キャットフード売り場に行くとたくさん餌の種類がありますよね。
今の餌よりも良さそうな餌が目に入った時なんかは、迷ってしまうことでしょう。
今食べている餌よりも栄養価の高いものや、美味しそうなパッケージを見つけるとつい食べさせてあげたくなりますよね。
価格もお手頃だったりすると尚更。
実家で猫を飼っていたわたしは、キャットフード売り場で良さそうな餌を見つけ、そっちの餌に切り替えるために家にあった餌としばらく混ぜて与えていたことがあります。
でもある日その話を知人にすると、実はよく考えてあげないと危険がいっぱいだということを教えてもらいました。
わたしの飼っていた猫は幸い体調に変化などは出ませんでしたが、知ってからは安易に餌を混ぜて与えるのをやめました。
この記事では餌を混ぜることが危険な理由から、キャットフードを切り替える時の正しい手順などをご紹介します。
猫ちゃんの健康を守る為にも、おぼえておくといいですね
では早速、餌を混ぜることはなぜ危険なのでしょうか。
良い餌同士を組み合わせるんだから問題ないかと思いきや、大間違いなんです。
どうして?猫の餌を混ぜると危険な理由
知らないと怖いですが、知ってしまえばそれぞれとっても簡単な理由なんですよ。それでは一つずつ見ていきましょう。
キャットフードの栄養バランスが崩れてしまう
猫の餌を選んだことがある方ならお分かりかと思いますが、猫の体形・体質・年齢などによってキャットフードってたくさん種類がありますよね。
それにはちゃんと意味があるのです。
キャットフードは各メーカーが猫の体形・体質・年齢などさまざまな状態別に長い期間をかけて研究し、そのキャットフードだけ食べることで、最高の栄養バランスになるよう考えて作られたもの。
それを素人の私たちが勝手に混ぜ合わせてしまうと、せっかく整っていた栄養バランスが崩れてしまいます。
他のキャットフードと混ざることで、あなたの飼い猫にとって栄養が不足してしまうなんてことも。
つまり、単純に栄養価が高いものを組み合わせるだけでは、いけないということなんです。
キャットフードのメリットが失われる
栄養バランスが崩れる話の少し続きとなりますが、キャットフードを混ぜて与えることで、それぞれのキャットフードが持つせっかくのメリットが失われることがあるのです。
キャットフードが持つメリットというのは、そのキャットフードを食べて得られる効果のことですね。ざっくりですが以下のように分類してみます。
フードの効果 | 成分の特徴 |
肥満対策 | 低脂質・低タンパク |
毛玉ケア | 食物繊維多め・高タンパク |
目ヤニ・涙ヤケ ケア | 穀物なし・高タンパク |
痩せ型対策 | 低穀物・高脂質・高タンパク |
例えば、食が細い猫のために痩せ型対策用のキャットフードと毛玉ケアのキャットフードを混ぜた場合どうでしょうか。
どちらも高たんぱくとなり、たんぱく質の過剰摂取に繋がります。
わたしもこの話を聞いた時、同じように思ってしまいました。
ただ、同じように高たんぱくと書かれていても、実際の細かな配合量や合わさっている成分までは把握しきれないように、似たような栄養価だからといっても油断はできないのです。
また、毛玉ケアと肥満対策のキャットフードを混ぜた場合も一目瞭然ですね
。肥満対策用のキャットフードはせっかく低脂質・低たんぱくに作られてあるのに、毛玉ケア用のキャットフードでしっかりたんぱく質を補ってしまうんです。
これを知らずにただ猫に餌を与えることは、たとえお腹いっぱいご飯を食べたとしても本当に猫にとって良いこととは到底言えません。
せっかくのキャットフードを無駄にするようなことは、やめましょう。
一つのキャットフードを使いきるまでに時間がかかる
仮に2種類のキャットフードをちょうど半分ずつ混ぜ合わせてあげるとしたら、単純に一つのキャットフードをあげる時よりも減るスピードが2倍遅くなりますよね。
キャットフードは開封した瞬間から空気に触れることで酸化(=腐ること)が始まるため、開封前の賞味期限を見て安心しているあなたは要注意。
