ペットショップや保健所などで「この子カワイイ~」と一目ぼれしたり、雨の中段ボールに入って寂しそうに鳴いていたのを拾ったりなど、人によって子猫との出会いは様々ですよね。
お気に入りの子に出会って家族としてお迎えしたのに、近づくと「シャーッ」と威嚇されたり、子猫が抱っこさせてくれないという経験はありませんか。
お迎えした子猫があなたや家族に対して攻撃的だと、手放す事も考えてしまうかもしれません。
でも、運命的な出会いをしたんだからそんなことはしたくないはずです。
なつかないからと言って、手放す事を考える前に子猫にとってダメなことはしていないか、何がダメなのかをしっかり知っておくのも大切ではないでしょうか。
かわいい子猫をお迎えしたら、やっぱりたくさん遊んであげたい。そして出来れば家族全員に対して、なついてくれるのが理想ですよね。
子猫とあなたの家族がハッピーな時間を過ごせるように、子猫がなついてくれない原因や子猫を安心させる方法をご紹介していきますね。
子猫がなつかない!?原因は何?
家族としてお迎えしたのに、いつも遠くからこちらの様子をうかがっている子猫。何でなついてくれないんだろう。そんな経験をした方もいらっしゃいますよね。
子猫は環境の変化にとても敏感です。住むところが変わって、警戒するのは子猫にとって普通のこと。
でも環境の変化には時間と共に慣れてくるものなので、1ヵ月ほど経ってもなつかなければ環境の変化の他に原因があるはずです。
それでは子猫がなついてくれない原因を見ていきましょう。
苦手な音や音域が聞こえる
子猫はとっても耳が敏感なんですよ。
「耳が敏感と言うと犬の方が有名でしょ」と思う方もいらっしゃいますよね。犬はわたしたち人間が聞き取れない音(犬笛など)を聞くことが出来ます。
でも実は犬以上に猫の方が耳は敏感なんですよ。
犬以上に音に敏感なので、大きな声を出したりすると「うるさいなぁ」と思わせてしまうんです。
そして、男の人のように低い声で話しかけられるのも怖がらせてしまうのでダメなんですよ。
猫ってケンカする時に低い声で唸りますよね。だから、低い声を聞くと「威嚇されてる」と思ってしまうんです。
猫なで声って、赤ちゃんに話しかける時と似ていると思いませんか。
赤ちゃんに話しかける時に大きい声を出す人はいませんよね。そして、声が低い男の人でも高い声を使います。
赤ちゃんと同じように優しく話しかけると、子猫を安心させることが出来ますよ。
動きが大雑把で落ち着きがない
「猫は子供が嫌い」というのを聞いたことはありませんか。
「ゆね」のように子供が好きな猫もいますが、子供を嫌う猫にはちゃんと理由がありました。それは子供特有の行動が猫を警戒させていたんです。
- 大声を出す
- 急に動き出す
- バタバタと動き回る
この3つのことをやりがちな子供って「敵」と思われてしまうんです。子供だけでなく、わたしたちが同じことをやっても嫌われてしまいます。
一緒に遊びたいから追いかけまわしたり、無理に抱っこをしたりすると「嫌なことをするから怖い」と思わせてしまうんです。
猫と仲良くしている子供は自宅で飼っていたりして、猫との距離感が分かっているんです。
子猫に接する時は急に動き出さず、いつもよりもゆっくりと行動するように心がけましょう。
匂いが苦手
子猫は鼻も敏感なので、不快な匂いなどがすると近寄って来ません。わたしたちも不快な匂いがする人には近付きませんよね。
子猫にとって不快に感じる匂いをまとめて見ましたので、参考にしてくださいね。
- レモンやミカンなどの柑橘系
- 香水
- 匂いの強い柔軟剤
- タバコ
- アロマやハーブ(中毒症状になるものもある)
- シップなどのハッカ系
- コーヒー
- 男性の汗
