猫を飼っていると必ずしも悩まされる「抜け毛」。
お気に入り服を着て出かけようとしたら抜け毛だらけになっていたり、掃除したばかりのお部屋に抜け毛が散乱してしまっている事ありませんか。
また、ブラッシングをした直後に猫の体から毛が舞ってしまったり。
きりのない猫の抜け毛、諦めていませんか。
もちろん猫は「換毛期」が来る事で季節によって毛が生え変わるのですが、室内飼いの猫には換毛期が来ない事もあるのはご存じですか。
あなたの猫の抜け毛は本当に季節による抜け毛ですか。
実は猫は病気や感染症、またストレスによって毛が大量に抜けてしまう事もあるんですよ。
感染症などのは猫だけではなく猫から人間にうつる事もあります。
猫の抜け毛の仕組みをしっかり理解し、日ごろから対策をしてあげる事で猫を病気から守る事が出来ます。
猫の毛はすべて同じではない
そもそも抜け毛の前に猫の毛の重要な役割をご存じですか。
毛は大きく分けて二層構造に分けられます。
- オーバーコート(上毛)
- アンダーコート(下毛)
猫の体の外側から見えている毛。
太く、長い、硬い毛のため真っ直ぐなのが特徴。
紫外線から皮膚を守り、水もはじく。
オーバーコートの下に生えている毛の事。
短く柔らかいのが特徴で被毛ふっくら見せる事や体温の保温の効果もある。
野生界を生き抜くための毛の役割
- ボディーガード
- 防水
- 温度調節
①ボディーガード
毛がある事で外部からの攻撃と言った、他の動物や猫からの爪や牙での攻撃に対して毛がクッションとなり皮膚への直接ダメージを抑えられる。
②防水
皮脂腺から分泌される皮脂によ水分の蒸散を防ぎ、細菌感染から皮膚を守る。
③温度調節
猫は季節によって毛の生え変えを行う事によって、適した環境で生きやすくしているのです。
冬になると猫がこたつから出て来なくなるのですが、いつも「そのモフモフ毛は何のためにあるんだ」とツッコミたくなります。
猫の毛はどれくらいで伸びるの?
猫の毛の成長サイクルは大体60日から90日くらいで、毛の伸びる速さは1週間で大体2ミリくらいと言われています。
人間は一つの毛穴に対して毛は一本ですが、猫は一つの毛穴に大体7本ほど生えています。
わたしも自分のドライヤー後あとに床にたくさん毛が落ちますが、1つの毛穴に7本も生えてる猫は大変ですよね。
猫の換毛期って具体的にいつ?
猫は年に2回「換毛期」という、全身の毛が入れ替わる時期があります。
換毛期は大体、夏前と冬前に訪れ一番抜け毛が目立ちます。
猫の毛は春夏秋冬で特徴が変わる
夏の換毛期(一般的には3月くらい)では、毛質が少し硬めになり毛の密度が低めに変わります。
夏の暑い時期を快適に過ごすために通気性をよくするためです。
逆に冬の換毛期(一般的には11月くらい)では、ふわふわとした柔らかい毛が密集して生えてきます。
野生の猫は冬も夏も外で過ごさなければいけないため、体の毛を増やす事で少しでも生きやすいように変化しているのです。
冬場に増えた毛が、また季節が暖かくなる事で抜け始めるためすごい量の抜け毛になってしう仕組みが分かりましたね。
室内飼いの猫は一年中毛が抜ける!?
室内で飼われている猫で換毛期が来ないと言うことはあり得ます。
猫の換毛期は季節の変化に対応するために年に2回訪れますが、室内で飼われている猫の場合はエアコンなどで春夏秋冬気温に大きな差がないため、換毛期が来ない事もあります。
室内飼いの猫は季節に関係なく一年中、毛の生え替わりがあると思ってください。
抜け毛対策としてある事を習慣付けてみましょう。
猫の抜け毛対策!!
