神経質、怖がり。目新しいものを警戒する。または気が強い。
1番の猫は、楽しく過ごせる可能性が高いですが、相手が神経質だと注意が必要です。
2番の猫は、ストレスを抱えやすいタイプかもしれません。
二匹以上同じ場所で生活する猫は、相手の事もあってなので、一概に言うのも難しいです。
しかし多頭飼いを検討されている方に、とても重要なポイントがあります。
それは、先代猫を中心に考えることと、段階を踏むこと。
こちらを意識しないと、せっかくお迎えをしても、大きなトラブルを抱えてしまったり、結果、多頭飼いをあきらめることになってしまうかもしれません。
そうならないために、ポイントを知ってスムーズに、そしてハッピーに家族へ迎え入れたいですね。
こちらの記事で、一般的に衝突が少ない組み合わせと注意してほしい組み合わせを紹介しています。
飼い主さんにとって、重要なポイントをわかりやすく解説していますので、ぜひご覧ください。
お迎え前に知っておきたいこと
もし犬猿の仲になってしまったら、今後両方の猫ちゃんがストレスを抱えて生活していくことになってしまいます。
そうなる前に、注意すべきことを知っておきたいですよね。
先代猫を優先に考えよう
新たに猫をお迎えすると、今までいた子はお家に慣れているから、慣れていない新しくきた子を気にかけてあげなきゃ。
と思っている方、いらっしゃるのではないでしょうか。
実は真逆で、先代猫を優先に考えてあげないといけません。
初対面の猫同士は警戒するもの。中には大声で鳴いたり、威嚇をしたりする猫もいます。
そんなそぶりを見せない子も、きっと内心はドキドキしていることでしょう。
飼い主さんは先代猫を気にかけてあげるだけでなく、実際に行動も意識して優先するようにしてください。
飼い主さんと猫と1対1の時間を大切に過ごしましょう。
- ごはんやおやつは先にあげる
- じゃらしでたくさん遊んであげる
- ブラッシングなどケアしてあげるのも優先的に
『相性』は存在するという事実
ここ、気になるところですよね。
猫同士、仲良くなるのに時間がかかる場合とそうでない場合、猫によって様々です。
人には慣れているけど猫には慣れていなかったり、元々一人が好きなタイプだったりと、性格によっても違います。
わりとハードルが低い組み合わせと、注意した方が良い組み合わせと参考までにまとめてみました。
先代猫が『一人っ子タイプ』
普段から、自分以外の動物に対して、興味をあまり示さない子はこのタイプです。
自分のテリトリーに入ってこられるのを嫌います。ケージやトイレはもちろんのこと、他の子が入ってこない環境を整えてあげて下さい。
先代猫が『人にべったりタイプ』
このタイプの猫は、飼い主さんを取られるのが一番のストレスに。
新たに迎え入れる子は、『つん』タイプの子が良いです。同じタイプだと、ぶつかる事が多くなります。
同じタイプの人好き猫ちゃんには、別のご主人の膝の上を割り当ててあげるなど、ご家族の助けも必要です。
年齢について
年齢は近い方が良いとされています。主な理由はごはんです。
例えば、シニア猫はごはんを少しづつ何回にも分けて食べる傾向があるので、置き餌をしているとします。
そこに食欲旺盛な若い猫をお迎えすると、置き餌を全部食べてしまう事があるのです。
年齢が離れている場合は、置いておく場所を考えるなど工夫が必要になってきます。
年が近ければ、その点は心配が少ないです。
性別について
一般的にはオスとメス、異性の方が良いとされています。
しかし同性同士でも、性格だったり、去勢または避妊をしているしていないによっては、仲良くなることもあります。
オスは去勢していないと、自分の強い子孫を残そうと、攻撃的になります。
メスは避妊していないと、ホルモンの関係で、神経質な性格な猫が多いです。
相性の組み合わせ例
①子猫×子猫
1歳以下の猫ちゃんは、新しい環境に順応しやすいので、性別にかかわらず、仲良くなる確率は高めです。
性格が完全に確立する前に一緒に生活することで、兄弟のような関係になる可能性は充分にあります。
②成猫(メス)×子猫
避妊手術をしていなかったり、性格にもよりますが、メス同士だと喧嘩に発展する可能性はあります。
避妊手術をしていると、子猫っぽさを残しますが、オスに比べて神経質のため、他の猫を受け入れない事が多いようです。
気がに合えば、先代猫みゅうとしゅりのように仲良くなったり、親子のような関係が築けるかもしれません。
③成猫(オス)×子猫
しかし注意してほしいのが、去勢していない成猫のオスは、本能的に子猫を殺してしまう可能性があります。
それは自分の遺伝子を後世に残すための行動で、母猫と子猫を引き裂くというものです。
