先日動物病院で同じく猫を連れた方と話していると、
ブラッシングを嫌がる猫は多いですよね。しかもブラシって種類も豊富でよくわからないっていう方も多いはず。
毛の長い猫はちょっと放っておくだけで、絡んで毛玉になりやすいのが悩みですし、短い毛の猫も、四六時中抜け毛と格闘なんてこともありますよね。
猫は自分で毛づくろいをする動物ですが、この毛づくろい、実は猫の健康をおびやかす病気を引き起こす危険も。
うちの飼い猫スコティッシュフォールドの『ゆね』は長毛種よりの短毛で、やはりブラッシングは欠かせないんです。
わたしは今までの猫飼育歴30年の経験からさまざまなブラシを試してきました。猫友からも情報をもらったりしています。
おかげでゆねの毛はきれいな状態を保てていますし、ブラッシングの時間はリラックスタイムになっているんです。
今回はさまざまな種類のブラシを、実際の使用した感想も一緒にお伝えしていきたいとお思います。
猫にブラッシングをする目的
では、まずブラッシングをする目的について説明していきたいと思います。
- 猫の毛なみを整える
- 抜け毛を抜ける前に減らす
- ストレス解消
それぞれを見てみましょう。
1、猫の毛なみを整える
人もブラシを使うことで髪の毛を整えますよね。猫も一緒です。
ブラッシングすることで身だしなみを整えてあげるんですよ。ブラシを通すことで毛のもつれも解消され、きれいな毛並みになるんです。
2、抜け毛を抜ける前に減らす
ブラッシングすることで抜け毛を抜ける前、つまり事前にブラシでキャッチし、抜け毛を減らすことが出来ます。
冒頭でもお伝えしましたが、自分で毛づくろいをすると、口から抜け毛が体内に入ります。これが猫の健康に害をなすことがあるんですよ。
それが毛球症です。
毛球症とは・・・
口から入った毛は消化されず、そのままの形で残ります。これがウンチと一緒に排泄されず、体内に残ってしまった場合に、便秘や食欲不振、何度も吐こうとするなどの症状をきたした状態のこと。ひどい場合、腸に詰まってしまい腸閉塞(ちょうへいそく)の状態になることで死に至ってしまうこともある。
これはぜひとも回避したい事態ですよね。
床に落ちたり、服についたりする毛も減るので猫も人も助かる、ブラッシングの最大のメリットとも言えると思います。
3、ストレス解消
ブラッシングは飼い主と猫とのスキンシップの一つです。
信頼のおける飼い主からのブラッシングはまるで母猫からの毛づくろいのようで、猫にとってはご褒美タイムのようなもの。
でも、それならばと嫌がる猫へ無理強いは禁物ですよ。
じっくり、ゆっくりブラッシングに慣れさせて行きましょう。
ブラッシングの手順
みなさんはどのくらいの頻度でブラッシングを行っていますか。
- 長毛種・・1日1~2回
- 短毛種・・一週間に3~4回
ブラシは猫にとって得体の知れない物ですよね。そんなもので突然体をゴシゴシされたら誰でもビックリしてしまいます。
金属だったり、機械だったり、人工的なニオイがするものもありますしね。
なので、ブラシを持って今日こそはと意気込む前に、猫にも心の準備をしてもらいましょう。
- ブラシが安全な物と猫に知ってもらうことが大切です。噛んだり、じゃれさせたりしてブラシ自体に慣れてもらいましょう。
- 猫の触られて嬉しい部位からはじめましょう。
- 嫌がる様子があればすぐに止めること。(無理強いするとさせてくれなくなります。)
- 今日は背中、今日は頭、など部位を分けて少しずつ進めていきましょう。
- 短時間(数秒でもOK)からスタートさせる、出来たらナデナデしてあげましょう。
これで猫にブラシが安全な物とわかってもらえたら、次は体全体にブラッシングする手順についてです。
ブラッシングは猫がリラックスしている時に、さささ~っと3分くらいで終わらせるようにしましょう。
なので猫のブラッシングの順番を事前に把握しておくと効率よく行えます。
のど元→首→胸→お顔周辺→背中→お腹→足→しっぽ
頭→背中→お腹→しっぽ→のど元→胸→前脚→お顔周辺→後ろ脚
猫の場合は大人しくブラッシングさせてくれると思いきや、途中でいなくなってしまったり、嫌がってしまうこともありますよね。
なので短毛種なら猫自身で毛づくろいしにくいところから、長毛種の場合は毛玉になりやすいところからブラッシングしていくのがポイント。
順番も違いますが、猫の被毛によってブラシも使い分けがあるんですよ。
どんなタイプのブラシがあり、それぞれにどんな特徴があるのか見ていきましょう。
ブラシの種類
ブラシってたくさんあってなにを買えば良いのかわからないですよね。
まずはこちらの表をご覧ください。
ブラシタイプ | おすすめ被毛タイプ | ポイント・注意点 |