下の表は開封前と開封後のキャットフードの賞味期限の比較です。
フードの種類 | 開封前 | 開封後 |
ドライフード | 1~2年 | 1ヶ月 |
ウェットフード | 2~3年 | 1日 |
開封前の賞味期限はどちらも長いですが、保存状態が悪ければ短くなると考えてください。正しい保管方法をした上での賞味期限ということなんですよ。
また、風味や味も落ちてしまい猫の食欲低下に繋がる恐れも。
私たちも味や風味の落ちたご飯を食べることは嫌なことですよね。舌が敏感な猫は味も敏感に察知します。
ここまででもキャットフードを混ぜて与えることのリスクがお分かり頂けたかと思いますが、私は次の理由が一番怖いと思っています。
絶対に読んで頂きたい今回のポイントです。
どのキャットフードが原因で体調を崩したか特定できない
万が一猫がフードを食べた後に、体調を崩してしまったとしたら。
症状が思わしくなく動物病院に連れて行った時にも、必ず何を食べたか聞かれることでしょう。
実際にこのことを教えてくれたわたしの知人は、猫に元気がない日が続き、気になったので動物病院で診てもらうことに。
結局混ぜて与えていた餌の中にアレルギー物質が見つかりましたが、特定するまでにとても時間がかかり、不安な日々を過ごしたそうです。
飼い主さんも辛いですが、一番辛いのは可愛い愛猫。わたしはこの状況を想像しただけでとても怖いなと感じました。
- キャットフードの栄養バランスが崩れる
- キャットフードのメリットが失われる
- 一つのキャットフードを使い切るまで時間がかかる
- どのフードを食べて体調を崩したか特定できない
もちろん混ぜてあげる方が効果的だという時もあるのですが(後ほどご紹介します)、先にきちんと混ぜることの危険性を知ってから行動に移すということが大切なのです。
そして、次の項目は意外と見落としがちなキャットフードの賞味期限と保存方法についてです。
こちらも賞味期限を守ることの大切さを知ってから、対策を考えていきましょう。
賞味期限が切れたキャットフードの怖さ
見た感じ大丈夫そう・捨てるのも勿体ないし、というお気持ちすごく良く分かります。
私も自分が食べるものについては、「まぁいっか」と勿体ない精神が働きまくるのでとっても共感なのですが、猫には絶対にやめましょう。
いや人間でも本当はダメですよね。(笑)
猫は動物の中でも特に味や舌に敏感です。
少しでも自分の気に入らないものとなれば、いつも食べていたフードであっても食べることをやめてしまうでしょう。
そうなると再び食べさせるのがとっても大変。
賞味期限が切れたキャットフードは、見た目こそ変わらなくても風味や味などの品質がどんどん落ちていきます。
そう、品質がどんどん落ちていくということは栄養価も下がってしまうのです。
ここで怖いのが栄養価が下がるとどうなるのか。
キャットフードに含まれる脂質が酸化すると脂質の中で悪玉コレステロールが増加してしまい、猫の健康に大きく悪影響を及ぼします。
悪影響は、ガンや動脈硬化などの病気となってあなたの猫を襲います。
病名を聞いただけでも恐ろしい病気ですよね。
こういった賞味期限が切れたキャットフードを、賞味期限が切れていないキャットフードに混ぜてしまった場合、もうどうなるか想像がつくのではないでしょうか。
賞味期限内の新しいキャットフードの意味が全くなくなってしまいます。
品質の良いものに悪いものを足しても答えは良いものにはならないように、全体として猫の体に悪い餌になってしまうのです。
これを知ると、賞味期限切れのキャットフードを捨てることが果たして本当に勿体ないことなのか答えが分かると思います。
後悔する前に、あなたの猫のためにも適切な行動を取ることが大切ですね。
賞味期限が切れたキャットフードは捨てましょう
本来であれば捨てることなく使い切れることが一番環境にもお財布にも優しいことです。
そのためにも猫の餌は混ぜずに、一つのキャットフードを賞味期限内にあげ終えられる適当な量だけを購入しましょう。
