突然ですが、ケガをしたり衰弱した猫を見かけたとき、段ボールに入った子猫を見つけたとき、あなたはどうしますか。
わたしは過去2回捨て猫だった『みゅう』と『しゅり』を飼っていました。
みゅうは兄が、しゅりはわたしが拾ってきた猫たちです。
うちはたまたま一軒家でしたし、幸いアレルギーの家族もおらず、両親も許可を出してくれたので、そのまま飼うことが出来ました。
しかし、みんながみんなそんな状況ではありません。
賃貸に住んでいたり、自分や家族がアレルギーだったりと飼えない理由がある方の方が多いのではないでしょうか。
捨て猫は可哀想だけど、自分には何も出来ないと見て見ぬふりをしてしまう人もきっと少なくないでしょう。
そうした先にあるもの、まっさきに考えてしまうのは『死』ですよね。
拾っても飼えないことは分かっている、でも放っておけないという優しい方に知って欲しいこと。
それは飼えなくても出来ることはあるということです。
今回は自分では飼えないけれど、保護したいと考えている方、悩んでいる方へ猫の保護ではどんなことをするべきか説明していきたいと思います。
猫を保護するときにとるべき6つの行動
さて猫を見つけたらどんなことをすれば良いのでしょうか。
せめてもの罪滅ぼしに猫缶や保温のためのバスタオルをおいて、その場を去ることも出来るでしょう。
しかし、この記事を読んでいるあなたはきっとその命を救いたいと思うはず。
ここでは猫を保護すると決めたときにとるべき行動について説明していきます。
- 迷い猫かどうかを確認
- 飼い主がいないと分かったら捕獲
- 猫の体調を確認
- 病院受診
- 保護できる場所を確保
- 里親を探す
行動1.迷い猫かどうかの確認
はじめに確認しておきたいことは、その猫が迷い猫、つまり飼い主がいる飼い猫かどうかです。
人に飼われている特徴として次のことがあげられます。
【飼い猫であることが考えられるポイント】
- 首輪をつけている
- 人への警戒心が薄い
そして、確認方法です。
【飼い猫確認方法】
- 警察・保健所へ猫の失踪の連絡が入っていないか確認
- SNSで探している人がいないか確認
最近はSNSを使用している人も多く、すぐに情報が更新され拡散もしやすいことから飼い主がSNSで呼びかけるパターンも多いので、チェックしてみましょう。
警察では猫を落とし物として処理します。
落とし物を拾ったという申請と一緒に、自分が猫を保護しているという申請も行っておきましょう。
行動2.飼い主がいないと分かったら捕獲
飼い猫ではなさそうと分かったら捕獲の準備です。
子猫の場合はすぐに捕獲はせず、必ず近くに親がいないかを確認してから保護します。
安易に近づいてしまうと、母猫が二度と子猫のもとには戻ってこない危険が。
捕獲の仕方も、生れて間もない子猫の抵抗は少ないので簡単です。
しかし、成猫であればあるほど警戒心は強いもの。
とくにケガをしていたり、体調を崩していればなおさら抵抗しますし攻撃的になっている可能性もあります。
下手に手を出すと攻撃されてケガを負ってしまう恐れがあるので、安全に捕獲できる方法を考えましょう。
- 餌付けして慣れさせてから捕獲
- マタタビに酔わせてから捕獲
- 捕獲器を使用する
ここで肝心なのは一回失敗してしまうと、より人間を警戒してしまいます。姿を見せてくれなくなる可能性があるため、難易度が一層アップしてしまいます。
そのため見つけたその日にすぐ捕獲ではなく、数日かけて餌付けをしたり少し慣れさせてから行うのが良いでしょう。
また、暴れる可能性が高いです。噛まれたり引っかかれたりする危険があるので、軍手や長袖を着用するなど対策を忘れずに。
他にも洗濯ネットを準備しておき、その中に保護猫を入れると安心です。猫を運ぶためのキャリーバッグも必要になりますよ。
マタタビの使用は使いすぎには注意が必要ですが、警戒心が強く攻撃的な場合には有効な手段になります。
捕獲器については保護団体からレンタル出来るところもあるので、連絡してみましょう。
捕獲器を使うときには設置場所の所有者に許可を得る必要があるので、近所の人に声をかけるといいですね。
行動3.猫の体調を確認
保護した猫は、もしかしたら何日もご飯を食べていないかもしれませんし、ケガをしているかもしれません。
猫の体調をしっかり確認しましょう。
水分は取れるか、ご飯は食べられるか、排泄は出来ているかとチェックします。
また子猫の場合は特に体温調節がうまく出来ません。低体温になると命の危険があるので、保護したら第一にすべきことは保温です。
ご飯やミルクよりも先に、体をしっかり温めてあげましょう。
いざミルクをあげてみても飲まないという場合には、なにか不調があるのかも。
例えば、子猫のお腹がパンパンになっていたら、おしっこやうんちが溜まっている可能性があります。
まだ生後数週間の場合は、自分で排泄ができないので、お手伝いが必要です。
ティッシュなどで陰部を優しく刺激して排泄を促してあげましょう。
子猫の成長過程や急な保護でミルクが家にない場合に代用品となるものの紹介、子猫を保護する場合の情報を、こちらで詳しくご紹介していますのでぜひ読んでみてくださいね。
行動4.病院受診
保護した猫はノミやダニ、猫風邪といった病気にかかっている可能性があり、可能であればすぐに病院を受診させたいところです。
