突然ですが、皆さま、猫の健康状態を確認するときに何をチェックしていますか。
うんうん、皆さん正解です。
ですが、1日1回は必ず確認できて、猫の体がダイレクトに健康状態を教えてくれるものがあります。
それは、排便。
猫の排便の頻度は、個体の差にもよりますが最低1日1回です。
猫の健康状態を知るために便のチェックを欠かさないわたしですが、中でもドキッとしてしまう便の状態があります。
血便です。
皆さんは猫が血便をしたとき、どう対処しますか。
実は血便には種類があり、種類によっては病気のサインかもしれないのです。
これを知らずに見落としてしまうと、猫の命に危険が及ぶかもしれません。
それでは今回は、血便の考えられる原因、血便の種類、潜んでいるかもしれない病気をご紹介していきます。
これらを知っておけば、急に血便が出た時パニックにならず対処ができますよ。
正常な便の状態は?
では、まずは正常な便はどんなものか、そしてそのチェックの仕方を確認していきましょう。
前提として、猫それぞれで違ってきますので、一概にこうでなければ異常、とは言い切れません。
おうちの猫ちゃんの便の状態を毎日見て、判断基準を知っておくことが大切です。
排便は1日に何回?
猫の排便は、1日に1回〜3回が一般的です。
ただし、猫によって違いがありますので、1日に1回しか排便しない猫もいれば、3回もする猫もいます。
チェックすべき点は、いつもと違うかということ。
いつも1日に3回以上の排便がある猫が、1回に減ってしまうなど、いつもと比較しておかしいなと感じる場合は注意して観察してください。
正常な便の臭いは?
猫が毎日同じフードを食べていれば、毎日同じ臭いになります。
与えるフードを変えた時に臭いが変わったり、きつくなったりした場合は、変えたフードが原因と考えられます。
いずれにせよ、便の臭いで病気の有無を判断することは難しいですので、トイレを掃除する際に軽く確認する程度で構いません。
正常な便の色は?
健康な猫の便は、薄い茶色〜濃い茶色をしています。
黄色に近いほど薄かったり、黒に近いほど濃くもありません。
正常な便の硬さは?
健康な猫の便は、硬すぎず柔らかすぎず、粘土のような硬さです。
水分が適度に含まれているので、表面がツヤツヤしています。
硬すぎてコロコロと小さい便は便秘、逆に水っぽいのであれば下痢気味です。
便秘や下痢が続くのであれば、何らかの病気が隠れている可能性がありますので病院で受診しましょう。
血便の種類
血便とは、血がついた状態で排泄される便のことをいいます。
通常であれば、排便時に血が付着することはありませんので、食べ物を消化して排泄されるまでの過程で体内でなんらかの異常があったと考えられます。
ですので、放っておいて良い状態ではありません。
血便の状態を見れば体内のどこで血液が混じったか見分けることができますので、参考にしてみてください。
便の表面に血が付着している
便の表面に血がついている場合、排泄する直前、肛門の付近で出血して付着したと考えられます。
これは人間にもよくある、切れ痔の可能性があります。
猫が便秘になると、腸に便を溜め込み水分が奪われますので便が硬くなり、硬くなった便を排泄する際に肛門が切れてしまうのです。
便に血が混ざっている
便の表面に付着ではなく、血が混じって出てきたような状態です。
こちらは大腸の粘膜が炎症を起こし、または傷ついて出血し、便に血がついたと考えられます。
この場合、鮮血(流れ出たばかりのような、真っ赤な血)であることが多いため、血が混ざっていることに気付きやすいです。
便全体が黒い
便の色が黒い場合があります。
真っ黒なのに血なの、と思うかもしれませんが、こちらも血便です。
この場合、胃腸などの早い段階で出血し、血が混じっているものです。
血液に含まれるヘモグロビンは消化液に混ざると、赤色から黒色へと変わる性質があるから。
この黒い便のことをメレナと呼びます。
血便が出た場合に考えられる病気
血便が見られた場合、体のどこかに異常があるサインなので、とても危険です。
考えられる病気や症状をご紹介します。
便秘
人間でも悩んでいる方が多い便秘。これは猫にも起こります。
便秘をすると腸に溜まっている便の水分が奪われていき、硬くなります。
硬くなった便を出そうとすると、肛門が切れてしまい、いわゆる切れ痔の状態になり便の表面に血がつくというわけです。
切れ痔の原因である便秘、猫は他の動物よりも比較的起こしやすく、それには様々な要因があります。
- ストレス
- 水分不足
- 運動不足
- 睡眠不足
