子猫って、いつまでミルクを飲むか知っていますか。
人間の赤ちゃんと違って、子猫がミルクを必要とする期間は短いんです。
知り合いの家で生まれた子猫を譲ってもらった友人は、長い間ミルクを与えていました。
美味しそうに飲んでいると、ついあげたくなってしまいますよね。
ですが、いつまでも子猫をミルクで育てていると、病気や怪我などに繋がってしまうことがあるんです。
友人の子猫は、今ではしっかりミルクから卒業して、ぴょんぴょん動きまわって、元気いっぱいに育っています。
それでは、意外と知られていない、ミルクを卒業するタイミングやスムーズな離乳に向けた3ステップ、あげ続けることで子猫に与えるリスクなどを紹介していきますね。
子猫にミルクを飲ませるのは生後2ヶ月まで
ずばり、離乳食の時期を経て生後2ヵ月頃を目安にミルクを卒業するのが理想です。
離乳の目安は生後2ヵ月
生後3~4週は離乳食とミルクを併用し、乳歯が生えそろう生後8週(2ヵ月)頃が離乳完了のタイミングとなります。
- 体重550g~700gくらい
- 目の色がキトンブルーから本来の色に変わる
離乳食をしっかり食べていて体重も増えていれば、ミルクを卒業しても大丈夫。
ですが、生後4週までの子猫はミルクでの栄養を必要としています。
生後4週までは子猫用ミルクが必要
生後4週頃までは、母乳または子猫用ミルクでしっかりと栄養を摂れるようにしてあげましょう。
母乳や子猫用のミルクには、病気やウイルスから守るための栄養がたっぷり含まれています。
生まれてから24時間以内に母猫から貰う母乳(初乳)には、母猫の免疫が含まれています。
この免疫は様々な病気から子猫を守ってくれるんですよ。
出産で疲れているはずなのに、わが子が健康に育つために免疫を分けてあげるなんて、お母さんってカッコイイ。
いつまでも免疫は続かずに、約2ヵ月ほどで効果がなくなります。
この頃が最も病気にかかる可能性が高いため、生後2ヵ月までの栄養がとても重要なんです。
初乳が飲めていない時は?
初乳が飲めていない子は免疫力が弱いので、獣医さんに初乳が飲めていないことを相談すると安心です。
早めにワクチンを打つなどの対策ができますよ。
そして他にも猫を飼っている場合は、しばらくの間は近づけないようにして感染症から守ってあげましょう。
関連記事:【子猫へのミルクの飲ませ方を知ろう】1日にあげる量や回数を解説
https://www.shiawasegift.com/kitten-milk-howtodrink-amount-2-2/
~ミルク卒業の目安は約2ヶ月~
- 子猫が病気にかかりやすいのは生後約2ヶ月の間
- 生後約2ヶ月の間免疫たっぷりの母猫の初乳の役割が大切
- 初乳が飲めていない子猫は市販の初乳タイプのミルクを与える
欲しがるからいつまでもあげていいのかって悩んでしまいますよね。
次は、ミルクを卒業させる理由を見ていきましょう。
子猫をミルクから卒業させる理由
いつまでも子猫用のミルクをあげられない理由は2つあります。
子猫のうちはミルクをついついあげたくなっちゃいますけど、落とし穴があるんです。
人間の赤ちゃんと子猫はちょっと違います。
カロリーオーバーになる
生後2ヵ月にもなると子猫は活発に動き回るようになります。
でも運動量が増えているので、今までの量では足りません。
栄養たっぷりのミルクを子猫が満足するまであげてしまうと、お腹が満たされる頃にはカロリーオーバーになってしまいます。
カロリーオーバーを放置してしまうと、肥満になってしまうんです。
一般的な子猫用ミルクは、100gあたり500kcalほど。それに対して、我が家のゆねが食べているキャットフードは100gあたり約390kcalです。
生まれてすぐの成長に欠かせないミルクは高カロリーなことがわかりますね。
子猫のカロリー計算って大変と思っている方におすすめのアプリです。
こちらはiPhone専用アプリです。
アプリを使えばサクッと計算出来ちゃいますよ。
子猫の健康管理の為にもカロリー計算をしてみましょう。
乳歯で誤飲や栄養不足のリスクが高まる
歯が生えてくると、哺乳瓶を吸うのではなく噛もうとすることが増えてきます。
吸わないと出ないのが哺乳瓶。
すると、上手にミルクを飲むことが出来ずにお腹が満たされていないこともあるんです。
お腹が空いているのにミルクが思うように飲めないので、子猫にとってはとってもストレス。
ぼうちゃんのように、哺乳瓶の吸い口を噛み切って誤飲してしまうと命の危険が伴うこともあるんです。
また、そのままにしておくと栄養も足りなくなってしまいます。