抜け毛対策に必要なある事とは『こまめなブラッシング』です。
こまめなブラッシングをする事で部屋中に落ちる毛を減らします。
特に冬場に多く生えるアンダーコートは短く毛が柔らかいためブラッシングで落としてあげた方がいいでしょう。
ブラッシングのために必要な事
- ブラシに慣れさせる
- 猫が触られて喜ぶ場所から
- 毛の流れに沿って
①ブラシに慣れさせる方法。
猫にブラシを近づけて、じゃれさせたり、かじらせてしてブラシへの警戒心を解く。
②猫が触られて喜ぶ場所から。
頭や背中など普段猫を撫でる時に触っている場所からブラッシングしてみましょう。
③毛の流れに沿って。
猫の毛の流れは、顔回りは顔の中心から外側へ、背中側は頭から尻尾にむっかて、お腹側は胸からお尻へとなっています。
毛の流れに沿ってブラッシングしてあげると血行もよくなります。
猫が嫌がりにくい首や頭の後ろからスタートしてみて、背中や腰、お腹とブラッシングできる範囲を広げてみてください。
まずは、愛猫が嫌がりにくい場所を探してみましょう。
おすすめブラッシンググッズ
手に直接つける事でなでる感覚でブラッシング出来る事で人気です。
初心者の方でもブラッシングが継続しやすくなります。
ブラッシングをしたら注意するべき事
ブラッシングする事で目では見にくいに細かい毛が部屋に散乱します。
ブラッシングした後は掃除機やコロコロなどを使って床やカーペットについてしまった毛を念入りに掃除してあげましょう。
ペットの毛が空気中を漂ってしまう事でアレルギーや呼吸器疾患を悪化させる恐れがあります。
それと、ブラッシングをしてあげる事で猫が毛球症になるのも防げます。
「毛球症」に気を付けて
猫は毛づくろいによって飲み込んだ毛を吐き出す習性がありますが、大量に毛を飲み込んでしまうと吐き出しきれなかった毛が絡みあって胃や腸にダメージを与えてしまいます。
そのことを毛球症と言います。
異常な抜け毛の原因とはずばり
換毛期にはたくさんの毛が抜けます。
しかし、その量が異常に増えてしまったり脱毛が見られる場合は、何か体に問題が起こっていると思った方がいいでしょう。
猫の抜け毛の問題は人間にも移る可能性があるので要注意です。
ブラッシング不足
ブラッシングの回数が減るとごっそり毛が落ちてしまいます。
換毛期以外でも週に3~4回を目安にブラッシングをしてあげましょう。
過度の毛づくろい
猫の舌はザラザラしているのが特徴的ですが、その舌が毛にダメージを与えてしまう事で毛が抜け落ちてしまうのです。
もし愛猫が同じ場所ばかり毛づくろいしている場合はその部分の毛が薄くなったり毛質が悪くなってしまいます。
過度な毛づくろいをしている場合はストレスを抱えているか、暇を持て余している可能性があるので生活環境を見直してあげましょう。
発症部位は主に腹部や太ももと言った口の届く範囲に限らています。
皮膚トラブルの皮膚糸状菌症
皮膚糸状菌症(ひふしじょうきんしょう)とは。
糸状菌といういわゆるカビの一種が皮膚に感染した事です。
抜け毛が主な症状で、真菌に感染すると感染箇所から脱毛が始まります。
しかし、気づきにくいため毛の塊が抜けてから円形に脱毛しているのをみてから気づきます。
こちらは猫から人間にも感染する事もあり、子猫や高齢猫、長毛種の猫に多く見られます。
アレルギーによる脱毛
食べ物に対してアレルギー反応を起こす食物アレルギーや日常生活に存在するハウスダストやダニに対してアレルギー反応を起こす事もあります。
かゆみが主な症状ですが、フケや脱毛また赤味などの症状が見られます。
寄生虫 疥癬(かいせん)の発生よって
疥癬とはヒゼンダニと言う小さなダニが皮膚に寄生し、かゆみ伴う皮膚の病気です。
そのため、猫の体がひっかき傷だらけになってしまい、ひっかいた箇所の毛が抜けてしまう場合もあります。
また強いかゆみに毛を噛みちぎってしまう猫もいるため、毛がまだらに抜けてしまいます。
疥癬は人間にも寄生するので注意が必要です。
ノミによる抜け毛
ノミは猫の毛の中に潜み、血を吸って生きる寄生虫です。
猫がノミに刺されると激しいかゆみにより精神的ストレスを受けてしまいます。
ノミは体の表面を移動しているためよく見ると動いているのが確認できます。
もちろん猫だけではなく人や他のペットにも寄生してしまいます。
こちらに記載させていただいたのはごく一部ですが、猫の毛に関する病気や感染症がこんなにもある事にびっくりしました。
寄生虫やノミなど日常生活では、気づきにくいものばかりです。
そのためには日頃からブラッシングをする事で少しでも早く猫の異変に気づいてあげられますね。
ブラッシングはこまめにするのは大変かもしれませんが猫ちゃんたちのコミュニケーションの一つとしてやってあげてみてください。
思いのほか気持ちよさそうしてくれますよ。
ブラッシングをしていると猫ちゃんのほうから「こっちもやって~」とお腹を向けてくれたりしますのその姿もまた愛おしいですよね。
まとめ
- 換毛期とは。
猫が年に2回、季節の変わり目に全身の毛が入れ替わる事です。
夏の換毛期には毛の密度が少なくなり、少し硬めの毛が生えてきます。
冬の換毛期にはふわふわとした柔らかい毛が密集して生えてきます。
- 抜け毛の対策で一番最適なのは『こまめなブラッシング』です。
換毛期はもちろんですが、換毛期以外は週に3~4回を目安にブラッシングをしてあげましょう。
こまめなブラッシングのメリット
- 部屋中に散乱する抜け毛の量を抑えられる
- 猫が毛球症になるのを防げる
- 猫の体の異常にすぐに気づけるようになる
猫とは言葉を交わせない分しっかり見てあげる事が大切です。
毛や皮膚のトラブルの場合気づくのが遅くなってしまうと猫だけではなく自分や他のペットなどにも感染してしまう事がある為注意しましょう。