猫ちゃん大好きの皆さん、猫ちゃんを飼われている皆さんにお聞きしたいことがあります。
ドライフードがウェットフードよりも体に悪いからウェットフードをメインであげましょう、と言いたいわけではありません。
ドライフードでもウェットフードでも猫ちゃんにあげるのはどちらでも大丈夫です。しかし、あげる量とバランスをしっかり考えて食べさせてあげないと、猫ちゃんの体にとって大きな負担になるかもしれません。
さらに言うと、そのことを知らないで何も考えずに与え続けていると重大な病気の原因になるかもしれないですよ。ということを声を大にして皆様にお伝えをしたい。
今回はウェットフードとドライフードはどちらをあげた方がいいのかをメインテーマに「両方のメリットとデメリット」「キャットフードの適切な量と与え方」「間違えたキャットフードの与え方による病気の症状・対処法」についてのお話をしていきたいと思います。
盛りだくさんではありますが、飼い主さんが悲しい思いをしないために可愛い愛猫ちゃんに健康でいてもらうために頑張って解説をしていきますね。
キャットフードにもいろいろな種類がある
ペットショップやホームセンターに行くと猫のご飯にもかなりの種類があるのがわかると思います。
缶詰類や手のひらサイズの袋にい入っているウェットフード、カリカリサクサクしてしているドライフード、さらにはおやつなど。
猫を飼い始めて間もない時や大きくなっていくにつれて、何を食べさせてあげるのが猫にとってベストなのかと、悩まれる飼い主さんも多いのではないでしょうか。
猫を育てていく上で食事の内容や量、食習慣はとても重要な項目になりますので一つ一つ確認をしていきましょう。
ドライフードとは
ドライフードはウェットフードに比べて安い価格で購入ができて、もともと乾燥をしているため、開封後でも長く日持ちがしますし、保存もしやすいということから飼い主さんからの人気は一番高いと思われます。
またウエットフードに比べ噛み応えがあるので、丈夫な歯や歯茎を保つことに大きな役割を果たします。
しかし、わたしも以前飼っていた愛猫「しゅり」にはドライフードだけをあげていたのですが、実は猫の体にとって大きな危険を伴う可能性があるんです。
ドライフードに潜む危険性
猫がとてもかかりやすい病気の一つに尿結石症という病気があります。
尿結石症は膀胱・尿路に尿中の成分が結石化して、それらが溜まっていくことで障害を引き起こすとても恐い病気です。主に以下のような症状が挙げられます。
- トイレに行く回数が増える
- トイレに座り込んで動かなくなる
- 尿が少しずつしか出ない
- 度々、尿に血が混ざって出てくる
- 尿を出している時に痛がっている様子
- 尿が濁っている
- 尿がいつもより強くにおう
等々、症状は多岐にわたります。
これらの理由により病院に行かれる方も多いです。猫の死亡原因で一番多い病気の種類に充てられます。
どうして尿結石症は起きるのか
尿結石症の理由として考えられる大きな要因は猫の水分不足になります。
ウェットフードに含まれている水分の量が75%~80%に対して、ドライフードに含まれている水分の量は10%未満になります。
そのため、ドライフードだけを与えていると脱水症状を起こしやすく結石になりやすい状況を作ってしまうんです。
【メリット】
- 日持ちし、保存もしやすい
- ウエットフードに比べ安価
- 噛み応えがあり、丈夫な歯と歯茎を保てる
【デメリット】
- 脱水状態に陥りやすい
続いてはウェットフードについて解説をしていきますね。
ウェットフードとは
ウェットフードとは缶詰や手のひらサイズの保存袋に密閉されて売られているキャットフードです。皆さんもイメージはつきますよね。ドライフードより水分量が10倍以上も多く水分補給にはもってこいのフードです。
種類も豊富でお腹に優しく消化にも良し。猫にとってはドライフードよりも噛み心地が良くて好んで喜んで食べてくれるキャットフードになります。
缶詰の蓋を開けずに冷蔵庫などに入れておけば長期保存も可能です。
さらにメリットをあげると、ほとんどの場合保存料が使われていません。着色料が使われる事も低いです。
これらの添加物は健康面での安全性は認められていますが、わたしは本当に大丈夫だろうかと気にしちゃいます。なのでそれらが使われていないというのは安心材料になります。
