夜いざ子猫にミルクをあげようとしたらミルク缶の中身が空っぽ。
仕事や家事、育児に追われているとこのような事態、けっこう誰にでも起こりうるものです。
ミルクがないという事態は本当に焦ります。
わたしは以前知り合いに聞いていた人間の赤ちゃん用ミルクで代用しましたが、あとから調べてみると他にも代用できるアイテムがあったんです。
しかもそれのどれもが家にあるものだったり、簡単に手に入れられるもの。
専用ミルクは子猫に必要な栄養がしっかり入っているので、代用ミルクでは不安になりますが、一晩であれば十分に対応できますよ。
子猫用ミルクがなくても6つの代用品があれば大丈夫!
さきほどもお話したとおり、ずばり子猫用のミルクや哺乳瓶は代用が可能です。
緊急の対策になりますが、家にあるものやコンビニエンスストアで入手可能なものでミルクや哺乳瓶の代用として利用することができるんです。
ミルクの代用1、スキムミルク
お菓子を作る家庭では、買い置きの可能性が高いスキムミルクもミルクの代用になります。
- 袋に記載されている人が飲む濃さよりも、少しお湯で薄めて飲みやすい濃さにする
- 適温は「人肌」か「人肌より少し温かいぐらい」
スキムミルクとは牛乳から脂肪分を取り除いて乾燥させた『脱脂粉乳』のこと。
水に溶けやすいよう加工もされていますよ。
後ほど詳しく説明しますが、スキムミルクで下痢を起こす子猫もいます。下痢をするようであれば他のミルクを試しましょう。
ミルクの代用2、ひと手間加えた牛乳
よくアニメだったり映画だったりで、猫に牛乳をあげているシーンが流れたりしますよね。
牛乳をそのままあげることで、多くの猫が消化不良を起こしてし下痢になる可能性があるんです。
【材料】牛乳カップ1・卵黄1個分・砂糖小さじ4
【作り方】
- 子猫が下痢をする原因である卵白を、できるだけ取り除いた卵黄を用意する。
- 牛乳に卵黄・砂糖を混ぜる
- 弱火で沸騰させないように注意して牛乳を温める
- 人肌より少し温かいめに覚ましたミルクを子猫に与えてる
牛乳の中のタンパク質が壊れてしまうので、レンジを使って温めたり、お鍋で温めるときに沸騰させないようにしてください。
牛乳のパッケージに「お腹のゴロゴロしない」「無乳糖」と書かれているものは、最初から乳糖を分解処理されているので、子猫が下痢になるリスクが低くなります。
ミルクの代用3、赤ちゃん用の粉ミルク
栄養素の違いはありますが、人間の赤ちゃん用粉ミルクも、子猫にミルクの代用として飲ませることができます。
- 赤ちゃん用粉ミルクに記載のされている分量を2倍に薄める
- 適温は「人肌」から「人肌より温かいぐらい」
他のミルク同様に、下痢をしないか観察してくださいね。
一度チェックしてみてもいいんだにゃ
ミルクは雑菌が繁殖しやすいため絶対に作り置きをしないで、授乳の都度作るようにしてください。
また、授乳に使用した哺乳瓶もきちんと綺麗に洗いましょう。
次にご紹介したのが哺乳瓶の代用品です。ミルクの買い忘れの場合は哺乳瓶はお家にあると思いますが、子猫の保護の場合は哺乳瓶もお家にありませんよね。
子猫にミルクを飲ませるときには人間の赤ちゃん同様哺乳瓶が必要になります。
哺乳瓶の代用1、しょうゆ入れ
お家に「スポイト」や針のない注射器の形をした「シリンジ」、子猫用の哺乳瓶がなくても、お弁当で使用する「しょうゆ入れ」を哺乳瓶の代用として使うことができます。
【哺乳瓶としての使い方】
しょうゆ入れの中に、ミルクを入れて口元へ持っていき一滴ずつ出すようにして飲ませる
【スポイト】
【シリンジ】
哺乳瓶の代用2、ストロー
ストローも立派な哺乳瓶の代用となります。
しょうゆ入れよりも少しコツが要りますが、慣れれば簡単にできるようになりますよ。
【哺乳瓶としての使い方】
- ストローをミルクの中に入れ、吸い上げる
- 吸い上げた方のストローの吸い口を指で押さえる
- そのまま、反対の吸い口を子猫の口へもっていく
- 吸い上げた方の吸い口の指を少しづつ上下に動かして、出る量を調節しながら飲ませる
普通のストローより幼児用の細いストローの方が、子猫の口に入りやすく一回に出る量を調整しやすかったのです。
哺乳瓶の代用3、綿棒やガーゼ
綿棒やガーゼも哺乳瓶の代用はできますが、どのくらい子猫がミルクを飲んだか確認ができないので「しょうゆ入れ」「ストロー」がない場合に代用するようにしてください。
【哺乳瓶としての使い方】
- 清潔な綿棒やガーゼにミルクを含ませる
- 口元にもっていき、子猫に舐めさせる
哺乳瓶の代用を使う場合、1回の量が多く出てしまい誤飲してしまう可能性があります。
飲ませる時は、ゆっくりと子猫に合わせてあげるようにしてください。
- スキムミルク
- 手間を加えた牛乳
- 赤ちゃん用粉ミルク
- しょうゆ入れ
- ストロー
- 綿棒やガーゼ
なぜ子猫のミルクは代用ができるの?