また、保存状態を保つのもポイントです。次ではドライフード、ウェットフードの2つのおすすめの保存方法をご紹介していきますね。
キャットフードの正しい保存方法
多頭飼いをしていて一袋は数日で食べきってしまうといった場合を除き、一匹の猫に対して少しずつ餌を与える場合、買う量にもよりますがそんなにすぐに餌はなくなりませんよね。
そうなると、餌の正しい保存方法を知ることがとても重要になってきます。そこで、保存方法を一覧にしてまとめました。
フード別 保存方法一覧
開封前と開封後の保存方法について、ドライフードとウェットフードでそれぞれ表にまとめました。
詳しい解説は表の下に記載していますので必ず読んでくださいね。
フードの種類 | 開封前 | 開封後 | 注意点 |
ドライフード | 高温多湿は避け、直射日光の当たらない冷暗所 |
|
湿気・酸化対策を必ず行う |
ウェットフード | 高温多湿は避け、直射日光の当たらない冷暗所 |
|
缶のまま冷蔵庫へ入れず、必ず密閉容器に移し替える |
ドライフードの開封後は、湿気と酸化が大敵となります。
湿気対策としては、乾燥剤がついているようなキャットフード専用の保管容器に入れると一番安心と言えますね。
専用容器がすぐに手に入らなければ、食材保管用の密閉できるタッパー等で代用しましょう。
その時も乾燥剤を入れておく方が良いでしょう。
湿気対策と密閉することで酸化対策を行うことである程度高い品質を保ったまま保管ができます。
ウェットフードは開封後の賞味期限は1日とお伝えしていた通り、全て食べきることが基本ではありますがどうしても残ってしまった場合は冷蔵庫へ保管してください。
この時に猫缶のまま冷蔵庫へ保管することは絶対にやめましょう。
缶詰は未開封状態での保存に特化した入れ物であり、開封後の保存には適しておらず缶の内側から傷み始めます。
また、食べる前日には冷蔵へ移して自然解凍させてください。
電子レンジを使うと熱で栄養分を破壊したり品質低下の恐れがあります。自然解凍で食べさせてあげましょう。
購入時に買いだめせずに適切な量だけを買うというのもポイントです。
いえいえ、違う種類の餌をあげても良いんです。
というかその方が猫にとっては良い時もあったりするのです。
キャットフードを混ぜてあげるメリット
さんざん混ぜるなと説明しておいて、混ぜてあげるメリットがあるんかいとツッコミの声が聞こえてきそうですが、そうなんですあるんです。
混ぜて与えるのが効果的な場合は、まとめるとこんな時。
- ドライフードを食べないとき
- 水分補給させたいとき
- 別のキャットフードに切り替えたいとき
では一つずつ詳しく見ていきますね。
1.ドライフードを食べないとき
ドライフードの食いつきが悪くなって、そこからなかなか食欲が回復してこないという時は、もしかするとただフードに飽きているだけかも。
そんな時はウェットフードを少し混ぜてあげるとよく食べるでしょう。
その時は必ず、製品表示に「一般食用」と書かれているウェットフードを選びましょう。
ドライフードが「総合栄養食」なのに対してウェットフードも「総合栄養食」を選んでしまうと上の項目でもお伝えした通り栄養バランスが崩れる原因に。
「一般食用」というのは「おかずのみ」ということ。
ウェットフードは水分が多いため良い香りを放ち、また柔らかな歯ざわりのため猫の食いつきが良いのが特徴です。
2つをうまく使って猫が美味しく餌を食べられる食事にしてあげたいですね。
2.水分補給させたいとき
猫は元々は砂漠地帯出身の動物と言われており、お水をあまり飲まないといった性質を持ち合わせています。
しかし現代の猫は昔とは食べるものも環境もだいぶ変わってきており、お水を取ることが重要なのです。
暑い日にもお水を飲んでいるところをあんまり見ない、朝に置いた水の量が全然変わっていない。
こんな猫の場合は要注意です。
水を積極的に飲まない猫がよくなる病気が、慢性腎不全です。