ただし、保護したのが夜などで動物病院がやっていないときなどは猫が元気そうであれば翌日受診してもいいでしょう。
病院の診察と検査代は1~3万円ほどと高額です。
さらにマイクロチップが埋め込まれている猫もいるので確認できる動物病院を探すと良いですね。
行動5.保護できる場所を確保
ここが保護したときの一番の心配どころだと思います。
飼えない人の多くは『賃貸に住んでいる』や『ペット禁止の集合住宅』が飼えない理由なのではないでしょうか。
【保護場所を探す方法】
- 大家さんや管理会社に相談
- すぐに引き取ってくれる保護団体等を探す
- 一時保護してくれる人を探す
賃貸の場合など、ペットを飼うことは禁止されていても、一時的な保護であれば許可が出る場合があります。まずはダメ元でも相談をしてみましょう。
これは人にお願いするときも一緒で、一時的にだったらと預かってくれる人も周りにいるかもしれません。
また、保護団体の中には空きがあればすぐに受け入れてくれるところもあります。
保護団体に引き取ってもらうときには、保護猫であっても有料の場合があります。
行動6.里親を探す
無事一時的に保護する場所が確保できたとしても、のんびりしている暇はありません。
すぐに里親捜しを始めましょう。
里親捜しの方法はいろいろあります。
- 人に聞く
- 動物病院にチラシを貼る
- 民間の保護団体に連絡
- SNSの活用
里親を探す時に重要なポイントは、出来るだけたくさんの人に声をかけること。
猫の里親を探す時に一番安心できる方法は知人の中に飼ってくれる人がいることですよね。
しかし残念ながらなかなか簡単には見つからないものです。
他の方法としては、動物病院にチラシを貼ってもらえるようお願いするのも、手ですよ。
なんと言っても、動物病院には動物好きがたくさん来るので、里親になってくれる人が見つかるかも。
また先ほどお話ししたように保護団体に引き取りをお願いする方法もあります。すぐに引き取りが難しい場合も待機期間ありで引き取ってくれることがあるので、第一に連絡しておくと良いかもしれませんね。
最近多いのがSNSでの里親募集です。
これはあっという間にいろんな人に知ってもらうことが出来てとっても便利です。
しかし一方で、どんな人か分からないから不安だと思ってしまう点も。
ときどきあちらのSNSにその猫ちゃんを載せてくれるようで、その後の幸せそうな姿もみることが出来てSNSを使って良かったと言ってます。
とるべきではない行動
ここまでは猫を保護するときにするべきことをお伝えしてきましたが、逆にしてはいけなけないこともあるので、こちらでご紹介させてくださいね。
警察・保健所・動物愛護センター任せにはしない
困ったとき、国が助けてくれるなら、と頼りたくなってしまいますよね。
警察、保健所、動物愛護センターはどれも国が運営する公的機関です。
警察は先ほどお伝えしたように落とし物として保護することは可能です。一定期間保護をしても飼い主が見つからない場合は動物愛護センターへ引き取られます。
保健所でも一定期間保護した後は、同様に動物愛護センターへ引き取られます。
動物愛護センターは殺処分を行う場でもありますが、殺処分“0”を目標に、できる限りの命を助けるため、新しい里親を探す譲渡会などを開催しています。
動物愛護センターもたくさんの可哀想な猫たちを抱えているのです。
せっかく縁あって助けた命ですから、国の公的機関を頼るのではなく、自身で里親を探しましょう。
保護団体(保護シェルターなど)は国ではなく民間の団体が猫の保護や里親募集を行っているところになります。
保健所などから保護猫を預かったり、保護した個人から引き取りをし、里親を探すといった活動をしています。
ただし、こちらはあくまでも民間の団体です。先ほども書きましたが、引き取ってもらう際は有償である場合があるので覚えておくと良いでしょう。
お風呂には入れない
ぼうちゃん止めてくれてありがとう。
危ないところでした。
猫はお風呂がきらいな場合が多いことと、知らないところに連れてこられて警戒心を強く示している場合もあるのでお風呂に入れるのはやめましょう。
その状況でのお風呂は相当体力を消費してしまいます。
何日もご飯を食べていなかったり、体調も崩していた場合、猫への負担は計り知れません。
病院でみてもらい問題ないと言われた上で、可能であれば体を拭くぐらいから始めましょう。
それに猫にとってお風呂は必ず入らないといけないものではないんです。
こちらで詳しく説明しているのでチェックしてみてください。
まとめ
猫は飼えないけど放っておけない、なんとかしたいと思っている方へ、今回は保護すると決めたらするべきことについて説明してきました。
- 迷い猫かどうかを確認
- 飼い主がいないと分かったら捕獲
- 猫の体調を確認
- 病院受診
- 保護できる場所を確保
- 里親を探す
猫を保護する前には必ず飼い主がいないことを確認が必要で、確認する方法は警察や保健所、SNSが有効でした。
猫を保護するということは、時間もお金も労力もかかり、覚悟が必要なことがわかりましたね。
これをひとりでするのは大変です、誰か手伝ってくれる人がいるなら相談してみましょう。
里親捜しや、捕獲などを手伝ってくれることもあるかもしれませんよ。
これを読んだ方が、勇気を持って大切な命を守る選択が出来るお手伝いになれば幸いです。