子猫のミルクの代用品はどれもわたし達人間が口に出来る物ばかりでしたね。なんで子猫にあげても大丈夫かというと。
なぜなら子猫用ミルクも、わたしたち人間の赤ちゃんのミルクも原材料は牛乳だから。
そうなんです。
ただし、原材料が牛乳といってもそのままというわけではありません。
牛乳から脂肪分を抜いた『脱脂粉乳(だっしふんにゅう)』というものが使われています。
さらにいうと牛乳に含まれている成分を子猫なら子猫、子犬なら子犬、人なら人の母乳に近くなるよう調整したものがそれぞれのミルクになっている訳なんです。
猫にそのままの牛乳をあげるのはNG
一昔前は『ねこまんま』として、余ったゴハンなどに牛乳や味噌汁などをかけてあげていたのを見たことがある、もしくはあげていたという方も多くいたのではないでしょうか。
人間用の牛乳には「乳糖(にゅうとう)」という成分が含まれています。
この乳頭を分解するための「ラクターゼ」という酵素を持たない猫が多いため、消化しきれずに下痢を起こしてしまうようになるんです。
小さい子猫にとって、体に負担がかかる下痢の状態というのはとても危険なこと。
代用ミルクはあくまで緊急時用
猫専用のミルクは、猫に必要な栄養素が理想的なバランスで配合されています。
例えば牛と猫の母乳を比較してみると・・
- 猫の母乳は高タンパク・高脂肪
- 猫の母乳は乳糖の含有量がが少ない
具体的に言うと・・
- タンパク質 牛:29%、猫:36%
- 脂質 牛:28%、猫:42%
- 乳糖を含む糖質 牛:40%、猫:19%
子猫のミルクがわたし達の身の回りにあるもので代用可能ではありますが、下痢の原因になりやすい乳糖が多く含まれているだけではなく、そのまま与え続けていると栄養不足に陥ってしまうということです。
つまりミルクはそれだけで子猫が成長していける成分が入っている必要があるので、代用品では猫に必要な栄養を十分に補うことは出来ないんですね。
- 子猫のミルクは代用が可能
- 子猫のミルクも原材料は牛乳
- 牛乳は一手間加える必要があり、そのままはNG
- 代用品をあげたあとは下痢をしていないかチェックが必要
- 代用は可能だが長期では栄養不足に陥るため緊急時のみの使用に限る
これでいざミルクが必要になったときでも焦らずにミルクを与えることができますね。
実は深夜の子猫の保護で大切なことは『ミルクをしっかりあげること』そして『しっかり温めてあげること』なんです。
ではここからはちょっと寄り道。【番外編】として説明していきますね。
【番外編】深夜の保護ですべき3つのこと
夜間に保護してしまって動物病院へすぐにつれていけないときは、次の3つのことを行ってあげてください。
【保護をしたらするべき3つのこと!!】
- 子猫の体を温める
- 低血糖・脱水症状ではないか確かめる
- 子猫にミルクをあげる
怪我がある子猫ちゃんの場合は、早急に獣医師さんに診てもらわなければいけないので、救急の病院を探すことになります。
1、子猫の体を温める
体温調整ができない子猫にとって低体温は命の危険に関わることになるので、保護した時たとえ元気があっても、温めることを最優先してください。
【低体温の確かめ方】
猫の平熱は37.5℃から39℃と人よりも少し高いので、体を触るだけで冷たいと感じたら低体温になっています。
保温をしながら、子猫が安心できるスペースをつくるために、段ボールなどの箱や自宅にあるケースで部屋を作ってあげます。
- 段ボールなどの箱にペットシーツを敷いて、その上からタオルをかぶせます。
- 40℃に温めたペットボトルやカイロをタオルに包み段ボールの端に入れます。
- 温かい空気が逃げないようにと、子猫が落ち着くように箱の上からタオルをかけてあげる。
子猫が熱くなりすぎたら移動して体温調節できるように、温かいエリアと普通エリアを分けてあげれるような大きさを選んでくださいね。
早く体や段ボールの中を温めてあげたいと、ドライヤーを使用するのは絶対にやめてください。
ドライヤーから出る熱風は100℃近くあり、心臓に負担や熱い空気で呼吸困難になることもあります。
自宅にペットシーツがない場合は排泄の事を考えて、捨ててもいいタオルを数枚用意しておいた方が便利です。
子猫は体を寄せ合うことで安心するので、小さなぬいぐるみを一緒に入れてあげてもいいですね。
弱っている子猫の体が汚れていても、体力や体温が奪われてしまうので洗うのは厳禁です。