コーム | 長毛種・短毛種 | 毛並みを整えるのに使用。仕上げにもピッタリ。先端が丸みを帯びている物を選択。 |
スリッカーブラシ | 長毛種 | 毛玉や毛のもつれをほどく。先端がとがっている物は皮膚が傷つかないように注意。 |
アンダーコート用ブラシ | 長毛種・短毛種 | 換毛期などの抜け毛を事前にキャッチ。やり過ぎ注意。生後9ヶ月以上であること、ダブルコートであることを確認してからの使用。 |
獣毛ブラシ | 長毛種・短毛種 | 毛をツヤツヤ・フワフワにする。 |
ラバーブラシ | 長毛種・短毛種 | 抜け毛もキャッチできて、猫の皮膚への負担も少なく安全に使える。 |
手袋型ブラシ | 長毛種・短毛種 | 撫でながら抜け毛もキャッチ出来る。初心者の方やブラッシング嫌いの猫にも使いやすい。 |
それぞれの特徴がわかりましたでしょうか。
次にもっと詳しく知りたいという方に向けて、こちらで説明していこうと思います。
コーム
出展:Amazon
こちらのタイプ、人が使うクシによく似ていますよね。
目の粗さが同一のタイプと目が粗いものと細かいものにわかれているものや、持ち手がついているタイプなどがあります。
毛のもつれや毛玉をほぐしたり、ブラッシングの仕上げとして毛並みを整えるのにも最適です。
さらにコームの種類によって、ノミを取り除くことも出来るんです。
長毛種の場合は毛玉や毛のもつれが出来やすいので、目の粗さが分かれているタイプの方が使いやすくておすすめ。
皮膚が傷つかないように、先端が丸みを帯びた物にすると安全です。
猫は毛の長さによって、長毛種と短毛種に分かれています。
こちらで猫の長毛種・短毛種について詳しく説明させていただいているので、ぜひご覧ください。
スリッカーブラシ
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長毛種の猫は毛が絡みやすく、ちょっとブラッシングをサボってしまうといつの間にか毛玉が出来てたりするんですよね。
先ほどお話しした、毛のもつれや毛玉には、こちらのスリッカーブラシがおすすめ。
スリッカーブラシは先端が細い金属で出来たピンがたくさんついています。
毛が絡んで毛玉になった部分を少し持ち上げながら先端からちょっとずつブラッシングすると行いやすいですよ。
ただし、この金属のピン、人の腕とかに軽く当てるだけでもちょっと痛いなと感じるので、強く当ててしまうと猫の皮膚を傷つけてしまうことに。
ちなみに人の赤ちゃんの皮膚の厚さは大人の1/2と言われているので、猫の皮膚ってとってもデリケートなのがわかりますよね。
優しくブラッシングすることを心がけてあげましょう。
アンダーコート用ブラシ
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猫の表面に見えている毛をトップコート(ガードヘアとも言います)、その内側に生えているふわふわした毛をアンダーコート(ダウンヘアとも言います)といいます。
ダブルコートの猫には『換毛期』といって、年に2回、3月と11月ごろに毛が生え替わる時期があります。
ダブルコートとは、トップコートとアンダーコート二種類の毛が生えていること。
トップコートしか生えていない場合はシングルコートと言います。
換毛期の猫はいつも以上にごっそり毛が抜けるんです。
量の多さから猫の毛が全部入れ替わっているように見えるんですが、実はアンダーコートという毛だけが生え替わっているんです。
トップコートが毛穴から1本生えているのに対して、アンダーコートは5~20本も生えているんです。
これが生え替わるんですからすごい抜け毛なのは想像出来ますね。
抜け毛が多いと言うことは、毛づくろい時に猫の口に入る毛の量も増えてしまうと言うことになり、毛球症になるリスクも高くなります。
この時期は抜け毛を事前に除去できるこちらのタイプを使って、しっかりブラッシングをしてあげましょう。
ただし、やり過ぎには注意ですよ。毛の量や状態をよく見て行うようにしましょう。
猫の換毛期は抜け毛問題がひどいですよね。外出したら服に毛がついていたとか。そんなときに役立つ情報をこちらで紹介していますのでご覧ください。
獣毛ブラシ
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こちらは名前の通り、獣の毛でできています。
獣って言われるとすごい野性味溢れている感じがしますよね。
実は使われているのは、イノシシやブタの毛なんです。
こちらに使われる動物の毛には適度な水分と油分が含まれています。
