先日、猫と暮らしている友人が子猫を新しく迎えたとのことで、さっそく遊びに行かせてもらいました。
いつも穏やかな先住猫ちゃんと、ミルクの匂いがしそうな子猫ちゃん。
しかし、友人にこんな悩みを打ち明けられたんです。
友人は、猫同士の相性が悪いのではないか、先住猫にも子猫にも、ストレスを与えてしまっているのではないかと、とても辛そうでした。
家に帰って調べてみると、中には敵意を持って噛んでいる場合もあるものの、本能や猫たちの習性に基づいた「猫が他の猫を噛む理由」があることがわかったんです。
そうは言っても見ていて痛そうですし、放っておいて良いのか対応に困ってしまいますよね。
噛む力が強い猫ですから、止めてあげなければ血が出るほどの怪我を負うこともないとは言い切れません。
今回は、猫同士が噛む理由から、飼い主が取るべき対応、万が一の時の止め方もお伝えしていきます。
多頭飼いであっても、それぞれの猫にはストレスなく、いつも楽しく幸せでいて欲しいですよね。
猫同士が噛む4つの理由
実は、猫が他の首にガブっと噛みつく行動はよくみられるものなんです。
その理由は次の4つ。
- 順位を決めるため
- しつけのため
- じゃれあい
- 交尾のため
わたしもそう思っていました。
ですが、他にも首を噛むときがあるんです。どんな時だと思いますか。
そう、母猫が子猫を移動させる時にも首を噛むという行動をとるんです。どちらかというとくわえるというイメージですね。
多くの哺乳類の子どもは、首の後ろを噛まれると大人しくなって鳴き声を出さなくなるという習性があります。
これは、移動時に暴れて鳴き声を上げてしまったら、敵に見つかって命を落とす危険性があるからです。
1.順位を決めるため
猫が一つの家で暮らすことは、同じ縄張りの中で過ごすということ。
それぞれの立場を明確にする必要があるんです。
友人のケースのように、先住猫が新らしく迎えた猫に噛みつく場合、この順位決めが原因の場合が多くあります。
首を噛んで大人しくさせることで、先住猫が「自分の方が強く、優位なんだぞ」と伝えているんですね。
順位決めはマウンティングと呼ばれ、上から覆いかぶさる行為が見られることもあります。
2.しつけのため
こちらも友人のケースに当てはまりますが、成猫が子猫の首を噛む場合、しつけをしている可能性も考えられます。
加減がわからない子猫が成猫にちょっかいを出しているとします。
そんな時、成猫が「ちょっと暴れすぎよ」「それはやったらダメだよ」「やりすぎです」とガブっと噛んで教えてあげているんです。
言葉で伝えられない猫たちらしい、でもとても愛ある行動だと思いませんか。
噛まれた子猫の鳴き声が悲鳴をあげることもありますが、学んでいる最中であればぐっとこらえて見守ってあげたいですね。
3.じゃれあい
子猫同士で噛みつきあっている時に考えられる主な要因はじゃれあいです。
本能である狩りのまねごとを通して、どのくらい噛むと相手が痛がるのか、どうすれば仲良くできるのか、降参の仕方や力加減、社会性を学んでいきます。
わたしたちも、子どもの頃はきょうだいげんかをしたり、友達といざこざがあったり、たくさん経験してきましたよね。
その経験が、社会人としての人間関係や環境づくりに大きく影響していたりするのではないでしょうか。
猫たちも同じなんです。
早くから家族と引き離されるなどして、このじゃれあいを経験してこなかった猫は、大人になって人間に噛みついたり問題行動を起こしてしまうこともあるんですよ。
飼い主の手などにも噛みついてきて困っているという時は、子猫特有のサインによるものかもしれません。ぜひこちらを読んでみてください。
4.交尾のため
オス猫がメス猫を噛む場合、交尾をするためだと考えられます。
首を噛むと相手が大人しくなるということを、猫たちもちゃんとわかっているんですね。
気を付けておきたいのは、メス猫がまだ子猫だからと油断していると、望まない妊娠をしてしまう可能性もあるということ。
猫は生後6~7ヵ月頃に性成熟を迎えると言われています。
ですが、オス猫が本格的に発情期を迎えるのが生後9か月頃~と言われているのに対し、メス猫は早くて生後4ヵ月で最初の発情期を迎えてしまう子もいるんです。
子猫を迎える時は、避妊や去勢手術についての知識も持っておくと安心ですよ。
止める?止めない?飼い主の取るべき対応
猫同士が噛むのには、敵意があるのではない、彼らなりの理由がありました。
ですが、そうは言っても可愛い可愛い愛猫のこと。
次は、実際にその場に遭遇した時、わたしたち飼い主がどうすればよいかをお伝えしていきます。
基本的には叱らない
ここで大切なのは、見守る姿勢です。
猫たちは自分たちのルールの中で、共に生きていくために「噛む」という手段を使います。
ついつい仲を取り持ちたくなりますが、猫同士で解決できるのならそれに越したことはないですよね。