体重が順調に増えているか、定期的に確認するようにしたいですね。
~子猫をミルクから卒業させる理由~
- カロリーオーバーになる
- 哺乳瓶が吸いづらくなってリスクを伴う
ミルクを与え続ける際に注意すること
大きくなってからもミルクを飲んでいる猫はいますし、食欲のない時や水を飲まない時などにもミルクを飲ませることがあります。
健康な猫にミルクをあげる時は、猫の年齢に合ったミルクをおやつ感覚で少しだけあげましょう。
先ほどもお話したように、いつまでも子猫用のミルクをたくさんあげていると肥満になりやすいです。
わたしたちもコンビニのお弁当など高カロリーな食べ物を食べ続けると、生活習慣病にかかりますよね。
猫も肥満になると免疫力がさがり、重症になると死に至るような病気を引き起こしてしまうことがあるのです。
- 肝リピドーシス(脂肪肝)
- 糖尿病
- 皮膚病
- 高血圧
- 関節炎など
〜ミルクを与え続ける際の注意〜
- 猫の年齢に合ったミルクを与える
- おやつ感覚で少し与える
- 肥満に注意する
子猫のミルク卒業までの3ステップ
ミルクを卒業してすぐにキャットフードは食べらません。
今まで水分しか消化してこなかったので、いきなり水分以外のものを与えたらビックリしすぎて、体調を壊してしまうこともあるんです。
それでは、ミルクを卒業するまでのステップを説明していきます。
- ステップ1:離乳の準備開始(生後2週~)
- ステップ2:ミルクから離乳食へ(生後3・4週~)
- ステップ3:ミルクの卒業・キャットフードへ(6週~)
ステップ1:離乳の準備開始(生後2週~)
生後2週間ごろから、子猫から離乳のサインが出始めます。
- ミルクを飲みたがらない、あまり飲まない
- 哺乳瓶の乳首を噛む
子猫は乳歯が生え始めることによって、哺乳瓶でミルクが吸いづらくなったり、口に当たる哺乳瓶の乳首を噛んでしまったりすることも。
離乳のサインに気づいたら、いつまでも哺乳瓶を使うのではなく、誤飲を防ぐためにも使用は避けましょう。
関連記事:【猫がゴムを誤飲!】命の危険から守るための対策と対処法を伝授
大切に育ててきたからこそ、自分の不注意のせいで子猫が苦しんでいる所を見るのはとても辛いですよね。
哺乳瓶以外でミルクを飲ませる方法
誤飲を防ぐために哺乳瓶は止めたいけど、ミルクは飲むしどうしようと困っている方に朗報です。
お皿やシリンジ(*1)にミルクを入れてあげましょう。
シリンジは注射器のような形をしていて、哺乳瓶でミルクが飲めない子やお薬を飲ませる時に使うことが多いです。
もちろん針はないので安心して使えますよ。
シリンジに苦手意識のある子猫には、お皿に出したミルクを飲めるようになるのが安全でおすすめですよ。
授乳期の子猫は、体温調整はできません。
保温管理をしっかりして、子猫を見守っていきたいですね。
◆授乳期の大切なケア(生後3週ぐらいまで)
授乳期の子猫は体温を自分で調整することができません。低体温にならないよう24時間温めることが必要です。
出典:てのひら子猫の育て方
ステップ2:ミルクから離乳食へ(生後3・4週~)
段々と動きが活発になってくる頃ですね。
乳歯が生えてきていることが確認出来たら、離乳食を始めましょう。この時期はミルクも一緒にあげてくださいね。
健康で丈夫な体を手に入れるためには、この大事な時期にしっかり栄養を摂ることが大切です。
離乳食の種類や与え方は、後程詳しく紹介していきます。
ステップ3:ミルクの卒業・キャットフードへ(生後6週~)
しっかりと離乳食を食べられるようになり、順調に体重も増えていてミルクの量が減ってきていればミルクを卒業させましょう。
生後2ヵ月頃というのは、子猫にとって乳歯がきれいに整う時期でもあるので、子猫用のキャットフードと水をあげることができます。
キャットフードに移行する際にも、乳歯のチェックが重要。
始めのうちは離乳食とキャットフードを混ぜます。少しずつ離乳食の割合を減らしていくのが切り替えの秘訣ですよ。
キャットフードへ移行する時に注意することや回数などを知りたい方は、こちらの記事も読んでみてくださいね。
関連記事:子猫はドライフードをいつから食べられる?【与えて良い時期と方法】
- ステップ1:離乳の準備開始(生後2週~)
- ステップ2:ミルクから離乳食へ(生後3~4週)
- ステップ3:ミルクの卒業・キャットフードへ(生後6週~)
出典:てのひら子猫の育て方
子猫の離乳食【種類と与え方】
離乳食と言っても、1日目と離乳完了間近では内容はずいぶん違います。