ブラッシングすることで、毛並みがツヤツヤのフワフワになりますし、ブラッシング後に起こりがちな静電気も防ぐことができるて一石二鳥。
毛玉をとる、毛のもつれをほぐすという効果はあまり期待できませんが、他の毛玉をほぐすブラシとの併用や日々のブラッシングにはおすすめなタイプ。
ラバーブラシ
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こちらはラバーブラシといって、ゴムやシリコンでできているタイプです。
ブラシが苦手という猫も抵抗なく受け入れてくれるので、試す価値ありのブラシですよ。
ラバー素材なので、猫の皮膚を傷つけてしまう心配もないため、マッサージ効果も期待できちゃいます。
抜け毛はしっかりキャッチできますが、毛玉をほぐすという面ではやや期待薄。
手袋型ブラシ
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ブラシを見ただけで逃げ出しちゃう、そんな子にもおすすめなのが、こちらの手袋タイプです。
猫とのくつろぎタイムに撫でてあげながら抜け毛までキャッチしてくれる優れものです。
猫のブラシおすすめ12選
ブラシには様々なタイプがあることがわかりましたね。
では次にどんな商品があるのか気になりますよね。
今回わたしは猫友たちに実際に使ったことのあるブラシについて、感想を聞いてみることにしたんです。
コームタイプ:毛並みを整えたい方へ
岡野製作所 高級両目金櫛 小
(2024/11/21 04:26:26時点 楽天市場調べ-詳細)
サイズ | 15cm |
重さ | - |
被毛タイプ | 長毛種・短毛種 |
値段 | 1000円~1300円 |
素材 | ブラススチール 針:カーボンスチール |
まさに原点といった形ですよね。でもこれが重宝するんです。
ペティオ のみ取りコーム 柄つき
サイズ | W1.7×D7.6×H20cm |
重さ | 25g |
被毛タイプ | 長毛種・短毛種 |
値段 | 700円~900円 |
素材 | 本体:ABS樹脂 ピン:ステンレス |
ノミを取る用のコームになります。
お散歩の行くのが好きな猫ちゃんや野良猫ちゃんなど、もしかゆそうにしている時にはぜひノミ取りコームを試してみてください。
いざノミを取ったはいいけど、跳んでいなくなっちゃったとならないように準備が必要です。
- あらかじめ洗面器等に中性洗剤をとかしたお湯を準備。
- ノミ取りコームでノミを取ったら、手で取ったりせず、クシごとそのお湯に浸ける。
スリッカーブラシ:絡んでしまった毛をほどきたい方へ
petacc ペット用ブラシ
サイズ | W8.5×H17.5cm |
重さ | 96.5g |
被毛タイプ | 長毛種・短毛種 |
値段 | 1700円程 |
素材 | ブラシ:ステンレス 柄:合成ゴム |
スリッカーブラシは金属のピンが鋭い物もあるので、こちらのピンの先端が丸くなっているのは猫の皮膚を守りながらブラシをかけることが出来てとっても安心です。
さらに取れた毛がワンタッチで捨てられる構造。
毛が舞い散らなくて重宝しますよ。
アンダーコート用ブラシ:抜け毛を事前に除去したい方へ
ファーミネーター 小型猫 短毛種用 Sサイズ
サイズ | W5.5×D6.5×H15.5cm 刃幅:4.6cm |
重さ | - |
被毛タイプ | 短毛種~毛の長さが5cmまで |
値段 | 5000円~7000円 |
素材 | 刃:ステンレス・柄:ポリプロピレン、合成ゴム |
アンダーコート用ブラシとして聞いたことのある方もいると思います。
こちらは載せたのは短毛種用ですが、長毛種用も販売していますので、猫の毛の長さによって選ぶことが出来ます。
Pecuto(ペキュート) カーブブラシ Sサイズ
サイズ | W9.3×D4.8×H16.8cm、刃幅7.6cm |
重さ | 約145g |
被毛タイプ | アンダーコートのある長毛種・短毛種 |
値段 | 1700円~2000円 |
素材 | 刃:ステンレス 柄:ポリプロピレン、合成ゴム |
先ほどのファーミネーターと違ってこちらは刃がカーブしています。このカーブのおかげで猫のからだにフィット。とってもブラッシングしやすい形になっています。
被毛が生えそろう生後9ヶ月頃まではアンダーコート用のブラシは使用しないようにしましょう。
また、やり過ぎると毛が薄くなることもあるので、10日に1回程度の使用にしておきましょう。
獣毛ブラシ:毛をフワフワ、ツヤツヤにしたい方へ
REDECKER(レデッカー)高級キャットブラシ
(2024/11/21 16:32:57時点 楽天市場調べ-詳細)
サイズ | 全長18.5cm ブラシ毛:2cm |