上記で紹介したものの中で、アロマやハーブの中には子猫を命の危機にさらしてしまう物もあるので、注意しましょう。
子猫だけでなくわたしたちにとっても、不快に感じるものもありますね。子猫と仲良くしたい時は、猫にとって嫌な匂いがしないか確かめてから近づくようにしましょう。
距離が近い
人には他人に近づかれると不快に思ってしまう距離「パーソナルスペース」というのがありますね。このパーソナルスペースは実は猫にも存在するんですよ。
このパーソナルスペースの距離が短ければ短いほど、猫との信頼関係は深いものになります。
わたしだって心を許している人なら近付かれても平気ですが、知らない人に近づかれるのは嫌なものがあります。きっと近付かれた分、距離を取ってしまうでしょう。
子猫だって同じなのです。あなたが近づいた時に距離を取るようでしたら、それはまだあなたに心を許していません。
子猫に近づきたいならば、まずはこのパーソナルスペースの距離を縮めていきましょう。
目を見すぎる
可愛すぎるあまりジーっと見ていませんか。まだなついていない時に目をジーっと見ていると子猫は「ケンカを売られている」と思ってしまいます。
わたしたち人間や犬などは目を見てお話する方が仲良くなれますが、子猫たちにとって目が合うと言うのはケンカの始まりの合図みたいなものです。
子猫と目が合った時に黒目の部分(瞳孔)が大きくなったりしたら、ゆっくりと瞬きを繰り返しながら視線をそらすようにしてくださいね。
なつきにくい子猫のタイプを紹介
匂いや音など嫌がることはしていないのに、なぜかなついてくれない。それは、簡単にはなつかないタイプと言う場合もあるんですよ。
もしかしたら、子猫の性格がなつかないタイプなのかもしれません。
どんなタイプの子がいるのか見てみましょう。
メスよりもオスの方がなつきやすい
飼い猫の場合、オスの方が人に甘えやすくなります。特に去勢などを行った後は、性格自体が温厚になり、ベッタリと甘えん坊になる傾向があります。
でもメスの場合は一定の距離を保つ子が多いそうです。
わたしたち人間も小さい頃は男の子の方がお母さんにベッタリと甘えん坊だったりしますよね。
保護猫だった
保護猫は飼い主さんが手放してしまったために、保健所などで保護している猫のことです。生まれた時から体の一部が不自由だったり、事故で傷を負った猫がいたりします。
中には、人にいじめられていたと言う猫もいるんです。このタイプは心に深い傷を負っており、中々心を開いてくれません。
ペットショップなどからお迎えした場合よりも、なつくまでには時間がかかるのは仕方のないこと。
お迎えしたのが保護猫だったら、心を開いてくれるのを根気強く待ちながらお世話してあげましょう。
気が向いた時だけ構って欲しいタイプ
猫ってマイペースですよね。人と一緒で自分だけの空間を好む子猫もいます。
そういう子は自分が構って欲しいときにだけ触らせてくれるけど、後はすぐにどこかに行ってしまいますよね。
基本はマイペースですが、甘えてくる時には存分に構ってあげてくださいね。その機会を逃すと、次にいつ甘えてくれるかは子猫の気分次第ですから。
子猫がなついていない時のサイン
「子猫が今どんな気持ちか簡単に知ることは出来ないのかしら」
最近、子猫を飼い始めた友人からこんな相談をされました。
- 耳
- ヒゲ
- しっぽ
それでは、どのような状態の時になついていないのか。1つずつ見ていきましょう。
耳
気持ちを理解しやすいのは耳です。猫の耳は筋肉が発達しているので、前に向いたり、後ろに向いたりとかなり広範囲に動かすことが出来ます。
耳が後ろ外向きにピンと張り先端が上を向いた形のことを「イカ耳」と言い、この形の時は「こっちに来ないで」と警戒していたり、狩りなどに集中するのに情報を集めている時です。