例外もあり保存料が入っているのもたまに見かけますので気になる方は、パッケージの確認をしてみてください。
さらに、さらに、猫の主なエネルギー源は動物性たんぱくなので、肉や魚などの栄養が豊富に含まれている栄養バランスがとてもいい理想フードとされています。
ウェットフードのデメリット
ウェットフードにはデメリットがないように思われますが、もちろんそんなことはありません。
ウェットフードはドライフードに比べると結構、お値段が高くなります。家計を預かるわたしとしてはどのくらいの割合であげようかという部分にちょっとだけ悩まされます。
さらに、内容量の少なさが挙げられます。一日に必要になる摂取カロリー分を賄うとこれが結構な量になり、このご時世には痛い出費にもなります。
猫ちゃんの気持ちからしてみれば
って思うんでしょうけどね。
開封後の保存がきかないというのもデメリットの一つです。ウェットフードは一度開封をしてしまうととても速いスピードで劣化が進みます。あっという間に匂いや味が落ちて、猫の中には食べなくなる子も出てきます。
酸化については以前こちらでお話ししているので、ぜひチェックしてみてください。
開封をしたらできる限り一日以内で使い切ってあげるのがいいでしょう。
噛む力が衰える
ウェットフードだけをあげていると、とても柔らかい触感のため顎の力や歯の力、噛む力が衰えていきます。その為、固く歯ごたえのあるドライフードを食べなくなってしまうことがあります。
高齢になってきても、しっかり噛んで食べられるようにドライフードもあげましょう。
歯石になりやすい
歯の隙間に食べかすが残りやすいです。そのまま放置をしていると歯垢になり、やがて歯石になってしまいます。歯周病の原因にもなりますので、日頃から念入りに歯磨きでケアしてあげる必要があります。
歯磨きでのケア方法についても以前紹介してますので、こちらもぜひ読んでみてくださいね。
【メリット】
- 水分を補える
- 消化に良く、食感を好む猫も多い
- 保存料・着色料不使用の商品が多い
【デメリット】
- ドライフードに比べ高価
- 噛む力が衰えやすい
- 歯石を形成しやすい
以上が、ドライフードとウェットフードのメリットとデメリットになります。
病気にならないためのご飯のあげ方
皆さま大変長らくお待たせを致しました。待ちくたびれたよ、という方もいらっしゃるのではないでしょうか。申し訳ございません。
いよいよここからは猫の食事コントロールによる病気にならない為の予防策について解説をしていきたいと思います。
一日コップ一杯の水分摂取
猫はドライフードばかりをあげていると体の水分が奪われ脱水症状や泌尿器関連の病気を引き起こす原因になります。これを未然に防ぐ為に知っておいていいただきたいことがあります。
できる限りコップ一杯分の水分を取らせてあげる意識を持つことです。
猫は水分補給が苦手
猫は一般的に水分補給が苦手とされています。そこで登場するのがウェットフードです。
飼い主さんの中には「ドライフードとは別に水を与えてあげれば、別にウェットフードをあげる必要はないんじゃない。」と疑問に思う方も多いのではないでしょうか。
皆さん、ドライフードとウェットフードの含まれている水分量を覚えていますか。
ドライフードの水分量は7%~10%、ウェットフードは75%~80%です。
なので単純計算でドライフード̟と水より、ウェットフードと水のほうが水分をとれる量が多いということです。
ウェットフードは尿結石を予防する
ここまでの話で、猫には水分をたっぷりとってあげることが大切なんだよ。ということは理解をしていただけたと思います。
ただ猫の厄介なところは、体内での水分の再利用機能がとても優れているために喉が渇きにくいという性質にあります。水をあまり飲まない猫に対して、ウェットフードは水分補給の役目も果たしてくれるんです。
なのでドライフードもあげながら、しっかりと水分の多く含んだご飯をバランスよく食べさせてあげることで、尿結石などの病気を予防する効果を高めることができます。
総合栄養食を食べさせることを心掛ける
総合栄養食とは、用意したキャットフードと水分だけで十分に栄養が取れるフードのことを言います。ドライでもウェットでも記載がされているので既に購入しているキャットフードのパッケージを確認してみるのもいいかもしれません。