ミルクしか口にしたことがなかった子猫が、カリカリのキャットフードを食べられるようになるまで、しっかりサポートしてあげましょう。
離乳食の種類
市販されている子猫用離乳食の他にも、ドライフードをふやかして離乳食としてあげることもできます。
【離乳食初期におすすめ】
- 粉末タイプ
- 缶詰タイプ
【離乳食後期におすすめ】
- 子猫用ウェットフード
- 子猫用キャットフードをお湯やミルクでふやかしたもの
いずれもパッケージに総合栄養食と記載されているものを選びましょう。
※総合栄養食とは、他に水があれば必要な栄養をまかなうことができるフードのことです。
粉末タイプ・缶詰タイプ
子猫の場合も同様に、ペースト状のものからスタートします。
粉末タイプは水を入れてペースト状にするもの。缶詰タイプはすでにムースやペーストになっているものです。
粉末タイプは固さや量の調節がしやすいので、初めの一歩には大変便利です。
缶詰のタイプは開ければすぐに食べさせられるというのが魅力。子猫を待たせなくて良いのも嬉しいですね。
開封後は冷蔵庫で保存し、2~3日以内に使い切るようにしましょう。
子猫用ウェットフード
ほぐした肉や魚が、ゼリー仕立てになっているのがウェットフードです。
子猫用は特にやわらかくなっていますが、離乳食を始めたばかりの子猫にはさらに細かくつぶしてからあげるようにしましょう。
原則として、開封したら食べきる必要があります。
ふやかした子猫用キャットフード
キャットフードを、お湯やミルクでふやかして与えます。
子猫は生後6ヵ月までに一生分の骨格が出来上がるため、子猫用フードは非常に栄養価やカロリーが高いものが多いです。
大切な子猫には元気に大きくなってもらいたいですよね。
正しいキャットフードのふやかし方はこちらの記事にまとめてありますので、参考にしてくださいね。
関連記事:【猫の餌をふやかす方法】正しいふやかし方を知らないと危険!!
離乳食をあげる方法
無理に食べさせるのではなく、子猫に興味を持ってもらうことを優先させるのがポイントです。
飼い主さんの指に離乳食を少しだけとり、子猫の鼻の前に持っていきます。ぺろっと舐めてくれれば成功です。
少量を上あごに塗ってみると、味に興味を示してくれるはずですよ。
離乳食の回数
はじめは1日2回程度舐めさせるだけにして、慣れてきたら3~4回与えます。
消化器官がまだ未発達の子猫は、一度にたくさん食べると下痢をしてしまう場合があるんです。
食べている離乳食のパッケージに記載されている1日の量を分けて、様子を見ながら少しずつ食べさせてあげてくださいね。
離乳食から栄養を摂ることができているかを確認するためにも、体重をこまめに測ってあげると良いですね。
離乳食を食べない時は?
離乳食を食べてくれない時の対処法をご紹介しますね。
①怖がって食べない時
大好きなミルクを少しかけてあげたり、人の手に少量を取って食べさせましょう。
②味や硬さが好みじゃない
違う味のものにしたり、ふやかすお湯の量を調節してみてください。
③体調が悪い時
「猫風邪」をひいていて、離乳食の匂いが分からなくなっている可能性があります。
離乳食もミルクも口にしなくなった時は迷わず、獣医さんに相談してくださいね。
食事については個体差が大きいもの。
いつまでも食べてくれないと心配になってしまいますが、愛猫ちゃんのペースで進めていければ大丈夫。
万が一、痩せてしまったり元気がない時には栄養不足の心配がありますので、動物病院で相談してみてくださいね。
~離乳食の種類~
- 粉末・缶詰タイプ
- ウェットフード
- ふやかした子猫用キャットフード
~離乳食の回数~
1日2回程舐めさせることから始め、1日3~4回を目安に。
~食べない時~
- 食べさせ方や内容を工夫する
- 体調が悪いようであれば病院を受診する
まとめ
子猫にミルクをいつまであげるのかという事について悩んでいる時は、生後2ヵ月を目標にミルクの卒業を頑張ってみてくださいね。
ミルクの卒業までにはステップがあります。
- ステップ1:離乳の準備開始(生後2週~)
- ステップ2:ミルクから離乳食へ(生後3・4週~)
- ステップ3:ミルクの卒業・キャットフードへ(生後6週~)
いつまでも卒業できない子もいるので、様子を見ながら月齢に合った離乳食、キャットフード、ミルクをあげましょう。
ステップ通りに進めて飲む量を減らしていけば、離乳しやすくなりますので試してみてくださいね。
しっかりと健康管理をしてあげれば、子猫との幸せな時間は増えていきますよ。