嘔吐・下痢・体重の減少などが主な症状ではありますが飼い主さんもなかなか気付けないケースが多いと言われています。
そのため定期的にお水を飲ませるように心がけたいところ。その際におすすめの方法が、餌に水分をかけるという方法です。
水分補給に一番おすすめの方法はウェットフードにお水を少し足してあげる方法です。ウェットフードは元々水分の多い餌なので、そこへお水を足してあげると十分な水分補給が叶いますね。
ドライフードの場合も同様に、餌にお水をかけてあげると効果的ですよ。猫の健康のためにもきちんと水分補給しているかどうか意識して観察してあげてくださいね。
3.別のキャットフードに切り替えたいとき
別のキャットフードに切り替えたいとき、もしかしてある日から突然全く別のキャットフードを食べさせたりしてませんか。
キャットフードを切り替える時は、徐々に新しいキャットフードの量を増やしていくのが良いとされています。
なので、完全に切り替わるまでは従来のキャットフードと新しいキャットフードが混ざる形になるんです。
次は、餌を切り替えたい場合はどのように切り替えを進めていけば良いかをご紹介していきますね。ここさえしっかりとマスターすれば餌についての心配はかなりクリアできますよ。
- 餌は混ぜたとしても2種類までにしておこう
- 万が一に備え食べた餌の種類はメモを取っておこう
キャットフードを切り替える目安・方法
そもそもどうしてキャットフードを切り替えたいのでしょうか。
猫にとってもっと良いものをといった猫想いの気持ちはすごく分かりますが、コロコロと餌を変えてしまうのは猫にとってかえって負担になってしまうので注意してください。
慣れている餌から新しい餌に突然切り替わってしまうと、猫の胃腸に負担をかける原因となります。
慣れないばかりに下痢をしたり吐いてしまい、それがキッカケで餌そのものをなかなか食べてくれなくなるなんてこともあるんです。
そのため、切り替えのタイミングとしては
- 猫が餌を食べなくなった
- 体調に変化が生じた
この二つのタイミングで餌の切り替えを検討しましょう。
現在の餌を問題なく食べており、かつ健康に過ごしている場合は無理に餌を切り替える必要はありません。
今の餌が合っている証拠なのです。
それらを踏まえて切り替えを行うといった場合は、少しずつ徐々に行うようにしましょう。
日にちの目安は10日間ほどかけて切り替えることをおすすめします。
餌全体を100%として、1日目は従来のフード90%・新しいフード10%でスタートします。その次の日から10%ずつ割合を増減させて5日目には従来のフード50%・新しいフード50%になるようにします。
その調子で割合を変えていき10日目には完全に新しいフード100%になるようにしていくのです。
知ってしまうとそんなに難しくはないのですが、これを知らずに突然切り替えると猫もびっくりしてしまい失敗の原因に。
- 餌を混ぜるときは二つがきちんと混ざるように全体をかき混ぜる
- 食べたがらなくてもしばらくは様子を見る
- 極端に食欲がなくなった場合は割合を前の日に戻してみる
- 体調を崩した場合はすぐに中断を
餌の切り替えを検討されている方は、このポイントも参考にしてみながら挑戦してみてくださいね。
きっとうまくいきますよ。
まとめ
- 猫の餌を混ぜると危険な理由
- 賞味期限が切れたキャットフードは捨てる・正しい保存方法
- 餌を食べないときや水分補給には混ぜてあげることも有効
- キャットフードを切り替える目安・方法
餌を混ぜると、キャットフードの栄養バランスが乱れて猫に不調をきたす原因に。
また、餌も賞味期限内に食べきれず捨ててしまうなんてことが起きてはとても勿体ないですよね。
ただ、餌を食べないときやお水を飲ませたい時なんかは餌の正しい保存方法を参考に、ドライフードとウェットフードのバランスをうまく使ってみてください。
また、別のキャットフードに替えたい時は、突然切り替えるのではなく正しい流れで替えてあげましょうね。徐々に時間をかけてあげるのがポイントですよ。