子猫がイカ耳になっている時は、あまりご機嫌がよくない時なので出来るだけそっとしておいてあげましょう。
ひげ
ひげが前を向いていたり、下に向いていたり色んな方向に向いているということはありませんか。
子猫のひげが顔側にそっている時は要注意です。この時は苦手なものが近くにあったりして、自分を守ろうとしているのです。
猫は日中、明るい所ではわたしたちよりも視力が弱いので、ひげを使って周りの状況を確かめています。
ひげは情報収集をする上でとても重要な役割をしているので、切ったり抜いたりしないでくださいね。
しっぽ
耳やひげを見ると目が合って威嚇されちゃう。と心配な方は、しっぽをみてみましょう。
- 膨らんでいる
- バタバタと動かしている
- 隠している
- 山を描くようにしっぽを振っている時
- 先端だけ動かす
注意しなければならないしっぽの状態がこんなにあるんです。それでは細かく見ていきますね。
膨らんでいる
全身の毛を逆立てている時に、しっぽが膨らんで極太になっているのを見たことはありませんか。
全身の毛を逆立てている時って「こっちに来ないで」と威嚇していたり、自分の方が強いと示すために体を大きく見せようとしている時なんです。
こんな時に近づいたりすると、子猫に危険と思わせてしまい、攻撃されてしまうでしょう。
バタバタと動かしている
これはイライラしている時です。わたしたちもイライラしている時に指や足などを小刻みに動かしたりしますよね。
こんな時はイライラが治まるまで待ちましょう。
隠している
隠れる時ってどんな時ですか。怖いと思った時、気づかれたくない時などですよね。
しっぽを後ろ足の間に隠す時はわたしたちと同じ理由で、出来るだけ体を小さくしようとしっぽを隠すのです。
この他にも自分の方が弱いと負けを認めた時などにもしっぽを隠すそうです。このような時は子猫を見ないようにしてあげましょう。
山を描くようにしっぽを振っている時
これはケンカが始まる1秒前という感じで、相手に飛び掛かる直前に見られます。猫同士の縄張り争いなどで見たことがある人もいるのではないでしょうか。
こんな時は、関わらないのが一番でしょう。
先端だけ動かす
遊び始めようとしている時によく見られますね。「行ってもいいのかな。行かない方がいいのかな」など葛藤しているのです。
これは何か考え事をしている時や神経をグッと集中させている時なので、邪魔はしないほうがいいでしょう。
子猫を安心させる方法とは?
子猫になついてもらうためには、守ってあげないといけないルールがあるんですよ。そのルールを少しずつ、根気強く続けることが大切だということが分かりました。
関り過ぎないこと
運命的な出会いをして、家族として迎え入れたんだから仲良くしたいと思うあまり、子猫を構いすぎるのはよくありません。
特に睡眠はとっても大切なものです。寝ている時には寝姿がかわいくても触ったり、起こしたりしないようにしましょう。
子猫の警戒心を解くためには「君には何もしないから安心してね」と思わせるために、関り過ぎない方がいいでしょう。
お世話は家族で分担
子猫も今までとは生活環境が違ってストレスを抱えているはずですから、お世話は最低限にしましょう。その時に家族で分担するのがいいですね。
一人でお世話してしまうと、その人にしかなつかなくなり家族とは距離を取ってしまうかもしれませんからね。
おやつやエサを人の手からあげてみる
ちょっとハードルは高いかもしれませんが、おやつやエサを手から与えてみましょう。
手から与えることで人の顔や匂いを覚えます。大好きなおやつやエサをくれる優しい人だと思うようになれば、警戒心も解けるでしょう。
手から食べてくれるのが嬉しいからと言って、おやつの与え過ぎには注意してくださいね。
触るなら短時間で鼻の先から!