去勢をすると、攻撃的な本能を抑制する傾向にありますので、もしも迎え入れる場合は病院へ連れて行ってからの方が良いでしょう。
④成猫×成猫
一般的には、男の子と女の子の組み合わせが良いとされています。
ですが大人になればなるほど、性格や個性などが確立されていますので、性格によって相性は大きく変わります。
オス同士は縄張り意識が強いため、喧嘩に発展するリスクは高いですし、メス同士もまた、神経質な子もいたりと注意が必要です。
新入り猫の事を知っておこう
お迎えする前に必ずチェックしておくべき重要なポイントは、やはり健康状態です。
検査や診察を受けたことがある猫は、基礎疾患があるかも知っておくこと。今は症状が出ていなくても、ストレスが引き金になってしまう場合もあります。
診察を受けているか
感染症、ノミ、寄生虫などのチェック、また予防のためのワクチン接種も行うなど、お互いに健康な生活を送れるようにしておきましょう。
また、去勢手術をしておくというのも、猫同士衝突を避けるためには必要になります。
必ずウィルス検査をしておく
動物病院で血液検査を受けましょう。
猫の血液をほんのちょっぴり採って、このような伝染病がないか調べることが出来ます。
- 猫白血病ウイルス(FIV)感染症
- 猫猫免疫不全ウイルス(FIV)感染症
- 猫伝染症腹膜炎(FIV)
環境づくり
猫にとって毎日過ごす環境はとても重要です。
猫の飼育できる上限は、住居の環境によります。『猫の飼育頭数の上限=自由に出入りできる部屋の数-1』が一般的な目安です。
これを守らないと、縄張りが侵略されてしまうなど、トラブルの原因になってしまう恐れがあります。
高さの異なる台を設置する
猫にはお気に入りの休憩場所が必要です。
高さの異なる台を複数箇所設置してあげましょう。猫の使用する空間が格段に増えて、快適な空間に感じてもらえることが出来ます。
もちろん、市販のキャットタワーでもOKです。
トイレやご飯へのアクセス+導線を考える
トイレやご飯はそれぞれ用意し、お互いに邪魔にならない場所など、導線を考えるようにしましょう。
目的地まで道が一本しかなく、道をふさぐ形になってしまったら、我慢することになってしまいストレスになります。
トイレとごはんは、他の通路からもたどり着けるような場所に設置しましょう。
家族に迎え入れる為の3STEP
もしお試しに対面させてみた時は大丈夫な様子でも、一緒に生活を始める際は慎重に始めましょう。
焦らないことでリスクは減らすことが出来ます。
1.まずは別スペースで生活させよう
もし部屋の確保が出来れば、別の部屋。難しければ、新入り猫はケージに入れて、最低二週間は様子を見ましょう。
慣れてきたかなと感じるまでは、焦りは禁物です。
- 攻撃する、うなる、威嚇する
- ごはんを食べられない
- 排泄を我慢してしまう
- 毛をむしる、なめすぎて脱毛してしまう
2.交代で同じ場所を使わせてみる
次のステップは、生活する場所は別でも、お互いの存在を『許せる』ものにしていくということです。
それには、『ニオイの交換』です。
効果的な方法は、日中は先代猫がリビングを使い、夜間は新入り猫がリビングを使うという具合です。
時間はかかりますが、徐々に相手を受け入れるようになる効果が期待できます。
3.注意深く様子を見ながら触れ合わせる
ストレス行動もない、ニオイも自分から問題なく嗅ぐようだったら、同じ部屋で一度過ごさせてみてもいいかもしれません。
必ず飼い主さんがついてあげて、威嚇し始めたりしたらすぐに離しましょう。
- 爪を切っておく
ケガを少なくするために、爪の先を切っておきましょう。
- フェロモン製剤を用意しておく
フェロモンを満たし、安心感を与えるというものです。
まとめ
多頭飼いのカギを握っているのは、先代猫です。他の猫をお迎えするには、先代猫を中心に考えましょう。
相性は確かにあるという事がわかりました。
子猫×子猫の組み合わせ
オス×メスの組み合わせ
去勢していないオス同士の組み合わせ
去勢していないオス×子猫の組み合わせ
性格などもあるので、一概には言えませんが、猫同士で仲良くなってもらう秘訣はこちらです。
- 先代猫がやきもちを焼かないように大切にしているよと態度に表すこと
- 環境を十分に整えること
- 迎え入れてからも、細心の注意を払って段階を踏んでいくこと
そして、家族に迎え入れるための3STEPはこちらです。
- まずは別スペースで生活させる
- 交代で同じ場所を使わせてみる
- 注意深く様子を見ながら触れ合わせる
本当の家族になるために、正しい方法でお迎えをして、楽しい猫ライフを過ごしましょう。