重さ | 70g |
被毛のタイプ | 長毛種・短毛種 |
値段 | 1700円~2300円 |
素材 | 豚毛、天然木 |
天然のブナの木が使われています。柄もついているので持ちやすいし、ふわふわの毛になりますよ。
岡本製作所 高級豚毛ブラシ
サイズ | W8×D14×H9cm |
重さ | 100g |
被毛のタイプ | 長毛種・短毛種 |
値段 | 1300円~1800円 |
素材 | 豚毛、天然木 |
コームでご紹介した岡野製作所から出ている高級豚毛ブラシです。こちらも天然木と豚毛を使用していますよ。
ラバーブラシ:猫の皮膚に負担をかけたくない方へ
ペティオ プレシャンテ 猫用ラバーブラシ
サイズ | W3.3×D7×H10.7cm |
重さ | 51g |
被毛タイプ | 長毛種・短毛種 |
値段 | 700円~900円 |
素材 | エラストマー樹脂 |
猫へのからだの負担を考えるとラバーブラシって魅力ですよね。こちらのタイプはお値段が手頃なので試しやすさもおすすめです。
猫の毛は舞ってしまうことが多々あります。ベランダ等で行うと、ご近所さんにご迷惑になることも。
お風呂場で行うのがおすすめですよ。
ラバーブラシの場合、ブラシを濡らして行うとより毛が取りやすくなります。
BEBON(ビーボン)ラバースリッカーブラシ
サイズ | W7.5×D3×H13 |
重さ | 40g |
被毛のタイプ | 長毛種・短毛種 |
値段 | 1200円~1900円 |
素材 | グリップ:ポリプロピレン ブラシ:シリコンゴム |
柄がついたタイプのラバーブラシで持ちやすいし、使いやすいです。さらに40gと軽いので使う側の負担も少なくていいですよ。
グローブ型ブラシ:ブラッシング嫌いな猫を飼う方へ
Delamu
サイズ | W24×H18cm |
重さ | - |
被毛のタイプ | 長毛種・短毛種 |
値段 | 1099円~1599円 |
素材 | ブラシ:シリコン グローブ部分:ポリエステル、メッシュ素材 |
これはブラシ初心者でも取り入れやすいタイプです。
価格もお手頃なので、今までブラッシングが出来なかった、これからデビューするという方にもおすすめ。
番外編
ねこじゃすり
サイズ | W3.6×D21×H1cm |
重さ | 90g |
被毛のタイプ | 長毛種・短毛種 |
値段 | 3600円~4000円 |
素材 | プラスチック |
猫の舌はザラザラした構造になっているんですが、それを再現したという斬新なブラシです。猫とのスキンシップにおすすめ。
ディアトリベー ピロコーム
サイズ | W7×D10×H10cm |
重さ | 50g |
被毛のタイプ | 長毛種・短毛種 |
値段 | 1900円~2500円 |
素材 | クシ歯:特殊プラスチック |
いまだになんでかなとも思っていますが、こちらはホタテ貝をモチーフにしているんです。が、すごく毛が取れるので、我が家でも重宝ですよ。段々このホタテ貝も愛らしく見えてくるんです(笑)
まとめ
猫の抜け毛対策やスキンシップに欠かせないブラッシング。
いざブラシを買おうとホームセンターやペットショップに行ったのに何を買えば良いのかわからなかったという方。
1つのブラシだけを試して、うちの猫はブラッシングが嫌いだと諦めている方。
そんな方々へ、ブラシのタイプもたくさんあってそれぞれに特徴があること、その中でも実際に使ったことがあるブラシについて、情報をまとめました。
ブラシタイプ | おすすめ被毛タイプ | ポイント・注意点 |
コーム | 長毛種・短毛種 | 毛並みを整えるのに使用。仕上げにもピッタリ。先端が丸みを帯びている物を選択。 |
スリッカーブラシ | 長毛種 | 毛玉や毛のもつれをほどく。先端がとがっている物は皮膚が傷つかないように注意。 |
アンダーコート用ブラシ | 長毛種・短毛種 | 換毛期などの抜け毛を事前にキャッチ。やり過ぎ注意。生後9ヶ月以上であること、ダブルコートであることを確認してからの使用。 |
獣毛ブラシ | 長毛種・短毛種 | 毛をツヤツヤ・フワフワにする。 |
ラバーブラシ | 長毛種・短毛種 | 抜け毛もキャッチできて、猫の皮膚への負担も少なく安全に使える。 |
手袋型ブラシ | 長毛種・短毛種 | 撫でながら抜け毛もキャッチ出来る。初心者・ブラッシング嫌いの猫にも使える。 |
それぞれのブラシの特徴を知り、組み合わせて使うことで、よりブラッシングはしやすくなりますよ。
ブラッシングは猫とのスキンシップの時間でもあるので、お互いにとって苦痛の時間で終わらせずに、楽しい時間となるように参考になれば嬉しいです。