ルールに基づき行動しているのに叱られてしまうと、猫にとっては理解ができずストレスを感じてしまうかもしれません。
威嚇の様子があれば間に入って止める
温かく見守っていましょうとお伝えしましたが、あまりにも噛みつくことが頻繁であったり、敵意をむき出しにしている様子があったら要注意。
そこは飼い主が間に入って止めてあげましょう。
特に先住猫・新しく迎えた猫が共に成猫だった場合、ヒートアップすると流血するほどの大喧嘩になってしまうことも考えられます。
低い声で唸っていたり、毛を逆立ててしっぽを膨らませているなど、威嚇する様子が見られたら、声をかけるなどして気を紛らわせてあげましょう。
威嚇している時は顔まで変わることもあるんです。これを読んでおけばすぐに気付けるはずですよ。
いつもは仲良しの猫同士でも、虫の居所が悪い日もあったりしますよね。
時すでに遅し。
もし、喧嘩が始まってしまった時には、無理に猫を抱きかかえるなどすると飼い主さんが怪我をしてしまう危険もあります。
簡単で安全に喧嘩を止める3つの方法
ポイントは、とにかく猫たちの気をそらして動きをとめることです。
決して猫を叩いたり、怒鳴りつけるなど、恐怖心を与えることをしてはいけません。
- おもちゃで気をひく
- 大きな音を出す
- 霧吹きで水をかけて驚かす
この3つが猫に負担もなく有効です。
お気に入りのおもちゃをもって、満面の笑みで声を掛けましょう。楽しいことに気が向くと怒りも収まったりしますよね。
または、手や机を叩いて大きな音を出したり、シュッっと水をかけるのもおすすめです。
どの方法でも興奮冷めやらない様子であれば、別々の部屋に連れて行って落ち着かせてあげるなど、距離を取ってあげると良いですよ。
平和を保つための方法として、ぜひ覚えておいていただけたら嬉しいです。
猫同士の相性を見極める方法
猫同士、どうやっても気が合わないということだってありますよね。
仲が良いのなら噛む姿も温かく見守ることができますし、気が合わないことがわかっていれば喧嘩の原因を作らないように気を付けてあげることもできます。
猫は元々単独で暮らす動物で縄張り意識が強いので、仲の良し悪しでお互いに対する行動が大きく変わってくるんです。
仲が良い猫同士に見られる行動
- 鼻先をつけるあいさつを交わす
- すぐ近くでくつろぐ様子を見せる
- 激しいじゃれあいもするが、ひと段落すると隣同士でくつろぐ
- グルーミング(毛づくろい)をする
こんな行動が見られたら、猫同士お互いを認め合い、同じ縄張りで過ごすことを受け入れていると言えます。
つまり、仲良しということですね。
噛みつきあう様子が見られたとしても、少し様子をみていて大丈夫です。
仲が良くない猫同士に見られる行動
- 近くで過ごすことがない
- 相手の行動に干渉しない
- 距離が近くなると威嚇をする
残念ながら気が合わないという場合もありますよね。
そういう時は、とにかく猫同士近寄らないように行動しているんです。
警戒心がとても強い猫や、猫同士の性別が同じだと仲良くなりにくいと言われています。
試して欲しい仲良くなる方法
短期間で仲良くなることは難しいかもしれませんが、仲良くなるためにはお互いの匂いに慣れることが効果的だとされています。
- 飼い主さんの手で、1匹の猫の顎の下を撫でる
- そして、その手でもう1匹の猫を同様に撫でる
これだけです。
すると、お互いのフェロモンが混ざり合うことになり、愛情表現で行うマーキングと同じ効果が得られます。
そのうちに、お互いを仲間だと認識するようになると考えられているんですよ。
せっかく一緒に過ごす家族ですから、少しでも距離が近づいてくれたら嬉しいですよね。
まとめ
一緒に暮らす猫同士、噛む行動が見られると仲が悪いのではないか、怪我をするのではないかと心配になってしまいますよね。
猫が他の猫を噛むのには、次の4つの理由があり、猫同士の関係によって考えられる理由が違いました。
理由 | 猫同士の関係 |
1.順位を決めるため | 先住猫が新しく迎えた猫を噛む |
2.しつけのため | 成猫が子猫を噛む |
3.じゃれあい | 子猫同士が多い |
4.交尾のため | オス猫がメス猫を噛む |
ですが、飼い主としては止めるか否か悩んでしまうところ。
基本的には叱ることなく、温かく見守ることが大切です。
威嚇している様子が見られたり、ヒートアップしてきたら要注意。喧嘩が始まってしまったら、次の方法で気をそらして止めてあげましょう。
- おもちゃで気を惹く
- 大きな音を出す
- 霧吹きで水をかけて驚かす
猫にとって噛むことは、攻撃だけではなく仲良く暮らしていくのに欠かせない行為でした。
噛んでいる様子を見かけたら慌てずに対処して、猫ちゃんたちと楽しい毎日を過ごしてくださいね。
https://www.shiawasegift.com/cat-cry%e3%80%80-2/