パッケージを確認していくと総合栄養食の他に一般食と記載がされているものもあります。
一般食はそれだけでは十分な栄養が取れないものを指します。一般食もあげるのでしたら、その分のカロリーを総合栄養食から抜いてあげる必要があります。
一日の食事回数と一回分の量はどれくらいがベストなの
元々、猫は自分で狩りをしてご飯を食べていました。その狩りで得た獲物を細かく数回に分けて食べていたそうです。
そのため猫は、複数回に分けて食べる習性があります。
理想を言えば必要な摂取量を4回~5回くらいに分けてあげるのがいいとされていますが、現代の社会においてそのやり方は家政婦でも雇わない限り不可能に近いと思われます。
専業主婦の方で外出をしている時間よりも家にいる時間のほうが長いという方は可能かもしれませんが、ほとんどの方にとっては難しいですよね。わたしでも中々できかねます。
そんな方は1日2食、朝と夜に食べさせてあげるのがいいですよ。仮に1食しかあげなかった場合、猫はお腹が空き過ぎて、急いで慌てて食べようとします。そうなると食後に戻す恐れがあります。
2回に分けた場合でもあまりにも食事の間隔があき過ぎると、体が脂肪を溜め込んで肥満の原因になることもあるので気を付けてあげて下さい。
猫の食事量
猫にあげる食事の適切な量は体格や体重、運動量によって変わってきます。
一般的に1日に必要になるエネルギー量は成猫の場合だと体重が1キログラムに対して、約64キロカロリーとされています。
また、一切外には出さずに家の中だけで生活をしている猫や寝てばかりいて運動不足気味の猫は、もう少しカロリーを抑えてあげてもいいかもしれません。
お店で販売をされているキャットフードにはパッケージに給与量というのが表示されています。その書かれている量を守り、健康状態を維持できるように努めてあげましょう。
ウェットフードはどのくらいの間隔であげればいいの
ドライフードとウェットフードのメリットとデメリットをお伝えしましたが、実際にはどのように与えればいいのか悩みますよね。
メインにあげるフードは保存がしやすくて家計にも優しいドライフードにして、水分を補うために週に2回~3回程度ウェットフードをあげることがオススメです。
両方のフードをあげることで、ドライフードのデメリットである水分不足とウェットフードのデメリットである噛む力の衰えや歯石の形成を防ぐことができます。
あまり水分が取れていないようでしたらウェットフードをあげる回数を増やして調整をしてあげましょう。
現在ではドライフードとウェットフードを混ぜて食べさせる健康方法もあり、この方法をミックスフィーティングと呼ぶそうです。
まとめ
猫ちゃんの体はとても繊細なのでご飯のあげ方一つとっても、注意点は相当多いなぁと思われたかもしれません。わたしもこの記事に書いてあることを全部やろうとするのは難しいです。しか~し、一緒に暮らしている猫ちゃんのことを守ってあげるのは、わたしたちにかかっています。
今回ご紹介した内容をおさらいしてみますね。
【メリット】
- 日持ちし、保存もしやすい
- ウエットフードに比べ安価
- 噛み応えがあり、丈夫な歯と歯茎を保てる
【デメリット】
- 脱水状態に陥りやすい
【メリット】
- 水分を補える
- 消化に良く、食感を好む猫も多い
- 保存料・着色料不使用の商品が多い
【デメリット】
- ドライフードに比べ高価
- 噛む力が衰えやすい
- 歯石を形成しやすい
脱水状態が続くと、尿路結石という怖い病気になってしまう可能性もあるので、猫ちゃんがどれくらい水分を摂取しているか気にかけてあげたいですね。
そうならないためにも、ドライフードとウエットフードをどのように与えたらいいか、オススメな方法もご紹介しました。
メインにあげるフードは保存がしやすくて家計にも優しいドライフードにして、水分を補うために週に2回~3回程度ウェットフードをあげる。
両方のフードをあげることで、ドライフードのデメリットである水分不足とウェットフードのデメリットである噛む力の衰えや歯石の形成を防ぐことがでる。
少しずつできることからで構いませんので、猫ちゃんとの暮らしが生涯、幸せなことでありますように正しい食事の与え方を心掛けましょう。