- フードが体に合っていない
- 毛づくろいをして大量に毛を飲み込んでいる
- 異物誤飲している
普段、1日に3回排便する猫が1日1回に減り、それが何日も続く場合は便秘の可能性があります。
普段の排便回数に関わらず、丸3日排便がなければ便秘の可能性が高いです。
1日に何回もトイレに行くのに排便できない、排泄の仕草をとっていても便が出ないときは、便秘や巨大結腸症(きょだいけっちょうしょう)というの病気の可能性がありますので、病院へ受診しましょう。
大腸の一部である結腸という部分の動きが鈍くなり、便秘よりもさらにたくさんの量の便を溜め込んでしまう病気です。長時間便を溜め込むと水分がなくなって硬くなるのでますます排便することができず、体の中が便でいっぱいになって死に至る可能性があります。
この病気は便秘が長い間続くことによって起こるものです。
3日以上排便がなければ、病院へ受診してください。
便秘対策が書かれた記事がありますので、ぜひ見てみてくださいね。
下痢
猫が下痢のとき、大腸の粘膜が炎症を起こすことによって出血することがあります。
ドロドロの便に血液が絡み付いている状態で排泄されます。
猫の下痢の原因はこんなものがあります。
- ストレス
- 合わないフードに変えた
- 食べてはいけないもの(人間の食べ物など)を食べた
- ウイルス感染
下痢について詳しく書いた記事がありますので、見てみてくださいね。
ただの下痢であれば下痢対策を取り数日様子を見るのも手ですが、下痢に血が混じった場合は早めに病院へ受診してください。
胃腸炎
猫が胃腸炎を起こしていると、血便が出る可能性があります。
胃腸炎にも、様々な種類がありますのでご紹介します。
主な原因 | 主な症状 | |
細菌感染 | サルモネラ菌 |
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感染症 | 猫パルボウイルス |
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寄生虫 |
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猫を飼っている方なら、ご存知のものもあるのではないでしょうか。
いずれも症状に血便がありますので、可能性はあります。
すぐに病院で診てもらってくださいね。
炎症性腸疾患
胃や小腸、大腸の粘膜になんらかの原因で炎症が起こり、嘔吐や下痢などが続く疾患。
原因ははっきりとは分かっていないが、遺伝や腸内細菌などの腸内環境が関与しているという説がある。
主な症状はこちらです。
- 嘔吐
- 下痢
- 血便
- 食欲の低下
- 脱水症状
どれかひとつでも症状が見られたら、すぐに病院へ受診しましょう。
病院へ行く前に準備することは?
血便が見られたら、さあ大変と病院に行く支度をしますよね。
その際に必要な準備があります。
日頃の様子を記録したもの
わたしはゆねが1日に何回トイレに行ったかや、与えるフードを変えた日(どんなものに変えたか)、近所で工事が始まってソワソワしていたことなど、いろんなことを書き記しています。
この猫日記は、単なるわたしの趣味でもあるのですが、体調が悪くなった時に原因を探ることができるので何年も続けています。
病院に診察を受けに行った時でも、お医者様に「最近こんなことがありました」と伝えることができて便利ですよ。
そうですよね、わたしもなんです。
そんな飼い主さんにおすすめなのが、わたしも使っている見守りカメラ。
外出時にも猫ちゃんの様子が確認できるので、優れものですよ。
血便を持っていく
血便が出たんです、と伝えてもどんな状態のものか分からないとお医者様も困ってしまいますね。
百聞は一見にしかず。便を持っていきましょう。
- できるだけ新しい便を持っていこう
- 便の水分が飛ばないよう、ラップやビニール袋に包んだり、密閉できるタッパーなどに入れていこう
- 異物が入っていないか確認されるかもしれないので、一部だけよりも全部の便を持っていこう
持っていくのは難しい場合は、写真を撮って見せるだけでも大丈夫です。
まとめ
それでは、まとめに入ります。
便の表面に血が付着している
便に血が混ざっている
便全体が黒い(メレナという)
血便が出るということは猫の体になんらかの異常がある証拠です。
- 便秘
- 下痢
- 胃腸炎
- 炎症性腸疾患
いずれも症状に血便が見られます。
血便が出た際は、できれば血便(できれば新しいもの)を密閉できるタッパーなどに入れて、早めに病院で受診しましょう。