元気になるまでは、乾いているタオルで軽く拭いてあげる程度にしてくださいね。
【低体温時の対応】
- 人と同じで心臓から遠いところの方が先に冷えていくので、身体の中心から手足に向かって優しくマッサージをしてあげる。
- 子猫の体温が戻らなかった場合は、人がちょっと温かいと思う温度(40~42℃)のお湯に体を浸けて、体温が戻るまでマッサージを行ってあげる。
いざという時に慌てないように、覚えておきたいですね。
2、低血糖・脱水症状になっていないか確認する
長時間母猫のミルクを飲んでいないと「低血糖」「脱水症状」になっている可能性が高くなっています。
食欲不振でミルクを自ら飲んでくれないだけではなく、命の危険のリスクが上がってしまうため、回復を先にうながさなければいけません。
低血糖
低血糖は、糖が不足し体が栄養素を補給する機能が低下している状態です。
軽度だと「ぐったりして反応がにぶくなったり」「体に力が入らない」「体温低下」「目がうつろになっている」などの症状がみられます。
体の中の糖が圧倒的に不足しているため、まとまった量を摂る必要があります。
【低血糖時の対応】
人肌に温めたお湯に砂糖を混ぜた「砂糖水」をあげる。
スポイドなどで少しずつ与えるといいのですが、子猫が飲めない場合は歯茎に塗ってあげるようにしましょう。
砂糖以外にもガムシロップや蜂蜜・オリゴ糖を使用しても大丈夫ですよ。
この中で一番吸収率がいいのはガムシロップで、粘り気もあり子猫に飲ませやすいですよ。
脱水症状
脱水症状とは、体内の水分量が不足している状態で「ぐったりしている」「呼吸が荒くなっている」「食欲が低下している」などの症状がみられます。
手を放してもなかなか元に戻らない場合は、脱水を起こしています
【脱水時の対応】
- 子猫用ミルクを少量ずつに分けて飲ませる
- ポカリスウェットを常温の水で2~3倍に薄めたものを飲ませる
ポカリスエットは体液に近く、汗や嘔吐などで失われた電解質をスムーズに補給してくれます。
入手可能であれば、赤ちゃん用につくられたポカリスエットの方が浸透圧が動物に近くなっているのでおすすめです。
脱水症状によいとされている経口補水液は、猫にとっては塩分が多いので使用しないほうがいいです。
【ポカリスウェットはこんな時にも役立つ!】
- 子猫が衰弱している
- 代用ミルクを与えても吐いてしまう嫌がって飲まない
- 牛乳を与えて下痢をしてしまったとき
の応急処置としても利用することができます。
子猫にミルクをあげる
子猫の一番の栄養補給のミルクを与えるには、月齢と回数が大切になります。
よく寝ていても起こして飲ませるようにしないと「低血糖」や「脱水症状」になってしまうので、十分に注意してくださいね。
生後日齢 | ミルクの回数/日 | 一回あたりの量 |
生後1~7日目 | 6~8回 | 5~10㏄ずつ |
生後8~14日目 | 4~8回 | 5~15㏄ずつ |
生後15~21日目 | 4~6回 | 5㏄~飲めるだけ(欲しがるだけ) |
生後22~1ヶ月 | 徐々に減らしていく | 離乳食を与えてから飲ませるようにする |
子猫は人の赤ちゃんみたいに仰向けでミルクを与えてしまうと、誤飲してしまう危険がありるので必ずうつ伏せにして、頭を少し上げた状態で飲ませるようにしてください。
ミルクを飲ませる前に一度読んでみてくださいね
関連記事:【子猫へのミルクの飲ませ方を知ろう】1日にあげる量や回数を解説
https://www.shiawasegift.com/kitten-milk-howtodrink-amount-2-2/
そうなんです。
子猫の保護の方法についてはこちらの記事でご紹介していますので、チェックしてみてください。
関連記事:【子猫を拾ったらどうすればいい!?】正しい保護の仕方教えます!
まとめ
今回は子猫にミルクをあげたいのに、猫専用ミルクがなくて困ったというときのためにミルクの代用品となるもののご紹介をしました。
【ミルクの代用】
- スキムミルク
- ひと手間加えた牛乳
- 人間の赤ちゃん用粉ミルク
【哺乳瓶の代用】
- お弁当用のしょうゆ入れ
- ストロー
- 綿棒やガーゼ
また代用品のミルクをあげたあとは、下痢をしていないか必ずチェックをしましょう。
子猫の安全と健康を守るために、必ず専用のミルクや哺乳瓶を使用するようにしてください。
ミルクがないと焦ってしまう緊急時に、この記事がお役に立てればうれしいです。