少しでも触れたいのならおやつを与えているときが狙い目です。おやつに夢中になっている時に反対の手で、鼻の先を触るところから始めて行きましょう。
鼻の先から触るというのは、猫のあいさつ「鼻チュー」を真似るものになります。鼻チューはコミュニケーションを取るためのもので、気を許した者同士でしか行いません。
子猫が鼻チューしてくる場合は「信頼」の証といえるでしょう。
鼻の先を触られることに慣れてきたら、他の所も触ってみてくださいね。
- 額
- あご下
- ひげの付け根
ここで注意してもらいたいのが触りすぎると攻撃されることがあるということ。これを愛撫誘発性攻撃行動(あいぶゆうはつせいこうげきこうどう)と言います。
子猫がなついた時のサイン
初めて飼う場合など、どういう行動をしたらなついてることになるのかご存じですか。甘えた時の声以外のサインをまとめてみました。
- しっぽをピンと立てている
- 目が合った時に瞬きをする
- 前足をたたんで座る
- 前足でタオルや布などを揉んでいる
しっぽをピンと立てている
しっぽを立てながら近付いてきたら、あなたになついています。そのうち高い声で鳴いたり、ゴロニャンとお腹を見せてくれることもあるでしょう。
目が合った時に瞬きをする
目が合ってしまった時に目を細めていれば、くつろいでいる証拠です。そして、ゆっくりと瞬きをすればあなたのことを信頼しているでしょう。
前足をたたんで座る
前足をたたんで座ると何かあった時にすぐに動くことは出来ません。このような座り方をしている時は、襲われる心配はないと安心しています。
前足でタオルや布などを揉んでいる
これは母猫からミルクを貰う時にするポーズと一緒ですね。
甘えたい時にタオルや柔らかい布などをモミモミすることが多いので、見かけたら存分に甘えさせてあげましょう。
こんな場合はどうする?
子猫をお迎えする時って初めての場合だけじゃありませんよね。
2匹目以降にお迎えする時の接し方や、今までなついてたのに急になつかなくなった場合などについて解説いしていきます。
先住猫がいる場合
既に飼ってる猫が寂しくないようにと新しい子猫を迎える時もありますよね。既に飼っている猫ばっかり構っていると、新しく来た子は遠慮してしまいます。
猫同士が仲良くするためにも、わたしたちがやってあげなければいけないことがあるんですよ。
次に紹介するステップを順番に行えば、猫同士も仲良くやっていけるでしょう。
- 部屋を別々にする
- ドアを挟んで食事をさせる
- 匂いの交換をする(ベッドやおもちゃなど)
- 部屋を交換する
- 相手を見せる(ケージ越しに)
ここで絶対にやってはいけないことは、いきなり猫同士を会わせるということです。
紹介したステップを踏んで、徐々に猫同士の距離を近づけていきましょう。
新しい子猫を迎えた時に、先住猫はどんな気持ちなのかも調べてみました。
今までなついていた子猫が急になつかなくなった!?
今までなついていたのに急になつかなくなった。それは病気のサインかもしれないです。
きっと甘えたいけど、甘えられるほどの体力がないのではないでしょうか。
他にも身をかがめるような姿勢で長時間過ごしている時は、身体の不調や痛みを隠していることがあります。
子猫の様子がいつもと違う。明らかに体調が良くないようでしたら、早めに動物病院で診て貰って下さいね。
まとめ
子猫がなつかない原因をご紹介しました。
- 苦手な音や音域が聞こえる
- 動きが大雑把で落ち着きがない
- 匂いが苦手
- 距離が近い
- 目を見すぎる
上記の原因以外で、なつかないのはタイプによるものとも解説しました。
- メスよりもオスの方がなつきやすい
- 保護猫だった
- 気が向いた時だけ構って欲しいタイプ
そして、子猫を安心させるための方法をご紹介しました。
- 関り過ぎないこと
- お世話は家族で分担
- おやつやエサを人の手からあげてみる
- 触るなら短時間で鼻の先から
子猫になつかれない原因を知ることで、知らないうちに嫌がることをしていたという事はなくなりますよね。
そして安心させるための方法を知ることで、子猫との信頼関係も深まるはずです。
なつくまでに時間がかかる子猫もいるので、焦らずに様子を見ながらマイペースに距離を縮めていきましょう。